自殺

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自殺(じさつ、: suicide)とは、自分で自身のを断つこと[1]自害自死自決自尽自裁などともいい、状況や用途で表現を使い分ける場合がある。

概要[編集]

世界の自殺率の分布

自殺をどのような概念としてとらえるか、またその法律上の扱かわれ方は、時代・地域・宗教・生活習慣などによって異なっている[2]。 欧米などキリスト教圏では伝統的に自殺は罪と見なされ、忌避されてきた。→#宗教と自殺[注 1]

現代世界における自殺を統計的に分析すると、たとえば2000年の統計を見ると世界で100万人が自殺している。各国で、自殺は死因の10位以内に入り、特に15 - 35歳の年代では3位以内になっている[3]

自殺が、自殺者の家族や社会に対して及ぼす心理的影響・社会的影響は計り知れないものがある[3]。自殺が1件生じると、少なくとも平均6人の人が深刻な影響を受ける[3]。学校や職場で自殺が起きる場合は少なくとも数百人の人々に影響を及ぼす[3]。自殺は様々な要因が複雑に関与して生じる、とWHOは分析している[3]。ただし世界保健機関(WHO)は調査の結果、2003年に「自殺は、そのほとんどが防ぐことのできる社会的な問題である」と明言し、適切な防止策を打てば自殺が防止できるとした[3]

語義[編集]

英語

自殺を意味する英語でのスーサイド(suicide)という言葉自体の歴史は比較的浅く、『オックスフォード英語辞典』によると1651年、ウォーター・チャールトンの「自殺によって逃れることのできない災難から自己を救うことはではない」という文が初出とされる。この用語の語源は現代(近代)ラテン語の「suicida」であり、「sui(自分自身を)」+、「caedere(殺す)」という表現である[4]。 他にも1662年1635年という説もあり、いずれにしても17世紀からの使用が定説とされる。それ以前には自己を殺す、死を手にする、自分自身を自由にする、などの表現があったが、一言でまとまってはいない。米国自殺学会のエドウィン・S・シュナイドマン(en:Edwin Shneidman)は「来世という思想を捨て去ることができたとき、その時初めて、人間にとって"自殺"が可能になった」と述べて、観念の変化が反映していると指摘した[5]。来世や魂の不死といったことを信じたとき、死は単なる終わりではなく別の形で「生き続ける」という存在の形態を移したものに過ぎなくなるからである。この概念の登場したのには死生観の変化がある。

このように自殺の問題は「」をどう捉えるかということと不可分の関係にあり、文化や時代によってさまざまな様相を呈する。

仏教での「自殺」

仏教では自殺を「じせつ」と読む。死は永遠ではなく輪廻転生によりとは隔て難いと、死生観を説いた。殺生十悪の一つに数え、波羅夷罪(はらいざい)を犯すものであるとして、五戒の1つであるため、自殺もそれに抵触するとして禁じられているが、真言宗豊山派寺院石手寺は「自殺者が成仏しないという考えは仏教にはない」という見解を示している[6]。病気などで死期が近い人が、病に苦しみ自らの存在が僧団の他の比丘僧侶)に大きな迷惑をかけると自覚して、その結果、自発的に断食などにより死へ向う行為は自殺ではないとされる[7]。また菩薩などが他者のために自らの身体を捨てる行為は捨身(しゃしん)といい、これは最高の布施であった。また、焼身往生補陀落渡海密教系仏教の入定即身仏)や行人塚のように人々の幸福のために自ら命を絶った例があった。

類型[編集]

群発自殺、集団自殺、連鎖自殺

その他、複数人の自殺が、近接した時間・場所において実行される群発自殺があり、これはメディア報道がきっかけとなって起こることが多い。群発自殺には、複数の自殺志願者が、お互いに合意の上で同時に自殺する集団自殺がある。インターネット上の自殺サイトを媒介として実行されたことがあった。戦争での集団自決とは異なる。

有名人の自殺の後追い自殺などを連鎖自殺、模倣自殺ともいい、その他一般人の凄惨な自殺を報じるニュースが、模倣者を発生させる現象のことも含めてウェルテル効果ともいう。オーストリアなどでは報道の仕方を変える事で群発自殺を減らす事ができることが実証されている。

その他の類型として、利他的あるいは偽利他的な動機から相手の同意なく他人を自殺行為に巻き込む拡大自殺(Extended Suicide)、自身で直接自殺するのではなく、犯罪を犯して死刑になる事で司法の手を借りて自殺しようとする間接自殺などがある。警官を挑発して事件現場で殺害されようと企む(俗に言う"suicide by cop")場合もある。

宗教的な自殺

自殺は社会的な制度として行われる事もある。宗教的な理由から生け贄として自害するなどである。また一部のカルト宗教において、ある種の死によって魂が救われる、と教祖的立場の人間が説く場合に発生することがある(カルトの集団自殺)。自爆テロなどの事例があり、こうした死が殉教と見なされる場合もある[8]

他の行為との類似と区別

自殺に関連、また類似したものとして以下のものがある。

安楽死・尊厳死

末期のがんや病気などで多大な苦痛を伴い死が目前と差し迫っている患者は、アメリカオランダスイスなどの国々では薬物投与などにより苦痛を伴わずに死を選択することができる安楽死が法律で認められている。

尊厳死は無用な延命治療を拒み、患者の尊厳が損なわれるのを避けるという理念であり、1994年日本学術会議は、尊厳死容認のために、

  1. 医学的にみて、患者が回復不能の状態に陥っていること。
  2. 意思能力のある状態で、患者が尊厳死の希望を明らかにしているか、患者の意思を確認できない場合、近親者など信頼しうる人の証言に基づくこと。
  3. 延命医療中止は、担当医が行うこと。

以上の3つを条件として挙げている。

なお、米国では病院内での重大な医療事故の最多のものは自殺であるという[9]。日本での日本医療機能評価機構による調査では、調査の3年間に29%の一般病院(精神科病床なし)で自殺が起こっている。その自殺者の入院理由となる疾患は、35%が悪性腫瘍(ガン)である。

自傷行為

自傷行為はしばしば自殺未遂とされることが多いが、実際には自殺目的ではなく切ること自体の感覚を目的とする場合が少なからずある。しかし、自傷者の多くには実際に自殺願望があるうえ、自傷による事故死と自殺は非常に見分けづらいので、現実には自傷による事故死も自殺に含めてしまうことが多いと思われる。他にも、自分の健康を無視したような行動を行う人もいるが、やはり意図していないのでそれ自体は別のものである。[要出典]自傷段階の場合、現世への希望をまだ諦めきっていないため、なんらか事態の改善につながる助けを求めている傾向があるとされるが、自殺ではコミュニケーションを求める行為はほとんど見られず、またそのような心の余裕もないことが多い[10]

以下、Walsh(2005)による自傷行為と自殺未遂の判定表を挙げる。ただし、双方は死への意図のあるなしではなく強弱の同一線上にある例も多いため、一種の指標として柔軟に用いるのが望ましい。

自傷行為と自殺企図との区別の例
番号 項目 自傷行為 自殺企図
1 行為そのもので期待されるもの どうにもならない感情の救済(緊張、怒り、空虚感、生気のなさ)。 痛みから逃れること。意識を永久に終わらせること。
2 身体的ダメージレベル、および潜在的に行為が死に至る確率 身体的にはあまり強くないことが多い。致死率はあまり高くない方法を好む。 深刻な身体ダメージを及ぼすことが多い。致死率が非常に高い方法を好む。
3 慢性的、反復的であるかどうか 非常に反復的である。 反復的なことは少ない。
4 今までにどの程度の種類の行為を行ってきたか 2つ以上の種類の方法を繰り返し行う。 主に1つの方法を選ぶことが多い。
5 心理的な痛みの種類 不快感、居心地の悪さが間欠的に襲ってくる。 耐えられない感情が永続的に続く。
6 決意の強さ もともと自殺するつもりは強くないのでそれほど強くはない。他の選択肢を考えることもできる。一時的な解決を図ろうとして行ってしまうことが多い。 決意が並外れて強い。自殺することが唯一の救いとしか思えない。視野が狭い。
7 絶望、無力な感じがどの程度あるか 前向きに考えられる瞬間と、自分をコントロールする感覚を少しは保っている。 絶望、無力感が中心で、一瞬であってもその感情を外すことができない。
8 実行することで不快な感情は減少したか 短期的には回復する。間違った考え方も感情も行為そのものによっておさまる。「意識の変化」を起こす。 まったく回復しない。むしろ自殺がうまくいかなかったことによってさらに救いがもてなくなる。即時の治療介入が必要。
9 中心となる問題は何であるか 疎外感。特に社会の中での自らのボディ・イメージ(アイデンティティにもつながる)が築けていないこと。 うつ。逃れられない、耐えられない痛みに対する激しい怒り。

いずれの場合でも状況を一見しただけで安易に自殺であると断定するのは拙速であることがあり、特に有名人の自殺に関しては多くこの問題が取り上げられる。

事故・他殺と自殺

警察の捜査で自殺と断定された事件が事故または殺人事件ではないかと疑われる例は以前から存在している。反対に、自殺であるにもかかわらず、遺族が故人の自殺を恥じるなどの理由によって事故とされている場合も存在するのではないか、とも言われている。

日本では、徳島自衛官変死事件のように遺族とのトラブルや訴訟となった例もある。また、日本で起きた生坂ダム殺人事件は、警察により自殺として処理されたが、発生から20年後に犯人が名乗り出たため、殺人事件であることが判明している。

なお、警察庁統計では、解剖による鑑定後、自殺と判定された案件において、実際に遺書が残されている件は、半数以下である。また、遺書の真贋を本人に確認することができないため、偽造や執筆の強要の場合でも確認が難しい[11]

未遂

死に至らなかった場合は「自殺未遂」(じさつみすい)という。

自殺の歴史[編集]

古代[編集]

自殺の歴史は古く、紀元前の壁画などにもその絵や記述が残されている。古代ギリシャの詩人サッポーは入水により自殺したという説がある。

賜死

重大な犯罪を起こして死刑を免れない状況に陥った貴人が、公衆の前で処刑されるという屈辱を免じてその名誉を重んじさせる意味で、自殺を強要されることがあった。律令制国家における皇族や高位者が死刑判決を受けた場合に、自宅での自殺をもって代替にするのを許したことや、戦国時代から江戸時代初期にかけての日本における武士階級に対する切腹処分などがこれにあたる。賜死の形態を取ることも多く、洋の東西を問わず見られる現象であり、ルキウス・アンナエウス・セネカなどが知られる。諸説あるが、荀彧も主君曹操に死を強要されたとの説がある。

キリスト教[編集]

キリスト教においては基本的に、自殺は重大な罪だとされるが、キリスト教で自殺に対する否定的道徳評価が始まったのは、4世紀の聖アウグスティヌスの時代とされる。当時は殉教者が多数にのぼり、信者の死を止めるために何らかの手を打たねばならなくなっていた。また10人に1人死ぬ者を定めるという「デシメーション」と呼ばれる習慣のあったことをアウグスティヌスは問題にした。アウグスティヌスは『神の国』第1巻第16-28章において、自殺を肯定しない見解、自殺をと見なす見解を示した。神に身を捧げた女性が捕虜となって囚われの間に恥辱を被ったとしても、この恥辱を理由に自殺してはいけない、とした。またキリスト教徒には自殺の権利は認められていない、と述べた。「自らの命を奪う自殺者というのは、一人の人間を殺したことになる」とし、また旧約聖書のモーゼの十戒に「汝、殺すなかれ」と書かれている、と指摘し[12]、自殺という行為は結局、神に背く罪だ、とした。アウグスティヌスは「真に気高い心はあらゆる苦しみに耐えるものである。苦しみからの逃避は弱さを認めること」「自殺者は極悪人として死ぬ。なぜなら自殺者は、誘惑の恐怖ばかりか、罪の赦しの可能性からも逃げてしまうからだ」と理由を述べた。

693年には第十六回トレド会議英語版において自殺者を破門するという宣言がなされ、のちに聖トマス・アクィナスが自殺を生と死を司る神の権限を侵す罪であると述べるに至って、すでに広まっていた罪の観念はほぼ動かし難いものになり[13]、自殺者の遺族が処罰されていた時代[14][15]や、自殺者は教会の墓地に埋葬することも許されなかった時代もある。

ダンテ叙事詩神曲』においては、自殺は「自己に対する暴力」とされており、地獄篇の第13歌には醜悪な樹木と化した自殺者が怪鳥ハルピュイアに葉を啄ばまれ苦しむという記述がある。

ドイツの哲学者ショーペンハウエルは『自殺について』のなかで、キリスト教の聖書の中に自殺を禁止している文言はなく、原理主義的に言えば、自殺を禁じているわけではないため、「不当に貶められた自殺者の名誉を回復するべきだ」とした。

日本における歴史[編集]

日本で最も古い自殺に関する伝承は、『古事記』のヤマトタケルの妃弟橘比売命(オトタチバナヒメノミコト)の伝承である。

中世には、弘安7年(1284年)あるいは延慶2年(1309年)、文保元年(1317年)が没年とされる足利尊氏の祖父足利家時八幡大菩薩に三代後の子孫に天下を取らせよと祈願した置文を残して自害したという伝説が残るが(『難太平記』)、自害した事実を含め定かではない。戦国期には天文22年(1553年)に織田信長の傳役平手政秀が死をもって信長の行動をいさめたとされる事例などもある。

足利義輝など最後は戦闘の末、敵兵に討ち取られた人物が、義輝と付き合いのあった山科言継の日記「言継卿記」には、その最後が自殺となっているなど、改変されて記録されている者もいる。これも雑兵に討ち取られるよりは、自害の方が名誉ある死と考えられていたためである。これらは現在でも国語の教科書に掲載され、日本の武家文化の一つとして継承されている。

キリシタン

カトリック洗礼を受けていた細川ガラシャは、武士の妻としては自害すべきだったが、キリスト教徒としては自殺できず、家臣に胸を槍で突かせた。なお日本におけるキリシタンに対する迫害が強まった時代において、キリシタンに対して棄教するよう強烈な圧力がかけられていた際に、クリストファン・フェレイラのように幕府による拷問に耐えかねて棄教した者もいれば、最後の最後までキリスト教に対する信仰を放棄しないで殉教したキリシタンもいる。日本におけるカトリック教会は、ペトロ岐部など殉教したキリシタン187名を祝福し、2008年には長崎県営野球場において列福式が実施された。

江戸時代

鎌倉以来武士は江戸時代初期までは主君に死罪を自ら行う切腹を命じられても、従容として死につくのではなく、ある程度の抵抗を示した後に主君側に討ち取られる以外に選択肢がなくなってから自害することが「武士の意気地」とされた。ところが、江戸時代中期になると、従容として腹を切ることが「潔い」とされるようになる。これは家門の存続が個人の武名以上に重要な価値を持つようになったなってきたことが大きな要因となっているが、徳川の文治政治の進展と共に連座が緩和されたため、制裁が決まる前に単独で一命をもって責任を取れば、多くの場合において家門もしくは家族の存続は許されたからでもある。なお、女性の場合は切腹ではなく喉を短刀で突くのが武家における自害の作法とされた。

また、江戸時代には大坂や江戸を中心に心中が庶民の間に流行した。これは近松門左衛門の『曾根崎心中』を代表とする「心中もの」の芝居や浄瑠璃が評判を呼んだことによる影響と考えられている。この世を憂き世として忌避し、あの世で結ばれるとして男女が自殺に及んだ。これに対し、幕府は心中禁止令を出すとともに、心中死体や心中未遂者を3日間さらし者にした上で、未遂者は被差別階級に落とすという厳罰を実施している[16]

近代

近代においては明治天皇崩御のおりに殉死した乃木希典静子夫妻が世論の称賛を浴びた。明治以降は日本の自殺率は1936年まで20人前後と緩やかな上昇傾向にあったが、戦争の影響で減少し戦前戦後を通じ最低レベルとなった。国家総動員法(1938年制定)下の時代情勢によるとされ、また詳細な統計を取っていられる状況ではなかったと考えられる。

戦後

その後、戦後の価値観の大きな転換や社会保障が整備されていなかったこともあり、高度成長が本格化するまでのあいだ(1950年代)日本の自殺率は1958年には10万人あたり25.7人と世界一となり、2008年現在に至るまで過去最高の数値を記録している。高度経済成長の時期は減少に転じた。1973年のオイルショックの頃から再び増加したが、1980年代後半からのバブル経済期には減少した。バブル崩壊後の1990年代後半にスウェーデンドイツより低かった自殺率は急激に上昇した[17]

戦争と自殺[編集]

中国

中国では、紀元前1100年ごろ王朝最後のである帝辛(紂王)が武王に敗れ、焼身自殺したと伝えられている。古代中国の軍人においては「自刎(ミズカラクビハネル)」と称される、剣をもって頸動脈を切断する自殺手法があり、伍子胥項羽白起など名だたる軍人が用いており、現代でも中国人の自殺にもちいられることがある[18]

エジプト

エジプトプトレマイオス朝最後の女王であるクレオパトラ7世アクティウムの海戦に敗北した際に、オクタウィアヌスに屈することを拒み、コブラに自分の体を噛ませて自殺したと伝えられている。

インドネシア

インドネシアではププタンとよばれる集団自決の風習があり、19世紀にオランダバリ島に侵攻した際に、いくつかの王国で実施された。

日本

平安鎌倉戦国時代に至るまで、日本の武士には敵に討ち取られるよりは自害することをよしとする風潮があった。『平家物語』の登場人物には自殺で終わる者が多い。これらには、自らが討ち取られその武名が誰かによって落とされること、ことに格下の兵に功名の手柄とされることをとしたからである。江戸時代中期の武士道の著書『葉隠』では「武士道と云ふは死ぬ事と見つけたり」という一文がある。

第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけて軍国化した日本では、「生きて虜囚の辱めを受けず」の一文で有名な戦陣訓に象徴される、軍人捕虜になることより潔い自決を名誉と考えられた。そのため、太平洋戦争では、前線の指揮官が無断撤退の責任を取るために自決を強いられることもあった。自決であれば、軍人軍属の場合は戦死扱いになり、不名誉でないとされた。名誉の自決をした軍人は新聞報道やラジオ放送、ニュース映画大本営発表を通し市民の目や耳に入り、立派な最期を遂げた尊敬すべき偉人とされ賞賛された。また、海軍を問わず日本軍の航空部隊は、操縦者や機体が被弾し、帰還が不可能となった場合は「敵機・敵施設・敵地上軍・敵艦に突入し自爆」「背面宙返りで地上や海上に自爆」が常態であった[注 2]しかし、これらは敵地上空などのやむを得ない場合であり、内地での日本本土防空戦時はもちろん、外地でも自軍占領地に近い場所での墜落時は、何とか帰還するようにと推奨されていた。未帰還時には僚機の報告を元に捜索隊が派遣されたり、操縦者が原住民とコンタクトを取り、飛行場まで案内を頼むことは珍しいことではなかった。[要出典]日本の戦線が後退する1943年以降は、撤退できないで孤立した部隊が自らの戦いを終わらせるため、しばしば「バンザイ突撃」と米兵が名付けたような決死的な肉弾攻撃を実行した。神風特別攻撃隊や対戦車肉弾攻撃のように作戦そのものが未帰還や自爆を前提としていたものもあり、これらを米軍は「自殺攻撃(Suicide Attack)」と名付けた。また、激戦地となった沖縄県や、満洲などの外地では、軍人のみならず多くの市民が集団自決に追い込まれた。

敗戦時や大戦最末期には、軍の上層部の人間から、この責任を取るため自決を選んだ人間が多く出た。「一死以テ大罪ヲ謝シ奉ル」との遺書を残し介錯なしで割腹自決した陸軍大臣阿南惟幾陸軍大将や、「沖縄県民斯ク戦ヘリ 県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」と打電し拳銃自決した大田実海軍中将らが後世に名を残す一方、本来なら責任(自決)を取るべきところ、自決せずに自分だけ生きながらえた花谷正牟田口廉也福留繁などが部下や世間からの批判にさらされた。東條英機は自決に失敗し、また安達二十三陸軍中将や今村均陸軍大将は戦後戦犯収容所服役中に自決、自決未遂した。開戦時の海軍大臣だった嶋田繁太郎は「ポツダム宣言を忠実に履行せよとの聖旨に沿う為」という理由で自決を見合わせた。

フランスのモーリス・パンゲは、日本の武士道などにみられる自死を名誉とする考えについて『自死の日本史』(筑摩書房)において論じた。評論家西部邁はこのパンゲの本について、「生きることには、何かしら裏切り堕落、汚辱とかそういう本来拒否すべきものが濃厚に伴う。それが限界までくると、にもにも頼らずに、自分の命を抹殺してしまうことで、汚いと自分の思っていることをしないですむ」「形而上学、この場合は宗教に頼らずに自分の生に伴う虚無感価値あるものは何もありはしないという虚無感を吹き払うために、死んでみせることを選び、選んだことを一つの文化に仕立てたのは、世界広しといえども、世界史長しといえども、日本人だけである。そういう日本礼賛なのである」と説明した[19]

宗教と自殺[編集]

ユダヤ教キリスト教イスラームなどのアブラハムの宗教は、自殺は宗教的に禁止されている。欧米やイスラーム諸国では自殺は犯罪と考えられ、自殺者には葬式が行われないなどの社会的な制約が課せられていた。

  • キリスト教においては伝統的に、自殺は基本的にと受け取られており、現在でもそうした見方が基本にある。
  • イスラームでは、自殺した者は地獄へ行くとされている。クルアーン『婦人章』第29・30節では「あなたがた自身を、殺し(たり害し)てはならない」と明確な禁止の啓示が下されており、さらに「もし敵意や悪意でこれをする者あれば、やがてわれは、かれらを業火に投げ込むであろう」と続けて、自殺が地獄へと通じる道であることを示している。現代のイスラム原理主義者による自爆テロについて多数派のイスラムの教義解釈では、敵の戦闘員に対しての自爆はジハードとして天国に行けるが、民間人に対しての自爆テロは自殺として永遠の滅びの刑罰が与えられるとされている。

バリ島ではププタンという集団自決の風習があり、オランダの侵攻に抗議して実施された。マヤ文明では、一般にをつかさどるア・プチ」のほかに絞首台の女神イシュタム」がいて、自殺者のを死後の楽園へ導くとされた。

文学・芸術における自殺[編集]

自殺は、文学における重要なテーマの一つであり、主人公の自殺に至る心理など、物語の終焉や筋の展開のなかで描かれることが少なくない。

ドイツの作家ゲーテの小説『若きウェルテルの悩み』が、自殺を主題とした作品として特に有名である。恋人との失恋絶望し自殺した主人公を描き、その影響で模倣自殺する人が相次いだため、発禁処分に処するところも出た事例がある。このような模倣自殺の現象をウェルテル効果という。

日本文学では、夏目漱石の『こゝろ』、井上靖『しろばんば』、渡辺淳一失楽園』などで自殺が描かれた。

自殺した作家

また、動機は様々であるが、多くの著名な作家文学者が自殺を決行している。海外で有名なのはフセーヴォロド・ガルシンジャック・ロンドンヴァージニア・ウルフシュテファン・ツヴァイクアーネスト・ヘミングウェイリチャード・ブローティガン老舎など。

日本では北村透谷川上眉山有島武郎芥川龍之介金子みすゞ牧野信一太宰治田中英光木村荘太原民喜久坂葉子火野葦平三島由紀夫川端康成田宮虎彦佐藤泰志江藤淳鷺沢萠野沢尚片山飛佑馬見沢知廉などがいる。

自殺の研究[編集]

自殺に関する文献は古来より数多く認められるが、19世紀中葉より西欧で当時増大をみせていた自殺に対して統計学的手法が適用された。

1879年イタリアモルセッリ著『自殺』では

  1. ゲルマン型(変種としてドイツ人、スカンディナヴィア人、アングロサクソン人、フラマン人を含む)
  2. ケルト-ローマ型(ベルギー人、フランス人、イタリア人、スペイン人)
  3. スラヴ型
  4. ウラル-アルタイ型(ハンガリー人、フィンランド人、ロシアの若干の地方)

といった人種的類型が設定され、性別や年齢、職業、信仰、居住特性、経済状況等の要因が自殺に影響していることが認められている。とはいえ、自殺を身体的、精神的病理の現れとする見方が支配的であった。

これに対してエミール・デュルケームは、1897年の『自殺論』において、モルセッリやワーグナーの研究成果を参照しながらも、精神病理や人種・遺伝、気候、模倣によっては自殺の現象が完全には説明できないことを統計的に明らかにし、「それぞれの社会は、ある一定数の自殺をひきおこす傾向をそなえている」として、社会ないし集団の条件と結びついて生じる自殺傾向を社会学の研究対象として位置づけた。つまり、一定範囲内の自殺の発生は「正常な」社会現象だというのである。デュルケームは、近代社会における(社会的紐帯の弱化による)「自己本位的自殺」、(欲望の際限なき拡大がもたらす苦痛による)「アノミー的自殺」の2タイプを定式化するとともに、伝統的社会における「集団本位的自殺」、極限状況における「宿命的自殺」を析出し、計4類型を設定した。

フロイトは長らく人間の心理の底にある生命衝動としては「生の欲動(リビドーまたはエロス)」によって快を受け苦痛を避ける快感原則で説明しようとしたが、晩年近くになりPTSDで苦痛なはずの体験を反復強迫している症例などから、それでは説明できない破壊衝動を見出し、後にそれを「死の欲動(デストルドーまたはタナトス)」と名付け、生を「生の欲動」と「死の欲動」との闘争、さらには愛憎混じった感情の転移であるなどの思索をした。これらの考えに批判も多いが、自殺者の心理剖検に対し一定の貢献があったと臨床の現場では受け止められることもある[20]

マスコミ報道と自殺[編集]

センセーショナルな自殺報道がなされた場合に、他者の自殺に影響されて複数の自殺を誘発すること(群発自殺(clustered suicide、Copycat suicide))が統計的に知られており、この事実を実証した社会学者のDavid P. Phillips[21]によりウェルテル効果と名づけられている[22]

日本では例えば、1986年昭和61年)4月8日アイドル歌手の岡田有希子が18歳で自殺すると30余名の青少年が自殺し[22]、「そのほとんどが、岡田と同様に高所から飛び降りて自殺した」[22]。「この影響はほぼ1年続き、1986年はその前後の年に比べて、青少年の自殺が3割増加」[22]した。

またX JapanHideが自殺した(後に事故死の説も浮上する)月はその周辺の月に比べ、2倍程度自殺率が高い[23][誰によって?]

別個の問題として、2000年頃の日本での練炭騒動や2007年前後の日本での硫化水素騒動のように、報道番組が新たな自殺方法をセンセーショナルに取り上げることで、その自殺方法が喧伝されてしまう場合もある。

自殺報道にはこうした負の影響があるため、世界保健機関は2000年「自殺を予防する自殺事例報道のあり方」において「写真や遺書を公表しないこと」「自殺の詳しい内容や方法を報道しないこと」「自殺に代わる手段(alternative)を強調すること」「ヘルプラインや各地域の支援機関を紹介すること」などを勧告した。2011年、内閣府参与の清水康之は、日本における「自殺報道ガイドライン」の策定を提案した[24]

報道方法を変えることにより、自殺数を減らすことに成功した例として、1984年から1987年にかけてオーストリアウィーンジャーナリストが報道方法を変えたことで、地下鉄での自殺や類似の自殺が80%以上減少し、自殺率を減らす効果があったといわれる[25][22]

フィンランドでは、自殺の報道方法変更を含む諸対策により、自殺率の減少を達成している[26][27]

統計[編集]

世界保健機関(WHO)によると、世界では30秒に1回程度の自殺が起こっており、一日3000人ほどが自殺で死んでいる[28]国立精神・神経医療研究センターによれば、自殺によって毎年全世界で約100万人が死亡しており、世界疾病負担(the Global burden of diseases)の1.4%を占める。そして、自殺によって損なわれる経済的損失も数十億ドル規模にのぼる。

自殺の統計は、疾病及び関連保健問題の国際統計分類[29]に基づいているので国際比較が可能である。疾病及び関連保健問題の国際統計分類における自殺のコードはX60-X84[30][31]である。また、アフリカ東南アジアは、多くの国で統計が入手できていない[32]

WHOの『暴力と健康に関する世界報告』では、2000年における世界全体の暴力死が、自殺が815,000、他殺が520,000、戦争関連死が310,000と見積もられ[33]、「これら160万の暴力関連死の1/2近くが自殺、ほぼ1/3が他殺で約1/5が戦争関連である」と述べられている[34][35]。この結果を、世界全体の暴力死では戦争によるものよりも自殺によるものが多い、と述べた資料もある[36]

性別による差[編集]

100,000人あたりの自殺者数。男性(左)、女性(右)  (1978–2008年のデータ).         no data   < 1   1–5   5–5.8      5.8–8.5   8.5–12   12–19   19–22.5      22.5–26   26–29.5   29.5–33   33–36.5      >36.5  100,000人あたりの自殺者数。男性(左)、女性(右)  (1978–2008年のデータ).         no data   < 1   1–5   5–5.8      5.8–8.5   8.5–12   12–19   19–22.5      22.5–26   26–29.5   29.5–33   33–36.5      >36.5
100,000人あたりの自殺者数。男性(左)、女性(右) (1978–2008年のデータ).
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  1–5
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  29.5–33
  33–36.5
  >36.5

カトリーヌ・ヴィダルらは、失業時や離婚時に男性の方に負荷が集中しやすいことを指摘、失業や離婚をした場合、女性であれば家族や社会の状況に組み込まれて保護されるのに対し、男性は社会的に孤立を余儀なくされることを挙げている[37]

日本でも自殺者の70%以上が男性である[38]。遺書などから自殺原因を調べた場合、20代から60代では「勤務問題」・「経済・生活問題」を挙げる者の数が男女で10倍近くの開きがある[38]。配偶者と離別したもの同士の自殺率の男女比や失業者同士の自殺率の男女比の場合はそれぞれ6.04倍(2000年)、11.4倍(2009年)に跳ね上がる[39][注 3]

他のほとんどの国でも男性の方が自殺しやすい[40]。男女比が特に極端な旧共産圏諸国を除けば、日本における自殺の男女比は平均的なものである[40]

各国の自殺[編集]

アメリカ合衆国[編集]

の所持が広く認められている国では、年齢を問わず銃による自殺が多い。アメリカ合衆国における調査結果[41]では、10代の小火器(拳銃など)による自殺が全体の49%と、ほぼ半数を占めている。銃による自殺が多い理由にはその致死率の高さと手軽さが挙げられる。詳しくは#銃による自殺を参照。

アメリカでは、一部の州で、自殺幇助が合法化されている。このため、終末期ではない病人や、精神障害者が自殺を望む場合、医師は治療する方向ではなく致死薬を処方する場合があるとされる。抗がん剤治療の公的保険給付は認められないが、自殺幇助なら給付を認める事例もあるとされる[42]

アメリカでは、退役した軍人が毎日18人前後、自殺している。特に、イラクアフガニスタンなど戦地に赴いた経験のある元兵士の自殺率は高く、男性の元兵士の自殺率は、アメリカ成人男性の率の2倍、女性の場合は平均の3倍となっている。平均のアメリカには、伝統的に軍での厳しい訓練が自殺を抑制するとの考えがある。しかし、退役軍人省の研究によれば「軍事訓練にはもはや十分な自殺防止効果がないのかもしれない。ただしそれを裏付けるデータはない」としている[43]アメリカ軍では、2005年以来、自殺率が増加している。戦闘経験や戦場への派兵が原因ともされているが、2001年から08年の間に自殺した83人の質問票データを分析した結果では、自殺リスクの増加と、戦闘経験や戦場への派兵回数・累積日数には関連性は無いとされる[44]

カナダ[編集]

カナダは、国家規模での自殺防止政策が存在しない数少ない国の一つである。特に先住民のイヌイットなどの自殺率は非常に高い。イヌイットの自殺率は、2001年の保健省調査によると、10万人あたり135人で、カナダ全体の10万人あたり12人の11倍を超えた。また、イヌイットの自殺で目立つのは若者の自殺であり、自殺者の83%は30歳未満である[45]

中華人民共和国[編集]

中華人民共和国(人口13億人)における自殺者数は、2003年は年間約25万人強[46]、2005年は約29万人(うち女性は約15万人)となっている[47]。特に、15 - 34歳の若年層を中心とした年代では、自殺は死因のトップとなっている[48]。都市と比べ貧しい農村部では自殺率が3倍ほど高くなる、男女別では、女性の方が若干多く(国の自殺率順リストを参照)、日本を含む他のほとんどの国では男性の自殺者の方が多いのと対照的である。自殺の要因については、ドメスティックバイオレンス(女性)[47]、夫の不倫(女性)[48]、「生活や就職」[48]などが挙げられる。

また、チベット問題に揺れるチベット自治区では、漢族によるチベット人への弾圧や虐殺に抗議するため、焼身自殺を行うチベット人が後を絶たない[49]

また、中国広東省広州市は、2008年6月に多発する自殺ショーと呼ばれるパフォーマンスの取り締まり強化を行った。自殺ショーとは、自殺すると見せかけ高層ビルの屋上などで「自殺する」と騒ぎ立て、未払い賃金支払いなどを訴え、見返りとして未払い金の支払いを要求をするというもの。自殺ショーが行われるたびに、警察車両や救急車両が出動し、交通渋滞などの原因にもなっていた。そこで広東省広東市は自殺ショーを迷惑行為と位置づけ、ショーを数回にわたり実施した者に対する罰則を規定した[50]

大韓民国[編集]

韓国でも他のほとんどの国と同様、男性のほうが女性よりも2.5倍程度自殺しやすいものの、男女比は日本よりも若干低く[40]、20代では男性より女性の方が自殺者数が多いとの報告がある[51]。日本と同様に近年自殺者数が急増しており、ここ数年は日本よりもはるかに高率となっている。なお、2009年以降はOECD諸国最高値となっている[52]。韓国の場合、高齢者に自殺が偏っており、60歳以上の自殺率は、2009年は10万人あたり68.25人、2010年は69.27人と極めて高く、その背景には高齢者の生活不安が解消されていないことにあると考えられている[53]

東亜日報が、韓国の小学校4、5、6年生に調査したところ、2割が「自殺したいと思ったことがある」と回答するなど、韓国人は幼少時から激しい不安感を感じているとされる[54]

スイス[編集]

スイスは自殺が多い国として知られていたが、近年は減少傾向にあり、1991年から2011年までの間に、スイスの自殺率は10万人に20.7人から11.2人まで減少している。かつてはタブー視されていた精神病の存在が徐々に認められ、患者が助けを求めやすくなったことが背景にあるという。スイスでは、人生のある時点で自殺を企てる人は10人に1人。また、5割の人が死ぬことを考えたことがあるとされる。また、スイスでは、自殺幇助が認められており、幇助者に直接の利益がない場合は自殺幇助は犯罪とされない。スイスの自殺の5件に1件は、幇助者の協力によるものとされる[55]

自殺幇助が合法となっているため、例えば末期患者が自殺を望めば、病院の医師は自殺のために協力する。このため、スイスを訪れる末期患者の外国人が年々増加しており、社会問題となっている。自殺幇助はスイスで圧倒的な支持を得ており、国民投票でその是非が問われた時でも、自殺幇助禁止には85%、自殺旅行禁止には78%が反対票を投じ、いずれも否決された[56]。スイスには、自殺幇助を専門に扱う非営利の団体が存在している。外国人も積極的に受け入れるディグニタスや、スイス永住者に限定するエグジットなどが存在する。近年、彼らを利用する顧客は増加傾向にある[57]

スイス銃社会であり、自殺にもを用いる傾向にある。その割合はヨーロッパ最高であり、自殺者の24%から28%が銃で自殺している。また、特に男性が銃による自殺を選択する傾向があり、銃による自殺者の95%は男性となっている。スイスでは、国による自殺を予防するプログラムは存在しないが、による自殺予防プログラムがある[58]

現代と事情は異なるが、エミール・デュルケームによる1897年の著作「自殺論」では、スイスの州別自殺率について触れられており、カトリックドイツ人の州の自殺率は87/100万、カトリック系フランス人の州の自殺率は83/100万、プロテスタント系ドイツ人の州の自殺率は293/100万、プロテスタント系フランス人の州の自殺率は456/100万と、地域別に見て大きな開きがあった[59]

フランス[編集]

フランスヨーロッパで最も自殺率の高い国の一つであり、G8中でも、ロシア日本に次いで自殺率が高い国である[60]。自殺の方法として最も多いのは首吊りであり、猟銃での自殺や、飛び降り自殺、列車に飛び込むといった手法も使われる。2009年移行、経済悪化を背景に、フランスの自殺者は増加傾向にある[61]

仕事のストレスによる自殺もある。フランスでは2000年から一週間に35時間以上の労働を基本的に禁じる週35時間労働制が施行されている。そのため、一般の労働者に過労死などは基本的に起こりえないとされる。しかし、こうして減らされた労働時間を取り戻すために、企業は労働者に更なる結果を求める傾向にあるため、労働者にはストレスが掛かり、多くの暴力事件や自殺者を生み出しているとの指摘がある[60]フランステレコムでは、2008年2月から2009年9月の約1年半の間に、23人もの自殺が発生し、社会問題となった。職場で自殺をしたり、仕事が原因で自殺するとの遺書を遺したケースもある[62]。この一連の自殺では、1週間の間に5人が立て続けに自殺したこともある[61]

ベルギー[編集]

ベルギーは、フランスなどと同様に、ヨーロッパで最も自殺率の高い国の1つであり[61]、特にオランダ語圏のフランドル地方はヨーロッパで最も自殺が多く、10人に1人が自殺しようと思ったことがあるという調査もある。自殺の理由は、とのコミュニケーション学校成績いじめ恋愛喧嘩などである[63]

ドイツ[編集]

ドイツの自殺数の推移。1980-2011年

ドイツにおける自殺者の推移は右のグラフのとおり。

フィンランド[編集]

フィンランドは自殺大国として有名であり、1990年には国民10万人のうち30人が自殺しており、1991年には10代の自殺率が世界ワースト1を記録している。その後、自殺率は大幅に減少して、2007年には10万人のうち18人となっている。自殺が減少した要因として、うつ病治療の改善などに取り組んだ結果とも言われるが、フィンランド国立公衆衛生研究所でも、詳しい理由は不明としている。また、若い男性の自殺率は依然として高く、20歳から34歳の男性における死亡原因は自殺がトップとなっている[64]。フィンランドの自殺率の急激な減少は、高い自殺率に悩む日本でも注目されており、内閣府などもフィンランドの取り組みを研究している[65]

ロシア[編集]

ロシアは、世界で最も自殺率の高い国である。1990年には、10万人あたり26.5人だった自殺者は、1995年には41.5人に急増している。ロシアの自殺者の増大は、男性の平均寿命を押し下げている要因の一つとなっている。本来であれば、医療技術の進歩や栄養・公衆衛生の改善によって上昇していくはずの平均寿命だが、ロシアでは経済が発展しているにもかかわらず、1965 - 1966年平均の69.5歳をピークに寿命の低下が進行しており、1990年に69.2歳、2000年に65.36歳、そして2002年には64.8歳となった。この平均寿命の低下と、少子高齢化の進行により、ロシアは急激に人口が減少している[66]。ただ、近年は自殺率が低下傾向にあり、2012年の統計では、人口10万人あたり、自殺者は20人ほどとなっている[67]

ニュージーランド[編集]

ニュージーランドでは、保健省の発表によれば、1983年 - 2003年の間に自殺者数が減少する一方で、自殺未遂者が増加しているという(自殺では男性の割合が多いのに対して、自殺未遂での入院では女性の割合が多い)[68]。1980年代から自殺者が増加しだしており、2003年では10万人あたり11.5人となっている。特徴的な点として、若者の自殺が多く、年代別では25歳 - 44歳の自殺死亡率が最も多くなっている[69]。ニュージーランドの若者の自殺は、経済協力開発機構の中でも高い部類になる。また、民族別では先住民マオリの自殺率が、ヨーロッパ系やアジア系に比べても最も多い。マオリもまた、若者の自殺が多い傾向にある[70]

イスラム諸国[編集]

本来のイスラム教では、自殺も殺人も禁じられている。かつ、統計学的にみてもイスラム諸国における自殺率は国際的にみて著しく低い傾向がみられる。現代のイスラム世界においても、自殺を行って死んだ者は地獄に落ちると強く信じられる傾向があり、かつ自殺者に対する社会的な偏見も強いということが原因として考えられる。しかし一方で、聖戦(ジハード)の犠牲者は天国へ行くという概念があり、自殺を伴う攻撃が正当化されることがある。そのためなんらかの事情で困窮した若者が、過激派の自爆テロ要員としてスカウトされやすいとされる。ただし、穏健派は民間人を巻き込むようなテロはジハードに当たらないと一般的に考えている。

日本の現況[編集]

日本における自殺者数は諸外国と比べ未だに大きい値であり、10万人あたりの自殺率はOECD平均の12.4人と比べ、日本は20.9人であった[71]OECDは「日本の精神医療制度はOECD諸国の中で、精神病床の多さと自殺率の高さなど悪い意味で突出している」と報告している[71]。特に日本の男性中高年層自殺率は世界でもトップレベルである[72]2011年(平成23年)までは年間自殺者数が3万人を超えていたが、近年は減少してきており2012年には15年ぶりに3万人を下回った。2012年の総自殺者数は27858人である[73])。これは同年の交通事故者数(4411人)の約6.32倍に上る[74]。しかし、20代-40代の若年者における自殺率は依然高いままである[73]。日本では、2009年現在、15分毎に一人が自殺してるとされている[75]。OECDは、日本はうつ病関連自殺により25.4億ドルの経済的損失をまねいていると推定している[76]。。

自殺の原因[編集]

各国の経済社会文化宗教などで原因・要因の分布には相違がある。

自殺の要因分析には根本要因に重きを置いて分析するものと、自殺の直前に着目して要因を分析するものがある。

根本要因

日本の自殺者305名の遺族を対象にした調査を元にした危険複合度の分析によれば、主な根本要因として「事業不振」、「職場環境の変化」、「過労」があり、それが「身体疾患」、「職場の人間関係」、「失業」、「負債」といった問題を引き起こし、そこから「家族の不和」、「生活苦」、「うつ病」を引き起こして自殺に至る[77]。 つまり統計的に見ると、自殺の根本要因には社会的な要因があることが多い[注 4]


しかし、失業率が高い国は世界には多くあるが、例えばスペインの失業率は20%を超えているが自殺が社会問題とはなっていない[78]。各国ごとのジニ係数と自殺率には相関がみられず[23]、これは所得格差が自殺率と相関が少ないことを意味する。ただし、ジニ係数は自殺未遂率とは有意な相関がある[23]

直前の要因

自殺はうつ病も自殺と強い関係があり、日本の自殺者305名の遺族に調査した結果、119名がうつ→自殺という経過をたどっていた[77]。ただしうつ病は自殺の根本要因ではなく、同調査は他の根本要因がうつを引き起こしていることを明らかにしている。

自殺の手法[編集]

日本では自殺手段でみた場合、男性は縊死(66.4%)、ガス(13.3%)、飛び降り(7.1%)、薬物(3.3%)、溺死(2.3%)、飛び込み(2.1%)、その他(5.8%)の順で多く、女性は縊死(58.9%)、飛び降り(12.8%)、薬物(6.7%)、溺死(6.7%)、ガス(4.8%)、飛び込み(3.6%)、その他(6.5%)の順である(平成15年[79])。

自殺場所としては、男女とも縊死(=首吊り)・自宅が多く、2003年(平成15年)の場合、男女それぞれ66.4%、58.9%の自殺者が縊死を選び[79]、男女合計17511人、54.3%の自殺者が自宅を選んでいる[80]

縊頸(首吊り)[編集]

日本において自殺する手法として、男女を問わずもっとも多いのが、首をロープなど紐状のものによって吊り、縊死することによる自殺である[81]縊頸は、体表所見を元に定型的縊頸と、非定型的縊頸に大別される。定型的縊頸とは、一般に、全体重が頸部に加わった縊頸を指す。発見時に体は宙に浮いており、人間の頭頸部の解剖学的構造に従い、索痕は顎から耳介後部を通り、後頭部から結節点に向け上方に終わる。それ以外の場合、定型的縊頸にはなり得ない。顔面は蒼白、眼球は蒼白、これは、総頚動脈椎骨動脈の両者の血流が完全に途絶することによって生じる。また、通常、大腿以遠の下肢、肘以遠上肢に出血斑を伴う死斑を生じる。非定型的縊頸すなわち定型的縊頸とならなかったすべての場合、頸部の圧迫は、静脈還流を優先して阻害するため、頭部に著明な鬱血が生じる。動脈血流が完全に途絶されない場合、その程度に応じて、死亡に要する時間は延長し、反応性に頭部の鬱血による生活反応は増強するため、様々な特徴的な所見が見られる。[要出典]

首吊りで窒息死することはあまりなく、頚部が斜めに自身の体重により圧迫され、大動脈(頸動脈、脊椎動脈)の流れが妨げられて血液が回らなくなり、脳が酸欠(急性貧血)を起こして失神し、死亡することがほとんどである。また、首の骨が折れることもある。首に紐を掛けた直後から脳への血流は悪くなり意識が遠のき、約10秒で意識を失う。意識を失ってから心停止するまでには数分かかるが、意識を失っているので苦痛は少ないといわれている。また、多くの国で死刑の方法として採用されている絞首刑は、首に縄をかけるという点では同じであるが、窒息させることではなく頸骨を落下の衝撃で折ることにより死刑囚に死をもたらすことを目的にしている。死刑囚の左耳の下にロープの結び目を置き、体重より割り出した落下距離に基づく長さのロープにより、1400ジュール程度の力が頸骨に加わると確実に折れて死亡するといわれている。[要出典]

死体現象

死後、括約筋の弛緩により吊り下げられた体内から重力により地面に向け鉛直方向に体液(糞尿、唾液、涙等)が流出する。死亡直後に発見された死体は、時により眼球が飛び出し、唾液や糞尿が垂れ流れ、男性は陰茎勃起した状態で発見されることもありうる。

未遂の場合、脳が酸欠を起こした時点で脳細胞の破壊が始まっているために、植物状態認知症、体の麻痺などといった重い後遺症を残してしまう可能性が高い[82]。また、首を吊る際の衝撃で頸椎骨折や延髄損傷などで即死(または即失神)する場合がある。自殺ではないが、日本などで行われる絞首刑「落床式首吊り死刑台」に多く見られ、救出後仮に命をとりとめても、重大な障害が残る。また軽度であっても、脊髄液の漏出から激しい頭痛などの後遺症に長く苦しむ。

また、日本における死刑の執行においては、刑務官が階下で揺れ動く死刑囚の体を押さえ、医師が聴診器で心臓の停止を待つ。死亡が確認されるのは十数分後だが、蘇生しないよう、さらに五分間吊るしておく決まりである。[要出典]

ガス[編集]

ガスの有毒成分による中毒死と、無酸素または低酸素のガスを吸入する事で酸欠による意識不明、そのまま吸入し続けることで心肺停止で死亡する窒息死の2種に大別できる。有毒ガスの場合、屋内の部屋で行うと発見者や救助者、同居人、さらに集合住宅の場合は配管のためのパイプスペースなどから、重いガスは階下の人を、軽いガスは階上の人を、さらに爆発性のものならば近隣の者さえ巻き添えにする極めて危険な方法であり、自分だけでなく無関係の者への殺人の危険性すらある方法である。

練炭を使った練炭自殺と排ガスを車の中に導き込む自殺はどちらも一酸化炭素中毒を利用した自殺方法である。一酸化炭素はヘモグロビンと結合すると酸素の分圧が高くてもヘモグロビンより離脱せず、このため赤血球酸素運搬能力が低下し(この段階で激しい頭痛に見舞われる)、脳が酸欠を起こして失神し、そのまま死に至る。これらは、酸素と似た構造をもつ気体で起こりうる。一酸化炭素は一定濃度を超せば一瞬で意識を失わせ、15分程度で人を死に至らせる危険なガスであり、それこそ一息吸うだけで意識を失う、したがって救出の場合は先に換気が重要である(演習自衛官集団ガス中毒事件)。ただ、気密性を保つことや、濃度を直ちに濃くすることは難しいために、死に至るまで時間がかかる場合がある[要出典][83]

ただし、一酸化炭素中毒を起こした人の肌はピンク色をしているため、ただ寝ているだけと思われて、自殺と気付かれにくい[要出典][注 5]

かつては、家庭用ガスとして一酸化炭素を多く含む石炭ガスが使われていたので、ガス管をくわえたり部屋にガスを充満させて自殺をした人もいた(川端康成等)。産業用は別にして、現在の家庭用ガスは9割以上が毒性のないプロパンガスか、一酸化炭素を除去した都市ガス13A(メタン70wt% - 80wt%)になっているので、この方法で中毒を起こすことはない。もちろん毒性のないガスでも窒息死することはあるが、そのためには気密性の高い空間が必要であり、ガス漏れ等の事故で中にいた人が窒息死することはあっても、自殺の手段としては手間のかかる方法のため、使われることは少ない[要出典]。家庭用ガスで自殺を図り引火、爆発事故を起こし、ガス漏出等罪で有罪判決を受けた例もある[84]。その他のガス自殺についてはシンナーなど揮発性の高い薬品を容器に入れ、容器と一緒に布団をかぶり窒息死した例(完全自殺マニュアル)、ヘリウムガスを使用した安楽死Final Exit)、塩素系の洗剤など家庭用品を混ぜた際に発生する塩素ガスや硫化水素等の有毒ガスを吸って中毒死する方法などがある。なお、有毒ガスによる自殺は周辺住民や救助者にも被害を及ぼす可能性がある。

これらの自殺方法は、首吊りと同じく、長時間の酸欠によって細胞が破壊されるために、未遂時、有毒ガスの場合は呼吸器、皮膚等も含め、植物状態認知症、体の麻痺や感覚異常などの重篤な後遺症を残す可能性が高い[85](「一酸化炭素#一酸化炭素中毒」も参照)。

大量服薬・服毒[編集]

精神疾患などの治療を受けている人が、処方された薬を大量服薬して自殺を図ることがある[86]その際、大量のアルコール飲料を併用していることもある[要出典]。家族や友人が薬を服用しており(特に三環系抗うつ薬などの賦活症候群)、かつ自殺願望やうつ症状を持っていたり、リストカットなどの自傷行為を頻繁に行ったりするような状況の場合、注意が必要である[87]。精神疾患患者に対する精神安定剤や睡眠薬などの多剤大量処方も問題となっている[86]近年、日本では若い女性から中年の女性(精神疾患を持つものが多い)に多くみられる傾向があり、何度も繰り返すケースも多い[要出典]

大量服薬をした場合、服用後の経過時間が比較的短い場合は、胃洗浄を行うのが一般的であるが、服薬量や経過時間、意識状態などによっては胃洗浄を行わないこともある。発見・処置が早ければ後遺症が残らないことも多いが、気道閉塞を伴っていた場合などは死に至ることもある。その他、誤嚥性肺炎、低体温症、肝障害、腎障害、長時間筋を圧迫することによる挫滅症候群などの合併症が生じることもある。

毒物を飲むことで自殺を試みる場合もある。毒物の種類はさまざまである。近衛文麿ハインリヒ・ヒムラー等が用いた青酸カリが名高いが、古くはソクラテスクレオパトラ(服毒ではないが)が用いた動植物性の神経毒、賈南風御船千鶴子が用いた金属毒などさまざまであり、対処法、後遺症も違う。一般に吐かせることが有効だと言われるが、飲んだものが石油系製品や強酸強アルカリ性の物質の場合、吐かせるのは禁忌である。強酸・強アルカリ性の物質を飲んだ場合は、飲んだ時点で食道細胞が破壊されていることが多く、消化器官に後遺症が残る場合がある。

飛び降り[編集]

ビルなどの上から飛び降りることにより、自由落下によって重力で自らの体を加速させ、地面などに激突する衝撃で肉体を破壊し、自殺を試みる方法。投身自殺とも言われる。

入水(じゅすい)[編集]

入水や川などに身を投げ、窒息死を試みる自殺方法。水中で水が気管に入ると咳きこみ、それがさらに大量の水を肺の中にいれ、肺によるガス交換を妨げ、血液中の酸素を低下させることで脳への酸素を断つことにより死亡に至る。したがって肺の中を水で満たされると水死する。古くからある方法の1つである。息を止めるようなことはせず、冷たい水の中に入ることで体温を奪われることにより自殺することもあるが、それは「低温」の項で後述する。未遂に終わった場合、心停止15分以内に処置ができなければ、他の酸欠による自殺と同様に生き残ってもアダムス・ストークス症候群により脳や神経に重い障害が残る可能性が高い。冬の川や湖など水温の極端に低いところで入水した場合、低体温症により死亡するまでの時間が延びて、他の人に救助される可能性も高くなる。条件がよければ、数時間の仮死状態ののち、ほとんど脳にダメージを受けることなく蘇生することもある。ただ、このような場合は寒さにより入水した直後ショック死をすることもあり、一概には言えない。また、の上のような高い場所から飛び降り、入水することで自殺しようとする場合もあり、栃木県日光市華厳の滝藤村操が滝つぼへ飛び込み自殺した事件は有名である。作家太宰治は愛人と玉川上水に入水自殺を遂げた。

艦船が沈没する際に艦長船長が船と運命をともにするということがある(船員法の「船長の最後退船の義務」が拡大解釈されたもの)。氷山と衝突したタイタニック号や、イギリス海軍やその伝統を受け継いだ日本海軍でも広く行われた[88]

飛び込み[編集]

JR東日本プラットホームに設置している青色光を放つ2種類の自殺防止灯

鶴見済の著書『完全自殺マニュアル』によれば、鉄道などへの飛び込みによって自殺を行う飛び込み自殺は、死体の肉片や血液が周囲に飛び散るために周囲へ与える影響や印象も大きく、自殺後の死体は悲惨なものとなる(高速で走行する新幹線の場合はさらに凄惨で、瞬時に跡形もなく粉砕される。臓器や肉片が衝突場所から2 - 5kmにわたって散乱する)[89]。未遂に終わった場合でも、四肢が切断されるなどの大怪我を負い、残りの人生を寝たきりの状態や車椅子などに頼って生きなければならないことが多い。通勤・通学途中や帰宅途中の駅で飛び込み自殺に及ぶケースが多く、割合が高いのは、男性のサラリーマン[89]である。

2013年9月、京都大学の研究グループは、直前数日間の日照時間の少なさが鉄道自殺に関係すると明らかにした[90][91]

鉄道への飛び込み自殺
中年男性1名の飛び込みで破壊された山手線電車前面
(2013年3月27日 上野駅 3番ホーム)

鉄道への飛び込み(発生直後は自殺でない可能性も考慮し「人身事故」と呼ぶ)は列車の遅延や運休を引き起こし、多くの利用客に影響を与えるため、社会問題化している。

また、偶然飛び込み自殺の現場付近に居合わせた乗務員や客が傷害を負う事故も多数発生している[92]

事故後に鉄道会社が請求する損害賠償額は原則として非公表だが[93]、例えば京浜急行電鉄の場合、被害額は200万程度だが実際の請求額は高くても100万円に満たないという。(京浜急行電鉄、広報宣伝担当)[93]。なお、自殺を図った者が死亡した場合、自殺者の遺族が相続放棄を行って賠償を免れるケースもある。洋光台駅での事例では、PTSDを発症した30代の女性が自殺した男性の遺族に慰謝料を請求したものの却下。女性は「鉄道会社に責任がある」としてJR東日本を提訴した[94]

鉄道会社の対策

自殺・転落防止のためにホームドアを設置している路線もあるが、建設費が高額、車両の種類によって扉の位置が合わない、混雑が激しい区間などの理由により、普及は遅れている[95]

JR東日本は企業の社会的責任の一環として、いのちの電話の活動を財政的に支援している他、ホームと向かい合う壁に鏡の設置、発車ベルを発車メロディに変える、青色蛍光灯を設置する、緊急停止ボタンを設置するなどの試みもなされている。

刃物による失血死[編集]

刃物による失血死を試みるケースも少なくない。静脈を切断した場合は、切ってから死に至るまでの時間が長いので、セネカのように意図して緩慢な自殺を選んだ場合を除けば、誰かに見つかって未遂に終わることが多い。また、自殺する際の苦痛も大きい。ただし、心臓動脈を切った場合は、出血性ショックにより死亡する可能性がある。なお、後述するが、死ぬのが目的ではなく自傷行為そのものが目的であったとしても、出血がひどくて失血死をしてしまう場合もある。切ったのが静脈の場合、発見・対処が早ければ後遺症が残ることはまれである。切ったのが動脈の場合は、一刻も早く止血する必要がある。健康な成人の場合、体内から半分の血液が失われると死亡すると言われている[96]。ただし、失った血液量にかかわらず、傷口が深い場合は神経が破損している場合や、そうでなくても切った傷跡が何年も残る。解剖学に通じてない者の場合、頚動脈を切ろうとして頚静脈を切ってしまう例がある[97]

発見した場合は、腕を切っているのならば、脇をベルトネクタイなどで止血する。腹などの場合は圧迫して止血し、止血した時間を救急に知らせる。なお、自殺かどうかにかかわらず、事故・事件の場合も含め、頭部や腹部に刃物などが刺さっている場合に無理に抜くと、かえって傷口を広げる場合も多く、刃物が傷口の「栓」の役割も兼ねている場合は抜くことで失血死する可能性が高まるため、抜かないでそのままにしておく。発見した場合は一刻も早く救急に連絡し、体温低下によって体力が消耗するのを防ぐために毛布などをかけて体温を保つ。無理に揺り動かすのは傷口が広がる可能性があるために良くない。針と糸で動脈などの傷口を縫合できれば生存率は上がる。

特徴的な自刃自殺として武士がその名誉を守るために行っていた切腹があげられる。腹部を損傷することにより、内臓出血による緩慢なショック死をもたらす。ただし、江戸時代以降は苦痛が長引くことを嫌って、切腹を行った直後に傍にいる刑手が斬首して即死させる「介錯」と呼ばれる行為がなされた。

焼身自殺[編集]

自らの体にガソリン灯油などの燃料をかけ、それに火をつけて行う自殺である。かつては油のしみこんだ蓑に火をつけて殺すなど、拷問的な火刑の一つに採用された方法である。燃えるのは主に気化した燃料である。燃料は体温で気化し、引火後は燃焼で気化し燃焼を続け体を焼く。液体の燃料を体にかけると、厳冬期でも体の体温で気化し引火性のガスが被服の間に充満し、わずかな火気や静電気に対しても非常に危険な状態になる。灯油などの着火点の高い(40℃程度)燃料も、体温による気化ガスが発生するので、床に流れた灯油とは比較にならない引火性をもつ。ここで点火もしくは引火し着火すれば、一瞬で全身が火だるまになる。燃料がごく少量でも、化繊の被覆ならば溶けて燃え、燃料とともに体を損傷する。肌を濡らすほどの燃料に引火すると、仮に消火に成功しても大きな障害が残る。燃焼中も自らの皮膚が白く変色して硬化し、激痛を感じる。広範囲な熱傷気道熱傷を伴い死に至ることも多いが、即死する場合は少なく、死に至るまでの期間も比較的長いことが多く、呼吸不全、全身のやけどによる激痛により苦痛は長く激しい。また、救命される例も多いが、急性期には集中治療を要し、その後も何度にもわたる激痛を伴う植皮手術を行う必要があり、その治療には長期を要する。回復後も四肢機能の低下や美容的問題などの後遺症を残すことが多い。

抗議手段の1つとして焼身自殺が選ばれることも多い。ベトナム戦争当時の南ベトナム政権による仏教徒弾圧に対する抗議のためにビデオカメラの前で焼身自殺したティック・クアン・ドック(釋廣德)師[98]、彼を範にしてベトナム戦争抗議の焼身自殺を遂げた由比忠之進アリス・ハーズなどが知られている。

感電[編集]

自分の身体を感電させることによって自殺する方法。完全自殺マニュアルによれば1995年の日本の統計では感電自殺者の95%が男性という極端に性差の激しい手段として紹介されている。手段としては湯船に水を入れ、自身も入った後に感電物を入れる、電源コードの銅線をむき出しにして体に貼り付けて電源を入れるなどがある。いずれの場合も発見者、救助者の感電の危険性がある。

銃による自殺[編集]

エドゥアール・マネの絵画『自殺』
拳銃を右手に持っている

日本では銃刀法によって厳しく取り締まりが行われているため、銃による自殺は極めて少なく、拳銃自殺にいたってはほとんどが警察官自衛官暴力団である。それに対して、銃の所持に寛容な国では銃による自殺が多い[99]。中でもアメリカは自殺手段の半分以上を銃が占める[100]。銃自体も100ドル程度から手に入り、弾丸も1発20セントから買える[101]。また、自衛の意識が強く、狩りが盛んであるため、多くの家庭に銃があり、州によってはスーパー等で手軽に弾薬も購入できる。アメリカ以外では、カナダ[102]オーストラリア[103]などの国々も、銃による自殺が多い。

銃で頭を撃ち抜いても、脳幹の機能を破壊できないと死亡に至らない。映画等でよく描写される拳銃自殺に、こめかみに銃口を当てて引き金を引くという方法があるが、発射の反動や引き金の固さ(大型リボルバー等は撃鉄をあげても引き金はかたく、射撃も両手で行う)によって銃口が動き、弾道がそれて生存する場合がある[104]1974年、生放送中に自殺したクリスティーン・チュバックは自殺前に取材した保安官からアドバイスを受け、こめかみより後の右耳の裏から脳幹を撃ち抜いた。同様に散弾銃などを下から顎に当てて自殺する方法も、顔面を吹き飛ばすだけで死に至らないことがある[要出典]

より確実な方法として、脳幹を狙える口に銃口をくわえて発射する方法を取る場合が古くからある。1978年に自殺した田宮二郎や、1987年会見中に自殺したバド・ドワイヤー、1993年に、クリントンアメリカ大統領次席法律顧問のヴィンセント・フォスターや、1945年8月15日古賀秀正近衛第一師団参謀が割腹した時、とどめに口中を撃っている。2007年6月に島根県出雲市の出雲署内で、25歳の女性巡査長が拳銃で口から頭を撃つ等、多数例がある。

その他の方法[編集]

  • アメリカの病理学者、ジャック・ケヴォーキアンが製作した自殺装置によって自殺した人もいる。この自殺装置は3本のボトルとそれぞれの流れを調整するタイマーからできており、ボトルにはそれぞれ生理食塩水、麻酔薬(ペントソール)、毒液が入っている。まず点滴のように静脈に針を刺し、食塩水を流す。次に自殺志願者がボタンを押すと、食塩水が麻酔薬に変わり、志願者は眠りに入る。さらに数十秒後、麻酔薬から毒液に変わり、死亡するというものである。ただし、これは不治の病気などに悩む人がなるべく苦しまずに死ねるようにと作られた尊厳死のための装置として作られた。尊厳死を認めるか否かは別として、使う本人を死に至らしめるという点から単純に「自殺装置」と呼ばれる[要出典]
  • 2007年前後から、硫化水素を発生させることによる自殺方法をインターネット上で情報を得て、実際に試みる人が多発しており、無関係な人間が硫化水素を吸引することにより巻き添えになり死傷する事例、ならびに硫化水素自殺の現場となった家屋などが著しく損傷する事例が発生した。[要出典]
  • ドラッグ麻薬の広まっている地域では、酩酊している状態で正常な判断能力を失っているうちに、ビルの上から飛び降りたり、自動車や列車に飛び込んで自殺をしてしまうこともある(この場合、自殺ではなく、事件事故と取る場合もある)。例えば「夜回り先生」こと水谷修が麻薬・薬物を撲滅しようとするきっかけとなったのは、横浜市で定時制高校の教員を勤めていたころ、当時の生徒がシンナーで酩酊状態にあった時にダンプカーに飛び込み、死亡したことであったという[105]
  • 低温によって体温が奪われ、凍死による自殺を試みる方法もある。原理は雪山で遭難した人が、寒さにより凍死するのと同じである。始めた直後の低温による苦痛は避けられないが、それ以降は頭がぼーっとして感覚がなくなり、寒さは感じず眠くなってくるという。そしてその場で眠りに入り、寒さで凍死する。これは、一命を取り留めた遭難者の証言からも裏付けられている事実である。入水も低温自殺の手段となる。冬の夜に公園の噴水に膝を曲げて入り、朝になって死体で発見された例もある。このときは噴水の水深がごく浅かったことや、窒息死した際に出る体の特徴がなかった代わりに遭難して死亡した人の特徴によく似ていたことから、低温が原因で死に至ったと結論付けられた。[要出典]

法律[編集]

米国[編集]

アメリカ合衆国アラバマ州オクラホマ州では自殺を犯罪と定めている。実際に犯した人を処罰するのは現実的には不可能なことなので、罰則はない。米国では自殺を犯罪と定めている州はこの2州だけであるが、いくつかの州では自殺未遂も軽犯罪法に触れるとしている(ただし、実際に罰を受けることはめったにない)。残りの30の州においては自殺ないし自殺未遂はいかなる罪にも問われていない。しかし、全ての州で自殺を幇助する行為、自殺を唆したり勧める行為は重大な犯罪と見なされている[106]。なお、「自殺とは加害者と被害者が同一人物である殺人」と理解される場合、自殺は犯罪であるという法的根拠となる[要出典]

オランダ[編集]

オランダにおいては、2000年安楽死が合法化された。ただし、死期が近く、耐え難い肉体的苦痛があり、治療の方法がない等の厳格な要件が付与されている。

日本[編集]

日本でも他人を自殺させること、自殺を助けることは自殺関与罪刑法第202条)とされ、法律で禁止されている。また、もともと自殺する意思がない人に自殺を決意させて自殺させることは自殺幇助罪として、法律で禁止されている。また、一人で自殺しようとしそれが未遂で終わった場合、その行為自体では処罰の対象とはならない。だが自殺を複数人数で行おうとし未遂に終わった場合は、互いに対する犯罪として処罰される(自殺関与・同意殺人罪)。また、現在の日本の刑法では、自殺しようとした行為で同時で他者に危険を及ぼした場合(ガス自殺を図った場合のガス漏出罪失火罪など)は、具体的な被害がなくても処罰される可能性がある。また、第三者に被害が発生した場合(たとえば飛び降り自殺、飛び込み自殺など)には、刑事手続上は重過失致死罪などの罪により自殺した者は、被疑者死亡で送検される可能性があり、民事上は被害者から、自殺した者の遺族に対して損害賠償責任が発生する可能性がある(厳密には、「自殺した本人に賠償請求をして、それを遺族が相続する」という形となる。ここで言う「遺族」とは、相続権を保持する人のことである。自殺者が残した遺産の総額と損害賠償額を比較して、損になるような場合には相続放棄をすればよい)。

その他、日本での自殺に関する法律として、2006年(平成18年)の自殺対策基本法や、銃砲刀剣類所持等取締法第5条での「自殺をするおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者については銃砲刀剣類の所持を許可してはならない」といったものがある。

また保険法(第51条第1号)には「保険者は、被保険者が自殺をしたときには、保険給付を行う責任を負わない」とある。貸金業法12条の7でも「保険契約において、自殺による死亡を保険事故としてはならない」とある。ただし、精神障害によって自殺行為の結果に対する認識能力のない精神疾患者による未遂の場合は、例外的に保険給付される[107]

自殺対策[編集]

世界保健機関(WHO)の自殺予防に関する特別専門家会議によると、自殺の原因は個人や社会に内在する多くの複雑な原因によって引き起こされるものの、自殺は予防できる事を知ることが大切で、自殺手段の入手が自殺の最大の危険因子で自殺を決定づける、とした。毎年9月10日は「世界自殺予防デー]」として、世界保健機関国際自殺防止協会( IASP=The International Association for Suicide prevention)、その他の非政府組織によって、世界保健機関加盟各国で自殺防止への呼びかけやシンポジウムが行われている。日本でも16日までの1週間を自殺予防週間と定めており、地方自治体や関係機関が9月に各種啓蒙運動を行っている。

日本における自殺対策としては相談室の設置、カウンセラーの増強などの対策が取られている地域がある(各都道府県・都市の相談窓口一覧[5])。2006年10月28日には自殺対策基本法が施行され、毎年自殺対策白書が発表されている。ほか、ボランティアらによって営まれているいのちの電話日本いのちの電話連盟)が、相談のための電話を24時間受け付けている[6] [108]

脚注[編集]

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注釈[編集]

  1. ^ 文化的に推奨される場合には、社会的圧力によって自殺が強要される場合もある。チェコヤン・パラフや、フランスにおけるイラン人焼身自殺などである。また「抗議の意思を伝える政治的主張のため」とする自殺が行われる場合がある。これは後述の「焼身自殺」の項でも述べる。
  2. ^ 前者としては、真珠湾攻撃時に被弾した海軍戦闘機操縦者(飯田房太海軍大尉)が米軍格納庫に突入しており、後者としてはビルマ航空戦ベンガル湾上空において、爆撃機迎撃時に被弾し海上に自爆し、戦死後は生前の功績も含め、軍神としてあがめられた加藤建夫陸軍少将(死後昇進)が有名な事例として挙げられる(両人とも被弾後に不時着ないし落下傘にて脱出する事は可能だった)
  3. ^ 日本でも、失業・離婚時に、例えば子供が2人で、ひとりずつ子供をひきとった場合、女性の側には「母子家庭手当」がついていたのに、同じ状況におかれた男性側の家庭には「父子家庭手当」がつかない状態が続いていた。つまり、男の家庭は社会的に見て追い込まれるような制度が放置されていて、ほとんど「見殺し」の状態にあったわけである。それが改善されたのは、あくまで自民党が政権から去って民主党が政権をとって、同党が「父子家庭だけを差別する理由はない」、実は従来の自民党が放置していた状態は憲法違反であることを指摘して、「父子家庭手当」を支給するようになってからである。これのおかげで、自殺寸前の状態から救われた父子家庭も多い。 行政が、男性に対しても等しくきちんとしたセーフティネットを展開しているか、あるいは、憲法違反のまま、手抜きをしてセーフティネット欠如にして(半ば知りつつ、あるいは故意で)悪連鎖を放置しているか、という差は大きい。 とりあえずは経済的に破綻しない、とりあえずは食べてゆける、とりあえずは子供が学校にゆける、という状態になれば、わざわざ自殺まではしない人が多いのである。だが、毎月の光熱費も払えず電気・ガス・水道が止まり子供の学校の費用も払えないようでは、精神的にも物理的にもひどく追い込まれ、鬱状態にならざるを得なくなる。 憲法どおりに、行政がサポートをしているか、(建前はともかく、行政的実態としては)憲法違反状態を放置して特定の人々を見捨てているか、という差は、自殺者数という結果に大きく響く。 たとえば、東京都足立区が2009年ころからまじめに自殺総合対策に取り組んだところ、2011年には自殺者を前年比で40人、20%も減少させることができた。[要出典]| 日本の自殺#自殺対策も参照。
  4. ^ このような精神的危機の背景には、激しい競争社会や、低い自己評価に起因するさまざまな否定的感情、家庭、職場での生活が困難など複数の要因がある。膨大な数の統計学的・疫学的研究は、文化(宗教・教育)と生活様式(都会暮らしか田舎暮らしか)と家族の状態(独身か既婚か)、社会的状況(失業者や囚人など)が自殺行為に重要な意味を持つことを明らかにしている(「脳と性と能力」カトリーヌ・ヴィダル、ドロテ・ブノワ=ブロウエズ(集英社新書)[要ページ番号])。
  5. ^ 過去の炭鉱内などにおける中毒事故などが参照例であると推定されている。また、冬季などにおける一酸化炭素中毒事故などにおいて遺書などが確認されていない例などが根拠にあると推定できる[要出典]

出典[編集]

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  94. ^ 神奈川新聞 2009年10月14日
  95. ^ ホーム防護柵:必要駅の16% コストネックで設置進まず-毎日.jp 2010年12月9日
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  97. ^ 渡辺淳一『自殺のすすめ』
  98. ^ 左翼思想を持つロックバンドレイジ・アゲインスト・ザ・マシーンの初アルバムには炎に包まれるティック・クアン・ドックの写真が載せられている。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンのアルバム画像
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  105. ^ 水谷修「夜回り先生」
  106. ^ E・S・シュナイドマン『自殺とは何か』59項、1993年
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参考文献[編集]

国際機関

政府資料

その他

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

自殺関連の白書・統計