上級大将
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上級大将(じょうきゅうたいしょう、英: Colonel General、Senior General、Army General(陸空軍)、Senior Admiral(海軍)、独: Generaloberst(陸空軍)、Generaladmiral(海軍))とは、軍隊の階級の一つで、通常、大将の上に位置し将官の最高位の階級である。
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概要 [編集]
プロイセン王国陸軍、帝政ドイツ、ヴァイマル共和国の陸軍、ナチス・ドイツ、ソ連、文化大革命前の中華人民共和国等におかれた。ロシア連邦やミャンマー連邦などには今でも存在する。
プロイセン陸軍では、元帥位は戦時に敵の要塞を陥落させた現役指揮官にしか与えられなかった。平時に退役もしくは特段の功績を挙げた上級大将を昇進させなければならない場合には、元帥位を有する上級大将という階級が用いられた。
第三帝国では、陸空軍にGeneraloberst(英: Colonel General) 海軍にGeneraladmiral (General Admiral) および親衛隊にSS-Oberstgruppenführerが置かれ、これらは通常上級大将と訳される。また、陸軍と協同作戦を執る武装親衛隊では混乱を避けるために陸軍同様に Generaloberst der Waffen-SS と呼称されることもあった。警察を管轄する一般親衛隊では SS-Oberstgruppenführer と名称が異なっていたのも特徴である。しかし、訳語としては陸軍と同様に共に親衛隊上級大将、親衛隊大将、親衛隊中将と訳されることが多い。SS-Oberstgruppenführer、SS-Obergruppenführer、SS-Gruppenführer を親衛隊最上級集団指導者、親衛隊上級集団指導者、親衛隊集団指導者と訳し分ける訳者もいる。
ソビエト軍や東ドイツ国家人民軍など共産圏の軍隊においては、генерал-полковник(独: Generaloberst、英: Colonel General) は三ツ星の将官位であり、大将に相当する。その上位に上級大将であるгенерал армии(独: Armeegeneral、英: Army General)があり、これが将官の最高位である。東ドイツでは将官の上にドイツ民主共和国元帥 (de) が存在したが、戦時においてのみ全軍を一人が指揮するために設置される例外的な存在である。この場合には警察ならびに秘密情報機関も指揮下に入る。ソビエト軍においては元帥の階級を有する軍人がほとんどの時期に存在した。ソビエト軍の後継組織であるロシア連邦軍も同様である。
このように東側の軍隊において、Colonel Generalが大将に相当するのに対し、ドイツ国防軍等では上級大将に相当するので注意が必要である。
ドイツ連邦軍は、戦後米国の将官位の階級制を採用したために、上級大将の階級は存在せず、大将(General、Four stars general、四個の星印の将軍)(de) がかつての上級大将の階級に相当する。一個の星は准将、二個は少将、三個は中将である。戦前のドイツ軍には将官位に准将位はなかったので、将官位の数は英米と同じ四階級であった。
他の国でも准将を置かない国の上級大将は准将を置く国の大将に相当する階級になっていることが多い。
ヴァイマル共和国の陸軍 [編集]
- Maximilian Halder
- ヴィルヘルム・ハイエ(1869年 - 1946年)
- アレクサンダー・フォン・クルック(1846年 - 1934年)
- ハンス・フォン・ゼークト(1866年-1936年)
ナチスドイツの諸組織 [編集]
陸軍 [編集]
- ヴィルヘルム・アダム(1877年 - 1949年)
- ハンス=ユルゲン・フォン・アルニム(1889年 - 1962年)
- ルートヴィヒ・ベック(1880年 - 1944年7月20日)ヒトラー暗殺未遂事件に関与して自殺
- ヨハネス・ブラスコヴィッツ(1883年 - 1948年)自殺
- エデュアルト・ディートル(1890年 - 1944年)航空機事故
- フリードリヒ・ドルマン(1882年 - 1944年)心臓発作
- ニコラウス・フォン・ファルケンホルスト(1885年 - 1968年)
- ヨハネス・フリースナー(1892年 - 1971年)
- ヴェルナー・フォン・フリッチュ(1880年 - 1939年)戦死
- フリードリヒ・フロム(1888年 - 1945年)ヒトラー暗殺未遂事件に関与して処刑
- ハインツ・グデーリアン(1888年 - 1954年)
- クルト・ハーゼ(1881年 - 1943年)
- フランツ・ハルダー(1884年 - 1972年)
- クルト・フォン・ハンマーシュタイン=エクヴォルト(1878年 - 1943年)
- ヨーゼフ・ハルペ(1887年 - 1968年)
- ゴットハルト・ハインリツィ(1886年 - 1971年)
- ヴァルター・ハイッツ(1878年 - 1944年)
- カール・ヒルペルト(1888年 - 1947年)
- カール=アドルフ・ホリット(1891年 - 1985年)
- エーリヒ・ヘプナー(1886年 - 1944年)ヒトラー暗殺未遂事件に関与して処刑
- ヘルマン・ホト(1885年 - 1971年)
- ハンス=ヴァレンティーン・フーベ(1890年 - 1944年)航空機事故にて死亡
- エルヴィン・イェーネッケ(1890年 - 1960年)
- アルフレート・ヨードル(1890年 - 1946年)ニュルンベルク裁判にて処刑
- ゲオルク・リンデマン(1884年 - 1963年)
- エーベルハルト・フォン・マッケンゼン(1889年 - 1969年)
- エアハルト・ラウス(1889年 - 1956年)
- ゲオルク=ハンス・ラインハルト(1887年 - 1963年)
- ロタール・レンデュリック(1887年 - 1971年)
- リヒャルト・ルオッフ(1883年 - 1967年)
- ハンス・フォン・ザルムート(1888年 - 1962年)
- ルドルフ・シュミット(1886年 - 1957年)
- オイゲン・フォン・ショーベルト(1883年 - 1941年)戦死
- アドルフ・シュトラウス(1879年 - 1973年)
- ハインリヒ・ゴットフリート・フォン・フィーティングホフ(1887年 - 1952年)
- ヴァルター・ヴァイス(1890年 - 1967年)
- クルト・ツァイツラー(1895年 - 1963年)
海軍 [編集]
エーリッヒ・レーダーは海軍元帥に昇進したためにリストにない:
- Conrad Albrecht、1939年4月1日昇進
- Hermann Boehm、1941年4月1日昇進
- ロルフ・カールス、1940年7月19日
- ハンス=ゲオルク・フォン・フリーデブルク、1945年5月1日昇進
- オスカー・クメッツ、1944年9月16日昇進
- ヴィルヘルム・マルシャル、1943年2月1日昇進
- アルフレート・ザールヴェヒター、1940年1月1日昇進
- オットー・シュニーヴィント、1944年3月1日昇進
- Otto Schultze、1942年8月31日昇進
- Walter Warzecha、1944年3月1日昇進
- Karl Witzell、1941年4月1日昇進
カール・デーニッツ は海軍上級大将を経ずに、海軍大将から海軍元帥に特進した。
空軍 [編集]
- Otto Deßloch(1889年 - 1977年)
- Ulrich Grauert(1889年 - 1941年)航空機事故
- ハンス・イェションネク(1899年 - 1943年)自殺
- Alfred Keller(1882年 - 1974年)
- ギュンター・コルテン(1898年 - 1944年)ヒトラー暗殺を目的とした爆破に巻き込まれ死亡
- アレクサンダー・レーア(1885年 - 1947年)
- ブルーノ・レールツァー(1891年 - 1960年)
- Günther Rüdel(1883年 - 1950年)
- クルト・シュトゥデント(1890年 - 1978年)
- ハンス=ユルゲン・シュトゥムプフ(1889年 - 1968年)
- エルンスト・ウーデット(1896年 - 1941年)技術局長時代に自殺
- Hubert Weise(1884年 - 1950年)
親衛隊および警察 [編集]
- クルト・ダリューゲ(1897年 - 1946年)処刑、親衛隊上級大将兼警察上級大将
- ヨーゼフ・ディートリッヒ(1892年 - 1966年)親衛隊上級大将兼武装親衛隊上級大将
- パウル・ハウサー(1880年 - 1972年)親衛隊上級大将兼武装親衛隊上級大将
- フランツ・クサーヴァー・シュヴァルツ(1875年 - 1947年)親衛隊上級大将
オーストリア陸軍 [編集]
オーストリア陸軍では上級大将は元帥につぐ第二位の階級である。しかし、1915年から1918年のあいだしか存在しなかった。
- ヨーゼフ・フェルディナント・フォン・エスターライヒ (1872 - 1942)
- フリードリヒ・フォン・ベック=ルジコウスキ男爵 (1830 - 1920)
- エドゥアルト・フォン・パール伯爵 (1837 - 1919)
- アルトゥール・フォン・ボルフラス男爵 (1838 - 1922)
- Friedrich Freiherr von Georgi (1852 - 1926)
- Karl Freiherr von Pflanzer-Baltin (1855 - 1925)
- ヴィクトル・フォン・ダンクル伯爵 (1854 - 1941)
- Karl Tersztyánszky von Nádas (1854 - 1921)
- Paul Freiherr Puhallo von Brlog (1856 - 1926)
- Erzherzog Leopold Salvator (1863 - 1931)
- Karl Graf von Kirchbach auf Lauterbach (1856 - 1939)
- Adolf Freiherr von Rhemen zu Barenfels (1855 - 1932)
- Karl Graf Huyn (1857 - 1938)
- Hermann Kusmanek von Burgneustädten (1860 - 1934)
- Karl Křitek (1861 - 1928)
- ヴェンツェル・フォン・ヴルム男爵 (1859 - 1921)
- サミュエル・フォン・ハツァイ男爵 (1851 - 1942)
- Leopold Freiherr von Hauer (1854 - 1933)
- Viktor Graf von Scheuchenstuel (1857 - 1938)
- ステファン・サルコチッチ・フォン・ロヴチェン (1858 - 1939)
- Josef Ritter Roth von Limanowa-Lapanów (1859 - 1927)
- Arthur Freiherr Arz von Straussenburg (1857 - 1935)
- Hugo Martiny von Malastów (1860 - 1940)
- Rudolf Freiherr Stöger-Steiner von Steinstätten (1861 - 1921)
- Alois Fürst Schönburg-Hartenstein (1858 - 1944)
アメリカ合衆国軍 [編集]
同国陸軍のGeneral of the Army、海軍のFleet Admiral、空軍のGeneral of the Air Forceは通常元帥と訳されるが、他国軍の元帥とことなり大将の上位に位置する将官の最上級であるため、上級大将と訳すべきであるという意見もある。
中国人民解放軍 [編集]
日本語でいう大将に相当する上将の上に、上級大将に相当する大将がかつて置かれていたが1965年に廃止された。
朝鮮人民軍 [編集]
朝鮮人民軍上将が日本語でいう大将に、朝鮮人民軍大将は日本語でいう上級大将にそれぞれ相当する。
ベトナム人民軍 [編集]
大将 (Đại tướng。日本語で上級大将) と上将 (Thượng tướng。日本語で大将) が陸軍と警察軍に置かれている。初めて大将の階級を授与されたのは、ヴォー・グエン・ザップであった。以降彼を含めて12人しか出ていない。主に共産党中央政治局委員や国防相に充てられる。
中華民国国軍 [編集]
一級上将が上級大将に、二級上将が大将に相当する。中華民国国防部の参謀総長は一級上将1名(国防部軍令副部長を兼任)、二級上将は副参謀総長2名
国防部參謀本部参謀総長は1970年から2001年にかけて中華民国軍の実質的な指揮者としての立場を有していた。
ウクライナ軍 [編集]
ウクライナ上級大将が陸軍式の階級として置かれている。参謀総長と三軍(陸軍、海軍、空軍)の各司令官は大将が充てられ、ウクライナ上級大将は国防相やウクライナ保安庁、ウクライナ対外情報庁等の各長官等に充てられる。2011年9月現在で14人が昇進している。
ミャンマー国軍 [編集]
同国の国家元首を務めていたタン・シュエ国家平和発展評議会議長(同評議会は2011年3月に解散)の軍人としての階級は陸軍上級大将 (Senior General) である。なお同国軍には上級大将と大将の間にも上級大将補 (Vice Senior General) という階級が存在し、同評議会副議長の座にあったマウン・エイがこの階級を授与された。またミャンマー国軍には准将の階級も存在し、NATOの階級符号では上級大将は元帥級のOF-10、上級大将補は同国軍の大将同様四つ星将軍級のOF-9に相当する。このため准将を置かない大陸欧州系諸国の上級大将とは性格がことなる
中央アジア諸国 [編集]
カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン各国にも存在する。内ウズベキスタンは2002年に制定された。大統領と国防相に充てられ、トルクメニスタンは5人昇進しており、グルバングル・ベルディムハメドフ大統領とМамметгельдыев Агагельды Мамметгельдыевич国防相はいずれも現役の上級大将でもある。
参考文献 [編集]
- Dr. Gerd F. Heuer - Die Generalobersten des Heeres, Inhaber höchster Kommandostellen 1933-45. ISBN 3-8118-1408-7
