ウェルテル効果
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ウェルテル効果(英: Werther effect)とは、簡単に言えば、一般的に知名度や人気の高い人間が自殺すると、行為者に共感して連鎖的に自殺が増えてしまう現象を指す。連鎖自殺、誘発効果、ドミノ連鎖とも言う。
「ウェルテル」効果という名は、若き頃のゲーテの名著『若きウェルテルの悩み』(1774年)という作品の主人公ウェルテルに由来する。物語の中でウェルテルは最終的に自殺をするが、そのことによりヨーロッパで自殺が流行し、ここからこの名が生まれた。
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[編集] 日本における事例
日本でのウェルテル効果の最初の事例は、1903年(明治36年)の藤村操の自殺に端を発するものである。藤村自身は無名の一高生だったが、自殺は「人生は不可解である」という遺書の内容とともに新聞で大きく取り上げられ、それを真似する青少年が続出して社会問題になった。また、1986年(昭和61年)4月8日にアイドル歌手の岡田有希子が18歳で自殺すると、やはり同世代の若者の自殺が増えた。その他にも1998年(平成10年)にもX Japanのhideが自宅で急逝し自殺したと報道されると、ファンの女性の自殺が増え、YOSHIKIなど他のメンバーが警視庁の要請で自殺を思いとどまるように記者会見まで開く騒動となった。このような過去の事例の影響からか、2008年(平成20年)5月初め頃から公式ブログに悩みを書き続けた後の5月25日に、29歳で自殺したフリーアナウンサーの川田亜子に関して、同年6月以降の各マスコミの対応は、次の通りとなっている。放送局・一部を除く新聞の報道は、一部報道番組での故人追悼を除き、6月1日を最後に一切行われていない。生前の出演番組の放送については、12月26日にTBS系列で放送の「平成ニッポン20年史!」内で使用された、『爆笑問題のバク天!』のオープニングを最後に、テレビ放送では一切放送されていない。この放送では川田の姿はぼかし処理されていた。
[編集] 韓国における事例
インターネット先進国である韓国では、情報の真偽よりインターネット情報が優先されるネット社会が日本以上に構築されている。そのため、2007年に起きたU;Neeの自殺原因を嚆矢とする、インターネット上における中傷が深刻な社会問題となっている。
韓国自殺予防協会は、2008年9月8日に遺体で見つかった俳優アン・ジェファンの死亡事件によるウェルテル効果を懸念し、各メディアに対して「メディア報道勧告基準」を送り影響を最小限にして欲しいと訴えていた。報道は逸る憶測を抑えつつ通常より控えめに伝えていたが、川田亜子の事件などと比較して報道した [1]。
インターネット上では誹謗・中傷が相次ぎ書き込まれ、アン・ジェファンの借金について様々な憶測が飛び交い、人気女優チェ・ジンシルが借金のうち半分以上を貸し出していた、などという虚偽の風説に対してネット社会から大きな反発が起こった。この背景には、不況の影響で大繁盛しているヤミ金融が韓国の社会に広まりつつある現状があるとされている[2]。
噂に尾ひれが付き止まる所を知らない悪質な書き込みがネットイナゴとなって韓国全体に広まり、2008年10月2日にチェは自ら命を絶った。
チェの自殺は韓国社会に衝撃を与え、政府・与党は「チェ・ジンシル法」(遺族は故人の冒とく、残された子どものためにも法案名に反対)の立法化を掲げ野党と激しい攻防を繰り返し、各メディアは一斉に多岐に渡る関連情報を報道した。また、警察は虚偽を書き込み逮捕された証券会社に勤める女性を逮捕したと発表したが、インターネットではその女性のあらゆる個人情報が流出し、それに関連してチェ・ジンシルの交友関係なを次々と報道、10月3日には故チェ・ジンシルと同様な方法で自殺が相次いでいるとも報道された[3]。インターネット上の人身攻撃は他の芸能人に及び、同じ境遇に立たされた芸能人の後追い自殺に繋がった。10月3日にトランスジェンダーのチャン・チェウォンが自殺、10月6日にモデル出身の俳優キム・ジフが自殺しているが、それでもインターネット上の悪質なコメントはいまだになくなってはいない。
[編集] 対象の模倣
これらの現象ではただ後追い自殺をするのではなく、自殺した人間と同じ手法で自殺しているという点が特徴的である。ウェルテルの時代はウェルテルと同じ格好(褐色の長靴と黄色のベスト、青色のジャケット)で同じ手段(ピストルによる)を用いて自殺をしている。岡田の時も、岡田本人と同様の手段である飛び降り自殺が増えたと言うべきであろう。hideの際にも前出の二例と同様の傾向が見られる。
[編集] 2006年のいじめ自殺問題
2006年(平成18年)、日本でいじめ自殺が社会問題化した。これもウェルテル効果の一つであると主張する者もいる。たとえばWHOでは、自殺に関する報道のガイドライン[1]を示しており、これによって示された本来推奨されるべきでない報道を繰り返しているマスコミによって自殺が誘発されているという主張である。確かにいじめ自殺がセンセーショナルに取り上げられるようになって以来自殺が数件立て続けに発生しており、この主張に関してもまた考慮すべき余地がある。