安楽死

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安楽死(あんらくし)とは、末期がんなど「不治」かつ「末期」で「耐えがたい苦痛」を伴う疾患の患者の求めに応じ、医師などが積極的あるいは消極的手段によってに至らしめること。

目次

[編集] 積極的安楽死と消極的安楽死

安楽死は、大別すると「積極的安楽死」と「消極的安楽死」に分けられる。

積極的安楽死
本人の自発的意志を前提として一定の条件を満たした場合、医師が自殺幇助の行為を行うこと。
薬物を投与するなどの積極的方法で死期を早めること。いわば医療の名の下に行われる自殺幇助ということになり、社会からの心理的抵抗は大きい。また、日本を含む多くの国では刑事犯罪として扱われる。
消極的安楽死
必要以上の延命治療を控えて死に至らしめること。自然に死を迎えるという意味でナチュラルコースとも呼ばれる。
消極的安楽死は「治療行為の中止としてその許容性を考えれば、足りる」(東海大事件判決文)ものであり特に安楽死という言葉を使う必要はないという意見があるが、わかりやすい言葉なのでこれからも使われるであろう。自然死、または尊厳死と同義語または間接的安楽死を含める言葉として使われる。

[編集] 歴史

安楽死に関する歴史的事件としては、障害者を「恩寵の死」(Gnadentod) の名の下に殺害した、ナチスの「安楽死」事件がある。

[編集] 最近の問題

積極的安楽死について、その是非が問われている。日本では、積極的安楽死の容認については慎重である。

  • 1991年、東海大学事件
    • 東海大学安楽死事件判決の問題点
      1. 判決は、患者の自己決定権を前面に掲げながら、患者の治療拒否権をきわめて限定的にしか―具体的には死期が迫ったときにしか―認めていない。これは、今日西欧諸国で一般に認められている、治療における患者の自己決定権の水準を満たさない。
      2. 判決は、苦しみに満ちた残り少ない生命についてのみ積極的安楽死を認めている。それは結局、そのような生命についてのみ、他の生命と区別してその価値を否定するものにほかならず、法の基本原則に反する。
      3. 判決は、いわゆる「死ぬ権利」を明快に否定しながらも、緊急避難の法理の不当な援用により、事実上それを肯定している。それは、医倫理に反する殺害行為を医師に強いる。
  • 1995年、京都府の「国保・京北病院」の事件

[編集] 安楽死の法的扱い

日本においては安楽死は法的に認めておらず、刑法上殺人罪の対象となる。昭和37年の名古屋高裁の判例により、6つの要件を満たさない場合は違法行為となるとされている(違法性阻却条件)。以下にその6つの要件を列挙する。詳しくは名古屋安楽死事件を参照のこと。

  1. 死期が切迫していること
  2. 耐え難い肉体的苦痛が存在すること
  3. 苦痛の除去・緩和が目的であること
  4. 患者が意思表示していること
  5. 医師が行うこと
  6. 倫理的妥当な方法で行われること

[編集] 積極的安楽死を認めている国

[編集] 動物に対する安楽死

人間に対する安楽死だけでなく、ペットなどの動物に対しても安楽死が行われる場合がある。

例えば、競走馬が競走中に重度の骨折を発症して競走中止した場合、レース終了後に骨折などの理由と同時に「予後不良」と主催者が発表することがある。これは診察した獣医師が「治療を行っても回復の見込み無し[1]」と診断して安楽死の診断を下した、あるいは処置を取ったことを意味し、人間の医療で用いられる用語としての「予後不良」とは意味合いが異なる。

ペットにおいても同様に、怪我や病気などで治癒の見込みが絶望的である場合などに、苦痛からの解放などを願って安楽死という選択がなされることがある。

また、獣医学的に治療や病気の進行抑止が可能な病気であったとしても、経済的な観点からは治療という選択肢が非現実的なもので、闘病に苦痛を伴う病気などの場合には、やむを得ず安楽死させるという選択が行われることもある。

[編集] 家畜伝染病予防法による殺処分

家畜伝染病予防法により指定されている特定の家畜伝染病に罹患した動物については、感染拡大の防止、経済的な悪影響などの副次的被害の防止という観点から、行政手続により速やかな殺処分が行われることになっているが、これも実態としては安楽死の一種である。

この場合の処分方法については疾病や動物にもよるが、たとえば馬伝染性貧血に感染したウマ類の場合には、感染が確認されると都道府県知事によって「殺処分命令書」が出され、これに基づいて安楽死の処置が取られ、死骸はその後焼却処分されることになる。

また、口蹄疫高病原性鳥インフルエンザなどでは、患畜の屠殺・殺処分の他、死骸の焼却や埋却なども義務付けている。

[編集] 障害者に対する安楽死 

稀に障害者は安楽死させるべきと主張する者も存在する。アドルフ・ヒトラーホロコーストで障害者を「恩寵の死」(Gnadentod) の名の下に殺害しておりT4作戦を行った。、石原慎太郎都知事は重度知的・身体障害者療育施設で「ああいう人(重度障害者)ってのは人格あるのかね。経済性ってことだけに触れないと思うけど、やっぱり永久に採算合わないだろうし、安楽死とか考える人もいるだろうね」と述べた。[2]

[編集] 安楽死を扱った作品

[編集] 出典・脚注

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  1. ^ 骨折は一件致命的には見えないが、競走馬が歩行不可能な程の重傷を負うと、ほとんどが治療・闘病の課程で蹄葉炎を発症して衰弱死したり、安楽死を余儀なくされる状況に至る。実際の例としてテンポイントバーバロが有名。
  2. ^ [1]

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

日本語のサイト

英語のサイト