ネット検閲
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ネット検閲(ネットけんえつ)はインターネット、イントラネット、ウェブや電子メールなどのネット上の情報を対象とした政府機関による検閲を指す。ウェブサイトへの情報の掲載を禁止・削除するか、あるいは、ウェブサイトをブロック(ブロッキング)することにより実施される。日本でも政府によって行われている。
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概要 [編集]
オフラインでの検閲とは別に扱われることが多いが問題点は同様である。主な違いはオンラインの方が国境を容易に越えやすい点にある。ある情報を禁止する国の住民は別の国のウェブ上でその禁止されている情報を得られる場合がある。逆に、ある資料を管理する政府が市民がその資料を閲覧するのを妨げる場合にはその政府が世界中のインターネットサイトを監視するなどして外国人をも制限する効果を持つことがある。
しかしながら、インターネットの基本的な分散的な技術によりインターネット上の情報の検閲を達成するのは非常に困難である。
よくモニター監視されるウェブサイト [編集]
当然ながら政府からの公式発表はないが、新聞やマスコミなどでの事件報道を参考にすれば、次のようなサイトがモニター監視の対象になっていると思われる。
- 自殺系サイトや出会い系サイトあるいはアダルトサイトなどのアンダーグラウンドサイト
- MySpaceなどソーシャル・ネットワーキング・サービス
- 電子掲示板、チャットなどのコミュニティサイト
- Yahoo! オークションなどのインターネットオークションサイト
- 政治的なブログやウェブサイト
- ウィキペディア
各国の状況 [編集]
「インターネットの敵」 [編集]
2006年11月、国境なき記者団はネット検閲反対のキャンペーンを立ち上げるのにあたって、インターネットの検閲や接続遮断をしているという「インターネットの敵 (Enemies of the Internet)」13カ国を発表した。その13カ国は次の通りである。
ベラルーシ[1]、
ミャンマー、
中華人民共和国、
キューバ、
エジプト、
イラン、
朝鮮民主主義人民共和国、
サウジアラビア、
シリア、
チュニジア、
トルクメニスタン、
ウズベキスタン、
ベトナム
なお、ネット検閲を実施している国家はここで挙げられたものが全てというわけではない。
検閲事例 [編集]
政府の公権力により、インターネット上での情報開示に検閲が行われている事例は次のとおり。
中華人民共和国では「网络审查」(網絡審査)という名目でネット検閲が行われ、「防火长城」と呼ばれる中国防火墙(中国のネットと国外の「反中国的サイト」とを隔てるファイアーウォール)が設けられている。サーチエンジンでも特定の言葉の検索結果に対してフィルタリングが行われる(→金盾及び中国のネット検閲を参照)
ミャンマーでは個人によるウェブ接続やメール送信は認められず、検閲済みのサイトで構成されたミャンマー・ワイド・ウェブなるものが設けられている。現在は企業に一部開放しており、メールは政府による検閲が行われている。
キューバでは許可のないインターネットの使用は違法とされている。許可を得られる例の大半は医師であり、医師の近隣住民が海外へのメール送信を依頼するが、キューバ政府はこれを制限しようとしてきた。
チュニジアでは(ポルノサイト、メールサービス、転送サービスなど)数千のウェブサイトがブロックされ、FTPやP2Pの利用が禁じられている。(技術的にプロキシに利用されるポートが封鎖されている。)
シリアは政治的な理由から幾つかのウェブサイトの閲覧を禁止しそれらにアクセスした市民を逮捕した。
オーストラリア・
ニュージーランド。青少年有害社会環境対策基本法案#オーストラリア・ニュージーランド参照。
大韓民国では「情報通信網利用促進及び情報保護等に関する法律」により政府・情報通信倫理委員会がISPに対して強大な監督指導権限を有しており、朝鮮民主主義人民共和国に共感的と看做される様々なサイトへの接続を認めないように命令した。この他、日本の韓国支配を肯定したり、竹島(韓国名・独島)が日本の領土であることを肯定する記述を含む21の「親日」サイトや5つのコミュニティが「反愛国的」との理由で強制的に削除されたケースも存在する[2][3][4]。2012年8月下旬に大韓民国放送通信委員会が親日サイトを制裁することを決め、削除や接続遮断などの言論統制を行っている。2012年9月5日には親日サイトを作った13歳の少年が逮捕された[5]。
- イスラム国家の多くではインターネット接続は政府の管理下にあり、「不道徳」とされるサイトのアクセスをブロックしたプロキシを経由して行われる。この中には露骨なポルノサイトのみならずセクシャリティなどに関する議論、議論が行われるブログのホスト、女性の下着のネット販売を含む女性の裸に関する記述のあるサイトなども含まれ、またイスラム教と他の宗教を比較するサイトや政治的に微妙であったり、議論のある話題などもブロックされている。
トルコでは、「政治的な理由」によってYouTube等のGoogle関連サイトを含む、約3700の外部サイトへのアクセスが政府によってブロックされている[6]。Googleグループ#ブロックも参照。
アラブ首長国連邦では国内単一のプロバイダであるエティサラットを通じてセキュアコンピューティングの手法で(すべてのサイトが62のカテゴリに分類され)強制的に検閲されポルノや政治的に微妙なものなど、UAEの道徳観に反すると思われるものはブロックされる。
シンガポールでは3人が人種差別を煽動する書込みをしたとして逮捕、起訴され、うち2人が懲役を受けた。ブログで教師を中傷する学生を訴えるという教職員組合による警告など、法的対応による脅威が増えることによる萎縮効果の恐れが強まっている。3つの主要なプロバイダによって提供されるインターネットのサービスは治安、国防、人種や宗教間の調和、公衆道徳への脅威となる材料を含むサイトを規制しブロックしており、また警察にはオンラインの通信を傍受する強い権限が与えられている。
モロッコは2006年3月にLiveJournalなどの多くのブログサイトへのアクセスをブロックした。
タイでは非合法活動の表現を規制するために著しい労力が払われた。タイが管轄するDNSサーバの管理やプロキシの管理によりポルノ、薬物の使用、ギャンブルが厳しく禁じられている。また王室批判は不敬罪で処断される。これによりそれらウェブサイトはアクセス困難になっている。政府はネット検閲を回避する方法を論じたサイトをもブロックした。
ロシアでは、裁判所がYouTubeに政治的な動画をアップロードしたプロバイダーからのYouTubeへのすべてのアクセスを遮断するよう命じた。[7]
規制事例 [編集]
法的規制により、インターネット上の情報開示に何らかの制限が加えられている事例は次のとおり。
アメリカ合衆国は1996年2月に通信品位法を定めた。規制の対象は主に年少者に関するものだが、言論の自由に関する議論の対象にされている。しかし言論の自由を擁護する側からの憲法修正第1条違反との訴えにより、6月、無効とされた。2000年に施行されたデジタルミレニアム著作権法では著作権保護技術の解除プログラムに関する議論やその配布が犯罪と規定され、オンラインでの著作権侵害の主張をより容易にした。この法律は既に(サイエントロジー教会など)幾つかの団体が著作権保護の訴えに見せかけて気に入らない言論を封殺するために用いられている[8]。
カナダについては、「ラディカル・フェミニズム#カナダ」を参照。- 米国と
フランスで争われているLICRA 対 Yahoo!の訴訟ではフランスの組織「人種差別と反ユダヤ主義に反対する国際連盟」(LICRA) とフランスユダヤ人学生連合 (UEJF) がヤフーがナチの記念品を売るオークションサイトに出店を許しているとして訴えた。これらの記念品はナチの戦争犯罪とホロコーストを賛美するものであると非難された。フランスではヤフーフランスのサイトがフランス法に反するとして閲覧を禁止する判断が示された。米国ではヤフーはフランスでの判断が合衆国憲法修正第一条に反すると主張し、カリフォルニア連邦地裁でヤフーの訴えが認められたが、連邦高裁で覆された。
モルディブではネット上で政府批判記事を発表した市民が逮捕された。- アメリカ新世紀プロジェクトは2000年9月に米国によるサイバースペースと近地球衛星軌道の支配を提唱している。
ブラジルのサンパウロ州はネットカフェの利用者に住所氏名と生年月日、電話番号と身分証明書番号の登録を義務付ける最初の州となった[9]。
スウェーデンでは2005年から児童ポルノをブロッキングしている[10]。
日本では2008年6月11日、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律(青少年ネット規制法)が成立し1年以内での施行が定められた。- 2008年3月26日、広島市議会において青少年と電子メディアとの健全な関係づくりに関する条例が可決、成立し、2008年3月28日付けで公布された[11]。2008年3月26日に同条例施行規則が公布され、同条例第14条に基づき「広島市青少年と電子メディアに関する審議会」を2008年4月1日から先行して施行される。最終的に同条例は2008年7月1日から完全に施行された。
2011年1月に起こったエジプト騒乱で、反政府デモの混乱を鎮圧するために、エジプト政府は、Twitterの接続をブロックした後、1月27日から28日かけて広い地域においてインターネット接続の遮断を行った[12][13]。Facebookをはじめとするソーシャルメディアがエジプト各地の都市における抗議行動の展開に大きな役割を果たしていたが、この措置でYahoo!、Googleなどにもアクセスしにくくなった[13]。エジプトではサービス遮断は合法[12]。また携帯電話の使用も全面遮断された[12]。
関連項目 [編集]
- 検閲
- パブリック・アクセス
- 表現の自由
- ブルーリボン運動 (反検閲運動)
- グーグル八分
- フィルタリング (有害サイトアクセス制限)
- フィルタリングソフト
- デジタルミレニアム著作権法(DMCA)
- オンライン海賊行為防止法案(SOPA)
- 知的財産保護法案(PIPA)
- 中国大陸におけるWikipediaへのアクセス封鎖
- 金盾
- 日本における検閲
- 青少年ネット規制法案
- 情報通信法案
- 偽造品の取引の防止に関する協定 (ACTA)
脚注 [編集]
- ^ 但し現在では「予備軍」に格下げされている
- ^ 大韓民国における反愛国サイトの排除[リンク切れ]
- ^ 「植民地時代は韓国にとって祝福」…21の親日サイトを摘発 2005年11月01日19時10分 中央日報日本語版
- ^ 「独島は日本領土」などネットの親日コミュニティーを閉鎖 2005年03月17日18時00分 中央日報日本語版
- ^ 「竹島は日本の領土」と書き込んだ「親日派」韓国13歳の少年検挙 J-CASTニュース 2012年9月7日
- ^ トルコ大統領、自国のネット規制をツイッターで非難 2010年 06月 14日 12:39 JST ロイター(REUTERS)
- ^ Google、ロシア地裁のYouTube遮断決定に懸念を表明 2010年08月04日 13時13分 更新 佐藤由紀子 ITmedia
- ^ 米国での著作権保護
- ^ ブラジルの利用者登録[リンク切れ]
- ^ (宮島理)ネット危険地帯第50回:「ブロッキング」と「フィルタリング」の2つのネット規制の流れ
- ^ 広島市が青少年と電子メディアとの健全な関係づくりに関する条例を制定
- ^ a b c エジプト政府、ネットと携帯電話を全面遮断 Japan Business PRESS
- ^ a b エジプト政府がインターネット接続を遮断、ソーシャル・メディアの利用を阻止 IDG Computerworld Global 2011年01月31日
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