出会い系サイト

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出会い系サイト(であいけいサイト)とは、インターネット、特にウェブサイトを通じて不特定の男女や性的マイノリティナンパや出会いをすることが出来るウェブサイトの総称である。

概説[編集]

インターネットの「出会い系サイト」は1995年頃までには登場しており、その後増加していった[1]。また1999年にはNTTドコモ携帯電話によるインターネット接続サービスiモードの提供を開始するなどし、手軽なインターネット接続が普及[2]。ケータイ用の出会い系サイトも急増していく[3]

しかし、その反面、身元や素性を偽って登録することが可能であり、またそれが許容される環境にあるため、それを狙って近年では援助交際、詐欺、恐喝、暴行殺人など様々な犯罪の温床になっている。[4]また、最近[いつ?]では悪徳なサイト運営者があらゆる手口を使い、後述する迷惑メールやポイントサイトから懸賞目的を装って申し込ませたり、相性占いを装ったサイトに個人のプロフィールを入力して占うをクリックした時点で、本人の意思とは無関係に自動的に出会い系サイトに登録されるといった事態が多発している[要出典]

前史[編集]

不特定の男女が出会えるシステム(「出会い系」)はインターネット登場以前、日本ではテレフォンクラブ伝言ダイヤルダイヤルQ2などが担っていた[5][6]。一方出会いの場が限られるLGBTを始め性的マイノリティの人々には、1960年代からゲイ雑誌などの出会い投稿欄が存在していた[7]。1960年に創刊された風俗奇譚にはゲイ同士の文通欄があり、1961年1月号からは女装者専用の交際欄「女装愛好の部屋」も設けられた。1971年創刊のゲイ雑誌「薔薇族」にも創刊号からゲイの出会い欄が設けられ、サークルの会員募集欄、結婚欄、未成年同士の友人募集覧「少年の部屋」などがあった[8]。また1976年11月号から「「百合族の部屋」(後、百合族コーナー」)も設けられた。

1995年には男女間にも「出会い」を仲介する出会い系雑誌「じゃマール」がリクルートフロムエーより発刊され、市民権を得る[9]。なお、「出会い系」という言葉はこのじゃマールの中の一カテゴリーだったとする説がある[10]。ただし、じゃマール創刊以前のゲイ雑誌のツーショットダイヤルの広告などに「出会い」という言葉が使用されているのが確認できる[11]

出会い系サイト規制法[編集]

出会い系サイトは「面識のない異性との交際を希望する者同士が相互に連絡」できる[12]をという特殊性に鑑み、他のネットコミュニティーにはない規制が課されている。

インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律(出会い系サイト規制法・出会い系サイト被害防止法)として平成15年(2003年)6月13日にて公布され、平成15年9月13日に施行された。18歳未満の児童を性行為目的で誘い出す書き込みをインターネット上で行なうと行為などを禁じ、罰則化した。さらに、2009年2月1日に施行された同法では営業の公安委員会への届け出義務や、利用者が未成年ではないことを証明するために、免許証やクレジットカードなど個人確認が義務化され、日本国内で運営されている無料もしくはオープンな掲示板式の出会い系サイトは事実上消滅した[13]

近年(資料によれば2009年頃)では、ソーシャル・ネットワーキング・サービス (SNS) も出会い系サイトとして利用されるようになっている[14]

課金システム[編集]

有料サイトの場合は、特定商取引に関する法律(特定商取引法)の指定役務に該当し、同法でいう通信販売となるため[要出典]、連絡先窓口となる事業者の名称(さらに法人の場合には代表者か責任者の氏名)、住所及び電話番号等の記載が義務付けられている[15]

違法・悪質なサイト、および出会い系にまつわる犯罪[編集]

出会い系サイトが一つのビジネスモデルとして確立して来るにしたがい、勧誘方法あるいは料金の請求方法などに非常に悪質な手法を用いるサイトが急増し、犯罪の温床であるという問題とは別に、その方法そのものが社会問題化した。主な問題はサクラ[16]、迷惑メールおよび架空請求を含む悪質な料金請求である[17]

警察庁広報資料「平成23年中の出会い系サイト等に起因する事犯の検挙状況について」では、出会い系サイトにまつわる犯罪として、出会い系サイト規制法違反、児童買春・児童ポルノ法違反、児童福祉法違反、準強制わいせつ及び児童買春・児童ポルノ法違反(児童ポルノ製造)といった検挙事例が挙げられている。なお、同年度の検挙数は1,421件。うち22件は殺人・強姦などもみられるが、ほとんどは児童・青少年の福祉関係を理由とした検挙となっている。

日本以外の出会い系サイト[編集]

サウジアラビア[編集]

家族以外の男性とは会話も顔を見せることも禁止されているサウジアラビアにも出会い系サイトがあり代表的な物としてalmisyar.comがある。 almisyarとはミシャー婚 (Misyar) と呼ばれる権利を限定した婚姻関係にアラビア語の定冠詞であるアル (al) を付けたものである。 サウジアラビアではeメールや電話であっても男女が直接会話をすることを禁止しているため、建前上は男性親族の後見人を仲介して話をしていることになっているが、実際には女性が男性親族のふりをして掲示板への書き込みやメールのやり取りをしていると言われている。 売春は死刑となるため日本のような売春問題は起きていない。

脚注[編集]

  1. ^ 荻上 (2011) pp.62-65
  2. ^ 荻上 (2011) pp.70-72
  3. ^ 荻上 (2011) p.90
  4. ^ 警察庁広報資料「平成23年中の出会い系サイト等に起因する事犯の検挙状況について」
  5. ^ 荻上 (2011) p.14, p.18, p.24, p.27
  6. ^ 1980年代にはゲイ専用の伝言ダイヤルやダイヤルQ2も登場していた(薔薇族広告)。
  7. ^ 三橋順子「日本女装昔話」第3回「1960年代の女装世界を語る雑誌『風俗奇譚』」。同誌にはゲイ同士の文通欄や1961年1月号からは女装者専用の交際欄「女装愛好の部屋」が設けられた。
  8. ^ オトコノコのためのボーイフレンド(1986年 少年社)。
  9. ^ 荻上 (2011) pp.52-56
  10. ^ 荻上 (2011) p.55 出会い系はさらにおともだちから族、お付き合い族、ケッコン族に細分化されていた。
  11. ^ 薔薇族1994年12月号「僕らの出会い」P502「出会いのチャンス…」P503など。
  12. ^ インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律 第二条による
  13. ^ 荻上 (2011) pp.90-91
  14. ^ SNSを悩ます「出会い系」問題の深淵 非出会い系の被害児童数は最悪水準へ
  15. ^ 「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」第三章 インターネット異性紹介事業の規制
  16. ^ 行政処分受けた「出会い系サイト」 「女性のメール」ほとんど男のサクラ」 J-CASTニュース、2008年5月7日。
  17. ^ 第25回 架空請求・不当請求にご注意!/警察本部/とりネット/鳥取県公式サイト

参考文献[編集]

  • 荻上チキ、2011、『セックスメディア30年史 - 欲望の革命児たち』、筑摩書房 ISBN 978-4-480-06606-0

関連項目[編集]

外部リンク[編集]