特定商取引に関する法律

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

特定商取引に関する法律
日本国政府国章(準)
通称・略称 特定商取引法、特商法
法令番号 昭和51年法律第57号
効力 現行法
種類 消費者法
主な内容 訪問販売、通信販売・電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引、業務提供誘引販売取引
関連法令 民法商法割賦販売法消費者基本法消費者契約法
条文リンク 総務省法令データ提供システム
  

特定商取引に関する法律(とくていしょうとりひきにかんするほうりつ、略称「特定商取引法」「特商法」)は「特定商取引(訪問販売、通信販売及び電話勧誘販売に係る取引、連鎖販売取引、特定継続的役務提供に係る取引並びに業務提供誘引販売取引をいう。以下同じ。)を公正にし、及び購入者等が受けることのある損害の防止を図ることにより、購入者等の利益を保護し、あわせて商品等の流通及び役務の提供を適正かつ円滑にし、もつて国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする」(第1条)法律である。

目次

[編集] 構成

[編集] 概説

主に無店舗販売に際して、販売者側に一定の規制を課し、消費者側の保護を目的としている。

1976年に「訪問販売等に関する法律」(略称「訪問販売法」)の名称で制定されたが、訪問販売にとどまらず通信販売など無店舗販売の形態が多くなったため、2000年に現在の「特定商取引に関する法律」に改称された。

本法において、「特定商取引」として次の6形態が規定される。

以上の3形態が第2章(第2~32条)で規定される

また、特定商取引には含まれないが、売買契約に基づかないで一方的に商品を送りつけてくる商法(「送りつけ商法」又は「ネガティブ・オプション」と言う。)についても規定されている。

[編集] 政令指定商品、権利、役務

特定商取引法の規制対象は、特定商取引に関する法律施行令(政令)で指定された商品、権利、役務についてのみである。

これらは、特定商取引に関する法律施行令の別表第一~六に記載されている。

別表第一
この表の商品が、法でいう訪問販売、通信販売、電話勧誘販売の対象となる。
別表第二
この表の権利が、法でいう訪問販売、通信販売、電話勧誘販売の対象となる。
別表第三
この表の役務が、法でいう訪問販売、通信販売、電話勧誘販売の対象となる。
別表第四
訪問販売、電話勧誘販売において、この表の商品を全部若しくは一部を消費したとき、クーリングオフ期間内でもクーリングオフできなくなる。
(なお、乗用自動車は別表第四にはないが、常にクーリングオフできない。(法 第9条第1項、法 第24条第1項、政令 第4条による))
別表第五
特定継続的役務の定義、期間、契約の解除によつて通常生ずる損害の額、契約の締結及び履行のために通常要する費用の額が記載されている。
別表第六
この表の商品が、特定継続的役務提供契約における関連商品である。

[編集] 2004年11月の法改正の概要

2004年11月に、悪質な訪問販売等に対する規制強化、および民事ルールの整備を主体とした改正が施行された。

  • 対象となる取引形態
    • 訪問販売(一般的な訪問販売、キャッチセールス、アポイントメントセールス、SF商法など)
    • 通信販売
    • 電話勧誘販売
    • 連鎖販売取引(マルチ商法、ネットワークビジネス、MLM)
    • 特定継続的役務提供
    • 業務提供誘引販売取引(内職・モニター商法)
  • 販売目的の明示義務
    • 訪問販売などの勧誘をする場合は、事業者はその勧誘に先立って、商品を販売することが目的であることを消費者に対して明示することを義務付けた。このため、家庭への戸別訪問で行われることの多い「点検商法」(例・水道局や保健所をかたり水道水を点検→汚れているので浄水器を売り込む)などの手法は制約を受けることとなった。
    • 連鎖販売取引の場合は、商品の販売等が目的であることに加え、金銭上の負担があることも明示しなければならなくなった。
  • 販売目的を隠した勧誘の禁止
    • 商品の販売目的であることを隠し、一般の人が出入りしない個室(例・販売者の事務所)などに誘い込んでの勧誘は禁止された。これにより、メインとなる商品の販売であることを隠して事務所などに連れ込んで契約をさせる、キャッチセールスやアポイントメントセールス、SF商法といったものは違法になった。早速2004年11月18日に、京都市の化粧品販売会社が化粧品のキャッチセールスを行って摘発された。
  • 不実告知、故意の事実不告知の禁止。重要事項を明確化し、罰則が設定された。また、これらの行為があった場合は、民法消費者契約法によらずに契約自体の取消が可能になった。
    • 商品の性能や種類
    • 販売価格
    • 対価の支払時期や支払方法
    • クーリングオフの告知
    • 消費者が契約を結ぶ事になった動機
    • 消費者の判断に影響を及ぼす重要なこと
    (取引形態ごとに詳細な規定あり)
  • クーリングオフの行使について販売者から妨害があった場合は、妨害がなくなり「クーリング・オフ妨害解消のための書面」を受領するまでは、クーリングオフ期間が進行しないようになった。
  • 連鎖販売取引に関する商品販売契約について、中途解約のルール化。以下の条件にすべて該当する場合、一定額(購入価格の90%相当)の返金が得られる。直接の購入元が無資力の場合は、販売会社に対して返金請求が可能。
    • 入会後1年未満
    • 受領して90日未満の商品
    • 商品を再販売していないこと
    • 商品を使用又は消費していないこと
    • 商品を棄損していないこと

[編集] 関連

[編集] 外部リンク