ダイヤルQ2

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本来の表記は「ダイヤルQ2」です。この記事に付けられた題名は記事名の制約から不正確なものとなっています。

ダイヤルQ2(ダイヤルキュー)は、NTT東日本西日本が提供していた電話による情報料代理徴収サービスの登録商標(第3012680号ほか。商標権者はNTT本社)。 通称:Q2(キューツー)。一般にダイヤルキューツーと呼ばれることが多いが、正しい呼称はダイヤルキューである。

利用者減少により、2011年12月15日で新規受付を終了し、2014年2月28日でサービスを終了。

概説[編集]

電話による有料情報サービスの情報料金を、電話料金と一緒に回収するもので、分割化前のNTTにより1989年7月10日に開始された[1]Quest、Question、QualityなどのQをもとにこの名称が付けられたとされる。電話番号が"0990"ではじまっていることから後付けでこの名称となった説もあるが、定かではない。NTT回線以外の電話(携帯電話PHSIP電話直収電話)からはかけられず、公衆電話からも後述の事情によりかけられなかった。

情報提供サービス業者のことをIP(Information Provider)と呼び、IPは情報提供サービスの倫理審査をNTTが指定した倫理審査機関によって受けなければならない。契約には電話の契約料・施設負担金・交換機等工事費のほか、運営には月額基本料金・回収代行手数料(月額固定料金)・情報料回収代行手数料(変動料金・情報料の9%)[2]を必要とする。

サービスの問題点[編集]

サービス開始当初(1989年)、NTT側は、ニュースやテレフォン相談のような一般サービスに利用されることを想定していたが、ほどなく成人向け情報提供業者が目をつけ、課金料金上限一杯の3分300円という料金を設定し、男女間のわいせつな会話・音声やツーショットダイヤル番組を提供するようになる。爆発的な利用拡大に伴って、援助交際目的の利用が次第に増え少年非行未成年相手の買春の温床になったり、若年者が長時間利用したことによる数十万円から数百万円という高額な情報料が発生し高額の利用料金請求などが社会問題となった。また同時に不当請求事件(回線所有者自身がQ2利用した記憶がないのにNTTから請求がある)、情報提供事業者が自ら偽造・変造テレホンカードを利用し公衆電話から自らの提供番組に掛けて不当利益を得る、などの事案も起こった。

1991年、世論や事態を重視したNTTは、情報提供事業者の電話回線の利用企画書をより厳しくチェックしたり、当初の利用企画書内容と異なる事業内容の番組の回線利用(すなわちツーショットダイヤル)をしている事業のQ2回線利用契約を更新しない、といった規制に乗り出した。これにより1992年にはダイヤルQ2回線を利用したツーショットダイヤル事業者は事実上消滅している。

さらに1995年11月1日からは以下のような方策が採られた。なお、当時NTTの電話交換機はデジタル化途上で、未デジタル化地域ではこの方策を採ることができないため、すべてのダイヤルQ2への発信ができなくなった(実際にサービスが提供されている番号でも「現在使われておりません」のアナウンスが流れた)。

  • 電話番号の分割。0990-3をアダルトに、0990-5・6を一般にする。5と6の違いは情報料金による区分。
  • アダルト向けダイヤルQ2への発信にはパスワード制を導入して、パスワードを設定しない限り発信できなくした(それ以前に、ダイヤルQ2への発信自体を停止することもできたが、一般情報内容も利用できなくなるためあまり使われていなかった)。
  • 情報料金に1回○円の定額制を導入。従来は3分間○円の従量制しかなかった。
  • 提供内容の審査を厳格化。
  • 情報料の課金開始は着信後すぐには行わず、冒頭で番組名・情報提供者名(回線の名義人)のガイダンス[3]が流れた後に「ピー」という音が鳴ると課金が開始されるようにした。

この結果、残留していたアダルト系情報コンテンツは課金に国外への通話を発生させた際の着信国側の通信会社からの払戻を利益原資とした国際電話回線(国際電話#国際電話を利用したアダルトコンテンツ参照)を利用するような状況もあった。

その後は、ダイヤルQ2回線を利用する情報提供事業者はパソコンの有料サポートなどのテレフォン相談サービスや募金を目的としたものなどが多くなったが、一般番号でプロバイダなどの利用目的で、実際はアダルトコンテンツの提供など利用目的を偽るケースや、ダイヤルアップ接続の電話番号をダイヤルQ2番号に書き換えてしまうソフトウェアを知らないうちにダウンロードさせて、ダイヤルQ2番号に接続させる行為が後を絶たず、1998年頃からは監視が強化され、悪質な場合には情報料を支払わないようにした。

2002年1月23日からは、一般向け番号への発信にも、いたずら防止などのために、パスワード制が導入された。また、この日より公衆電話およびピンク電話からのダイヤルQ2の利用が一切できなくなった。

2003年には、他人のダイヤルQ2無断利用について、その通話料の5割を超える部分について支払を請求することは許されないとした最高裁判決があった。

このように、規制が厳しくなったため、そして、ダイヤルQ2サービスがそもそもコスト高であることから、もっぱら以下の3ジャンルにのみ使用されていた。

  • 投資顧問(非会員向け情報サービス提供)
  • アダルト情報(上記のような詐欺的ではないものが生き残っている)
  • 義捐金募集(大規模災害時に実施され、情報料分がテレビ局などの災害募金番組提供者を通じて寄付金となる[4]

終焉[編集]

投資顧問では成功例が多く、多用されていたが、インターネットの普及などにより利用者が減少しているため、2011年11月15日に同年12月15日をもって新規受付を終了、2014年2月28日をもってサービス終了することが発表された[5]。これはNTT東西で1991年のピーク時には約8500もの番組から、サービス終了発表時には35まで減少しており、減少が続くと予想されたからである。

一方、ダイヤルQ2に代わる災害時の寄付募集用サービスとして、2014年3月1日より「災害募金サービス」が開始された[6][7]。「0990」から始まる番号は、以降このサービスで利用されることとなった。災害募金サービスはNTT東西の固定電話に加え、ひかり電話(ひかり電話ビジネスタイプは不可)からもかけられるようになった。

類似サービス[編集]

類似サービスとして、NTTドコモが同社の携帯電話を対象にしたモバイルQがあった。番号は「0990-204-xxx」または「0990-704-xxx」が割り当てられていた。1998年3月にサービスを開始したが、利用者はドコモショップ店頭で利用申し込みをしなければならず、また情報提供者は当時のドコモ中央のエリア(関東甲信越地方)に限られたうえ、ドコモと直収サービスの契約をしなければならなかったため、広く使われるには至らず、またiモードの普及により役目を終えたとして、2002年12月1日に新規受付を終了、2003年にサービスを終了している。こちらは当初からパスワード制が導入されていた。iモードの絵文字「モバQ」はこのモバイルQの名残である。

脚注[編集]

  1. ^ 当初は試験サービス。本格サービス開始は1990年7月10日
  2. ^ ただし、放送局や公共機関が行う災害被災者への義援金募集のための番組は両手数料を免除される場合があった。例として、2010年1月に発生したハイチ大地震への義援金を募集する番組「テレビ朝日ドラえもん募金(テレビ朝日)」「TBSカンガルー募金(東京放送ホールディングス)」。なお、この種の番組についてはダイヤルQ2サービス終了後も別のサービスとして継続する。
  3. ^ この文言は企画書に記載されてあるとおりに流さなければならない。
  4. ^ テレビ朝日の「ドラえもん募金」などがこれにあたる。
  5. ^ 「ダイヤルQ2」サービスの新規お申し込み受付の終了およびサービス提供の終了について 東日本電信電話・西日本電信電話共同ニュースリリース 2011年11月15日
  6. ^ 「災害募金サービス」の提供開始について | お知らせ・報道発表 | 企業情報 | NTT東日本”. NTT東日本 (2014年1月30日). 2014年3月4日閲覧。
  7. ^ 「災害募金サービス」の提供開始について”. NTT西日本 (2014年1月30日). 2014年3月4日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]