経済的虐待

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

経済的虐待(けいざいてきぎゃくたい)とは、人の財産を不当に処分したり侵奪したりして、経済的な境遇の面で人に苦痛を与える虐待金銭的虐待(きんせんてきぎゃくたい)とも称する。法令上の定義の定まった用語ではなく、使用される文脈により多義的である。

法的解釈[編集]

高齢者虐待防止法では、養護者による高齢者虐待に当たるものとして、次の定めがある。

  • 養護者又は高齢者の親族が当該高齢者の財産を不当に処分すること。
  • その他、当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。

しばしば、高齢者障害者の虐待が語られる中で、従来から使用頻度の高い、「身体的虐待」「心理的虐待」「性的虐待」「ネグレクト」等と並列に語られる用語として、文献や学会報告などで使用される。

経済的虐待の態様[編集]

先日、神奈川県から高齢者虐待に関する調査が発表されたが、神奈川県の例でも、経済的虐待の件数は前年に比べて2倍になっている。

それによると、09年度の市区町村に相談があった高齢者虐待相談は、577件。宮城県でも、09年度の虐待件数は376件で、3年連続で増加していると言う。

高齢者虐待は主に、「身体的虐待、心理的虐待、経済的虐待、性的虐待、ネグレクト」の5種類に分けられるが、その中でも最近増えているのが経済的虐待。

親の財産を、処分権限がないにも係わらず勝手に処分したり、被養護者以外の利益の為に使用したりするなど、

養護をすべき者や親族などが、被養護者たる高齢者の財産を侵奪・蚕食行為が挙げられる。

実際、配偶者・親・子ども・孫や同居の親族内で、財産を盗っても犯罪にはならないので、本人たちに虐待と言う罪の意識がないのが、経済的虐待の特徴であり大きな問題である。

また、対象は高齢者だけとは限らず、同様のことは事理弁識能力に欠ける、知的障害者精神障害者の養護者・親族等においても見られる。

岩手県一戸町知的障害者更生施設では、理事長が入所者の年金を無断で株式に投資し、巨額の損失を出すと言った事件も発生している。

死亡事件に発展する虐待も相次いでいて、9月には愛知県で、59歳の息子が87歳の認知症の父親に暴行して死亡させる事件。

兵庫県では、37歳の娘が63歳の母親を全身打撲で死亡させる事件が起こった。このような虐待問題は氷山の一角に過ぎない。

関連項目[編集]