報道被害
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報道被害(ほうどうひがい)とは、マスメディアが犯罪等の事件や出来事を報道する時、誤報、行き過ぎの報道により、被報道者の生活基盤、人間関係、名誉などを破壊してしまうことをいう。メディア・パニッシュメント(報道断罪)はこの一つ。
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[編集] 概要
事実に基づく報道であっても、恣意的な編集や誇張による偏向報道、それらによる恣意的な社会的制裁によって、一部を見聞きした人が誤認してしまう場合がある。
特に週刊誌の広告では、目を引く為にセンセーショナルな見出しを付ける場合が多く、新聞広告や電車の吊り広告を通じて目にした人が、本文を読まずに誤認したままとなるケースが少なくない。また、キヨスクやコンビニエンスストアに置かれているスポーツ新聞のトップ記事もセンセーショナルさを重視した大見出しを付ける事が多く、これと同様の事が言える。
誤報であったということが判明しても訂正されなかったり、訂正文が掲載されることになった場合でも、誤報した本文ほどには目立たない形で書かれる傾向にある。その為、必ずしも被害者の不名誉が払拭されるとは言い難い。最近ではまるまる1ページに訂正謝罪文を掲載させる(週刊・月刊誌の場合)損害賠償請求訴訟が起こされ、認容される例が相次いでいる。
また、誤報などにより報道被害を受けた者が、その報道の根拠として情報源の開示を要求する場合があるが、取材情報源の秘匿を理由にして拒否される場合もある。この場合、報道被害者にとっては誤報であってもそれを証明する手段が無くなり、結果的に報道被害による悪影響のみが残ってしまう。
[編集] 報道の自由と人権侵害
知る権利と被報道者のプライバシーのどちらを優先させるべきかはケースバイケースとなるものといえ、非常に難しいデリケートな問題と言える。我々には真実を知る権利があるが、プライバシーを暴かれない権利も持っている。但し、知る権利とはい未だ確立された権利とまでは言えず、私人に対し行使する場合には内容の公共性、公益性のみならず、私人のプライバシー領域にまで踏み込む必要性も検討されなければならないだろう。
その為、報道被害を争点とした裁判が多くなっている。しかし、勝訴したところで失われた元の生活には戻れないという人も多い。
重大犯罪を起こしたという疑いをマスコミが抱き、大々的かつ継続的に報道された場合、たとえ無罪が確定したり、無実が確認された後も疑いの目を持たれ続けることがある(ロス疑惑・松本サリン事件等)。一部のマスメディアは判決や真犯人の自供を軽視し疑いの目を向け続け、一般大衆からの偏見を却って助長していることさえある。このような場合、法的・形式的には名誉回復という形になっても、長期にわたり偏見に晒され続けることがある(参考:痴漢冤罪)。ひどい場合には、これにより社会的に抹殺されるに等しい状況に追い込まれてしまう事もある。
又、被疑者(容疑者に非ず)や被告人(被告に非ず)の段階ではまだ犯罪を犯したとは言えないにもかかわらず、日本のマスコミは、まるでその人物が犯罪者であるかの如くに報道することが多い為に無罪判決を受けたり誤認逮捕であったりした場合でもその人物が偏見を持たれ、失職や離婚等の被害を蒙る可能性がある(検察が公判請求する事件は“有罪に出来る”と確信したものだけである為でもある。また、検察・警察は無罪判決が確定した場合でも、別に真犯人が出てしまったなど明らかに検察側の失態とされる事態が明白でない限りは被告となった人物に謝罪する事も無く、「不当判決であり、現在も被告が真犯人であることを確信している。引き続き注視・監視していく」と犯人扱いし続ける意志を毎回発表している)。そして、不起訴や無罪判決が確定してもその人物の名誉回復などは十分に行われない場合が多く、大きな社会問題となりつつある。
凶悪犯罪や性犯罪が起こり被疑者が逮捕された際、マスコミが当初から繰り返して「○○容疑者は精神科の医療機関への通院歴がある」という旨の報道を行うケースが多々見られる。実際に精神障害者が犯罪を犯す率が高いわけではないが、この表現が元で精神障害者は犯罪予備軍・変質者予備軍であるというレッテル張りにつながる原因となる。精神障害者の人権を侵害するものとして批判が出ているが、万一にも精神障害を理由として被疑者が不起訴や無罪となった際に報道のあり方が問題視される可能性がある、そのリスクに対する回避策の一つとしてマスコミがこの語句を頻用している節もあり、改善の兆しはない。
[編集] インターネットと報道被害
インターネット(ウェブサイト、メールマガジン、ブログ)上に流れる情報の質は玉石混淆であり、中には噂話レベルの情報がまことしやかに語られることや、さらには大元の情報がそれを書いた人間の妄想や何らかの意図を含んだ歪曲を含んでいるケースや、情報の根本的な部分が捏造で面白おかしく脚色されている場合もある(この時点で受ける被害は風評被害)。しかし、マスメディアが稀にそのような情報を鵜呑みにして二次利用し、これによって報道被害が発生する場合がある。一般にマスメディアの情報には信頼が置かれており、また、より多くの人が見聞きすることになる為、ネット上に留まっている場合とは比較にならないほど被害規模が拡大し、また質的にも深刻化することになる。
また、マスメディアが「電子掲示板に報道対象の人物の書き込みがあった」と紹介することで、興味本位の訪問者が増え、掲示板の運営者に負担をかけることがある。近年ではおたくバッシングやブログの訪問者のカウント数上昇、あるいはブログに設置してあるアフィリエイトの利用促進などを目的に、その件とは全く無関係の人物がブログに書き込みをした虚偽のセンセーショナルな内容が、まず2ちゃんねるに転載され、それを見た大手マスメディアによって検証も全く行われないままにさらに転載、報道されるケースなども見られている。
逆に、その様な報道が繰り返されている為、極端なケースではあるものの、現在ではそもそも注目を集める手段として、2ちゃんねるのニュース関連の掲示板などへの転載やさらにマスコミの記事になる事を期待して、意図的にセンセーショナルな文面作りを行うサイト管理者やブログ所有者すら現れている。
[編集] 報道被害の例
- ただし、この件は警察に追従した一流メディアの報道被害であったため、逆に正規ではないルートでは冷静で、メディアは同時に報道被害を暴くという役割も果たした。
- ニュースステーションにおける「所沢農薬野菜」報道
- 福岡一家4人殺害事件
- 香川・坂出3人殺害事件
- フライデー事件
- TBS不二家捏造報道問題(みのもんたの朝ズバッ!など)
[編集] 関連項目
[編集] 関連書籍
- 人権と報道関西の会編『マスコミがやってきた!取材・報道被害から子ども・地域を守る』現代人文社、2001年1月。ISBN 877980326
- 浅野健一 『「報道加害」の現場を歩く』 社会評論社、2003年12月。ISBN 9784784514342
- 梓澤和幸 『報道被害』 岩波書店、2007年1月。ISBN 9784004310600

