障害者差別

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障害者差別(しょうがいしゃさべつ)とは、障害が外見的なものであろうとなかろうと、それによって人権生存権が損なわれ、その人の人生にとって後遺症となりうるような経験を障害者本人の意図とは無関係に強いられるものである。具体的には障害者に対する暴力名誉毀損不妊手術強要などから、障害を理由として社会参加等が制限されるような制度的或は運用上の差別及び排除・具体的には隔離から欠格条項等による就学・就職差別介護放棄などをいう。

各地域における障害者差別[編集]

北欧[編集]

スウェーデンでは、1906年に「優性」を理由とする不妊手術が行なわれたのを皮切りに、1915年には、優生学的理由から「精神遅滞、精神病、てんかん」者の結婚の規制が行なわれた。

1870年から1914年まで、人口の6分の1の移民流出などによる人種の「変質」の危惧が言われており、「変質」に対抗する優生学は社会衛生運動の一部とみなされた事、ナチスのアーリア系優越思想にも通じる優秀な北欧人種の伝説があったと言われている。他、ロマの人々、性犯罪者も「社会防衛」の観点から断種手術の対象となったという。 この政策は、不妊法が改正され同意のない不妊手術が一切禁止される1975年まで続けられていた。

デンマークでは1967年まで、フィンランドでは1970年まで、やはり精神障害者・てんかん者に対する強制不妊手術、強制去勢が行なわれていた事が確認されている。

ナチス・ドイツ[編集]

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツが、ユダヤ人政治犯同性愛者と同様、障害者強制収容所に隔離し、「最終決着をつけようとした」。T4作戦も参照。

日本[編集]

勤労や作業指導については、脳性麻痺患者による障害者患者会大阪青い芝の会1972年に会報にて「事あるごとに『働くことはよい事なのだ。働く所がなければ授産所へ行っても働け』といわれ続ける。」「街を歩けば『どこの施設から逃げてきたのだ』と言葉をかけられる。」とその問題点を明かしている[1]関連項目として「日本国憲法第27条」、「勤労の義務」、「働かない権利」を参照。

2007年7月千葉県で、全国初の障害者差別をなくすための障害者条例が成立し、その後3道県で同様の条例が成立している。

韓国[編集]

2014年には知的障害者を強制的にただ働きにしていた韓国塩田奴隷労働事件が発生した。

東南・南アジア[編集]

タイスリランカバングラデシュなどでは、「障害は前世の罪の報い」という考え方が根強く、家族は障害者がいることを恥じ、隠そうとする[2]。さらに、スリランカやネパールでは、看護職やソーシャルワーカーなど障害者をケアする立場にある者までもが障害者を見下した立場をとっており、看護師は障害者に触ろうともしない[2]

アフリカ[編集]

名詞クラスのあるバントゥー語では、障害者をあらわす名詞を動物や無生物の名詞クラスに分類することで、彼らを人間扱いしないということを文法的に明示することができる。そのため障害者をあらわす名詞を人間の名詞クラスに分類しなおすべきだという運動が起こっている。

脚注[編集]

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  1. ^ ベーシックインカム入門 山森亮 光文社 2009年 ISBN 9784334034924 p123-124
  2. ^ a b アジアの障害者 ー  偏見と差別 アジア・ディスアビリティ・インスティテ-トのサイト。2012年11月7日閲覧。

参考文献[編集]

関連項目[編集]