エスニックジョーク
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エスニックジョーク(Ethnic joke)とは、それぞれの民族が持つ典型的な性格や行動様式などに注目し、その特徴を端的にあらわすようなエピソードを紹介して笑いを誘うようなジョークのこと。
エスニックジョークという言葉は1970年代頃から使われるようになった[1]。
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[編集] 差別性
エスニックジョークを理解する為には、題材となるそれぞれの集団がどのような民族性を持っているか(抱かれているか)という前提を理解しておく必要がある。その集団の性格・特徴の中でも特にネガティブなものが対象にされるということがVictor Raskinによって指摘されている[1]。
エスニックジョークが親しまれている国では、ネタにする立場の人とネタにされる立場の人の間で、ジョークが差別的・侮蔑的だという理由で確執が生まれたりすることはあまり無く、むしろ互いの民族の典型的な特徴を指摘して笑いあうというエスニックジョークの構図を理解した上でその関係を楽しんでいることが多いとする論者もいる[2]。しかし現実にはこうしたブラックジョークの類は一歩間違えれば単なる中傷や差別に繋がる危うさを含んだものであり、騒動を巻き起こす事が散見される。特に実際に侮蔑的なジョークの対象にされた国や民族においては使用側の「単なるジョーク」という理由では済まされない反感を生みかねない為、一層の注意を必要とする場合が多い。
[編集] 日本での事例
日本における具体的な例として、こうしたシニカルなジョークを多用するアニメ作品「サウスパーク」の翻訳放映を行っていたWOWOWが、日本人(あるいは日本文化)を皮肉った「チンポコモン」という回の日本放映を見送ったケースが挙げられる。同回では日本人に抱かれている民族的なイメージ(Engrish、性器の小ささ、軍国主義、白人に対する卑屈さ、天皇家の崇拝など)とポケモンなどの日本文化の双方を皮肉った内容で、WOWOWは日本での放映に適切な内容ではないとして放映を中止した。
サウスパークを製作したトレイ・パーカーは日本語を流暢に操る日本通として知られ、サウスパーク自体も特定の国に限らずあらゆる国(自国も含む)をジョークの対象にしている作品であった。しかしそもそも背景事情を汲む人々だけとは限らない事や、ブラックジョーク自体を悪趣味と嫌う人々が居る以上はやむをえない処置であったと思われる。
[編集] ジョークの例
特定のシチュエーションにおいて様々な民族の人がそれぞれなんらかの発言または行動をし、それがその民族のステレオタイプな特性とよく一致する、というパターンがしばしば見られる。
- 様々な民族の人が乗った豪華客船が沈没しそうになる。それぞれの乗客を海に飛び込ませるには、どのように声をかければいいか?
- ロシア人には、海の方をさして「あっちにウォッカが流れていきました」と伝える(ロシア人の酒好きな性格を揶揄している)。
- イタリア人には、「海で美女が泳いでます」と伝える(イタリア人男性の女好きな性格を揶揄している)。
- フランス人には、「海に飛び込んでください」とフランス語で伝える(フランス人は自国の言語に誇りを持っていると考えられている)。
- ドイツ人には、「規則ですので飛び込んでください」と伝える(ドイツ人の律儀な性格を揶揄している)。
- アメリカ人には「今飛び込めば貴方はヒーローになれるでしょう」(アメリカ人の趣味嗜好を揶揄)。
- 日本人には、「みなさん飛び込んでますよ」と伝える(日本人の集団志向を揶揄している)。
- ドイツ人は、スープは加熱されているから細菌はいないはずだと考えてそのまま飲む(論理的なドイツ人を揶揄している)。
- アメリカ人は、店に対して訴訟をおこす(アメリカの訴訟社会を揶揄している)。
- イギリス人は、スープには手をつけずウェイターに皮肉を言ってから店を出る(イギリス人は皮肉好きと考えられている)。
- 中国人は、躊躇せずハエを食べる(なんでも食材としてしまう文化を揶揄している)。
- 日本人は、他の客のスープを覗き、自分のスープだけにハエが入っていることを確認してそっと店主を呼び、知らせる(あるいは「黙って飲む」、「本社に問い合わせる」という解答もある)。
またイギリスでは、イングランド人・アイルランド人・スコットランド人のそれぞれの性格を風刺するジョークが楽しまれている(イングランド人とアイルランド人とスコットランド人を参照)。同じように各国人の性格を風刺するジョークも存在する。
- この世の天国とは
- コックはフランス人
- 警官はイギリス人
- 技師はドイツ人
- 銀行家はスイス人 [3]
- 恋人はイタリア人
- この世の地獄とは
[編集] 参考文献
- クリスティ・デイビス著、安部剛訳 『エスニックジョーク―自己を嗤い、他者を笑う』 講談社、2003年、ISBN 978-4062582681。
- 早坂隆 『世界の日本人ジョーク集』 中央公論新社、2006年、ISBN 978-4121502025。

