イケア
提供: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
| 種類 | 非公開会社 |
|---|---|
| 本社所在地 | 南ホラント州デルフト |
| 設立 | 1943年 エルムフルト |
| 業種 | 小売業 |
| 事業内容 | 家具の設計・製造及び販売 |
| 従業員数 | 120,000(2008年) |
| 関係する人物 | イングヴァル・カンプラード(創業者) |
| 外部リンク | www.ikea.com/jp/ja/ |
イケア(IKEA)は、スウェーデン発祥で、ヨーロッパ・北米・アジア・オセアニアで店舗展開する大手家具店。
目次 |
[編集] 概要
売上高は173億ユーロ(2005年9月1日~2006年8月31日)
製造部門の子会社であるスウェドウッド、サービス部門を統括するイケアサービス、デザインや商品企画などを担当するイケア・オブ・スウェーデン他、各国の販売チャンネルなど多くの子会社を抱え、「イケアグループ」と呼称される企業体を形作っている[1]。
現在は、オランダ南部の都市ライデンを本拠地とする財団法人スティヒティング・インカ・ファウンデーション(創業者イングヴァル・カンプラードの創設した基金)が、イケアグループ全体の親会社であるインカ・ホールディングを所有している。
家具にはスウェーデン語の名前がついているのが特徴。郊外に「イケアストア」と呼ばれる大規模な店舗を構える方法で展開しているが、カタログやインターネットによる販売もしている(日本国内におけるインターネット販売は未定)。ロシア進出の際には、ドキュメンタリー映画が撮影された。
[編集] 「IKEA」の由来、発音、表記
IKEAの由来は、創業者:Ingvar.Kamprad.のイニシャルに、彼が育ったElmtaryd農場とAgunnaryd町の頭文字をつなげ合わせたものである。日本でのカタカナ表記は「イケア」であるが、アメリカ、カナダやオーストラリアなど英語圏では「アイキア」と発音するなど、各国で少しずつ違っている。ドイツやオランダでの発音は日本同様「イケア」である。なお、中華人民共和国における表記は「宜家家居」である。
[編集] 店舗内の構成
イケアの店内は大まかに、
- イケア商品を使ったテーマ別モデルルーム
- 収納やテーブル、小物など商品別のエリア
- 組み立て家具の倉庫
- レストラン、ビストロ(ホットドッグなどの軽食がある)
に分けることができる。来訪者は、モデルルームで各商品が実際に部屋に置かれた状況を想像・把握したうえで購買対象を絞り、商品番号を頼りに倉庫から希望する商品をピックアップして、レジへと向かう流れが基本である。自分で持ち帰るのが前提のため、配送を依頼する場合も商品をレジに通した後で配送窓口に向かう。
[編集] 商品の特徴
イケア商品に共通するのは、非常に安価でありながら上質なデザインが施されていること。このことは、従来の「ホームセンター系家具」と「高級輸入家具」の双方にとって脅威となっている。ただ、家具を自宅で組み上げるには、完成状態より多分に大きい空間を必要とするため、商品購入時は慎重に検討しなければならない。
なお、家具販売を基軸にしているが、食器、照明器具、システムキッチン、テキスタイルなどホームファーニッシングやガーデニング関連を含む非常に多様な商品構成を持っている。
安価でありながら不良品率は全体の2%と低く、商品管理が徹底されている。商品機能に重点を置いている点は評価にあたる。
[編集] 歴史
1943年、17歳だったイングヴァルが設立した安売り雑貨店が、元になっている。当時は需要があれば何でも取り扱う店であったが、1947年に、地元の家具店と契約して格安販売を開始すると、これが大当たりし、1951年以降は完全に家具販売に集中する。
1953年に最初のショールームをオープン以後は、順調に売り上げを伸ばしていたが、同業他社との深刻な価格競争に巻き込まれることになり、ライバルの圧力によって、家具メーカーからの商品供給停止という深刻な状態となる。しかし、こうした事態をバネに、自社で独自のデザイナーを抱え、企画・製造・販売まで全てまかなう、現在のイケアのスタイルを誕生させた。また、この際にイケアの特徴の一つである「フラットパック(分解された商品は、できるかぎり薄く小さい梱包をされており、車のトランクに積んで簡単に持ち帰ることができる)」も誕生している。
1963年から、スウェーデン国外での積極的な展開を開始。ノルウェーを足がかりにして、スイス、フランス、ドイツ、デンマークなど、ヨーロッパのほぼ全域、アメリカやカナダにも出店した。流通や梱包、製造などのコストを徹底的に削減しながら、顧客のニーズに合わせた格安の組み立て式家具を販売し、その後ヨーロッパで絶大な人気を誇るようになっていく。
中国やオーストラリアへも進出し、1993年には25カ国で100店舗を達成。2008年4月現在で、世界の36の国と地域に合計278店舗。そのうち24カ国、246店舗が直営店となっている(他はフランチャイズ方式)。
従業員は世界各国で10万人を超え、売上高は2兆1,000億円を誇る。
[編集] 日本におけるイケア
| 種類 | 株式会社 |
|---|---|
| 市場情報 | 非上場
|
| 略称 | イケア |
| 本社所在地 | 〒273-0012 千葉県船橋市浜町2-3-30 イケア船橋店5F |
| 設立 | 2002年7月1日 |
| 業種 | 小売業 |
| 事業内容 | DIY家具販売、インテリア販売 |
| 代表者 | 代表取締役社長 ラース・ペーテルソン |
| 資本金 | 1,000万円 |
| 従業員数 | 約1,300名(日本法人) |
| 外部リンク | http://www.ikea.com/jp/ja/ |
日本においては、1974年に大阪の三井物産資材部、湯川家具、チトセ(スチール家具メーカー)および東急百貨店が、イケアスウェーデンとの契約のもと、合弁会社「イケア日本株式会社」を設立。第1店舗を千葉県船橋市のローラースケート場跡(後日、現ららぽーと内アクタスの場所近くへ移転、ららぽーと完成時少し移動。)に、第2店舗を兵庫県神戸市灘区新在家の国道43号線沿いの「イケアタウン六甲」(現サザンモール六甲そば)などに出店。小売はもとより、卸も行っていた。
しかし、1986年に日本から撤退。イケア日本株式会社のメンバーは、イケア日本の閉鎖と同時に新会社「アクタス」へと移った。
後に2001年に日本再進出を決定し、2002年7月に日本法人「イケア・ジャパン」を設立。1号店(イケア船橋)が2006年4月24日に、千葉県船橋市にあった屋内スキー場・ららぽーとスキードームSSAWSの跡地の一部を利用してオープンした。イケアストアオープンの恒例になっている「丸太カット」(テープカットの代わりである)も行われた。
なお、当初一号店のオープンは2005年9月を予定していたが、より迅速な在庫管理を行うために、中国上海に大規模物流センターを建設することとなり、延期になっていた。日本における物流センターは、千葉県八千代市にあるが仮のものであった。候補地は数多く上がっていたが、結局2006年11月15日に、愛知県弥富市上野町の弥富地区工業用地27ヘクタールを愛知県企業庁より約100億円で購入し、翌2007年6月に着工。2008年10月1日に、「IKEA弥富物流センター」として操業開始した。今後、数年以内に、関東と関西でそれぞれ最大6店舗ずつの開店を目標としているほか、名古屋地区を始め日本国内の他の政令指定都市に出店する計画がある[2]。
中部地方が選定された理由として、現在店舗が存在する関東地方と新規オープンが予定されている関西地方の中間地点にあたること、また、名古屋港の物流利便性などが決め手になったと伝えられる[3]。
[編集] 日本における店舗
- イケア船橋(千葉県船橋市浜町2丁目)
- ららぽーとスキードームSSAWS跡地に2006年4月24日オープンした。
- イケア港北(神奈川県横浜市都筑区折本町)
- イケアポートアイランド(兵庫県神戸市中央区港島中町4丁目)
- 神戸ポートピアランド跡地に2008年4月14日にオープンした。
- イケア鶴浜(大阪府大阪市大正区鶴町1丁目)
- ホームセンタームサシ鶴浜店建設予定地だった埋立地に2008年8月1日にオープンした。
- イケア新三郷(埼玉県三郷市新三郷ららシティ2丁目)
[編集] 日本でのオープンプロモーション
[編集] 船橋店オープン時
イケアでは、日本再上陸にあたってのプロモーション活動として、船橋店オープン前の2006年4月1日からオープン後の30日までの1ヵ月間、東京都新宿区の明治神宮外苑にある聖徳記念絵画館前の銀杏並木を利用して、「IKEA 4.5 MUSEUM」と呼ばれる屋外ショールームを用意した。14棟におよぶ日本的な「4畳半」の広さのブースを並木道に配し、それぞれ「本好きの部屋」「オフィスの部屋」「アートの部屋」など、テーマにあわせてイケアで販売される家具や雑貨商品を使っての住空間構築の提案が行われた。同時にイケアの特徴でもあるカタログの配布が行われ、展示終了後にはそれぞれの部屋の中身が応募者にプレゼントされる企画も開催された。
[編集] 港北店オープン時
神奈川県横浜市の横浜赤レンガ倉庫において2006年8月26日から9月9日にかけて「IKEA ROOM BOX」と呼ばれる、船橋店オープン時とほぼ同様のプロモーションが行われた。用意されたブースは6棟に減ったが、4畳半から12畳までと部屋のバリエーションが変更になった。
[編集] ポートアイランド店オープン時
2007年10月2日より、「イケアポートアイランドができるまでブログ」を開設して、スタッフによる事前レポートがオープン前日の2008年4月14日まで6ヶ月に渡って行われた(なおこのブログは一旦更新を終了したが、2008年5月23日より「イケアポートアイランドができてからブログ」と名を変えて、ポートアイランド店のイベント情報などを告知するブログとして更新が再開されている)他、神戸・大阪を中心とした地域で2008年3月末より日本地域初のテレビCMを放送した。
[編集] IKEAホームファニッシングライナー
2008年4月1日から5月6日までの期間限定で、三宮駅から店舗のあるポートアイランドを結ぶポートライナーの車両6編成を、「IKEAホームファニッシングライナー」と呼ばれる特別仕様車に改造し、走行させた。また、駅の機能向上等のために命名権(ネーミングライツ)制度を利用して、スポンサーを募集していた神戸新交通より命名権を3年契約で購入し、店舗に隣接した同線の南公園駅に「IKEA前」という副駅名を命名し、駅構内をIKEA仕様に改装した。
[編集] IKEA Home Furnishing TV
「IKEA Home Furnishing TV ~ホームファニッシングを楽しもう~」は、イケアポートアイランド開店にあわせて、2008年4月4日より放映されている宣伝番組。イケアのインテリアデザイナーが出演し、イケアの商品を使って部屋を作る。千葉テレビ、テレビ神奈川、サンテレビ、テレビ埼玉で毎週金曜日、BS日テレにて土曜日に放映された。制作はフルハウス。放送終了後は、イケアホームページ上に閲覧できる動画が無償で提供された[5]。
[編集] 配送・設置・組み立てサービス
本来イケアは客が自ら持ち帰り、設置し、組み立てることを前提とした販売を行っていることもあり、家具の商品代金には配送料が一切含まれておらず、配送や設置、組み立て等のサービスは消極的である。しかしながら、DIYの浸透度の低い日本において過去に失敗している経験上、船橋店オープン時には三菱電機ロジスティクスと提携して、外吊りでの搬入や不要な家具の引き取りまで含め、付帯作業の充実した配送・設置・組み立てのサービスを用意した。
しかしながら、1日に配送できる件数に上限があり、混雑する日曜日の夕方ともなると翌週末の配送予約が一杯になってしまうことが短所としてあげられる。当初、一回当たりの配送量の上限が事実上無かったが、オープン時の大混雑も含めて配送遅延や大量配送物の発生などで配送サービスがまともに機能しなくなり、港北店オープン時の2006年9月より配送量に最大3個までの上限が設けられ(4個以上はさらに別料金)、また配送料金そのものも値上げされた。
現在は配送地域によって値段が異なり、重量で決まる。200kgまでは20kg刻みとなり、200kg超えると100kgに刻み等へ変更。ベットやソファーなどもこの価格で配送できることを考えると非常に安い。また、梱包されていない商品(アウトレット商品など)は別途梱包料が必要となった。また、組み立てサービスは近距離の配送に限定されている。
港北店ではオープン当初は組み立てサービス自体が無く、アウトレット商品の配送もできないなど差異があったが、現在はポートアイランド店も含めて差は少ない。
組み立てサービスの費用であるが、船橋店では商品価格の20%となっている。一方、港北店、およびポートアイランド店では警備・施工マネジメント(KSM)により商品毎にパンフレットにて「施工価格例」というかたちで費用が示されている。組み立てサービスの金額はあくまでも商品の組み立てのみに関するものであり、壁、床、天井などへの固定については別途もしくは含まれない。
[編集] 手ぶら de ボックス
小口商品の配送用に別途「手ぶら de ボックス」と呼ばれる宅配ボックスが用意されており、全国一律配送料込みの箱が販売されている。自分で梱包し、配送カウンターに持ち込むことで、最大25kg、サイズ50×50×60cmの箱が1,000円で配送することができる。
[編集] イケアでのサービス
[編集] 会員制度・IKEA FAMILY
イケアには「IKEA FAMILY」という会員制度があり、半透明オレンジ色の「イケア・ファミリー・カード」がその会員カードである。会員カードにポイントが貯まる機能は付いていない。入会費や年会費などは無料で、Web上および店頭で申し込むことで登録でき、いくつかの会員特典が受けられる。Web上で申し込む時は後に会員カードがのちに送付されるが、店頭で申し込む時には応募用紙にすでに会員カードが付いており、登録する当日から利用可能である。なお特典を受ける際には、会員カードの提示が各特典を受けられる場所にて必要である。
- 会員特典の例
- 「IKEA FAMILY セミナー」への参加
- 「IKEA FAMILY LIVE」という会報の配布
- 「特別割引商品」の購入権利
- 「IKEAレストラン」における割引
- 「IKEAカフェ」におけるコーヒー・紅茶の無料サービス(平日のみ)
[編集] IKEA レストラン
店舗にはレストランとカフェが併設されている。レストランではスモークサーモンやミートボールなどを中心とした簡単なスウェーデン料理を食することができる。ちなみにこれらの店内のテーブル、イス等も全てイケア製品で統一されている。また、ホットドッグやソフトクリームなどを売っているビストロや、スウェーデン直輸入のものを中心とした食材を販売している「スウェーディッシュ・フード・マーケット」がある店舗もある。[6]
[編集] IKEAカタログ
イケアのカタログは1年に1度発行される。全世界28ヶ国で発行され、27言語に翻訳されている。2007年度は56版発行され、合計発行部数は1億9,100万部を数える。
[編集] イケアの環境問題対策とイケア鉄道
イケアは、家具の材料に主に木材を多く使うことから、森林伐採対策やリサイクルなどに対して非常に関心が高く、1980年代から積極的に環境問題に取り組んでいる。合板に対するホルムアルデヒド放出量の厳格化や、熱帯雨林伐採の木材を使わず、植林によって生み出された木材を使う、あるいは各種梱包材や家具そのもののリサイクルなどの活動を続けている。
そのような中で、2002年にはイケア鉄道(IKEA Rail)を設立し、スウェーデン、デンマーク、ドイツで、貨物列車の運行を行っている。これはイケアが製品などを各地に配送する際のトラック輸送に伴う環境負荷を軽減するために、自前の鉄道車両を用意したもので、渋滞による遅延も無く、輸送コストとしても安く、また環境負荷も少ないということで一日あたり50台のトラック輸送を撤廃できた。今後、ポーランド、イタリア、ベルギーなどへも路線網を伸ばしてゆくことが計画されている。
なお、既存の線路を使って貨物列車を運行しているのであり、自前の線路を持っているわけではないことに注意。
[編集] イケア開店時の混雑
イケアは、非常に大規模で、かつ格安を売りにしていることもあって、常に新規オープンに伴っての店舗来場者の殺到が見られ、混乱や問題に見舞われがちである。2005年2月のイギリス、エドモントン店オープン時には、特売品を多く告知した結果、深夜オープンにもかかわらず、7,000人もの来場者が殺到し、商品を奪い合って乱闘騒ぎに発展した。中国上海店オープン時には、一日で実に8万人が押し寄せるなど、騒動の規模も大きなものとなっている。
日本における船橋店オープンも、万全を期して月曜日平日のオープン、特売品は設けない、という体制で挑んだが、結果的にオープン日に35,000人を超える来場者が殺到。近隣にららぽーと、船橋競馬場、船橋オートレース場等を抱え、渋滞を引き起こしやすい道路事情も加わり、週末、休日には入店までに数時間、閉店から3時間後でもすべての車が出庫できないなど異常事態となった。そのため、現在は、本来3時間以上の利用の場合は有料であった駐車場が不定期ながらも無料開放されたり、土日祝日の営業時間延長など、混雑緩和策を行っている。
港北店オープン時も、やや緩和されたものの同様の混乱は発生。近接した第三京浜港北ICには、大渋滞が発生した。なお、港北店は最寄り駅(新横浜駅等)が遠いこともあり、新横浜駅-イケア港北間のシャトルバスが運行されている他、2008年3月20日より東急東横線・目黒線の田園調布駅から長距離シャトルバスの運行(東急バスによる運行)を行っている。
また、鶴浜店に於いても、近隣に鉄道が走っていないという事もあり、難波駅 (OCAT)~イケア鶴浜間のシャトルバス(北港観光バス委託)が運行されている(2009年4月19日までは大正駅~イケア鶴浜間のシャトルバスも走っていた。また、2009年4月25日から5月6日まで難波経由で大阪駅までも運行)。大阪市営バスの路線バスもあるものの、本数は少ない。
[編集] 脚注・出典
- ^ グループの構造については、The Economist誌の和訳組み立て式会計:イケアの不思議な企業構造に詳しい。
- ^ イケア 愛知県弥富市に国内初の物流センターをオープン 物流ウィークリー・2008年10月06日
- ^ 中日新聞 「弥富に「イケア」が進出。世界最大の家具小売り店」 2006年11月15日
- ^ Shin Misato LaLa City内
- ^ IKEA Home Furnishing TV~ ホームファニッシングを楽しもう
- ^ ただし、主力商品のミートボールは、オーストラリアの肉を使った国産品である。
[編集] 外部リンク
|
||||||||||||||