性役割

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第二次世界大戦の間、輸送機の部品を作るために工場で労働する女性。

性役割(せいやくわり、gender role)とは、その性別に、社会的に期待されている役割のことである。

例えば、「男だから、めそめそしない」「女だから、おしとやかにする」などの行動規範に従って行動するとき、その人物は性役割を演じているとされる。この場合、特定の性に本人の好むと好まざるとを問わず、一定の役割を期待すると共に、その役割に応ずる準備や能力、資質、性向がない場合、不要なストレス、劣等感を当事者に持たせ、社会的に自分が不完全であり、不適応であるとの疎外感や差別感を持たせることになってしまう。これは、女性に賃金労働上の成功のチャンスを与えないばかりか、男性にマッチョイズム(男性至上主義)のシンボルとして適合しない場合、その権威への落第者といった自己評価の低下をもたらすなど、さまざまな議論を投げかけるものでもある。

同時に、ステレオタイプな分類がされているため、性自認を考えるときに、自分を現す用語を並べることでその手助けになることもある。性役割は、文化によって異なるものもあり、例えば近代日本では買い物は女性の仕事だと考えられていたが、アラブ文化圏や古代ギリシアでは男性の仕事であった。裁縫は女の仕事だと考える文化もあれば、男の仕事であると考える文化も無いわけではない。

現在の日本や欧米諸国では、女性に対するステレオタイプな行動規範を押し付けることは、ウーマンリブ運動によってかなり認知度は上がったが、現実にはまだまだ健在である(詳しくは女性差別の項を参照)。一方、男性に対するステレオタイプな行動規範を押し付けることへの認知度は低く、事実上放置されているケースが少なくない(詳しくは男性差別の項を参照のこと)。

(コミュニケーションについては、「コミュニケーションの男女差」を参照)

関連項目[編集]