バイフォビア

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バイフォビア(Biphobia)は、両性愛(バイセクシュアリティ)または両性愛者に対する不合理な恐怖感・嫌悪感・拒絶・偏見のこと。両性愛を正しい知識がないのに、感情論で異常と判断したりすることがある。セクシャルマイノリティに対する偏見として広義で使われることの多いホモフォビアに比べ、バイフォビアは両性愛者に対してのみ使われる。

バイセクシュアリティに対する嫌悪[編集]

両性愛者のことを正しく理解することなく嫌悪感、偏見を抱くことを指す。両性愛者は社会的なプレッシャーもあり、異性同性の恋人が同時期にできる機会があった時には、異性を取る傾向が指摘されており、そのことに対する同性愛者の反感も含まれる。

バイセクシュアリティの存在否定 (Bisexual Erasure)[編集]

男女の異性愛が正常であり、同性愛が異常とされる社会で、両方の性を愛する両性愛は存在しないという考えがある。

同性愛者のコミュニティにおいても両性愛者の存在否定は見られることがある。異性愛に従う事が強く求められる社会において、本来は同性愛者である者が自分のセクシュアリティを正確に自認するまでに時間がかかることがある。その過程で一時的に両性愛者だと誤って自認することがある。また最初は異性愛に目覚め、その後両性愛を経て同性愛者になる者もいる。そのような経験を持つ同性愛者がバイセクシュアリティカミングアウトの過程であり、真のセクシュアリティではないと考えたり、同性愛への移行過程にあると考えることがある。敵対する感情はないこともあるが、バイフォビアの一種であるバイセクシュアリティの存在否定 (en:Bisexual Erasure)である。

また日本において、同性結婚や同性カップルが養子を引き取ることが認められていない現状では、両性愛者が子供を持つことを願えば、自ずと異性を選ぶことになる。このように異性との恋愛は結婚や出産に結びつくことが多いが、同性とは性的な関係のみで終わることが多い。こういう両性愛者にとって同性の恋人は、本命の異性が現れるまでの間に合わせにすぎない。こうした異性との恋愛・結婚を優先しがちな一部両性愛者への同性愛者の反感も存在する。

またセクシュアル・マイノリティの一部は、特に男性において、社会的に認められている異性愛結婚制度の中で異性と結婚し、家庭という安全地帯に身を置きながら、同性の愛人との不倫に走ったり、発展場などで同性との性交渉を繰り返す者もいる。その中には、婚外不倫関係を求める両性愛者と、同性愛者でありながら自身のセクシュアリティを偽り異性と結婚している同性愛者の両方がいる。(ただし1960年代後半以降に生まれた同性愛者は、異性と結婚せず、同性愛者として生きる傾向にあるといわれている[1]。)

異性との結婚を選択する男性両性愛者は多く、彼らの一部は「同性愛は趣味」といい、結婚している事実を隠し、同性愛の世界で下半身だけの関係を繰り返したりする。同性の愛人は彼らにとって性欲の処理相手でしかない。両性愛者に裏切られ、異性との結婚に走られたという経験を実際にしている男性同性愛者が多いことなども、バイフォビアの背景にある。

脚注[編集]

  1. ^ 『聞きたい知りたい「性的マイノリティ」―つながりあえる社会のために』杉山貴士 日本機関紙出版センター (2008/08) I

関連項目[編集]