障害者権利条約

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Convention on the Rights of Persons with Disabilitiesは障害のある人の人権条約であり、日本では障害者の権利に関する条約(しょうがいしゃのけんりにかんするじょうやく)と政府によって仮訳されている。

障害者権利条約は21世紀では初の人権条約であり、2006年12月13日に第61回国連総会において採択された。日本政府の署名は、2007年9月28日であった。2008年4月3日までに20ヵ国が批准し、2008年5月3日に発効した[1]。2008年5月3日現在日本国は批准していない。

目次

[編集] 障害者権利条約採択までの経緯

[編集] コンセンサス採択

2001年12月、第56回国連総会においてメキシコの提案で「障害者の権利及び尊厳を保護・促進するための包括的総合的な国際条約(外務省訳)」決議案をコンセンサスで56/168で採択した。諸提案について検討するために障害者権利条約特別委員会を設置し作業日10日間の会合を最低1回開催することとなった。

[編集] 障害者権利条約特別委員会(アドホック委員会)の開催

全8回開催され、障害のある人も約70カ国から参加した。

  • 2001年12月 メキシコ提案決議案採択(第56回国連総会)
  • 2002年7月 障害者権利条約特別委員会第1回会合
  • 2003年6月 障害者権利条約特別委員会第2回会合
  • 2004年1月 障害者権利条約起草作業部会
  • 2004年5月 障害者権利条約特別委員会第3回会合
  • 2004年8月 障害者権利条約特別委員会第4回会合
  • 2005年1月 障害者権利条約特別委員会第5回会合
  • 2005年8月 障害者権利条約特別委員会第6回会合
  • 2006年1月 障害者権利条約特別委員会第7回会合
  • 2006年8月 障害者権利条約特別委員会第8回会合
  • 2006年12月5日 障害者権利条約特別委員会第8回会合再開会期において採択

[編集] 障害者活動のロビーイング

障害者の世界ネットワークである、II、RI、WNUSP、WBU、WFDB、WFB、DPIが集結しIDA国際障害同盟を創り、そこからIDC国際障害コーカスを結成し、中心になってロビーイング活動を行った。

[編集] 障害者権利条約の特徴

[編集] 条約の基本的考え方

障害者に関する法は、リハビリテーション福祉の観点から考えることが多いが、障害者権利条約は人権の視点から考えて創られた。

リハビリテーションでは、障害者をできさせるようにさせることを目的とした訓練をすることをさすため、結果的には人権侵害にもなりうる。障害は個人ではなく社会にあるといった視点からの条約である。

さらに、「われわれのことを我々抜きで勝手に決めるな」と言うスローガンを抱えただけあり、障害者の視点から作られた条約であることも特徴的である。

[編集] 一般的原則

第3条では、固有の尊厳、個人の自律(自己の選択を行う自由を含む。)及び人の自立の尊重。非差別。社会への完全かつ効果的な参加及びインクルージョン。差異の尊重、並びに人間の多様性及び人間性の一部としての障害のある人の受容。機会の平等。アクセシビリティ。男女の平等。障害のある子どもの発達しつつある能力の尊重、及び障害のある子どもがそのアイデンティティを保持する権利の尊重。を一般的原則としている。(訳;日本障害フォーラム 長瀬修 川島から引用)

[編集] 国内人権機関

障害者権利条約にはパリ原則に基づく国内人権機関が明文化されており、この条文は障害者権利条約の特徴である。また、第34条障害者の権利に関する委員会には障害のある人の参加を考慮することとなっている。

[編集] 障害者権利条約の条文

[編集] 第6条 障害のある女性

障害のある女性が複合的な差別を受けていることを認め適当な措置をとる。

[編集] 第7条 障害のある子ども

障害のある子どもが複合的な差別を受けていることを認め適当な措置をとる。

[編集] 第10条 生命の権利

条文では「生命の固有の権利を認めること、差別したり、権利を侵害してはならないこと」とされている。障害者を殺したものへの減刑は、その障害者の生命を軽んじていることになりこれも生命を差別していることになる。優生学における障害児の産み分けも禁止することとしている。いわば、存在しない方が良い生命があることになるからである。死ぬことを前提とした生活も禁止されることとなる。

[編集] 第11条 緊急時や災害時における安全

障害者を他のものと等しく武力紛争や天災、火災等も含めた災害等における、非難ルートの整備や安全な場所への保護を行う。

[編集] 第12条 法の前の平等の承認

法の前において平等であることを再承認する。また、個人の法的能力があることを認める。

[編集] 第13条 司法へのアクセス

司法を通してから判断すること。また、司法における障害者への合理的配慮を行うこと。

[編集] 第14条 身体の自由

身体の拘束からの自由や、身体を社会の中の個人として位置づけることとする。障害や治療を理由に、隔離したり、閉じ込めることは許されない。

[編集] 第17条 個人のインテグリティの保護

障害のある人への不可侵性を保護する。一切の強制は認めず、また、プライバシーや人間関係、所有物を全て個人が所有し、それをどういった理由でも他者が所有したり、記録したりすることを許されないこととする。

[編集] 第25条 健康

他のものとの平等を基礎とした、障害のある人への医療や保健などの健康サービスを提供する。障害のある人の参加が極めて容易な立地を含めた環境を創る。障害を理由に、医療や保健などの健康サービスを拒否されてはならない。医療や保健などの健康サービスは、提供者と消費者の合意によってなされるものとする。障害のある人の健康状態が悪くならないようにする。

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

  1. ^ [1]


[編集] 参考文献

  •  青海恵子/大谷恭子(訳)『障害者権利条約―わかりやすい全訳でフル活用!』(千書房2007年,ISBN 978-4787300492
  •  全日本手をつなぐ育成会『わかりやすい障害者の権利条約-知的障害のある人の権利のために-』(2009年)


[編集] 外部リンク