SIMカード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
T-MobileのSIMカード。クレジットカードサイズのカードから切り離して使用
電話側のSIMカードソケットの例。中央黒い四角の部分

SIMカード(シムカード、Subscriber Identity Module Card)とは、GSMW-CDMAなどの方式の携帯電話で使われている電話番号を特定するための固有のID番号が記録されたICカード

なお、第2.5世代移動通信システムの方式の一つ、IS-95で使われるICカードをCSIMカードと呼ぶ。なお、日本のcdmaOneではこの方式は採用されなかった。

第3世代 (3G) 携帯電話用のSIMカードは機能が拡張されており、W-CDMA (UMTS) に利用するものをUIMカードないしUSIMカード、CDMA2000に利用するものをR-UIMカードと言うが、基本的に互換性があるため、特に区別せずにSIMカードと呼ぶことが多い。

ボーダフォン (Vodafone) のかつてのロゴはこのSIMカードの形状がモチーフである。

概要

SIMカードには、IMSI (International Mobile Subscriber Identity) と呼ばれる固有の番号が付与されており、これと電話番号を結びつけることにより通信を可能とする。SIMカードを抜き差しすることで、電話番号を他の携帯電話機に移したり、ひとつの携帯電話端末で複数の電話番号を切替えて使用したりすることができる。

ただし、SIMカードは頻繁に抜き差しすることを想定したものではなく、抜き差しの前に確実にSIMカードの電源を切るために、電話端末の電源をオフにする必要がある。そのため、多くの電話端末では、電池を取り外さないとSIMカードの抜き差しができないような構造になっている。

日本国内で入手できるSIMカードは通常、キャリア(通信会社)からの貸与であり、解約の際には返却する必要がある。ただし、プリペイドSIMカードの場合は、最終使用時から一定期間の後に失効して発信も着信も出来なくなるため、解約手続きは不要である。失効する期限は、最終使用から半年程度が多い。ソフトバンクモバイルのプリモバイルの場合は、残高有効期限切れから360日以内にリチャージを行わないと自動解約扱いとなる。

SIMカードは、他の一般的なICカードと同じく、クレジットカードサイズで提供される。これは、昔の自動車電話などのSIMカードソケットだったことの名残である。現在は小型化され、ICチップの部分だけを切り離して使うようになっている。

規格

フルサイズのSIM (1FF)、mini-SIM (2FF)、micro-SIM (3FF) およびnano-SIM (4FF)。
スウェーデン Teliaのmicro-SIMカード。ミニおよびフルサイズのブラケットから取り外したもの。
micro-SIMカードからプラスチックのケースを取り除いたもの。10セント硬貨 (直径18mm) とのサイズ比較。

ID-1 UICCは、ISO/IEC 7816規格の接触型ICカードである。Plug-in UICC (Mini-SIM)カードの外形寸法はISO/IEC 7810 のID-000で規定され、幅25mm×高さ15mm×厚み0.76mmである。より小型の端末のために、Mini-UICC (micro-SIM) がETSI TS 102 221 V9.0.0により定められた。大きさは幅15mm×高さ12mm×厚み0.76mmである。さらに小型の規格として4FFがETSI TS 102 221 V11.0.0より定められた。大きさは幅12.3mm×高さ8.8mm×厚み0.67mmである。

記憶容量は64kバイト程度。実用化されている最大容量は2005年平成17年)時点で128Mバイトである。2008年(平成20年)までに1Gバイトへと大容量化する方針のメーカーもある。小容量のカードでは契約者の個人情報電話帳を50件ほど保存できるのみだが、大容量のカードではコンテンツ情報などを保存することもできる。

SIMカードと移動機との間は、半二重シリアル通信である。基本的な伝送速度は9,600ビット/秒で、伝送速度をネゴシエーションによって111,500ビット/秒まで上げることができる。

UICC (Universal Integrated Circuit Card) はGSMやUMTSの移動機に使われるスマートカードである。GSMネットワークではUICCはSIMアプリを内蔵し、UMTSネットワークではUSIMアプリを内蔵する。UICCにはこれ以外に様々なアプリケーションを内蔵することができる。

近年ETSI-SCPで標準化された高速UICC規格 (IC_USB) では、USB2.0の物理層の規格を修正し、通常速度12メガビット/秒で通信できる (ETSI TS 102.600)。この場合、UICCのC4とC8ピンを使い、物理層より上のUSB規格は互換性がある。

マイクロSIM

マイクロSIM(microSIM、micro-SIM)に属するものとしては、ドコモminiUIMカードドコモ)や、micro au ICカードKDDI)などがある。third form factor (3FF)とも呼ばれる。

nano-SIM

欧州電気通信標準化機構 (ETSI) は、マイクロSIMよりも小型の規格を2012年に策定した。fourth form factor (4FF) とも呼ばれる。

NFC

UICC(SIMカード等)にNFC(Near Field Communication:近距離無線通信)のアプリケーションを内蔵し、移動機(携帯電話端末)内のCLFとUICC(SIMカード等)を、SWPやHCIでインタフェースする事により非接触型決済機能をUICC(SIMカード等)に付加できる。

3GPPリリース7にて、非接触型ICカード機能をサポートするUICCへの拡張規格が決まった。これはUICC(SIMカード等)とNFCの無線通信を行う非接触無線チップCLF (Contactless Front End) とのインタフェースを規格化したものである。このインタフェースはSWP (Single Wire Protocol) という。CLFは通常、移動機のプリント基板に実装されるが、同時にCLFは移動機内に実装されたNFC用のアンテナに接続され、外部のリーダ・ライターとNFCの通信を行う。

SWPはETSI-SCPで策定されており (ETSI TS 102.613)、UICCとCLF間でシリアル伝送を行う。SWPは、物理層とデータリンク層(MAC層とLLC層)をUICCとCLF間に提供する。SWPは、UICCのC6ピンとグランドC1ピンの2線で通信を行うが、電圧と電流のハイ・ロー2値をそれぞれ使うことによって、全2重通信を行っている。すなわち、CLF側からは電圧のハイ・ローの2値を使い、UICC側からは電流のハイ・ローの2値を使って通信する。ただし、UICC側からの電流値は、CLF側からの電圧値がハイの時間のみ有効となる。この方式により、上り・下りとも同一の伝送速度を達成することができる。SWPは最大で1.6Mbps程度の速度が達成される[1]ことが報告されている。

SWPの上位層でUICCやCLF間の通信を管理するHCI (Host Controller Interface) が同じくETSI-SCPで規格化されている (ETSI TS 102.622)。HCIはUICCとCLF間の通信を主な目的としているが、CLFをマスターとしたスタートポロジー構成となっており、ノード間のルーティングがサポートされている。

データ

ICCID
最大19桁であり、1 - 2桁目は産業識別(電気通信は89)、3 - 4桁目は国番号(日本は81)、日本の場合、5 - 7桁目は事業者番号、8 - 18桁目はカード番号、19桁目はチェックデジットである[2]
事業者 事業者番号
イー・アクセスイー・モバイル 000
NTTドコモ 100
ソフトバンクモバイル 200
KDDI沖縄セルラー電話連合au 300
UQコミュニケーションズ 310
ウィルコム 700
Wireless City Planning 710
IMSI
最大15桁であり、MCC3桁、MNC2 - 3桁、MSIN最大10桁で構成される。

日本のSIMカード

ポストペイ

日本では、2Gが主流だった時期には、SIMカードを使う2G方式の代表であるGSMがサービスされていないため、使われていなかった。ただし、NTTドコモの自動車電話機の一部機種では「DoCoMoアプリケーションカード」と呼ばれる、クレジットカードと同サイズのICカードを利用していた。また、NTTドコモの組み込み型パケット通信基盤の一部(タクシー用クレジットカード決済器など)で「DoPaチップ」を採用している物がある。これは日本独自のものでPDC (mova) 方式である。

3GではW-CDMAを採用したNTTドコモFOMAソフトバンクモバイルSoftBank 3Gのサービスインにより、UIMカードが使われるようになった。FOMAではFOMAカードおよびXiに対応したものとしてドコモUIMカード、SoftBank 3Gでは、SoftBank 3G USIMカードと呼ばれている。データ通信サービスで新規参入したイー・モバイルも、W-CDMA方式のためUIMカード (EM chip) を採用している。

また、auKDDI沖縄セルラー電話連合)も国際ローミングの強化(グローバルパスポートGSM)を目的としてCDMA 1X WINで、R-UIMカードau ICカード)を導入し、日本の3G携帯電話はすべてUIMカード相当のICカードを採用することとなった。

また、日本の3G携帯電話では、ダウンロードしたコンテンツに対してIMSIやIMEI(International Mobile Equipment Identity、電話機の固有番号)による保護がかけられていることが多く、ダウンロードに使用したものと異なるUIMカードを挿した場合、通話・通信はできても、ダウンロード済みのコンテンツの利用ができない場合がある。UIMカードを紛失・破損・不具合・盗難などにより再発行した場合も同様の可能性がある。

SIMカードの通話や通信以外の利用法としては、NTTドコモのFirstPassというサービスがある。利用者が電子証明書の発行を受けてこれをFOMAカードに格納し、SSLクライアント認証や電子署名に利用するものである。なお、このサービスは2012年平成24年)8月31日で終了している[3]

プリペイド

日本のプリペイドSIMカードは、ソフトバンクモバイルの「プリモバイル」および「(iPad専用)プリペイドプラン」、イー・モバイルの「EMチャージ」、So-netの「Prepaid LTE SIM by So-net」がある。
Prepaid LTE SIM by So-netは日本初の自動販売機で販売されるプリペイドSIMカードである[4]。サービス開始当初は関西空港に自動販売機が設置され、その後に成田空港や新千歳空港などに販売エリアを広げている。
EMチャージとPrepaid LTE SIM by So-netはデータ通信に特化したサービスであるため、音声通話に用いる電話番号が取得できない。音声通話を行うには、代替手段としてLINEスカイプなどのインターネット電話を用いる必要がある。

au(KDDI/沖縄セルラー電話)のぷりペイドでも、au ICカードを利用したものは存在するが、事実上は、端末に電話番号を書き込む方式に近い。

MVNOオペレータの場合は、日本通信のデータ通信専用商品にプリペイド方式のものがある。なお、同社のスマートSIM、amazon.co.jp専売、ヨドバシカメラ専売、イオン専売商品、音声通話可能商品はプリペイドではない。

プリペイドSIMカードの場合も、携帯電話不正利用防止法により、販売時に氏名、住居、生年月日の確認が必要である。

PHS用

PHS用SIMカードとしては2005年(平成17年)にPIMカードが規格化され、中国でのPHSサービス(小霊通)等へ採用されている。ただし日本国内では、2009年(平成21年)12月現在、PIMカードを発行しているPHSキャリアは存在しない。

2008年(平成20年)2月にウィルコムより日本国内で初のPIMカード採用端末であるWX130SSII製)が発売された。これはPIMカードをサポートしている中国のPHSサービスを利用するためであり、日本国内でPHSサービスを利用するためには従来通り端末へ電話番号の書き込みが必須である。なお、ウィルコムからの提供は終了している。

また、かつてウィルコムが行っていた、台湾タイ王国ヴィエトナム社会主義共和国等でのPHSの国際ローミングは、現地の電話番号を端末へ直接書き込む方式を採用しているため、PIMカードやSIMカードを利用することはない。

W-SIM

なお、ウィルコムも一部の端末でW-SIM(ウィルコムシム)と称する独自仕様のモジュールを採用している。これは契約情報だけでなく、アンテナを含む無線通信機能から電話帳機能までも内蔵しており、端末から無線機能を切り離すことによって、端末の開発期間を短縮できるほか、無線技術を持たないメーカーの参入をも容易にするものである。例えば、バンダイから発売された「キッズケータイpapipo!」がW-SIMを採用している[5]ほか、ハンディターミナル[6][7]テレメタリング[8][9][10]のような機器組み込み用途・産業用途にも採用されている。

なお、GSM方式の通信機能を内蔵したW-SIM、CM-G100IAC製)[1]も販売されている。この製品は、GSM用SIMカードスロットを搭載したW-SIM対応端末にGSMのSIMカードを装着するものである。使用可能機種は2010年(平成22年)10月8日現在、HYBRID W-ZERO3 (WS027SH) のみで、他のW-SIM対応端末では使用できない。

XGP用

Wireless City Planning(以前はウィルコムが提供)のXGP (WILLCOM CORE XGP) によるデータ通信サービスでは、XGP Cardと呼ばれるICカードを採用している。XGP Cardの規格自体はUIMカード互換ではあるものの、Wireless City PlanningのWILLCOM CORE XGPサービスは現状データ通信のみであり、音声通話がサポートされていないため、カード内に電話番号情報は書き込まれていない。あくまでも、利用者認証のためとしている。

そのためXGP CardをUIMカード対応の電話機端末へ挿入しても、音声通話サービス等を利用することは不可能である。ただし、当時のウィルコムとしては、将来的にXGP Cardを利用し、音声通話をサポートする可能性を否定してはいなかった[11]

自動販売機

2014年4月22日、自動販売機では初めて関西国際空港で売られる[12]

日本国外のSIMカード

一般的にプリペイドユーザーの比率は日本に比べて高い。Vodafone社の“Pay as you talk”と“Pay monthly”など、日本国外の多くのキャリアは、ポストペイドSIMカードもプリペイドSIMカードも販売している。さらに、ロンドンのヒースロー空港のように、入国者向けにSIMカードの自動販売機が設置されている場合もある。

テレコムスクエアトラベルヴォイスアンドネットドイツテレコム日本法人など、日本で日本国外の携帯電話通信会社のSIMカードを輸入販売している会社も存在する。

通話や通信以外の利用法としては、フィンランドのように、'Citizen Certificate'を入れ、電子身分証明書として使用する動き[13]もある。

SIMロックについて

SIMロック (SIM lock) とは電話機側に施される、特定キャリアのSIMカード以外は利用できないように制限する機能である。同一キャリアのSIMカード入れ替えについては原則フリーである。日本の携帯電話の販売体系は、キャリアが携帯電話機メーカーから端末を買い取って販売するという、キャリア主導型である。キャリアのインセンティブ(販売奨励金)により、代理店が端末を安く販売する場合があり、その場合に端末の設定により他のキャリアのSIMカードを差しても使用することが出来ないようにすることが多い[14]。SIMロックがされていないことを「SIMフリー」、あるいは「SIMロックフリー」という。世界的に使われているのは前者であり、後者は日本国内でITマスコミがよく使う俗語である。


日本

NTTドコモ

2011年4月以降に発売された電話機にSIMロック解除機能を搭載した。搭載機種はドコモショップにて有償でロックを解除してSIMフリーにできるようになった。現在、ドコモのサイト上に、解除した際にソフトバンクモバイルおよびイー・アクセスUIMカード利用時に通話・SMS等が可能かどうか掲載されているが、当然ながら、ドコモUIMカード利用時同様の動作をするかどうかについては保証対象外となっている。また、ドコモminiUIMカードを使用する端末については、以前はイー・アクセスEM chipにmicroSIMタイプがなく、1.7GHz帯対応端末であっても動作対象外としてきたが、MicroSIM採用のGS01が発売されたこともあり、2012年夏以降に順次確認が取れた機種に利用可否が付けられている。

なお、データ通信端末のSIMロック解除については、ショップ預かりで行うため、音声端末・タブレット端末とは異なり、その場での解除はできない。

KDDI・沖縄セルラー電話連合(au)

au端末には、いわゆる「SIMロック2」と呼ばれる、特定のSIMカードを記録して他のSIMカードを受け付けないようにする機能がある。PT003パンテック製)[要出典]、および2010年冬モデル以降に発売された一部のスマートフォン及び、それ以降発売のスマートフォンからは「SIMロック2」機能が廃止され、ドコモやソフトバンクと同じ「SIMロック1」となった[14]。パンテック製のSIRIUS α IS06(PTI06)MIRACH IS11PT(PTI11)、EIS01PT(PT01E)はSIMロック2およびキャリアロックの無いロックフリー、ソニー・エリクソンモトローラサムスン電子LGエレクトロニクスアップルHTC製の端末はキャリア内ロックフリー(SIMロック1)となっている。富士通東芝製のIS12Tも前述メーカー製と同様に「SIMロック1」となっている。いずれもau ICカードであれば、どのカードであっても受付けるが、SIMロック自体はあるため他社のUIMカード等は利用できない。モトローラ製のMOTOROLA PHOTONのように、CDMA2000部分は端末に直接書き込む方式を採用しているが、UMTS/GSM用のSIMカードスロットを有している端末もある。こちらは他社SIMないし海外SIMを挿し、ネットワークロック解除コードを入力することでUMTS/GSMも使用可能になる。LGL22LGL23のように、非公式ながらSIMロックを容易に解除できる機種も存在する。なお、SIMロック解除はiPhoneを除く一部のW-CDMA対応機に限られる。

ソフトバンクモバイル

2011年8月発売のSoftBank 008Z以降に発売される機種のごく一部で、ドコモ同様、有償にてSIMロックを解除する対応をソフトバンクショップにて行う。

また、2010年冬以降のスマートフォンでは従来のSIMカードは使えず機種変更時に交換となり、またその逆もできない[15]。2014年3月時点で、SIMロック解除対応端末は、SoftBank 009ZSoftBank 201HWSoftBank 301Fと併せて4機種に留まっている。

SoftBank 003ZSoftBank 008ZSoftBank 009Zについては、SIMロックを外した状態で、web限定でチャージ付プリモバイルとして販売されたことがある。003Zは元々非公式でSIMロックを解除することが可能で、プリモバイル版はその手法を用いてSIMロックフリーとなっている。

イー・アクセス(イー・モバイル)

イー・モバイル時代から、ローミング対応機種については海外利用時のみSIMフリーで利用可能としてきた。

2011年に入る前後以降に発売された機種については、最初から国内使用・海外使用にかかわらずSIMフリーの状態で発売されている。音声端末はS3x系以降の機種、データ端末はGxシリーズ以降の機種が該当する。かつてはmicroSIMを利用する端末は発売されていなかったが、2012年3月GS01が発売されたため、他社のmicroSIMでの利用も可能となった。例外的に、EMOBILE 4Gに対応したGL09PGL10P並びにEMOBILE 4G-Sに対応したEM01FはSoftBankとイーモバイルのデュアルネットワークを用いるため、SIMロックが掛かっている。

その他

FOMAやSoftBank 3Gでは、SIMカードを入れ代えるだけで他の端末を利用できる。この「SIMカードを挿すだけで利用できる」という利便性の反面、ドコモ、ソフトバンクではショップでの盗難が多く発生し、盗難端末が市場に流通[16]した。

SoftBankでは盗難端末を使用すると、電界強度マークが赤く表示されて通信機能が制限される、「赤ロム」と呼ばれる状態になる[17]。また同社の端末ではiPhoneやAndoroidスマートフォンなど例外を除き、SIMカード未挿入の状態で端末の電源を入れた場合、電源オフ以外の一切の操作が行えなくなる。

ドコモでは2009年(平成21年)10月1日より、盗難端末を利用できなくするシステムを導入した[18][19]

日本国外

日本国外では、SIMロックを実施している国(キャリア、端末)も、実施していないもある。フランスや香港、中国のように法律でSIMフリーを原則としている地域・国も存在する[20]

また、期間を限定してSIMロックしている国もある。例えばデンマークでは購入から6か月、イタリアでは18か月に限ってSIMロックを実施することが許され、それ以降は解除する政策が取られている。

日本国内でのSIMフリー

SIMロックが主体となっている日本でも、SIMフリー普及の動きが進められている。総務省では、2010年にキャリアや携帯メーカーとSIMロック解除することで合意した[21][22]と報じられたが、あまり進展が見られなかったため、2015年度には各キャリアのSIMロック解除を義務化する方針を決めた。[23][24][25]

全ての端末をSIMフリーにすることでキャリアによる2年縛り等が無くなり、消費者が自由にキャリアを乗り換えられるようになる[26]。これによって価格競争が促進され、高止まりした通信料金や機種代などを下げる効果が狙われている[27]。なお2014年現在では、GoogleNexus 5を販売したり、アップルiPhone 5siPhone 5cをいずれもSIMフリーで単体販売するようになった。このようにキャリア販売を経由しないSIMフリー端末や、契約不要で本体のみ購入できる端末の販売も広がっている。[28]

日本国内向けのSIMフリー端末を製造するメーカー

現在製造を続けているメーカーに加え、過去に製造していたメーカーも記述する。

世界で一般的なSIMカードの使用

空港・電話会社・コンビニエンスストアなど、日本でも一部販売店で、他国キャリアのプリペイドSIMカードを購入し、SIMロックされていない自分の端末に入れて使用できる。通常、購入に際してはパスポート等の身分証明書が必要。その端末はその国の電話番号になる。

  • 地元のキャリアのSIMを利用した場合は、通話は地元キャリア経由。
    • A国に滞在中、A国のB氏に電話する場合:端末→B氏の国内通話
    • A国に滞在中、日本のC氏に電話する場合:端末→日本→C氏の国際通話

日本国外キャリアの場合

  • 日本で売っている国際ローミングSIM利用の場合、すべての通話は日本経由。
    • A国に滞在中、A国のB氏に電話する場合:端末→日本→A国→B氏の折返し国際通話
    • A国に滞在中、日本のC氏に電話する場合:端末→日本→C氏の国際通話

ローミング(またはローミングアウト)の場合

  • A国のSIMカードを日本に持込む場合、通話はA国経由。

ローミングインの場合

  • A国のSIMカードを日本に持込んでA国の電話番号で発着信することも、キャリアによっては可能である。前者の場合と特に区別する場合はローミングインと言う。ただしGSMだけに対応した端末を持込んでも使用は出来ず、W-CDMA対応の端末を持ち込むか借りる必要がある。
  • A国の中の国内通話はその国のキャリアのSIMカードを選択した方が安い。しかし国際通話料金は、その国のキャリアの国際通話料金と、国内キャリアのローミング国際通話料金と、どちらが安いかの比較になる。
  • 国際ローミング利用の場合、A国で日本から着信した場合にも着信側に課金されることが多い。日本側からは国内通話に見えても、実際は国際通話料金が発生していてそれを課金する必要があるため。

脚注

  1. ^ GemAlto, 12 Feb. 2009
  2. ^ 第2章 IMT-2000で必要な各種番号とダイヤル手順”. 平成11年度電気通信番号に関する研究会の報告. 総務省 (2000年6月2日). 2010年7月7日閲覧。
  3. ^ NTTドコモ - 「FirstPass」(ファーストパス)のサービス終了
  4. ^ 日本初・SIMカードの自販機が関空に設置されたので買いに行ってきました
  5. ^ WILLCOM|キッズケータイ papipo!(ぱぴぽ)
  6. ^ シャープシステムプロダクト - 業務用携帯端末RZ-H220
  7. ^ ミヨシ電子 - MR2100
  8. ^ WILLCOM for Business - テレメタリング
  9. ^ WILLCOM - Hondaが提供する「インターナビ・プレミアムクラブ」向けに、W-SIM対応のインターナビ・データ通信Bluetoothを提供
  10. ^ パナソニックシステムソリューションズ - IP音声会議ホン KX-TS745JP-K
  11. ^ XGPは電話として使えるのか、SIMカード採用の意図は (ITmedia)
  12. ^ “ソネット、関空の自販機でプリペイド式SIMパッケージ発売”. (2014年4月22日). http://www.travelvision.jp/news/detail.php?id=61313 2014年4月22日閲覧。 
  13. ^ フィンランドでのSIMカードを身分証明書として使う動き
  14. ^ a b SIMロック解除は実現するのか? 必要なのか? - ケータイWatch
  15. ^ USIMカードは旧機種では使えない?:「GALAPAGOS 003SH」を購入してきた - ITmedia +D モバイル
  16. ^ 「白ロム」携帯盗難相次ぐ ドコモとソフトバンク販売店、CNET Japan、2008年12月3日
  17. ^ アキバで活気づく中古ケータイ最新事情、危険な「赤ロム」とは? 日経トレンディネット、2009年6月3日
  18. ^ ドコモからのお知らせ:携帯電話機の不正入手に対する取組みについて 2009年6月11日
  19. ^ ドコモからのお知らせ : 不正入手された携帯電話機に対するネットワーク利用制限の開始について
  20. ^ ケータイ用語の基礎知識 第287回:SIMロック とは
  21. ^ 総務省でSIMロックに関する公開ヒアリング - ケータイ Watch
  22. ^ 総務省、2015年度にも「SIMロック」解除義務化の方針
  23. ^ 総務省、携帯のSIMロックを原則解除へ…って何が変わるの?
  24. ^ 「SIMロック」解除の義務化、総務省が正式決定 年内に詳細案まとめ
  25. ^ “義務化”で盛り上がる「SIMロック解除」 そのメリットとデメリット (1/2)
  26. ^ 今さら聞けない!SIMフリーのメリット・デメリット
  27. ^ SIMロック解除でキャリア競争後押しへ 総務省、27年度にも
  28. ^ Nexus 5、iPhone 5sから1万円台の格安モデルまで――日本で購入できるSIMフリースマホ (1/2)

関連項目

外部リンク