恐怖症

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恐怖症(きょうふしょう)とは、特定のある一つのものに対して、心理学的および生理学的に異常な拒絶反応を起こす症状で、精神疾患の一種である。恐怖神経症とも言われる。英語ではフォビア (phobia) と呼ばれ、古代ギリシア語恐怖を意味するポボス(希:φόβος, ラテン文字:phobos)がその語源である。接尾辞としての -phobia の前にはギリシャ語が用いられる(例:belonephobiaophiophobia)。

近年では更に拡大して、フォビアを「嫌悪」や「忌避」という意味で使うこともある(例:ホモフォビアゼノフォビアガイノフォビア)。

概要[編集]

恐怖症は国際疾患分類によると、不安障碍に分類され以下の種類に細分される[1]

  1. F40.0 広場恐怖 (症)
  2. F40.1 社会恐怖(症)
  3. F40.2 特定の個別的恐怖(症)
  4. F40.8 その他の恐怖症性不安障害
  5. F40.9 恐怖症性不安障碍,詳細不明

このうち特定の個別的恐怖(症)は、などの自然災害や、など特定の一種類のものに対しての恐怖を感じるものである。

恐怖症患者は、日常生活において恐怖の対象を避ける工夫をしてすごしている。恐怖の対象に遭遇したとき、恐怖心や不安感の程度によって、不快感やめまい吐き気といった症状を催すが、極端な場合にはパニック発作をきたすこともありうる[2]

これらの恐怖症は、子供の頃の無知から感じる恐怖や、偶然に経験した恐怖体験がきっかけとなって出現する。生活において、大きな障碍とならない限りは個人の個性として尊重すべき弱点であり、放置しておくうちに次第に軽減したり、克服経験によって解消されることが多い[3]

生活の支障となり、本人が治療を所望する場合は行動療法が用いられる[4]

単一恐怖のうち、恐怖の対象を容易に作り出せるもの(高所、暗所などの場所由来のものや特定の動植物など)については、患者をその状況の中に長時間おいて恐怖に慣れさせることによってある程度改善可能とされる[5]

恐怖症は、不安障碍のもっとも代表的な形式である。米国の国立精神保健研究所 (National Institute of Mental Health) が行ったある調査では、アメリカ人の 5.1% から 21.5% が何らかの恐怖症を抱えていることが明らかになった[要出典]

年代および性別で分類すると、恐怖症はすべての年代の女性において最も見られる精神疾患であり、25 歳以上の男性においては、2 番目に多く見られる精神疾患である[要出典]

また、日本においてはほとんどみられないが[要出典]米国イスラエルなどにおいては、特に「同時多発テロ」以降においてイスラム教やイスラム教徒であるというだけで恐怖嫌悪などの情動が発生してしまうイスラム恐怖症が発生し蔓延している。確かに、イスラム教やイスラム教徒を外集団として認知せざるを得ない米国人やユダヤ系イスラエル人においては、イスラム教やイスラム教徒というだけでテロ戦争やそれによって発生する被害を連想するのかもしれない。しかしながら、イスラム教を信仰しているイスラム教徒にとっては、すべてのイスラム教徒がテロを行ったりテロを支持しているわけではなく、また本来のイスラム教の教義において殺人自殺を禁じているという事実が理解されていないことによって生じる、イスラム教やイスラム教徒に対するネガティヴなステレオタイプが発生し、イスラム教という特定の宗教に対する差別が発生していることが問題である。

主な恐怖症の分類[編集]

下記に国際疾病分類第10版による主な恐怖症の分類を示す。分類番号があるものは付記しておく。

広場恐怖症[編集]

過去に外出恐怖症あるいは空間恐怖症とされていたものを含む。

社会恐怖症[編集]

下記は特定的な対人恐怖症として扱われる。

特定の個別的恐怖症[編集]

その他の恐怖症性不安障碍[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ ICD10 国際疾病分類第10版(2003年改訂)第5章 精神及び行動の障碍 F40 恐怖症性不安障碍 http://www.dis.h.u-tokyo.ac.jp/byomei/icd10/F00-F99.html
  2. ^ 山下格 著「新版 精神医学ハンドブック」p.27 1999年2月20日
  3. ^ 山下格 著「新版 精神医学ハンドブック」p.27 1999年2月20日
  4. ^ 山下格 著「新版 精神医学ハンドブック」p.27 1999年2月20日
  5. ^ ためしてガッテン:誰も教えてくれなかった!高所恐怖症のナゾ

関連項目[編集]

外部リンク[編集]