マルエーフェリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

マルエーフェリー株式会社
A-Line Ferry Co.,Ltd.
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本
〒894-0034
鹿児島県奄美市名瀬入舟町8-21
電話番号 0997-53-2111
設立 1952年12月
業種 一般旅客定期航路事業
代表者 有村和晃
資本金 4億5千5百万円
売上高 115億円
決算期 3月
主要株主 有村商事
  
「琉球エキスプレス」 - 大阪南港
乗船券(社名変更直後は旧社名が印刷されたものを引き続き使用していた)

'マルエーフェリー株式会社(英称:A-Line Ferry Co.,Ltd.)'は、鹿児島県鹿児島市泉町に本部を置く海運会社。本社は鹿児島県奄美市名瀬入舟町にある。旧社名は大島運輸株式会社

目次

[編集] 概要

ファンネルマークのAは、本社のある奄美大島の頭文字をデザインしたものである[1]

船舶事業のほか、喜界島では路線バスの運行も行っている[2]

[編集] 沿革

  • 1953年12月 - 大島運輸株式会社を設立。
  • 1956年4月 - 鹿児島支店を開設。
  • 1957年8月 - 鹿児島-那覇航路を開設。
  • 1958年9月 - 鹿児島奄美各島間一般旅客定期航路事業免許取得。
  • 1962年3月 - 鹿児島-那覇航路を定期化
  • 1962年10月 - 東京支店開設。
  • 1963年5月 - 東京-那覇間定期航路開設。
  • 1964年5月 - 東京-奄美-那覇間一般旅客定期航路事業免許取得。
  • 1969年2月 - 沖縄支店開設。
  • 1969年5月 - 大阪支店開設。
  • 1970年5月 - 資本金9,700万円増資。
  • 1972年4月 - 神戸事業所開設。神戸-奄美各島定期航路開設。
  • 1972年6月 - 鹿児島航路増船複線化。
  • 1973年12月 - 資本金3億400万円増資。
  • 1975年5月 - 鹿児島-那覇航路をフェリー化、「エメラルドあまみ」就航。
  • 1976年2月 - 資本金3億3,500万円増資。
  • 1979年6月 - 福岡営業所開設。
  • 1979年11月 - 資本金4億5,500万円増資。
  • 1981年7月 - 阪神-那覇航路をフェリー化、「あかつき」就航。
  • 1985年4月 - 組織改編、本部機構を鹿児島に配置。
  • 1987年5月 - 東京-那覇航路が志布志寄港、フェリー化。
  • 1992年10月 - 宮崎営業所開設。阪神-那覇航路が宮崎寄港。
  • 1998年3月 - 内航運送業許可取得。
  • 2005年6月 - マルエーフェリー株式会社に社名を改称。

[編集] 航路

コンテナ荷役中の「琉球エキスプレス」 - 神戸港・六甲船客ターミナル

斜字は寄港しないことがある。

  • 東京 - 沖縄航路
    • 東京港(有明フェリーふ頭) - 志布志港 - 奄美大島名瀬港 - 与論島(与論港) - 那覇港(新港ふ頭)
      • 2008年7月以降、与論港への寄港は休止している(1年更新[要出典])。
      • 特等料金で1等船室を貸切で利用可能(但し、当航路で運航している「ありあけ」には特等、2等洋室の設置はない)。
      • JAF割引の適用可能(他の航路は不可)。
  • 阪神 - 沖縄航路
    • 神戸港六甲船客ターミナル) - 大阪港(南港フェリーターミナル) - 奄美大島(名瀬港) - 徳之島亀徳港 - 沖永良部島和泊港 - 与論島(与論港) - 那覇港(新港ふ頭)
      • 東京-沖縄航路の与論寄港休止に伴い、与論へ臨時寄港する場合がある。
      • 1等船室を貸切で利用の場合は、運賃の75%を加算。
      • 最終寄港(終着)地で次航海までの時間的余裕が少ない為、遅延することが多い[要出典]
  • 鹿児島 - 沖縄航路
    • 鹿児島新港 - 奄美大島(名瀬港) - 徳之島(亀徳港) - 沖永良部島(和泊港) - 与論島(与論港) - 本部港 - 那覇港(那覇ふ頭)
      • 特等、1等船室を貸切で利用の場合は、運賃の75%を加算。
      • 「フェリーあけぼの」は、1等の相部屋使用が可能。
      • 「フェリーなみのうえ」は、1等の個室(1人部屋)が1部屋ある。
      • 当航路に限り、乗船手続き後1週間以内なら最終目的地までの間、追加料金なしで途中下船が可能(詳細は要問い合わせ)。
  • その他
    • 定期航路の間合い運航で近年は世界遺産である屋久島へ寄港して、ツアーを組むこともある。(子会社の奄美海運でも実施)
    • 年末年始の定期航路休航日を利用し、旅行会社主催の初日の出クルーズを実施している。
    • 島民の生活路線と言うこともあり、地区体育大会などの行事や台風などの天候都合によって、臨時便や変則運航が設定されることがある。

[編集] 相互利用

以下の会社および区間で可能だが、船室の等級などにもよるので詳細は要確認(一例として、鹿児島-奄美間と志布志-奄美間の料金は同一だが相互利用は不可)。

  • 奄美海運:鹿児島港 - 奄美大島(名瀬港)
  • マリックスライン:鹿児島港 - 奄美大島 - 徳之島 - 沖永良部島 - 与論島 - 本部港 - 那覇港

[編集] 船舶

ファンネルマーク

ファンネルマークはオレンジに赤丸の中に赤字でアルファベットの「A」が書かれ、余白は白色となっている。

船体の塗装は上半分が白、下半分が青、船体側面中央には赤字で「A"LINE」の愛称が書かれ、船首には3本の青線と赤丸の中に赤字でアルファベットの「A」が描かれている。

船ごとの設備の違いから、利用できる客室等級が異なる。

  • ありあけ(東京 - 沖縄航路)
1995年1月竣工、同年9月就航。 7,910総トン、全長166.86m、全幅22.80m、出力12,000PSx2、航海速力24.0ノット(最大24.93ノット)。
旅客定員426名(1等、2等寝台、2等)。積載数:シャーシ5台、乗用車180台、その他(コンテナ)。林兼船渠長栄造船所建造。鉄道建設・運輸施設整備支援機構と共有。
すべての寄港地で、タラップ(外階段)を使用して上下船を行う(客室が上層デッキにあり、同階段での昇降が必要)。
  • 琉球エキスプレス(阪神 - 沖縄航路)
2002年5月竣工、2003年2月就航。6,266総トン、全長145.62m、全幅22.00m、出力9,000PSx2、航海速力21.0ノット(最大23.9ノット)。
旅客定員240名(1等、2等寝台、2等洋室、2等)。積載数:トラック94台、乗用車72台、コンテナ(10ft)92個。ヤマニシ建造。鉄道建設・運輸施設整備支援機構と共有。
バリアフリー対応船。供食設備は自動販売機(レトルト・インスタント食品などを販売)のみとなっている。
旅客定員が少ないため、繁忙期などに予約が無い場合は乗船できないこともある。
  • フェリーあけぼの(鹿児島 - 沖縄航路)
2008年竣工。8,083総トン、全長145.00m、全幅24.00m、出力8,250PSx2、航海速力21.0ノット(最大23.35ノット)。
旅客定員682名(特等、1等、2等洋室、2等)。三菱重工業下関造船所建造。鉄道建設・運輸施設整備支援機構と共有。「シップ・オブ・ザ・イヤー2008」大型客船部門賞を受賞。
推進機関が1軸2機関となったほか可変ピッチスクリューを採用するなど従来船から改良された結果、定時運航することが多い。
バリアフリー対応船。臨時席の設定がない為、団体利用がある場合は満席となり予約なしでの乗船ができなこともある。
  • フェリーなみのうえ(鹿児島 - 沖縄航路)
1994年1月竣工。6,586総トン、全長145.61m、全幅22.00m、出力9,000PSx2、航海速力21.5ノット(最大23.552ノット)。
旅客定員804名(特等、1等、2等寝台、2等洋室、2等)。積載数:トラック60台、乗用車88台、コンテナ(10ft)210個。林兼船渠長栄造船所建造。
鹿児島-沖縄航路では旅客定員が最大の船である。
1990年竣工。3,891総トン。全長131.16m、全幅20.00m、出力13,500PSx1、航海速力19.9ノット(最大22.625ノット)。
ヤマニシ(山西造船鉄工所)建造。
2007年5月1日、「フェリーたかちほ」から船名変更。運航業務は(株)新日本海事の委託。

[編集] 引退した船舶

  • あけぼの丸(鹿児島航路) - 1989年9月引退、フィリピンへ売却。Super ferry19として就航中。
  • フェリーエメラルドあまみ(鹿児島航路) - 1975年5月就航。引退後、改修を行い「フェリーあまみ」(初代)として奄美海運へ売却。
  • フェリーあけぼの丸(鹿児島航路) - 1977年11月就航。
  • 波之上丸(3代)(東京航路) - 1980年5月就航、1994年6月に引退し日本国外へ売却。
  • あかつき(阪神航路) - 1981年7月就航。
  • ありあけ(初代)(東京航路) - 1986年7月就航、1995年9月に引退しフィリピンへ売却。Super Ferry 9として就航中。
  • フェリーあけぼの(初代)(鹿児島航路) - 1989年9月就航、2003年2月に引退し日本国外へ売却。
  • フェリーあかつき(「ニューあかつき」から改称)
1992年竣工、同年7月就航、2008年7月引退。6,412総トン、最大速力23.78ノット。旅客定員800名。
1992年7月、「ニューあかつき」として阪神航路に就航。2003年2月、「フェリーあかつき」に改名のうえ鹿児島航路に転配。2008年7月、「フェリーあけぼの」(2代)就航にともない引退、船籍をパナマに変更し谷山港に係船。のち、ギリシャに売却[3]
  • 第七太洋丸 - 貨物船(鹿児島航路/与論まで)
  • 第八太洋丸 - 貨物船(鹿児島航路/与論まで)
  • 第十一太洋丸 - (鹿児島航路)
  • 興島丸 - 貨物船
  • 波之上丸(初代) - (鹿児島航路)
  • あまみ丸(初代) - (鹿児島航路)
  • 晴海丸 - 貨物船
  • にしき丸 - 貨物船
  • にほん丸 - 観光船
  • 太平丸 - 貨物船
  • さくら - 元:国際見本市船(東京航路)
  • ひかり - (鹿児島航路→阪神航路)
  • 新さくら丸 - (東京航路)
  • 波之上丸(2代) - (鹿児島航路)
  • 神戸丸 - (阪神航路→鹿児島航路)
  • サンシャインふじ - チャーター船
  • あまみ丸(2代) - 喜界航路


[編集] 運航管理状況

「フェリーたかちほ」はかつて、大島運輸(マルエーフェリーの旧社名)の子会社「晴海汽船」(破産)が所有・運航していたが、1991年6月に1人乗り漁船衝突事故を起こして相手漁船は大破し、船長が骨折するなどの重傷を負った。また、1999年5月16日にはプレジャーボートとの衝突事故を起こしている(この時は海上保安部に指摘されるまで衝突に気付いていなかった)。さらに、2006年4月には東京から那覇に向かう途中の四国・足摺岬沖において漁船との衝突事故を起こしている。

2007年2月9日に発生した幸吉丸の当て逃げ沈没事故では、同13日の那覇新港接岸後に船長が船首部を目視で確認したところ、衝突と見られる擦過痕を発見したため、会社(マルエーフェリー)を通して第十管区海上保安本部(以下、十管)へ通報した。

同社は同14日午前中、十管の事故加害船舶の調査中に衝突の事実を認めた(同社は、「気がつかなかった」だけで「当て逃げ」ではないと主張している)。同日午後、前日の那覇寄港時に十管へ提出していた同船の塗料サンプルと、被害船に付着した塗料が一致したことが確認されている。

15日午後、東京港有明フェリーふ頭に接岸後、海上保安庁海難審判理事所が立ち入り調査を行った。同日夜に那覇新港へ向けて出港したが、17日夜に那覇新港に接岸後に十管は、業務上過失往来危険容疑で捜索し運航マニュアルなどを押収した(同日深夜には東京へ向けて出港の予定であったが、十管の捜索のために1往復分を欠航した。なお、22日まで那覇新港に停泊した後に通常運航へと復帰している)。

2007年6月7日、この事故で宮崎海上保安部は双方の見張りが不十分だったことが事故の原因と断定し、同船の元航海士と漁船の船長の2人を業務上過失往来危険などの疑いで書類送検したほか、貨物船の当直の配置が安全管理規定より少なかったとして、同社を内航海運業法違反の疑いで書類送検した。過失の内容として海上保安部は、漁船側には「定員を超過していた為、操業時に見張りを十分にしていなかったこと」、フェリーたかちほ側には「運航時に見張りを十分に行っておらず、運航体制にも不備があった事」を挙げている。

この事故で九州運輸局は同社に対し、見張り体制が不十分(当時の見張りが1人であったことが判明している)として安全確保を求める命令を出した。これに対し同社は、航行中は必ず乗組員2人以上による見張りを行うことや、全船舶が寄港する那覇港に「沖縄運航管理室」を新設し、運航管理室長(副運航管理者)という新たなポストを設けて乗組員の指導を徹底することなど、4つの改善点を盛り込んだ報告書を九州運輸局鹿児島運輸支局に提出した。

[編集] 関連会社

奄美海運の「フェリーきかい」
  • 奄美海運 - 鹿児島から奄美諸島へのローカル航路を運営。
(鹿児島港 - 喜界島 - 名瀬港 - 古仁屋港 - 徳之島(平土野) - 沖永良部島(知名))
  • 有村商事 - 酒類、米穀・石油販売卸小売業者。マルエーグループの中核をなす。
  • マルエー物流 - 荷役会社。那覇における船舶代理店。
  • 第一海運 - 荷役会社。志布志、宮崎における船舶代理店。
  • 大島輸送 - 荷役会社。鹿児島での荷役を担当。
  • 大島産業 - 船舶用飲料品、船舶用品売買業。

[編集] その他

  • 航路ごとに独立採算性をとっている[要出典][4]

[編集] 参考文献

  • 日本船舶明細書I 2008年版 - 社団法人 日本海運集会所(2007年12月30日発行)

[編集] 脚注

[ヘルプ]
  1. ^ 新造船情報その24煙突を参照。
  2. ^ 鹿児島県公式サイト内の資料を参照。
  3. ^ 購入したギリシャの会社に何らかのトラブルが生じているとの情報あり[要出典]
  4. ^ マルエーフェリー運賃表によると、合鑑料金が航路によって違う(東京航路のみ自動二輪車に750cc以上の区分のほか、特等料金で1等船室を貸し切り可能など)ほか、JAF割引など他航路ではりようできない割引運賃がある。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

ウィキメディア・コモンズ