フェリー

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フェリー「M/S Mariella」 - ヘルシンキフィンランド
世界最大のフェリー「カラー・ファンタジー
2004年ヘルシンキのオリンピア埠頭にて。写真奥からシリヤ オペラ、 シリヤ シンフォニー、そして高速船のスーパーシーキャット フォー。2007年現在、この中でシリヤラインのブランドはシンフォニーのみである.

フェリー (ferry) は、旅客や貨物を鉄道車両自動車ごと運搬できるようにしたのことである。

フェリーは貨客船であり、貨物船の一種で自動車の海上輸送に用いられる「自動車専用船」とは分類上異なる。カーフェリー (Car ferry)、自動車渡船自動車航送船などとも呼ぶ。なお、本稿では日本のフェリーについて述べる。また、渡し船については本項目では詳しく扱わないため、渡し船を参照のこと。

名称[編集]

「フェリー」の車両甲板。様々な種類の車両が積載されている。(こんぴら2

日本語の「フェリー」の元となった英語の「Ferry」の原義は「渡し船」「渡し場」の意味であり、英語圏においても車輌を載せない客船も含まれる渡し船の意味の「Ferry」ではなく、自動車も運ぶという意味で「Car ferry」と呼ばれていた。日本にこのような船が導入された当時から、和訳されて「カーフェリー」と呼ばれ、しばらくは現在のフェリーに対して使われていたが、やがて「カー」が省かれ、21世紀初頭現在の用法である「フェリー」だけで表現されるようになった。

英語圏でも、「Car」にはトラックやトレーラーは含まれないため、多様な自動車すべてを運ぶ船を「Car ferry」と呼ぶと違和感があるため、近年では ROPAX (roll on/roll off passenger) vessel や Ro-Pax Ferry と呼ばれる場合がある。 日本で「ローパックス・フェリー」という表現が定着するかは不明である[1]

分類[編集]

旅客船兼自動車渡船(フェリー)[編集]

旅客船と貨物船の2つの機能が求められるため、建造と運航がコスト高となる。

  • 旅客船: 必要な安全設備と客室設備や快適性のための減揺装置や高速航行性を備える。
  • 貨物船: 多数の雑多な自動車を短時間のうちに安全に個人運転者の操縦によって自走乗船・自走下船させ固縛し、運搬する設備や能力が必要となる。
長距離フェリー
日本長距離フェリー協会[2]による定義では、片道300km以上の航路に就航しているフェリーであり、陸上輸送の代替として物流の効率化に貢献している。
国際フェリー
国際航路に就航しているフェリーであり、安全基準などは海洋関係の国際条約SOLASなど)により規定されている。
鉄道連絡船(車載客船)
カーフェリーは車載客船を基に自動車用としたもので、自動車航送を並行している例もある。

貨物車両渡船(鉄道連絡船)[編集]

鉄道連絡船のうちの車両渡船(旅客を搭乗させず鉄道車両のみを航送)。

国土交通省・日本の法規による分類[編集]

距離による分類[編集]

国土交通省では、片道100km - 300km未満のフェリー航路は中距離フェリー、300km以上のものは長距離フェリーとされている[3]

速度による分類[編集]

高速客船
22ノット以上で走る客船は高速客船と呼ばれ、普通運賃に加えて高速船料金が徴収できる。公式ではないが40ノットを越えて走る客船は超高速客船と呼ばれる。

航路の違いによる分類[編集]

船舶安全法において、旅客船に限らず日本船籍の船舶が航行できる区域は、それぞれ以下のとおり定められている。

  • 遠洋区域: 世界中を航海できる。
  • 近海区域: 東経175度から94度、南緯11度から北緯63度の中だけで航海できる。
  • 沿海区域: 沿岸から20海里以内の水域と特定の定められた水域だけ航海できる。
  • 平水区域: 湖、川、港湾、内海などの比較的波の穏やかな特定の水域だけ航海できる。

以上の航行区域を持つ船舶は、それぞれの船舶の航行区域、航行時間、総トン数などに応じて船体構造、通信設備、救命設備、旅客定員などが規定されている。 また、このほかにもその近海区域、沿海区域などの航行区域を持つ船舶のうち、その航行区域を港などの陸岸に近い区域にのみ限定しているものも多数存在する(航行区域を限定することによって必要な構造・設備が軽減されるメリットがある)。これらの航行区域は公式ではないが通称「限定近海区域」、「限定沿海区域」、「湖川港内限定区域」などと呼称される。

日本の内航客船の多くは、その航行区域が「沿海区域」か「平水区域」であるが、「遠洋区域」や「近海区域」の航行区域を持つ船舶を内航客船に使用しても構わない。逆に「沿海区域」の航行区域を持つ船舶を外航客船に使用しても(その航行区域を外れない限り)構わない。

日本国内での規定
日本の国内航路に就役する船舶は必ず、日本国内のいずれかの港に籍を置く、日本国船籍でなければならない。
また、日本国籍船を個人が保有する場合は、当該個人が日本国籍を持っていなければならず、会社(日本の法令により設立したものに限る)が保有する場合はその会社の業務執行取締役の2/3以上が日本国籍を持っていなければならない。(ただし、左記以外の法人の場合は取締役全員が日本国籍を持っていなければならない。)

歴史[編集]

日本[編集]

渡し舟と初期のフェリーの違いは判然としないため、いつの時点から日本での最初のフェリーと呼んで良いかは断言できないが、1つの例として示せば、1934年に今の北九州市若松区戸畑区の間の400m程を結ぶ航路に43総トンの2隻のカーフェリー「第8若戸丸」と「第9若戸丸」が就航した事例が挙げられる。これらのフェリーは船の前後に舵とスクリューを備えた両頭船であり、最大でもトラック2台とオート三輪を4台を積載できるのみであった。

1944年には鹿児島桜島との間を結ぶ156総トンの木造船、「第一桜島丸」が就航した。

第二次世界大戦後の1950年下関門司の間3.8kmを結んだ「第三関門丸」「第四関門丸」第五関門丸」の3隻が就役した。また、瀬戸内海では1953年宇野岡山県)と高松香川県)間を結ぶ「第一航走丸」150総トンが、1954年明石海峡横断航路として明石 - 岩屋(兵庫県)間を結ぶ「あさぎり丸」220総トンが、同年に鳴門海峡航路として福良(兵庫県) - 鳴門(徳島県)間を結ぶ「若潮丸」220総トンがそれぞれ就航した。なお、1956年には宇野 - 高松間に55総トンの木造船「玉高丸」も就航している。

昭和40年代(1964年以降)には中距離フェリーが現われ、またこの頃からモータリゼーションが本格化したこともあってフェリーの需要が急増し、1973年には168航路、1980年には241航路にまで増加した。

1973年からの第一次オイルショック1979年からの第二次オイルショックの影響により国内観光の需要が激減したが、これによる輸送量の減少によって運航会社の経営を圧迫し、多くの航路が閉鎖された。また、平成に入ってからの大きな変化として、本州四国連絡橋の完成によってそれまで瀬戸内海を結んでいた多くの航路が役割を終えて閉鎖されたことである。一方、一部の航路ではフェリーの高速化が企図され、2007年青函航路に就航し当時の日本最速となった「ナッチャンRera[3](のち休航)のほか、従来と比較して速力を増したフェリーが多くの航路に就航している。

近年は、原油高が進んでいることおよび高速道路におけるETC割引制度の充実(特に、2009年4月から2011年6月まで政府の経済対策の一環として実施された休日特別割引、いわゆる「1000円高速」)により、自動車輸送の利用が低迷する航路が増加している。また、関西 - 九州航路は速達性にまさる新幹線や航空機との運賃差が縮小し、さらなる苦境にさらされている。これに対し、自動車輸送料金の値下げを行って対抗する会社もあるほか、物流以外の個人利用客の誘致のため、キャンペーンの実施、インターネット予約における割引の拡充、繁忙期適用期間の縮小などの施策をとっている会社も多い。

日本の航路[編集]

内航航路[編集]

日本では内航の旅客航路は一般旅客定期航路、特定旅客定期航路、旅客不定期航路の3つに分類される。

2007年4月時点では、純客船も合わせた日本国内の内航客船事業者は964業者あり、1,659航路に2,385隻、計136万総トンが運航している。内航フェリーだけでは158事業者、187航路に366隻、計118万総トンが運航している。この数字からカーフェリーが船の中ではかなり大きいこと、航路数は内航客船の航路数全体に比べてそれほど多くないことが判る。2005年の国土交通省の国内輸送実績のデータでは、フェリーを含めた客船・貨客船での輸送は、旅客: 1億320万人、輸送人キロ: 40億2,500万人、トラック: 537万台、乗用車: 1,119万台となっている[3]

外航航路[編集]

日本では外航貨物定期航路事業、外航旅客定期航路事業、外航不定期航路事業に分類される。

  • 外航旅客定期航路事業一覧(フェリー航路のみ記述)
航路 船名 船籍 運航会社
下関港←→釜山港(韓国) はまゆう 日本 日本・関釜フェリー
下関港←→釜山港(韓国) 星希 韓国 韓国・釜関フェリー
下関港←→青島港中国 ゆうとぴあ パナマ 日本・オリエントフェリー
下関港←→太倉港(中国・蘇州 ゆうとぴあIV(旅客扱い一時休止) パナマ 日本・上海下関フェリー
博多港←→釜山港(韓国 ニューかめりあ 日本 日本・カメリアライン
大阪港←→上海港(中国) 蘇州号 中国 日本・上海フェリー
大阪港、神戸港←→上海港(中国) 新鑑真 中国 中国・中日国際輪渡有限公司
大阪港・神戸港←→釜山港(韓国) パンスター・ドリーム
パンスター・サニー
パンスター・ハニー[4]
韓国 韓国・パンスターフェリー
(サンスターライン)
神戸港←→天津港(中国) 燕京 中国 日本・チャイナエクスプレスライン
境港←→東海港(韓国)←→ウラジオストク港(ロシア) イースタンドリーム 韓国 韓国・DBSクルーズフェリー
稚内港←→コルサコフ港ロシアが実効支配中) アインス宗谷 日本 日本・ハートランドフェリー
小樽港←→ホルムスク港(ロシア) サハリン7 ロシア ロシア・サハリン船舶会社
伏木港←→ウラジオストク(ロシア) ルーシ号 マジュロ(マーシャル諸島 ロシア・極東船舶会社 (FESCO)
厳原港比田勝港←→釜山港韓国 シーフラワーII
ドリームフラワー
韓国 韓国・大亜高速海運
那覇港平良港宮古島)・石垣港←→基隆港高雄港台湾 クルーズフェリー飛龍21
クルーズフェリー飛龍
日本 日本・有村産業(会社精算、廃止)
金沢港←→釜山港(韓国) パンスター・ハニー パナマ 日本・東日本フェリー(会社精算-廃止)

日本以外の航路[編集]

バルト海
税金が比較的高いと言われる北欧のスウェーデンフィンランド等を結ぶ国際フェリー船内では、酒や煙草が免税価格で買えることから、買物目的を兼ねた渡航者で賑わっている。同地域に就航するシリヤラインヴァイキングラインでは、豪華客船に匹敵する設備を持った50,000トンクラスのフェリーを就航させている。なお、周囲の国々がEUに加盟した現在では非EUの小島に寄港することによって国際航路の条件をクリアしている。
ノルウェー
南端のベルゲンからフィヨルド沿いに北上、ノールカップを回って北端のヒルケネスを往復する沿岸急行船が有名。生活航路であると同時に観光ポイントを巡ることからクルーズ船としての性格を持ち合わせている。船体は古いものから新しいものまで様々だが年が若くなるにつれて設備が豪華になっている。
フィリピン
諸島国であるフィリピンではフェリーが交通手段として頻繁に使われている。日本航路からリタイアした船が使われているが、乗客数を増やすために改造されているケースが多く、当初設計時の定員より大幅な超過状態で運航された結果、海難事故がたひたび起きている。

船内設備の例[編集]

船室[編集]

2等船室の大部屋の例(フェリーはちのへ

短距離航路では1から2クラスの船室区分となっているものが多いが、長距離になるほど多様な料金体系による船室区分が見られる。また、従来の等級に縛られない命名法(商船三井フェリーの場合、スイート、デラックス、スタンダード、カジュアル、エコノミーの5段階)も見られるようになってきた。

特別室(貴賓室)
定員2人前後の個室。補助ベッドがついており、3人以上の利用も容易に行える部屋が多い。室内には洗い場の分かれたバスルームや、個室トイレ、それ一つで一等~特等の一室分に該当する応接間、専用のテラスなどがあり、ホテルスイートルームに相当する豪華な客室であり、名称も「スイート」としている場合が多い。このような特別室・スイートルームまで備えているフェリーは少ない。他方、中短距離のフェリーの一部でも、浴室を設けないもののこのような豪華客室が非公式に設定されていることもある。上部デッキの見晴らしが良い場所(最前列に近い場所)に割り当てられる。特別室利用の場合、料金内に食堂での食事券が含まれている場合もある。
特等船室
定員2人から4人の個室。1等の2人部屋の設備を強化したようなものから、前述の特別室に近いものまで存在する。長距離航路では、三点ユニット式のバス・トイレも備えていることが多い。多くのフェリーでは最上級客室とされており、特別室と同じフロアで、囲むように設置される。
1等船室
定員2人から4人の個室。4人定員の場合には2段ベッドの船も多いが、日本のフェリーでは和室(6畳ないし8畳)も存在する。2人部屋の場合は特等に比べて設備が簡素化されている他、窓のない内部屋に設定されていることも多い。新型の長距離船ではシャワールーム・トイレがついているものも一部に存在する。一方、個室ではなく、2等と同等の設備で占有空間を広くし、区画そのものも小分けにすることで2等より区画辺りの定員を小さくした程度のものも存在する。短距離航路では個室ではなく、大部屋にリクライニングシートを備える形式の船室も存在する。
2等寝台
大部屋に2段ベットを大量に設置した部屋で、最低限ではあるがプライバシーが確保される。主な設備はライトにコンセントと枕といったところで、シーツは自分で敷く。合理化の一環として2等寝台のみという長距離フェリーも現れてきている。バリアフリーの一環として寝台の梯子をなくしたり、ベッドとテレビが備わった小部屋タイプ(いわゆるカプセルホテル形態)が増えてきている。複数の2等寝台のランクがある場合、一段ベッド式でテレビやコンセントが付き、ある程度のプライベートが確保された半個室上の「S寝台」、付帯設備は同等だが階段付き互い違いの2段ベッドとなる「A寝台」、通常の開放型2段ベッドの「B寝台」などと呼称されることがある(呼び名は一例である)。
2等船室
仕切りが無いカーペット敷きの大部屋。1部屋あたり数十人単位の定員となる。短距離航路では、大部屋に椅子を備える形式の船室も存在する。じゅうたんに直接座る形を取るのは極僅かな国々に限られており、大抵の国では椅子式が主流になっている。多客時には展望室や食堂などのスペースを臨時席にするケースもある。自由席が基本だが長距離航路では2等船室でも座席を指定するケース(フェリーさんふらわあなど)があるほか、繁忙期に限り座席を指定するケースなどもある。
ドライバーズルーム
トラック運転手専用客室。2段ベッドと談話室を組み合わせた客室が標準的であったが、近年は個室を備えるフェリーも登場している。2等船室運賃(自動車運賃には、運転手の2等船室運賃相当額が含まれている)で、一般客の2等船室よりも良い接遇サービス環境にあることから、ドアなどでキャビンが仕切られており一般客が出入りできないようになっている。混雑時など、まれに一般客にも解放される場合がある。

その他[編集]

船内食堂の例。バイキング方式(「さんふらわあ ふらの」)
  • 食堂 - 長距離フェリーでは必須の設備であるが、オーシャン東九フェリーの「おーしゃんのーす」「おーしゃんさうす」のように食堂を廃止して自販機に置き換えるケースもある(同社では両船を「カジュアルフェリー」と呼称している)。定食式は長距離船では少なく、一品料理型のカフェテリア式が主流。また一定料金のバイキング方式を採用するところも増えている。一方、新日本海フェリーなど豪華なコース料理を味わえるグリルを別途設置している場合もある。一般の食堂の他に、軽食用のスタンドも設けている船も多い。また夕食の残りは夜食用の弁当で販売するケースが殆どである。
  • 売店・自動販売機 - ほぼ大半のフェリーに備え付けられている。菓子やご当地のお土産などを販売している。また自販機は飲料やカップラーメン、アイスクリームなどがある。一部航路では、コンビニエンスストアが設置されている。長距離フェリーや夜間便に関して、深夜時間帯は原則として売店を閉鎖している。
  • 浴場 - 日本国内の長距離フェリーの多くに備え付けている設備。展望式になっているものが主流である。2012年には新日本海フェリーにて露天風呂が登場した。内風呂つきの客室を備えている場合でも、需要が高く設置されていることが殆どである。沖縄航路や小笠原航路(カーフェリーではない)ではシャワーのみ、あるいは浴槽に水を貯めていないなどの処置を取っていることもある。短距離フェリーでも宇高航路で設置されている。近年の長距離船では、ドライバー用の浴室は別個にドライバー区画に設置している。
  • 展望室 - 船首側にある場合は夜間閉鎖またはカーテンを全閉されることもある。また、混雑時には2等船室の臨時席にする都合で、展望室とは名ばかりでカーペット敷きの大広間になっている例も少なくない。船横に廊下を兼ねて設置している場合もあり、プロムナード(遊歩道)等の名で呼ばれる。豪華さを売りにする長距離フェリーの場合、展望室と別にラウンジを設けている場合もある。二等の客が展望室のベンチで横になっているケースがあるがマナー違反である。ドライバー区画には、専用のサロンを設けている。
  • オープンデッキ - 一部の高速フェリーを除けば、何等かの外周手段が存在しており、航海中に外に出ることが可能である。ただし乗客の安全性を確保するため、強風時は閉鎖される。
  • ペット用施設 - 近年では多くの船舶がペット一時預かり用の施設を設けている。多くはケージに入れての運搬施設に限定されるが、ドッグランなどペットのストレスがかからないための新たな施設の導入を試みる業者もいる。また、ペット同伴可能な客室も登場している。
  • プール・ジャグジー - バブル期には多くの長距離フェリーに導入された設備であるが、利用期間が極めて限られる(夏季の一時期のみ)上、雨天や強風時にも利用出来ず、今日では殆どの船舶から撤廃されてしまった。ただし日本国内航路でもごく一部には現存している他、海外のクルーズ目的を兼ねた船舶では現役のものもある。
  • その他の余暇設備 - ラウンジを兼ねた映画上映室、ビデオルーム、カラオケルーム、子供用設備、アーケードゲーム、運動設備などがあげられる。何れも長距離航路中心の設備で、短距離航路ではゲームコーナーなど短時間利用が可能なものに限られるか、あっても稼働しない場合が多い。
  • 通信 - 長・中距離フェリーでは衛星電話を使った公衆電話が設置されている。日本国内ではNTTドコモ衛星携帯電話ワイドスター」が利用される。通話料金は一般の公衆電話と比べやや割高であるが、通常の電話とあまり変わらない品質で通話ができる。高高度の衛星を使っているため、通話は0.2秒ほど遅延する。国際航路では、日本と相手国の公衆電話両方が用意されている場合がある。

運賃・料金[編集]

国内の「フェリー標準運送約款」による。これは一般的説明なので、必ずしも各社の規定がこれに合致するとは限らない。

フェリーの運賃は、鉄道などと多少異なり、大人1人につき小児1人まで無料となる、と定められている。また、指定されている座席または寝台を1人で使用する場合を除き無料となるのは、1歳未満の小児(鉄道でいう「乳児」)に限られる。

また、自動車を載せる際の運賃には大人1人分の2等船室運賃があらかじめ含まれているので、2等船室に乗船する際には改めて運転士の運賃を支払う必要はない。ただし、1等船室に乗船する場合は、その差額が必要となる。

手回り品は、20kgまでは無料となり、超過分は有料となる。持ち込むことができるのは30kgまでであるが、30kgまで無料というわけではなく、30kg持ち込んだ場合は10kg分は有料となる。ただし、車椅子身体障害者補助犬は上記の重量制限に含めない。

二輪車(自動二輪・軽二輪・原動機付き自転車)および人力で移動する軽車両(自転車・乳母車・荷車等)は「特殊手荷物」扱いとなり、四輪車(乗用車・貨物車)の車両運賃とは別建ての料金となる場合が多い。長距離航路では一般に特殊手荷物の運賃は車両運賃よりも大幅に安価である(750cc超の二輪車でも乗用車の数分の一)。

二輪・四輪ともに「無人航送」と呼ばれるサービスを用意している航路もある。この場合は人間分の運賃が不要となる。発着港での積み下ろしサービス(有料)を利用すれば、必ずしも船の発着を待ち受けなくてもよい。長距離フェリーの場合無人航送を利用すれば、車両のみフェリーで送り人間は他の移動手段(航空機・鉄道等)を用いることで大幅な時間の節約が可能となる。

輸送経済性[編集]

カーフェリーは陸上の輸送手段に比べて経済性が比較的良いが、貨物輸送の経済性では貨物船での輸送が優れる。以下に経済性の比較を示す。

長距離カーフェリーと他の輸送手段との経済性比較(海事産業研究所)
  • フェリー利用の無人15トントラック: 100
  • フェリー利用の有人10トントラック: 142 - 146
  • 内航RORO船: 95 - 96
  • 内航コンテナ船: 61 - 75
  • 10トントラック陸送: 182 - 205[3]

旅客から貨物に転換[編集]

日本では1970年代に運輸省が全国自治体に働きかけて旅客フェリー設備の整備が進められたが、港湾設備が整うと運航側が旅客営業を廃止し貨物船などに転換する「ただ乗り」現象が多発している。大阪港神戸港四国九州の各港を結ぶ旅客フェリー航路は複数存在する一方、東京港から北海道方面に向かう旅客フェリー航路は大洗港などに拠点を移した。

ギャラリー[編集]

日本のフェリー(10,000トン超)[編集]

日本のフェリー(4,000 - 10,000トン未満)[編集]

日本のフェリー(1,000 - 4,000トン未満)[編集]

日本のフェリー(1,000トン未満)[編集]

日本に就航する国際フェリー[編集]

出典[編集]

  1. ^ 池田良穂著 「図解雑学 船のしくみ」 ナツメ社 2006年5月10日初版発行 ISBN 4-8163-4090-4
  2. ^ ※2007年現在、日本長距離フェリー協会には11社が加盟している。
  3. ^ a b c d 池田良穂著 『内航客船とカーフェリー』 成山堂書店 2008年7月18日新訂初版発行 ISBN 978-4-425-77072-4
  4. ^ パンスターライン、釜山~大阪路線でクルーズ船運航 - 聯合ニュース

関連項目[編集]

外部リンク[編集]