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(ふね)とはなどの水上において、おもにを運般する目的で作られた乗物の総称である。船舶(せんぱく)とも表記される。人力・帆走・原動機により水上を移動する交通手段であるが、特殊な用途として水中を移動する潜水艦潜水艇も含まれる。規模や用途の違いから「船・舟・槽・艦」などを使い分ける。

波や気象の状態、船にもよるが、自動車航空機に比べ、による揺れが激しいため、乗り慣れていないと船酔いに悩まされることがある。

宇宙船飛行船のように水上以外での乗り物も「船」であるが本項目では扱わない。 変わったところでは、オートバイに取り付けられるサイドカー(側車)や、魚類刺身を盛り付ける容器を表す言葉として「舟」が用いられる。また、水上機のフロートや飛行艇の艇体は「浮舟」(うきぶね)と表現する。いずれも本項目では扱わない。

帆船 Christian Radich
帆船 Christian Radich
デンマークの農水省水産研究所に所属する多目的海洋調査船「DANA」号。建造は1981年。全長78m、総トン数2,545t、航海速度12.5kt、航続距離14,000海里、2004年8月1日(日) 13:24撮影
デンマークの農水省水産研究所に所属する多目的海洋調査船「DANA」号。建造は1981年。全長78m、総トン数2,545t、航海速度12.5kt、航続距離14,000海里2004年8月1日(日) 13:24撮影
米海軍の「シーシャドー」ステルス実験船

目次

[編集] 基本機能

「船」と呼ぶためには水上で安定して浮かぶための浮力と復原性を備えた「船体」と、推進の「動力」、針路を定める「」(かじ)の機能を備える必要がある。「オール」や「」、「」は動力としてだけでなく舵としても使える。動力として内燃機関などのエンジンを使う場合は舵が必要となる。

[編集] 呼称

[編集] 舟・艇・ボート・船・船舶・艦

「舟」や「艇」は、いかだ以外の水上を移動する手漕ぎの乗り物を指し、「船」は「舟」よりも大きく手漕ぎ以外の移動力を備えたものを指す。「船舶」は船全般を指す。「艦」は軍艦の意味である。(艦の字義は装甲船の意)

つまり、民生用のフネは「船」、軍事用のフネは「艦」、小型のフネは「艇」または「舟」の字があてられ、それらの総称として「艦船」(かんせん)、「船艇」(せんてい)、あるいは「舟艇」(しゅうてい)などの言い方をする場合もある。

[編集] 槽(ふね)

一般的にふねの構造は、水上に浮かぶための浮力を得るために、内部は空洞になる。転じて、ある物体の中が空ろな容器全般を「ふね」と呼び、特に木製で中身(主に液体粉粒体)を入れる目的に特化した場合には「槽」(そう)の文字を当てる。日常的に、これら器を指して「ふね」と呼ぶ場合は使用時に蓋をしない、または蓋の付いていない状態のものを言う。(例:湯ぶね、酒槽など)

[編集] 英語表現

「舟」や「艇」は英語の「Boat」に相当し「船」は英語の「Ship」や「Vessel」と同じものを指す。ただし潜水艦は「艦」ではあっても英語では通常「Boat」を用いる。

英語では民間船・軍艦共に代名詞she(女性扱い)である。これに対し飛行機では民間機がshe軍用機he(男性扱い)である。「ふね」を表すについては、各言語によって異なり一様ではない。

[編集] 数詞

  1. 海上運搬物の船は比較的大きな船の場合「1隻(せき)、2隻、、、」と数え、小型の船の場合は「1艘(そう(槽とも綴る))、2艘、、、」と数える。だが、最近は大きさに関わらず「1隻、2隻、、、」と数えることもある。
    • 器の意味を込めて数える場合はまたはの文字を当て、「1ぱい、2はい、、、」と数える。
  2. 器としての槽では「1ふね、2ふね、、、」のような使い方をする。

[編集] 法令による定義

  • 商法:第六百八十四条では「本法ニ於テ船舶トハ商行為ヲ為ス目的ヲ以テ航海ノ用ニ供スルモノヲ謂フ」同条2では「本編ノ規定ハ端舟其他櫓櫂ノミヲ以テ運転シ又ハ主トシテ櫓櫂ヲ以テ運転スル舟ニハ之ヲ適用セス」と定義されている。具体的には商行為を目的とする海商で航海の用に供される櫓櫂船以外の船を指す。

[編集] 船名

[編集] 日本

日本では船舶法により、船首両舷と船尾に船名を表示することが定められており、各国の同等法規においても同様である。

船名の最後に「丸」を付ける
日本の船には船名の末尾になるべく「」を付けるように勧告されており、多くの日本船がこれに従っているが、フェリー船や外航船では「ジャパン・コスモス」「ペガサス」「あめりかん はいうえい」など「丸」を付けない船名も存在している。日本の護衛艦は丸をつけていない。
なぜ日本の船にだけ丸をつけたのかはいくつかの説があるが、いずれも決定的なものは定まっていない。海外では日本の船を「Maru ship」と呼んだりする。

日本では山や川などの地名をつけることが多く花の名前などもつけられるが、「ナッチャンRera」のような愛称を除けば、欧米のようなそのままの人名を付けることは少ない。「日石丸」「全購連丸」「とよた丸」「日産丸」「日本ハム丸」のように日本の会社名をそのまま付ける例も多くなってきている。

[編集] 海外

SS, MS, HMS
英語圏では蒸気船では船名の前に Steam Ship の意味で「SS」をつけることがあり、21世紀の現在では SS は主機関が蒸気タービンであることを意味している。同様に、ディーゼル・エンジン船では船名の前に Mortor Ship の意味で「MS」をつけることがある。「HMS」は Her Majesty's Ship (女王陛下の船)の略であり、「イギリス王国の軍艦」の名の頭に与えられる。

[編集] 番号・符号

船舶原簿などの登録に関わるいくつかの番号や符号が以下のように船ごとに与えられる。

船舶番号
船舶には自動車ナンバープレートのように一隻ごとに異なる「船舶番号」が船舶原簿に基づいて与えられる。
信号符号
総トン数100トン以上の船舶には、NHKのJOAKやJOBKのようにアルファベットで4桁の「信号符号」が与えられる。すでに4桁のアルファベットをほぼ使い切ってしまったために、日本ではJ、7、8のいずれかかが1文字目で、続く3文字のアルファベットによって4文字を構成する無線電信を有する船の為の符号と、無線電信は持たずに無線電話だけの船のためのJDからJMではじまるアルファベット6文字の符号へと変わって来ている。
船簿港
「船簿港」は人間の本籍に相当する。日本の船は船舶法によって船簿港を定めて管轄の運輸局にトン数を申請し、船尾に船簿港を表示しなければならない。
便宜置籍船
船舶に課される税金は、リベリア(港名:モンロビア)、パナマ(港名:パナマ)、キプロス(港名:リマゾール)が低率であり、これらの国では(実態は)外国の船の登録を誘致している。(登録後はこれらの国にとっては名目上は自国の船になる。)このような船を「便宜置籍船」(Flag of Convenience Ship、FOC)と呼ぶ。便宜置籍国には安全な航海のために規制を行なう十分な法律が存在しないために、便宜置籍船は一般に乗組員の質が劣り事故の発生率も高いため、国際的な問題となっている。
カボタージュ
また、日本を初めとする国々では、国内港間の輸送を行なう船は自国籍の船でなければならないとする『カボタージュ(Cabotage)』と呼ばれる規制によって、便宜置籍船を含む外国籍船が排除されている。

[編集] 船の長所と短所

[編集] 長所

  • 大量・大型貨物輸送が(一度に)可能。
    • 陸上運搬が困難な巨大な重量物も容易に運搬することができる。
    • 一度に大量の貨物を少人数の船員で運搬できる。
  • 低速で良ければ長距離での輸送コストが非常に低い。
    • 高速航行を求めなければ、エネルギー効率が良く、燃料も安価な重油などが使用できるため、燃費が非常に良い。低速航行であれば造波抵抗は小さいままで粘性摩擦抵抗や粘性圧力抵抗が抵抗の主体となり、大型船にすればするほど燃費は向上して大量の輸送物を低コストで運べる。
  • 陸上交通と異なり、海を隔てた国や地方同士での輸送が行なえる。
  • 交通インフラとしての整備だけで済む。
    • 陸上交通では道路鉄路が必要だが建設と保守のコストが非常に高額となり、用地取得と騒音・排気ガス問題が発生する。
    • 航空機では空港の整備が必要となる。用地取得と騒音問題等が発生する。
  • たとえ道路や鉄道の建設を行なうにしてもといった地形によってルートが制約される陸上交通と異なり、つながった水上であればどこへでも行ける。
  • 航空機や陸上交通機関では困難な、巨大船の建造が可能。
    • 船舶は航空機や車輌と比べて大きさの割りに安く作れる。
  • 船内のバリエーションが航空機や車輌に比べて幅広い。
    • 寝台設備を設ける場合、巨大船であれば多くの広々とした寝台個室を設けることが可能。鉄道車輌は車輌の大きさが決まっているため、寝台設備が手狭で特に個室寝台になると1車輌あたりの定員数が数人となることがあり、低料金では採算が合わない場合がある。自動車や航空機で旅客輸送を目的に寝台設備が設けられることは日本国内ではなく、海外でも少数。
  • 可動部分が少ないため、海や塩湖で使用する場合は船に塩害対策を施すことが前提となるが、他の交通手段と比べて寿命が長い。補修や部品の交換を繰り返して数十年使われることが多い。
  • 航空機と比べれば気象による影響を比較的受けない。
  • 航空機と比べれば事故や異常事態発生時のリスクが少ない。

[編集] 短所

  • 速度が遅い。
  • 速度を上げると燃費が極端に悪くなる。
    • 陸上での移動車輌は主に車軸の転がり抵抗や走行による空気抵抗が速度と燃費を決めているが、水を押し分けながら進む船舶では水の密度と粘性のために抵抗が大きく、特に造波抵抗は速度向上を阻み燃費の増悪を産んでいる。
  • 制動距離が長い。
    • ブレーキは特殊な競技船などを除けば備えておらず、ほぼすべての船舶では全力後進(Full Astern)によって制動がかけられるために制動距離が長い。さらに全力後進は全力前進と比べても、プロペラの位置や機関の制約などによって効果が劣り、また、多くの船では前進から後進への切り替えに時間がかかる。通常の船ではプロペラが後進の回転をすれば舵が機能を失う。
  • 転針・進路変更が遅い。
    • 船が進路を変更するには舵が動いて船体が向きを変え(転針)、船体側面で水から圧力を受けることで船が持つ慣性力が偏向されて進路が変わる。プロペラが前進方向で回転しなければ舵の効率は極端に悪い。
  • 乗り慣れないと船酔いを起こすことがあり、旅客運送としては欠点となる。
  • 港の整備が必要。
  • 港からしか運べない。河川のない内陸では使えない。
  • 陸から遠く離れることによる弊害がある。
    • 長期航海の場合、船員の家庭生活や陸上とのつながりが阻害される傾向があり、食事を含む休息時の環境と人間関係も固定的である。これらにより先進国では海事への就労者が減る傾向にも繋がっている。
    • 陸路と比べれば事故や災害時、非常時の逃げ場が限られ、発見と救援にも困難がともなう。
    • 海賊の襲撃というリスクがある。
    • 急病時の対応に制約がある。
  • 陸路と比べれば比較的運航時間が気象に左右される傾向がある。
  • 橋や運河によっては高さや幅、深さに制約がある。
  • 内陸では季節により水量不足で運航できない場合がある。

[編集] 分類

[編集] 用途・機能による分類

[編集] 商船

商法684条より、商行為をなす目的のため、航海の用に供せられるものとされている。

旅客船(客船)
旅客輸送に使用されるもの。
オーシャン・ライナー
遠洋定期船、外国航路船、大洋航路船。太洋上の航路と呼ばれる仮想の進路に沿って海浜に接した都市間を航行する船。
クルーザー
観光船、巡航船、遊覧大型客船。観光を目的に周遊する船。
フェリー
フェリー
貨客船(Mixed Ship、貨客混載船)
貨物輸送旅客輸送とを同時に行うことが出来るもの。
フェリー(Ferryboat、渡船、自動車渡船)
定義が幾分あいまいであるが、日本では次の4つの条件を満たす船。
  1. 旅客と自動車などの車輌とその運転士を同時に輸送するもの。
  2. 海峡や離島を結ぶ橋の代わり、または鉄道や道路等に平行して航行し陸路の代わりに用いられるもの。
  3. 車輌の搭載はランプウェー上を自走して行なわれるもの。
  4. 不特定多数の利用者が使うもの。
片道の航海が100km以下のフェリーを短距離フェリーと呼んでいる。100kmを越え300km未満の航海距離のフェリーは中距離フェリーであり、300km以上のものが長距離フェリーとされている。
鉄道車輛渡船
フェリーの中でも特に鉄道車輛航送が可能なもの。鉄道航路を参照のこと。定期的に海浜に接した鉄道線路間を航行し、旅客や貨物以外に鉄道車輛を運搬する連絡船。船内にレールが敷かれており、船のレールと桟橋のレールを合わせて車輛の積み下ろしを行う。同時に自動車の自走による搭載・運送するものも含む。
貨物船(Cargo Ship、カーゴシップ)
貨物輸送に使用されるもの。荷物船。コンテナ船のような専用貨物船の多くは荷役装置を持たない(Gearless Vessel)ため、港の岸壁のクレーン等の荷役装置により貨物の積み下ろしを行なうが、多くの一般雑貨運搬船やバラ積み船等では船上にクレーンやデリック等の荷役設備を備える(Geared Vessel)ため港を選ばず荷役作業が行なえる。
タンカー以外の貨物船全般(専用貨物船やコンテナ船、バラ積み船)を特に指す場合は一般貨物船(General Cargo Ship)と呼ばれる。重量物、コンテナ、一般雑貨、バラ荷等の多様な貨物を効率よく積める作られた船は多目的(貨物)船(Multi Purpose Ship)と呼ばれる。
貨物船には航路、寄港地、スケジュール定まっている定期船(Liner、ライナー)と定まっていない不定期船(Tramp)がある。定期貨物船の多くが1航海での寄港地が10港以上にも及び、貨物も多種に及ぶため、貨物の揚積の効率を考えて5~7個の船艙と2~3層の甲板を持つものが多いが、不定期貨物船では寄港地が少なく貨物の種類も限られるために3~5個の船艙と1~2層の甲板を持つものが多い。また、定期貨物船が運ぶ貨物は不定期貨物船の物に比べて高価なものが比較的多く、貨物の発汗防止の為の通風乾燥装置、郵便物の為のメイルルーム(Mail room)、貴重品の為のストロングルーム(Strong room)、冷蔵貨物用の冷蔵庫(Reefer chamber)、液体貨物用のディープ・タンク(Deep tank)、重量物の荷役に使うヘビー・デリック(Heavy Derrick)などを備える船が多い。不定期船では木材、鉱石、石炭、穀物、鋼材などの原材料や半製品を運搬することが多く、これらはいずれも価格が安く、またこれらを運ぶための専用船との競合にも運搬コスト等の面で対応が求められるため、船型を単純にして小出力エンジンと低速航行によって燃費を抑えるなど定期貨物船との違いがある。不定期船は特殊な装備を求めず単純な船体を低コストで求められるため、同一設計で多数の船が作られるという傾向もある(2,580隻のリバティー船の例を参照)。
定期船と不定期船のいずれにも利用される船はライパーと呼ばれる。
コンテナ船 (Container Ship)
貨物輸送の際に貨物コンテナ(通称「海コン」)を運ぶ船。その多くがISO規格で定められた20フィートか40フィートの長さのものである。少数ながらコンテナ専用のクレーンを自ら備える船もある。貨物コンテナだけを専門に運ぶフル・コンテナ船(フルコン船)の他に、貨物コンテナとブレーク・バルク・カーゴを混載するセミ・コンテナ船(セミコン船)がある。
RO-RO船(RORO船、ローローせん、Roll on roll off ship)
自走によりトレーラーなどの車両を船内の車両甲板へ搭載・固縛できる構造の専用貨物船である。トレーラーの後部車体のみを運搬する方法は、前部車体であるトレーラーヘッドは搭載・揚陸時のみに少数台ですみ、搭載スペース縮小と重量の軽減や狭い車輌甲板上での運転という運転技量の問題も回避出来るために多く用いられる。
フェリーのようにランプウェー(Rampway、斜路)を備えるものが多いが、特定の航路での就役を計画されて、港側のランプウェーを利用できる場合は初めから備えていない場合もある。船が備える機構は乗客を乗せるフェリーとほぼ同じであるが、運転者を含めた乗客を運ばないためフェリーのような客室は備えない。
タンカー(Tanker、油送船、油槽船、水槽船)
液体を運ぶ船である。原油や石油、液化天然ガス等の鉱物油、化学薬品などの液体などを運ぶための専用タンクを備える。
内航タンカー
通称「白タンカー」は軽油やガソリンを運び、通称「黒タンカー」では重油を運ぶ。ただし、外見では区別が付かない。
冷凍・冷蔵運搬船(リーファー)
冷凍船。海洋船団において漁獲したものを急速冷凍し保存する設備を持ち、加工設備も併せ持つ。
ばら積み専用船(バルクキャリア、バラ積船)
石炭鉱石木材セメント穀物など大量の特定貨物を運ぶ船。鉱石専用船、石炭専用船、穀物専用船、木材専用船:木材専用船、パルプ専用船、チップ専用船。
その他専用船
鋼材専用船、土砂運搬船。
(はしけ、バージ)
河川交通や港湾運送のための平底の貨物船。動力を持たない場合が多いため、タグボートに曳かれたり押されたりして航行する。
バージキャリア
貨物搭載用のはしけ(バージ)を数十艇搭載して運ぶ船。RASHなど
プッシャーバージ
はしけを押す船。特にはしけをいくつもつなげて押すものはバージ・ラインと呼ばれる。プッシャーバージには大洋を渡る数万トン級のオーシャン・バージもある。
曳き舟
漁船
漁業に用いる船舶であり、漁船法により規定される。近海用と遠洋用、また漁獲する水産物の大きさや量によって、船の大きさはさまざまである。日本では漁船の管轄官庁は国土交通省だけでなく、農林水産省でもある。
快遊船(プレジャーボート
趣味のために使用されるもの。商行為に使用されないものであるが、商法海商編35条よりその準用を受ける。
通船
岸壁や桟橋には停泊せずに沖にとまっている船に人を運ぶ船。
特殊船
クレーン船、給水船、給油船、ほか各種。

[編集] 商船以外の船

軍艦
軍事用艦艇を指す。大きさ、形態、武装はその用途により様々である。国連海洋法条約によれば保有国が武装に関わらず自国海軍の艦艇であると認めたもの。ただし、海軍の艦艇であっても戦闘に直接寄与しない補助艦艇であれば軍艦でないとされる場合がある。日本では軍艦の管轄官庁は国土交通省だけでなく、防衛省でもある。
巡視船
沿岸警備のための船艇のことで、密輸や密入国、海賊行為の取り締まり、海難救助を主な任務とする。国・地域によって担当する組織が軍事、準軍事、警察と違いがある。日;本では巡視船の管轄官庁は国土交通省である。
砕氷船(アイスブレイカー)
極地など氷海や凍結河川における自力航行ないし航路啓開を目的とする船。強力な機関と船体を備え、周囲を氷に閉ざされても薄い氷であれば割り進み、ある程度の厚さであれば船首と船尾を上げ下げし船体の重さで氷を砕き低速での移動が可能である。厚すぎる氷に閉じ込められても、舷側が斜めになっていて潰されない工夫がある。商船の砕氷船も砕氷タンカーのように多数存在する。
海洋調査船
海洋の科学調査を行なう船。
練習船
船員になろうとする者が、航海の実習訓練をするための船。船員養成機関が運用する。帆船と汽船(動力船)がある。
病院船(ホスピタルシップ)
傷病者の治療と移送を目的とする船。医療設備と多くの病床を備える。多くは軍用である。
消防船
火事を消火するための船。強力なポンプを備えて海水を高圧にし、放水銃により火元等に放水する、特に専用に開発された消防船では双胴船体に高い塔を備えて高所より放水するものがある。日本では海上保安庁が保有運用している。
測量船
水深や海流、水質等を搭載する測量機器により測る船のこと。日本では海上保安庁が保有運用している。
作業船
ある特定の作業に特化した船の総称。主に海洋土木専用船。港湾整備等に使用される構造物築造船・浚渫船・揚土船、環境改善を目的とした清掃船や油回収船、通信用の海底ケーブル敷設船など。救助作業船。
工作船
本来は甲板上に大型の起重機を複数設置し、艦艇や船舶の軽微な補修作業をドック入りさせなくとも行えるリペアー・シップのこと。近年、他国への破壊活動を行う工作員を輸送する小型の船も、この呼び方をされるようになった。
タグボート
曳き船。狭隘海域・狭小水路・港湾内において大型船舶が航行または離着岸する際の座礁や衝突を回避するために曳航または押航する船。前述のはしけを引くためにも使う。
水先案内船 (パイロット・ボート)
水先案内人(パイロット)を、誘導する船まで運びまた戻すための船。水先案内船が案内をする訳ではない。
搭載艇
船舶に積載されている救命・連絡用の小型の船。手漕ぎ式のカッターボートや、内燃機関を備えたランチや内火艇と呼ばれるモーターボート等がある。
救命艇
海上事故から避難するための小型の船。エンジンを備えて自航出来るものとオールやパドルのみのものがある。救命いかだは船ではないがエンジンを持たない救命艇と同じに扱われる。

[編集] 所有者・運用者による別

公用船
国または地方自治体が所有する艦船若しくは舟艇。日本で言えば防衛省自衛艦海上保安庁巡視船水産庁漁業取締船等がこれにあたる。
社用船
企業、公共企業体独立行政法人が所有する船舶。下記「民間船」とは、敢えて区別しています。
民間船
公用船以外の船舶で、社用船に属さない船舶や舟艇。個人所有の漁船ヨット等がこれにあたる。
傭船
船腹の全部又は一部につき、一定期間又は一定航海を傭船料を対価に物品等の運送に提供することを約し、運航される船舶。多くの場合、船舶所有者たる企業と、運航責任者たる船長との間に、直接の雇用契約は結ばれていない。社用船、民間船の一形態。

[編集] 船体材質による分類

船体を構成する主な材質により以下のように分類できる。

葦船
を用いた船
木造船
木材を用いた船
鉄船
を用いた船
鋼鉄船
を用いた船
FRP船
繊維強化プラスチック(FRP)を用いた船
アルミ船、軽合金船
アルミニウム合金を用いた船
セメント船、フェロセメント船
セメントやフェロセメントを用いた船

[編集] 動力による分類

手漕ぎ舟
人間の腕力を以って、櫓(ろ)を用いてこぐもの。ろかい舟。さおを使うものもほぼ同じ
帆船
風の力を帆に受けて動力とする船。狭義の帆船は、1本または複数本のマスト(mast: オランダ語、英語)と呼ばれる帆柱を備え、前進するための帆と進行方向を変更する三角帆を備える
帆掛け舟
前進するためだけの帆のみを持ち、進行方向を変更する機能を持たない舟をいう。和船が相当する
汽帆船
風の力と原動機の動力を組み合わせて利用するもの
汽船
原動機を動力とするもの。
ディーゼル船
2サイクル型、4サイクル型があり、燃料は主に重油や軽油を使用する。
ディーゼル・エレクトリック船
ディーゼルエンジン発電し、電気モータープロペラ駆動する船舶
蒸気船
蒸気レシプロ
古くは外輪船などで多く存在した
蒸気タービン船
蒸気タービンによって動力を得ている船舶。21世紀の現在でもLNG船、LPG船に使用されている
原子力船
原子炉の熱で作った蒸気でタービンを回す船
ガス・タービン
外燃機関であるガス・タービンを使った船。高速航行を行なう客船や軍艦に存在する
ガソリン・エンジン
動力にガソリン・エンジンを使った船

[編集] 船体構造による分類

[編集] 機関の搭載方法による分類

船外機船
船尾板(トランサムボード)に船外機を装着したもの。
船内外機船
機関を船内船尾に備え付けドライブユニットを船外に出すことによるプロペラを回転させる。
船内機船
機関を船内中央付近に備え付けプロペラシャフトによりプロペラを回転させる。

[編集] 歴史

[編集] 世界

[編集] 有史以前

太古の昔より、河川や海洋を渡る際や釣りなどの漁業を行うために丸木舟などが用いられていた。スコットランドで150例、日本で200例などの先史時代の丸木舟の発見例があり、その他獣皮を張った船体に防水を施したシーカヤックに類するものなども存在したと考えられている。

[編集] 紀元前

古代エジプト時代のつぼに船の絵が描かれており、ナイル川で使われていたとみられているが、パピルスいかだから発展した継ぎ剥ぎ構造と推定され、この時代の船は海洋での使用には適さなかったとされている。紀元前4,000年頃にはエジプト・ナイル川流域の他、チグリス川ユーフラテス川流域のメソポタミアでも帆走船が使われていた形跡が残っている。モンゴロイドがアウトリガー付きカヌーで帆走をはじめて、東南アジアの島々に広がり始めたのは、紀元前3,000年頃であり、フィジーには紀元前1,500年頃に達したと考えられているが、モンドロイドの拡散以前の紀元前4,000年頃にはオーストラロイドとモンゴロイドの混血であるメラネシア人がソロモン、バヌアツ、フィジー、ニューカレドニアの各島々への拡散しており[1]、日本では紀元前4,000年頃(縄文時代前期)の外洋での航海が可能な大型の丸木舟の出土例がある。 紀元前4,000年頃から紀元前1,000年頃にはエジプト人やタレス人が地中海に乗り出していた。フェニキア人はアラビア海にも乗り出し、船による交易の範囲が広がっていった。

[編集] 紀元後

ギリシャ時代には、帆走船ガレー船が使われ、ローマ時代には、1世紀頃にヒッパロスがインド洋の季節風を利用したアラビア半島からインド南岸までの航路を開いた後はローマ・インド間の海上交易が行なわれた。

8~10世紀にはヴァイキングと呼ばれたノルマン人たちが独特の丈夫な船を駆って西ヨーロッパの海を支配していた。

一方、日本では、600年からの遣隋使船、618年からの遣唐使船も日本にとって発達した航海術を吸収する機会であったが、1401年からの勘合による日明貿易が開始され、これらの船(遣明船)には羅針盤が備わるなど確実な進歩を遂げていった。 中国の鄭和の艦隊が15世紀、30年間に渡って中国沿岸からインド洋を席巻していた。中国の海洋進出が途絶えた後も、東南アジアからインド経由でヨーロッパに至る海のシルクロードが、商人と船乗りの手で長期に渡り維持された。

ヨーロッパでは、それまでのガレー船のラティーン・セイル(三角帆)に加えて、ヴァイキング船の横帆を取り入れた「カラック船」を生み出した。15世紀初頭にはポルトガル人が、ラティーン・セイルと横帆を持つ小型の「カラヴェル船」を生み出し、「エンリケ航海王子」の支援も受けて、外洋への航海に乗り出していった。

16世紀にはカラック船を元にガレオン船が登場し、大航海時代をになった[1]。ガレー船は18世紀末まで地中海で、北欧バルト海では19世紀初頭まで使用された。1807年にロバート・フルトンが作った外輪蒸汽船がニューヨークとオリバニー間で運行を開始した後は、多数の帆船に蒸気機関が搭載され、また、帆船も港での操船は蒸気エンジンを備えたタグボートに任せることが出来るようになったため、外洋航行に最適化した高速大型帆船が作られ、「クリッパー」と呼ばれる高速帆船も登場した。1858年に英国人アイザム・K・ブルーネルが発明したスクリュー・プロペラを備えた外洋定期客船「グレート・ブリンテン」が作られた。英海軍が海上公開実験によってその性能を確認し、軍艦の標準としたため、各国海軍もそれにならった。1869年にスエズ運河が開通すると、軍艦だけでなく商船でも、航行スケジュールが確実な蒸気船が帆船を駆逐するようになっていった。

蒸気船の歴史については蒸気船#歴史(世界)蒸気船#歴史(日本)を参照のこと。

この後、多数の蒸気船が登場して徐々に海運の主役となった。1892年のディーゼル・エンジンの登場によって多くの大型船舶が内燃機関を備えるようになった。

帆船は今日でも練習船ヨットなどとして用いられているが、多くがエンジンを備えた汽船である。

[編集] 日本

[編集] 古代

日本の先史時代の丸木舟の発見例はおおよそ200例ほどである。その中には1989年東京都北区上中里中里遺跡で発見された全長5.79mの丸木舟や、1995年千葉県香取郡多古町で発見された全長7.45mの丸木舟など大型のものの出土例もある。また1998年京都府舞鶴市の浦入遺跡で出土した丸木舟は、現存長は4.4mであるが、幅85cm、長さ8m以上あったと推測され、一本の巨木を刳り抜いた堅牢なモノコック構造の刳舟であり、縄文時代前期には外洋での航海が可能な丸木舟が存在した。

縄文時代以後も日本船はモノコック構造の刳舟が主流であった。古墳時代以後の大型の刳舟の出土例は大阪湾周辺に多く、単材刳舟ばかりではなく複材化した準構造船と呼べるものも出土している。単材刳舟としては大阪市西淀川区大仁町鷺洲で古墳時代のものと推定される全長11.7mの刳舟が出土しており、複材刳舟のうち前後継ぎのもの出土例として、大阪市今福鯰江川の三郷橋(現・城東区今福西1丁目)で大正6年(1931年)5月に全長13.46m、全幅1.89mの刳舟が、同市浪速区難波中3丁目の鼬川明治11年(1878年)に残存長12m程の刳舟がある。他に天保9年(1838年愛知県海部郡佐織町で出土した前後継ぎの刳舟は残存していた長さが十一(20.6m)あったといわれている。

[編集] 飛鳥・室町時代

飛鳥時代には平底のジャンク船のような箱型構造の船が遣隋使船として用いられた。室町時代の後期から江戸時代初期にかけて安宅船などが、軍船として用いられた。 江戸時代初期の1604年から1635年の間は朱印船貿易が行なわれ、そのための船として中国等の海外だけでなく日本国内においても600人乗り、貨物積高2,500(約375トン)のものが建造されていた。

[編集] 江戸時代

江戸時代初期の1635年には「大船建造禁止令」が施行され、日本における造船技術と海運産業が以後220年余りに渡って停滞することになった。江戸時代の中期には軍船は無用のものとなり、民間商船である菱垣廻船樽廻船北前船が用いられた。

鎖国以前には徳川家康の命によって三浦按針が建造した2隻の小型ガレオン[2]や、慶長遣欧使節団のサン・フアン・バウティスタ号などの例がある。

日本国内での海運は大船建造禁止令によって船の大きさが制限され、比較的小型の木造帆船によって日本沿岸の各地を結んだ航路が維持されていた。太平洋側の江戸⇔大阪の「菱垣廻船」(ひがきかいせん)と「樽廻船」(たるかいせん)、大阪から瀬戸内海を経由して日本海側を通り北海道までの広い沿岸地域を結んだ「北前船」(きたまえぶね)等が主な船であった。当時これらの船は「弁才船」(べんざいせん)と呼ばれ、貨物積高300~1,500石(約45~225トン)程度のものが建造されていた。

ペリー来航から3ヶ月後の1853年9月に大船建造禁止令が大名に対して解除さた。同時に幕府の手で浦賀造船所の建設が開始され、翌年には最初の西洋式軍艦の木造帆船「鳳凰丸」を竣工した。水戸藩も1953年に江戸隅田川河口に石川島造船所の建設を始め、薩摩藩の桜島造船所や加賀藩の七尾造船所が次々と開設された。

1854年、ペリー来航の翌年に通商を求めて日本に来たロシアのディアナ号下田で安政東海地震の津波により大破の後、嵐に遭い沈没、多くの船員が日本に取り残された(下田で座礁したという情報も複数あり)。当時、日本では外航に耐える船を持たず、これらのロシア船員は船を作らなければ帰れなかったため、君沢郡戸田村(現・沼津市)の日本人を指導して2本マストのスクーナー「ヘダ号」を作り上げた。これが鎖国後の最初の日本船であり、今日の日本造船業にとって近代船建造の礎となった。

1855年、幕府はオランダ人技師から大船建造と鋳砲製造の技術を習得することを目的に、「海軍伝習所」を長崎に開設した。幕府は1857年には長崎の飽の浦に溶鉄所の建設を開始し、1961年に長崎製鉄所(現三菱重工長崎造船所)として開所させた。1865年には横須賀横浜製鉄所が着工され、その後、国内最大の横須賀海軍工廠となった。横須賀海軍工廠ではフランス人技師の指導を受けて木造船から鉄鋼船へ技術の切り替えが行なわれ1890年に最初の全鋼鉄軍艦「八重山」(常備排水量1,609トン)が完成した。江戸湾に設けられた石川島造船所はその後の石川島播磨重工の、浦賀造船所は浦賀重工業を経て住友重機械工業の礎となった。

[編集] 近世

1890年には三菱造船所で最初の全鋼鉄船「筑後川丸」(694総トン)が建造された。1896年には造船奨励法と航海奨励法が公布され、1897年には船舶検査法も施行された。この頃、多数の国内外新規航路が開設された。1898年には、それまでの平均的な国内造船能力であった1,500総トン級を大幅に上回る、「常陸丸」(6,172総トン級)が三菱造船所で完成された。[3][4]

[編集] 太平洋戦争以後

太平洋戦争によって日本は商船の80%を失った。しかし、造船業と海運業は他の多くの産業同様に終戦直後から着実な復活を開始した。

終戦時にはGHQによって造船能力を年15万トンに制限され、100総トン以上の全ての船がGHQの管理下に入れられたが、1947年からは規制が順次緩められ、1950年の戦争と1956年の第二次中東戦争(スエズ動乱)をきっかけに日本に長期の造船ブームをもたらした。

1946年、日本郵船は終戦以後の早い段階からGHQの許可を得て、貨客船「氷川丸」の太平洋定期航路が再開された。

1951年のサンフランシスコ講和条約以後は、米アメリカン・プレジデント・ライン社(APL)の「プレジデント・クリーブランド」(15,973総トン)と「プレジデント・ウィルソン」(12,597総トン)によって米国シアトルとの定期客船航路が開設された。

1952年と1953年には大阪商船会社(現商船三井の母体の1つ)が2隻の南米移民用外航貨客船「さんとす丸」(1952年、8,515総トン)と「あめりか丸」(1953年、8,354総トン)を使って南米航路を再開した。その後、2代目「ぶらじる丸」(1954年、10,100総トン)、「あるぜんちな丸」(1958年、10,863総トン)、「さくら丸」(1962年、12,628総トン)などの5隻の外航貨客船によって日本⇔香港と日本⇔北米の航路が再開された。

1960年の東京オリンピック以降は、航空機による海外渡航が一般化したため旅客輸送需要は激減し始めた。南米航路も移民の減少と共に需要は減少した。日本に限らず世界的に、これ以降は客船としての船舶の需要は低下を続け、一部のクルーズ船を除けば外航航路の客船は消滅してゆく。

代わって世界中で海上輸送の需要が増加を続け、戦前戦中の造船技術を背景にブロック工法のような新たな造船技術の開発によって世界の造船業における地位を確実なものにしていった。1956年には英国を抜いて世界一の造船量となり、1975年には世界の造船量の50%を越える量を世界の海に送り出した。

1950年代から始まった順調な景気によって、海運業においても大型石油タンカーや大型コンテナ船のような船が多数登場し、自動車運搬船、鉱石運搬船、LNGタンカーも次々と作られ海外航路に投入されていった。また、内航航路でも大型カーフェリーが多数登場した。

日本でのこの増船の波は、1973年からの第一次オイルショックによって日本経済が停滞した数年後の1977年をピークに下降線をたどった。特に需要の減った石油タンカーは契約キャンセルされるなど造船需要が激減すると同時に、1980年の貨載量56.5万トンを最後に巨大化に終止符が打たれた。

[編集] 航海

[編集] 操舵手

大海原では舵はオートパイロットによって保針されており、人は海上を監視することが求められる。船の多い海域や狭い海域ではクオーターマスター(操舵手)が舵を操作する。

[編集] 船内生活

時間
船同士の連絡では国際標準時(GMT)を使うが、船内の時間は航海に合わせて変更されてゆく。このため、東へ向かうと1日の長さが短くなり、西へ向かうと長くなる。
当直
船員は24時間航海する船の中で、常に誰かが「当直」や「ワッチ」(Watch)と呼ばれる見張り当番についている。機関室内の主要な装置がブリッジから遠隔操作出来るようになり、通信機も高性能になってモールスなどの特殊な技能を必要とせずに誰でもが音声通信を行なえるようになったために、従来の機関当直や通信当直はなくなり、すべてはブリッジから見張りを行なうようになっている。
当直は毎日4時間x2回が3組の当番によって行なわれる。これは日本の船に限らず、国際的に共通である。
  1. 0:00-4:00 12:00-16:00 2等航海士と甲板手
  2. 4:00-8:00 16:00-20:00 1等航海士と甲板手
  3. 8:00-12:00 20:00-24:00 3等航海士と甲板手

Mゼロ(Merchinery space man zero)船と呼ばれる船では、夜間に異常事態が機関に発生した場合には、自動的に各居室に警報が伝えられるようになっており、機関士の当直が全く必要なくなっている。 [5]

[編集] 記録

ログブック
「公用航海日誌」と呼ばれるログブックは針路、速力、波、天候、船上での出来事、出港・寄港などについて毎日記入され、航海士が管理することがきめられている。船に3年間保管することが義務付けられている。

ログは独特の文体と記号によって記入される。例えば不明確にならない限り主語や環詞は省かれ、星は*、太陽は◎で表現され、投錨はイカリの記号で表される[6]

海図
海図(チャート)は航海において最も需要なものであり、規則でも常備が義務づけられている。通常108cm×67cmの大きさのチャートはメルカトル図法や心射図法などで描かれており、船に数百枚も保管されるそれぞれが、1枚が数千円という高価な物である。チャートに新しい情報を記載するのは2等航海士の仕事である[6]

[編集] 信号

国際信号旗
国際信号旗 (こくさいしんごうき)は40枚またはそれ以上の旗を備え、1枚~4枚までのそれぞれの組み合わせで、船同士や陸上との連絡や表示を行なう。2字信号はもっとも一般的に使用される信号旗の組み合わせである。4字信号では船名を表わす。
汽笛
船長100m以上の船は汽笛、号鐘、銅鑼を、船長12m以上100m未満で船は汽笛、号鐘を備えねばならない。船長12m未満では音響設備を備えることになっている。
汽笛の吹き方
(短音:1秒 長音:4~6秒)
  • 針路信号は:右転針中 短音を1回
  • 左転針中 短音を2回
  • 推進器に後進をかけている最中: 短音を3回
  • 追い越し信号:右から追い越し中 長音2回 単音1回
  • 左から追い越し中: 長音2回 単音2回
  • 他船からの追越に同意した場合:長音1回 単音1回 長音1回 単音1回
  • 疑問信号:他船との衝突が危ぶまれるのに他船の意図や動作が理解できない時:単音5回
  • 湾曲部信号:狭い海峡などで湾曲部に近付いたとき:長音1回 他方からここに接近している船は同じく長音1回で応じる。
  • 遭難信号:1分間隔で行なう発砲やその他の爆発音。

[編集] 安全と海難事故

船級
船の安全性を含む性能を検査して認定する会社が国際的な国際船級協会連合では、ロイズ(Loyd's Register of Shipping)が最も有名な船級協会であり、日本では日本海事協会(NK)が行なっている
国際条約に定められた規則に関して船の構造や設備、船員の資格を検査して満たしているかを確認する。
北朝鮮の船が日本の港に入港する時に行なった「ポート・ステート・コントロール」(PSC、寄港国による監督)はこの船級検査を受けていない「サブ・スタンダード船」に対する検査であった。
IMO
国際海事機関(International Maritime Organization)は158ヶ国が加盟している海に関する国際機関である。
海上安全委員会や法律委員会を持ち、その下に各種の小委員会を持っている。SOLAS条約もこの中の小委員会で決められた。SOLAS条約は1912年の「タイタニック号」の沈没を契機に作られた。
原油タンカーやLPG船などでの構造基準や検査に関して決める。PSCもIMOで決めている。
共同海損制度
共同海損(General Avarage, GA)とは、海難などで船が非常な危険に曝された場合に、危険をさけるために船体を故意に損壊したり貨物を投棄したりして、結果として危険を免れた場合は、その行為によって利益を得た船主や荷主がその犠牲分を按分負担する制度である。
海難審判
海難の原因が船員の故意や過失によるものの場合には、海難審判庁は海難審判を行い、船員や船会社に対し戒告を行い、業務の停止を命じ、免許を停止する権限を有している。
海難審判の目的は事故の再発を防ぐための原因を特定することにある。
海難審判庁は国土交通省の所管であり、第一審を行なう海難審判庁は函館、仙台、横浜、神戸、広島、門司、長崎、那覇にあり、第二審は東京の高等海難審判庁で行なわれる。
第二審で不服であれば、東京高等裁判所に訴えることが出来る。

[編集] 係留

錨泊1.単錨泊 2.単錨泊 3.双錨泊 4.2錨泊 5.船首尾錨泊
錨泊
1.単錨泊 2.単錨泊 3.双錨泊 4.2錨泊 5.船首尾錨泊

[編集] 錨泊

錨(いかり)を使って主に湾外に停泊することを「錨泊」という。錨泊では平穏な海面で、航路や他船の通行がない安全な場所を選び、錨の利きの良い海底面が適する。錨の投錨方法がいくつかある。流れがある場合は、船首を流れ方向に向けて投錨する。

投錨方法

  1. 単錨泊 - 船首片舷の前方に錨を使う。
  2. 単錨泊 - 荒天時に普通の単錨泊に加えて振れ止め用の錨を反対横に使う。
  3. 双錨泊 - 荒天時に使う。
  4. 2錨泊 - 荒天時に使う。
  5. 船首尾錨泊 - 泊地水面に制約がある場合に使う。中小型船に多く使われる。
係留索1.船首索 2.前方ブレスト・ライン 3.前方スプリング・ライン 4.後方スプリング・ライン 5.後方ブレスト・ライン 6.船尾索
係留索
1.船首索 2.前方ブレスト・ライン 3.前方スプリング・ライン 4.後方スプリング・ライン 5.後方ブレスト・ライン 6.船尾索

[編集] 岸壁係止

船を港の岸壁に止める時には、係留索(Mooring Line)をボラード(Bollard)につなぎ止める。船首尾索(ながし)以外にもそれぞれの位置に応じた名前が付けられている。

  1. 船首索(Head line、おもてもやい、おもてながし)
  2. 前方ブレスト・ライン(Forward breast line、おもてちかもやい)
  3. 前方スプリング・ライン(Forward spring line、おもてスプリング)
  4. 後方スプリング・ライン(Aft spring line、ともスプリング)
  5. 後方ブレスト・ライン(Aft breast line、ちかもやい)
  6. 船尾索(Stern line、とももやい、ともながし)

[編集] 水域区分

船舶安全法によって4つの区域に分けられる。これらによって、船舶の構造、通信設備、救命設備、定員などに求められる制限が変ってくる。

平水区域
湖、川、港内の水域、港湾の特定の水域
沿海区域
海岸から20海里以内の水域、関門~釜山間の航路のように特定の定められた水域
近海区域
東は東経175度、南は11度、西は東経94度、北は北緯63度の線に囲まれた水域
遠洋区域
全ての海域

ただし、漁船では第一種から第三種までの従業制限を受けている。

[編集] 右舷と左舷

右舷をスターボード(Starboard)と呼ぶのはSteeringBoard、つまり舵板の側が右舷に付いていたためであった。その舵のじゃまにならない左舷側に桟橋や岸壁を着けたので左舷をポートサイド(Port side)や単にポート(Port)と呼んだ。英国では左舷はもともとラーボード(Larboard)と呼んでいたが左右で発音が似ていたため、他国と同じくポート(Port)と呼ぶことになった。航空機でもこういった船から多くの文化が持ち込まれている。

船の交通ルールでも同様のルーツにもとづいて決められた。今も船が右側通行であるのは、舵が右舷に付いていたのですれ違う時に邪魔にならないようにした名残である。船同士が交差する時には、相手を右に見る船が針路をゆずる必要がある。相手の通過後に進むというものがある。日本では11ヶ所の航路がブイによって仕切られこのルールに従っているが、ただ一ヶ所、瀬戸内海の来島海峡航路では潮流の流向によって変則的に左側通行になることがある。

船では右舷が上席であり左舷は下座になる。船長は階段でも右舷側を使い、船長室も右舷側にあるのが普通である。また、船倉の番号も右舷側から1番が始まる。

[編集] 構造

船舶工学を参照。

[編集] 船体

船体ヨシ等の植物材料や、等の金属材料、ゴム繊維強化プラスチック等の複合材料で造られる。

詳細は船体を参照。

[編集] 動力

船の動力には、風力や、ガソリンエンジンディーゼルエンジン等の内燃機関ガスタービンエンジン蒸気タービン原子力等の外燃機関がある。また、風に向かって進む船や、波を動力とする船の研究・開発がされている。

[編集] 推進方式

[編集]

風から力を受けるによって推進する。

[編集] プロペラ推進

プロペラに吸い込まれた水が船の後部に勢いよく排出されることで、船の推力となる。

また、通常の船底を貫通するシャフトによってプロペラを駆動するものは、プロペラ後部に取付けられたラダーと言われる舵板の向きを変えることによって、船の進む方向を変えることができる。

ポッド推進
水平方向に360度回転するポッドにプロペラを装備したもの。近年では、プロペラの動力に電動機を用いた物も使われる。推進軸を自由に変更できる為に自由度が高く。地球深部探査船ちきゅうにも搭載されている。
また、ポッド推進とは呼べないが、小型船舶で、船外機や線内外機と呼ばれるものは、エンジンやドライブごとプロペラの向きを変え、これによって船の向きを変えることができる。
ターボエレクトリック
タービン式エンジンで発電して、電動機で推進する。船内の機器配置の自由度が高い。
二重反転プロペラ
従来のプロペラに比べ推進効率が高い為、燃費向上に効果がある。新日本海フェリーはまなす型においては前部を通常のシャフト式のプロペラ、後部に電動ポッド推進を用いたハイブリッド式となっており、優れた効率を発揮する。一方、構造が複雑になり、コストが増大する可能性もある。魚雷等の高速推進にも適している。
ハイスキュープロペラ
高速での推進時にキャビテーションの発生を抑えることが出来る。東芝機械ココム違反事件で問題になった。
シュナイダープロペラ
主にタグボートで使用されている。羽根の角度を連続的に変える事(サイクリックピッチ)により自由に推進方向を変える事が出来る。

[編集] ウォータージェット推進

高圧ポンプにより船底から水を汲み上げ、吐出ノズルから後方に放出する事で推進力を得る。プロペラ推進では効率が悪くなる40~50ノットでの高速航行に適した推進方式である。ジェットフォイルが有名。

[編集] 電磁推進

海水を電場磁場の作用で移動させ、その反作用で推進する方式である。フレミング左手の法則を利用したもの。まだ実用化はされていない。 超伝導推進実験船ヤマト1が神戸市のハーバーランドにある海洋博物館に展示されている

[編集] アルキメディアン・スクリュー

砕氷船ガリンコ号等、一部の船舶で使用されている。沼地や氷上、雪上も走行できる。

[編集] 外輪船

水車を回転させて、パドルが水を掻く反力によって進む。スクリュープロペラに比べて推進効率が低い、波で破損しやすい、吃水の変化に対応しにくいなどの欠点がある。スクリュープロペラが普及する以前は、動力船の推進装置として主流だった。現在は観光船などでしか見ることができない。琵琶湖で運行しているミシガンやペリー来航時のサスケハナ号、東京ディズニーランドのマークトウェイン号など。

[編集] 操舵装置

詳細はを参照。

モーターボートなどを除く多くの船で、電気制御と電気または油圧の駆動力により操舵されている。

舵の種類には、

  1. 普通舵
  2. つり合い舵
  3. 半つり合い舵

などがある。

[編集] その他

[編集] 外航船における日本人船員の減少

日本の外国航路船舶の船員は早い時期からコスト削減のためにフィリピン人を中心とする外国人を採用していたため、例えば日本郵船の外国人船員の割合は1886年の32%(187人/580人)から2003年の89%(14,838人/16,631人)へと変化している。2006年には外航船の日本人船員数は2,650人であり[6]、2008年には日本人の船員数は3,000人を切った[5]

[編集] 無資格での操船について

  • 船舶を操縦するためには、船舶の種類等に応じて免許が必要である。但し、小型船舶の場合は有資格者が同伴していれば、無資格者であっても操船してよいことになっている。また、次の要件を全て満たしていれば免許不要で船舶検査を受けなくても操船できる。
    • 登録長が3m未満であること。
    • 推進機関が1.5kw未満であること。
    • 直ちにプロペラの回転を停止することができる機構を有する船舶でまたは、その他のプロペラによる人の身体の傷害を防止する機構を有する船舶。

[編集] 乗客

国際的に、貨物船でも12名までなら乗客を運搬してもかまわないとされており、1970年代と1980年代には欧米