ばにあ

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ばにあ
基本情報
船種 フェリー[1][2]
船籍 日本の旗 日本
所有者 東日本フェリー
道南自動車フェリー[3]
運用者 東日本フェリー
道南自動車フェリー[3]
建造所 内海造船瀬戸田工場[4]
母港 函館港
姉妹船 ぼらんべえだ[要出典]
信号符字 JD2538[要出典]
経歴
竣工 1984年7月[4]
就航 1984年7月9日[5]
運航終了 2008年12月5日[6]
現況 インドネシアの旗 PT. Jemla Ferry [要出典]
要目
総トン数 5,193トン[1]または5,110トン[2]
全長 126.23m[1]
主機関 NKK 12PC2-5V×2基[4]
出力 12,580馬力[4]
航海速力 20.9ノット[1][2]
旅客定員 520名[1][2]
車両搭載数 トラック98台、乗用車15台[1][2]
テンプレートを表示

ばにあ (VANIR[2]) は、かつて東日本フェリーが所有し、北海道青森県を結んでいたフェリーである[1][7]。船名は北欧神話に登場するヴァニル (Vanir) という神族の名から命名されている[1]

概要[編集]

「ばにあ」が建造された時、同型の船が3隻建造[注釈 1]され、「ばにあ」は2番船にあたるが、他の2隻「ぼらん」と「べえだ」は「ばにあ」より早く引退した。「ばにあ」は当初室蘭 - 八戸航路を運航していたが[8]1999年4月のダイヤ改定時に青函航路青森 - 函館)に転配された[1][8]

2007年9月1日、青函航路に高速フェリー「ナッチャンRera」の就航に伴うダイヤ改定によって在来船の便数が減少した[9][10]ことにより、同じく青函航路を担当していた「ほるす」とともに引退となった[10]。しかし、2007年11月1日付で小型在来船「びいな」に代わって青函航路に復帰した[11]

東日本フェリーの撤退後は、同じリベラホールディングス傘下で東日本フェリーグループの道南自動車フェリーに移管され[3]2008年12月5日青森発函館行の朝便をもって引退。東日本フェリー時代および僅かながらも道南自動車フェリー時代で就航していた24年間という長き営業航海に幕を下ろした[6]

引退後は港町埠頭に回航されていた[6]が、インドネシアのフェリー会社「PT. Jemla Ferry」に売却された[要出典]。2015年9月現在、「JAGANTARA」の船名で運航されている[12]

設備[編集]

以下は東日本フェリー公式サイトに記載されていた船体・船内設備の案内に基づく[1]

Aデッキ
  • ロビー
  • 多目的ホール
Bデッキ
  • 特等洋室(2名部屋)
  • 1等洋室(4名部屋)
  • 2等寝台
  • 2等和室
  • トラックドライバー室
  • 案内所・売店
  • 自動販売機コーナー
  • ゲームコーナー
  • ベビーコーナー
  • シャワー室(紳士用・婦人用)

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ ぼらん:1983年4月就航、ばにあ:1984年7月就航、べえだ:1986年8月就航[要出典]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j 東日本フェリー「ばにあ」の紹介”. 東日本フェリー. 2008年5月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月19日閲覧。
  2. ^ a b c d e f 池田良穂、中林恵美子「4.2 双胴型高速カーフェリーの需要予測と経済性」(PDF)『最終報告書』、社団法人日本船舶海洋工学会 マルチハル船のフィジビリティ検討委員会、2009年3月25日、131-139頁(参照:136頁)、2015年9月19日閲覧 
  3. ^ a b c “青函航路12月に増便 道南自動車フェリー 在来船32便を維持”. 東奥日報 朝刊: p. 24. (2008年10月8日) 
  4. ^ a b c d 新造船写真集 ばにあ(東日本フェリー) - 海運1984年10月号
  5. ^ 共栄運輸の新型貨物船"新隆幸丸"と東日本フェリーの自動車航送旅客船"ばにあ"函館港でレセプション - はこだて財界9月号 第2夏季特別号
  6. ^ a b c 石井昇 (2008年12月6日). “廃止の室蘭-青森から転身 「びなす」青函航路に 道南自動車フェリー 老朽化「ばにあ」売却へ”. 北海道新聞 朝刊 (北海道新聞社): p. 27 地方 函C. "道南自動車フェリー(函館)は五日、函館-青森航路で「ばにあ」(五、一九三トン)の運航を終え...。「ばにあ」は...函館着の便を最後に終航。十日まで函館港に係留した後、売却先に回送する。" 
  7. ^ 渥美洋一、平野誠治「北海道における内貿ユニットロードの貨物流動実態と2次流動推計手法」(PDF)『寒地土木研究所月報』№643、寒地土木研究所、2006年12月、2015年9月19日閲覧 
  8. ^ a b “すがすがしく始動の春 東日本フェリー 「べにりあ」が雄姿 室蘭に新造船 あす就航”. 北海道新聞 朝刊: p. 21 地方 蘭B. (1999年4月2日). "室蘭-八戸航路...を航行していた「ばにあ」(五、一一〇トン)は二日の航海を最後に函館-青森航路に移る。" 
  9. ^ 東日本フェリー株式会社 (2007年6月22日). “東日本フェリー、函館-青森航路新高速フェリーの運航ダイヤ・運賃決定”. 国内リリース. 共同通信PRワイヤー. 2015年9月19日閲覧。
  10. ^ a b “室蘭港に係留 フェリー到着 東日本の2隻”. 北海道新聞 朝刊: p. 33 地方 蘭B. (2007年9月3日). "東日本フェリー(函館)の函館-青森航路に使われたフェリー二隻が室蘭港に係留されることなり、二日に到着した。...「ばにあ」(五、一九三トン)..." 
  11. ^ “東日本フェリー 「ばにあ」が就航へ 1日から函館-青森航路”. 北海道新聞 朝刊: p. 30 地方 蘭A. (2007年10月31日). "...東日本フェリー(函館)のフェリー「ばにあ」(五、一九三トン)が、十一月一日から函館-青森航路に就航することになった。...代わりに、同航路で使用中の「びいな」(二、二九〇トン)が十一月二日に室蘭港に入り..." 
  12. ^ ライブ船舶マップ -AIS- 船舶動静ならびに船舶位置「JAGANTARA」”. AIS Marine Traffic. 2015年9月19日閲覧。

関連資料[編集]

  • 「共栄運輸の新型貨物船"新隆幸丸"と東日本フェリーの自動車航送旅客船"ばにあ"函館港でレセプション」『はこだて財界 第2夏季特別』 函館財界問題研究所、1984年9月、第16巻第9号。全国書誌番号:00033887NCID AA11962764

外部リンク[編集]