高速バス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

高速バス(こうそくバス)とは、主に高速道路を通行する路線バスのことを指す。以下、特記ない限り、日本国内の高速バス(道路運送法に規定される「一般乗合旅客自動車運送事業」の形態として運行されるバス)について記述する。

概要[編集]

一般的には、距離が数十から数百キロの都市間輸送、ないしは都市観光地を結ぶものの中で、高速道路を利用するものを指す。ただ、国土交通省等役所の各通達で使われていた「高速バス」という言葉も一定ではなく[1]、「高速バス」という語の法律的な定義はされていない。そのため旅行業者(「一般貸切旅客自動車運送事業」の形態として運行されるツアーバス)が自社商品を「高速バス」と呼称している事実もあった[2]。高速道路上(道路標識など)では単純に「路線バス」と記載されている。観光バスなどとの識別のため(高速道路の料金区分が大型バスの場合、路線バスは大型車、それ以外は特大車料金になるため)、バスのフロントガラスの運転席寄りに「路線バス」の標識を付けている(ただ、ETCの普及で、料金所での人手を介した通行券の受け取りや支払いがなくなったことから、「路線バス」の表示はない場合も見られる)。

空港へのアクセスを担う高速バスは事業者によってリムジンバスとも案内されるが、リムジンバスを高速バスの下位概念として見なされることがある[3]。高速道路は通過しないが中長距離の都市間連絡を担う特急・急行バスも場合によっては制度上は高速バスと同等に扱う場合もある[4]

なお、特急、急行バスは多くは一般道経由のバスとして高速バスと区別されるが、事業者によっては高速バス内の上位種別として特急、急行バスと称する場合や、路線名としてそのように称する場合もある。また、路線全長の内、高速道路走行区間が短い路線を準高速バスと称する場合もある。

東名ハイウェイバス名神ハイウェイバス中国ハイウェイバスの各停便は、種別が急行となる。但し、名神ハイウェイバスの急行便は2006年(平成18年)現在名称上廃止している。

高速道路を通過する際には、法規によりバスの着席定員以上の乗客を乗せて運行することが禁じられているので、所要時間1~2時間程度までの短距離路線など一部を除き、事前に席を予約する座席指定制を採用することが多い。一部では、一般路線バスと同様に予約不要だが、定員以上は乗車できない定員制を採用している。また、ほぼすべての路線で全席禁煙となっている。

他の交通機関と比較して安価である場合が多く、鉄道と異なり道路を利用する関係上、天気などの気象状態のほか、大型連休・旧盆年末年始などの行楽シーズンや、集中工事期間、突発的な交通事故などの発生による渋滞・交通規制などにより、定時運行ができないことがある。 以下の記載は、基本的に路線バスとしての高速バスに限定して記述する。

車両[編集]

観光バスタイプの車両に類似するが、路線バスとして運行するため行き先表示装置・自動放送装置・降車ボタン・運賃表示器運賃箱等の一般路線バス車両と同様の機器を取り付けている。逆に必要のない出入口部のガイド席や客席のマイクなどは装備されていない。ただし、完全予約制の路線については自動放送装置・運賃表示器・運賃箱のない車両が利用される場合もある。室内のシートはほとんどがリクライニングシートで、昼行路線が3列(2+1)または4列、夜行路線が3列独立シートの場合が多い。なお2+1タイプの3列シートでは、出入り口側に通路がある車両と運転席側に通路がある車両が混在する。

また、観光バスとして用いていた車両に、運賃箱や放送装置などを取り付けて、高速バスに転用した車両も多い。観光バスからの転用の場合、ある程度の距離を走る路線でもトイレ無しの場合がある。西日本鉄道などでは、夜行車を昼行用に転用したことがある。逆に、JRバス関東では昼行用の車両を独立3列シートに改造の上、夜行用に転用したことがある。

黎明期の高速バスでは、通常に比べ出力(馬力)の大きい専用のエンジンを搭載したバスをメーカーに特別注文したものもあった(その代表例が国鉄専用型式)が、通常の観光バスと比べ価格が高く、また市販の観光バスの車両も出力が大きくなったために、必要性が薄れ、現在では製造されていない。

ただし、前述のように各メーカとも通常の観光バスをベースとして、行き先表示装置(サボで代用する場合もある)など路線バスとしての装備と、車内を最小限の簡素な仕様とした高速バス向けの車両を用意している。さらに、夜行高速車の場合、3列シート、交代乗務員の床下仮眠室など夜行バス向けの装備と、高出力エンジンと制動力に優れたフルエアブレーキを装備したインターシティ仕様を各メーカが設定している。

またコストダウンのため、近距離高速バスについては高出力エンジン仕様のトップドア路線バスや、いわゆる「ワンロマ」をベースとした車両もあり、一部事業者(特に九州地方)で集中的に導入されている。

中長距離用の場合は車両中央部の床下または最後部に便所を設けてあるものが多いが、盆や正月などで増便する場合、観光バス車両など、トイレを設置していないバスが使用されることがある。その場合は高速道路のサービスエリア等での休憩をこまめにとることがある。トイレはハイデッカー・スーパーハイデッカーでは中央部か最後部、ダブルデッカーでは1階の最後部に設置されている例が多く見られる。設置場所の制約からコンパクトにまとめられており、下の写真にあるように、用を足すための最小限の広さのものが多いが、広さを横幅いっぱいに拡大し、便器のほかに洗面台や鏡を備えたパウダールームを設置している例もある。

床下には大きな荷物を収納するためのトランク(荷物入れ)が設置されており、車外から車体側面下部にあるトランクリッドを開けて荷物を出し入れするようになっている。また夜行高速車では床下もしくは最後部、2階建て車の場合は階下席前扉脇にカプセルホテルに似た形状の乗務員仮眠室も設置されており、運転しない乗務員は横になって仮眠することができる。床下配置の場合は中央床下トイレの脇に仮眠室の出入口があり、また外部からもトランクルーム同様のドアがあり出入りが可能になっている。

かつては長距離路線を中心にAVサービス機器(ビデオやテレビ放送の放映、マルチチャンネルオーディオ、ラジオなど)が装備されていたが、近年は縮小・省略の傾向にある。座席に個別の液晶テレビを備えている例もある。また長距離路線を中心に給茶機冷蔵庫によるセルフサービスでの飲物の提供、あるいは自動販売機による飲物の販売、100円硬貨もしくはテレホンカード専用車内電話などの設備・サービスが実施されていたが、これらも縮小・省略の傾向にある。一方、近年では乗客がノートパソコンスマートフォンを利用して車内でインターネットに接続することを可能にするため、車両に公衆無線LANを導入したり、座席にモバイル機器充電用のコンセントを設置したりする事例も増えている。

同一の区間で設備と運賃に格差をつけた複数の便が運行されている例がある。また同じ車両であっても設備と価格に格差をつけている場合がある。


沿革[編集]

1950年代・高速道路開通前[編集]

戦前にも省営自動車広浜線(広島 - 浜田間)など長距離路線が存在したが、第二次世界大戦による燃料統制でバスの運行は極めて困難な状態となった。

戦後、燃料統制が解除された1950年代から再び長距離路線が増え始める。1950年(昭和25年)には九州の福岡 - 熊本間西日本鉄道九州産業交通)や福岡 - 小倉 - 大分間などで長距離バスの運行が開始され、その後は自動車技術の発達と道路改良に伴って、各地に一般道路経由の長距離バスが誕生した。

関門急行線以降、長距離バスにはパワーステアリング・エアブレーキ・エアサス・冷房装置・リクライニングシートといった長距離輸送に適した装備を備える車両が使用されるようになっていった。

当時は、国鉄の輸送が近代化される前で幹線でも単線・非電化で輸送力の低い路線が多く、またマイカー普及前で交通量も少なかったことで渋滞が少なくバス利用者も多かった。その頃の長距離バスは、鉄道のライバルというより、むしろ鉄道の補完的な役割であった。

1960年代・草創期[編集]

初期の高速バス車両 国鉄・日野RA900P

日本では、以下のバス路線が緒とされている。

これ以降、旧盆や年末に、貸切バスを利用した会員制「帰省バス」と銘打った大都市から地方都市への長距離バスが運行されるようになる。帰省ピーク時でも座席が確保されるということもあって、好評を博していた。

また、一般道路経由の長距離バスも国道改良が更に進み、所謂「バス黄金時代」を迎えていた為多数の路線が開設され、その受け皿になる沿線バス事業者出資の合弁バス事業者も数多く設立された。

1970年代後半・冬の時代[編集]

1970年代後半は、新幹線などの鉄道輸送網が所要時間などの面で優位に立ち、その上2度にわたるオイルショックの影響も重なり、高速バス路線の運営が硬直化していったこともあって、本州の高速バスにとっては厳しい時代を迎える。

1980年代前半・現在の原型ができ、盛り返しの兆し[編集]

1980年代に入ると、旧国鉄の運賃・料金値上げや夜行列車の削減・廃止が相次ぎ、鉄道輸送網が次第に競争力を下げてゆき、高速バスの運賃面での優位性が際立ってきた。また路線の運営面でもより合理的なシステムが生まれた。そのため次第に高速バス路線が増加の傾向を見せる様になった。

  • クローズドドアシステム(出発地周辺で乗車のみ、目的地周辺で降車のみ取り扱い、途中の経路地では乗降を行わない)導入により、大阪~新見間(阪急バス)に久々の高速バス路線新設が行われた。
  • 中国自動車道では、他に日本交通全但バス国鉄中国地方自動車局(現・中国ジェイアールバス)で高速道への乗せ替えが積極的に行われた。
  • 1983年の大阪~福岡間夜行高速バス「ムーンライト号」では発着地の事業者(阪急バス西日本鉄道)による共同運行方式及び運賃収入のプール精算制(均等配分)といった現在の高速バスの原型となる施策が始められた。
  • さらに東北新幹線接続の「ヨーデル号」、大阪~三次間といった都市間昼行路線の新設も進んだ。
  • 特に1985年(昭和60年)に開業した「東京 - 新潟線」は、併走する上越新幹線等の乗客を奪うくらいの路線に成長し、高速バス開業ブームの火付け役の一つとなった。またこの時期は国鉄で夜行列車が削減されていた時代でもあったが、東京池袋~新潟線に対抗して、企画ものの列車として全車指定の臨時快速『ムーンライト』を運転し、安売り切符を発売していった。これが現在の『ムーンライトえちご』である。
  • この頃から、国鉄は並行する鉄道路線への影響を理由として、危機感を抱くようになる。新宿~駒ヶ根飯田間の高速バス路線開設に関する「中央高速バス問題」は、国鉄が公式に路線開設反対を唱えたということで、それが最初に表面化した路線であった。
  • その一方、新宿~駒ヶ根・飯田間の高速バスは、赤字続きだったバス会社が運行開始の翌年度に単年度黒字を計上することになり、高速バスがバス会社にとって重要な位置付けになることが明らかになってくる。
  • 九州地方では九州自動車道の延伸と共に西日本鉄道九州産業交通を先導に次々と高速バスを開設し、国鉄の特急列車を圧倒する。また長崎自動車道の延伸が進んだころに長崎方面への便を出していた九州急行バス九州号』も一般道経由から今の高速道路経由へと移行していった。
  • この時期までの座席は、昼行・夜行とも4列座席ばかりだった。

1980年代後半 - 1990年代前半・新規路線の増加[編集]

この時代は、好景気や高速道路網の拡大と相まって、大都市のバス事業者と地方の事業者が相互乗り入れ(共同運行)する形で路線拡大が急速に進み、全国ネットを確立していった時代である。

  • 「ムーンライト号」で座席を一脚ずつの独立タイプとしてスペースにゆとりを持たせた初の独立3列シートを採用。これが東京発着の新規事業者に採用された。
高速バスブームの立役者「ノクターン」(京浜急行バス弘南バス
  • 1986年品川 - 弘前ノクターン号」では、それまでの夜行高速バスが大都市間を結んだ路線だったのに対し、初めて大都市と地方都市を結ぶ夜行高速バスとなった。「ノクターン号」の成功はバス業界全体にショックを与え、高速バス路線開設ブームへつながってゆく。
  • 首都圏地域 - 京阪神地域では大手私鉄系のバス会社が次々と参入していき、この時期から競合が激しくなったと言える。これに触発されて既設のJRバスドリーム号が4列シートから、3列独立シートへ移行していった。利用客も爆発的に伸び、各社もダブルデッカーも使われるようになっていった。
明け方にサービスエリアで休憩する各社の高速バス
  • この時期は「ノクターン号」・新宿 - 博多「はかた号」など東京と北海道・南九州地方を除く全国各地とを結ぶ長距離夜行路線が新規開設路線の中心であった。その当時の珍しいルートとしては品川 - 徳島間の「エディ」(当時は京浜急行電鉄バスと徳島バス)で途中の神戸市内 - 淡路島間ではフェリーを使っていた。
  • その後、新宿 - 高山間・難波 - 東京ディズニーランド間など鉄道や飛行機が直行しない路線にも広がりを見せた。
  • 筑波地区では1980年代以降の筑波研究学園都市の発展に伴い、1987年(昭和62年)より東京 - つくばセンター間の高速バス(つくば号)が開設された。運行後は、乗り切れない乗客が発生するケースも多く、絶頂期には輸送力増強を目的に一回りサイズの大きいバス(メガライナー)の導入も行われた。しかし2005年(平成17年)のつくばエクスプレス (TX) の開業で、バス利用客の多くがTXに移行し、激しい競争にさらされている。
  • 大鳴門橋開通で徳島 - 津名港(現在の淡路市)に淡路交通徳島バス共同運行として淡路・徳島線が新設され、乗客は共同汽船に乗り換える形であった。
  • 中国地方(特に山陽地区)においては山陽自動車道の開通で広島市内発着(広島バスセンター広島駅前)から中国地方の各都市への路線が開設ラッシュとなり、特に福山 - 広島間の「ローズライナー」はJR西日本の新幹線在来線からシェアを奪っていった。
  • 九州地方では1980年代前半に引き続き路線の拡大が行われ、昼行路線にも3列シート(夜行用とは違い1-2列シート)が導入される路線が相次ぎ、3列シート化にグレードアップすることにより利用客を増やした路線もある(させぼ号など)。対するJR九州も新型車両の導入や割引切符の拡充などで高速バスに応戦した。ただ最近では利用客増で4列シートに戻した路線もある。

1990年代後半・淘汰の時代[編集]

関西から淡路島四国への高速バスも盛況(写真は本四海峡バス)
アクアライン高速バス(写真は京浜急行バスの品川~木更津線)

全国の高速バス路線網が一通り完成して「開設ブーム」が終わり、新規路線拡大が落ち着きを見せる。不況とも相まって、利用者のニーズに合わない路線が淘汰されていった時代といえる。

  • 利用客が伸び悩み、採算の取れない路線の多くが廃止されていった。
  • 運行時間が5時間以上に及ぶ長距離昼行便は全体的に利用が伸びず、廃止されたケースが多かった[6]
  • 大都市と地方都市を結ぶ夜行高速バスにおいて、大都市側の事業者が運行から撤退するケースが相次いだ。東急バスの様に夜行高速バス自体から完全撤退した例もある。これは大都市側では乗務員の人件費が高いことに加え、一般に大都市と地方都市を結ぶ高速バスは、地方都市の事業者の方が利用者も多く運行に熱心であることも影響しているといわれる。
  • 加えて、首都圏近畿圏ではディーゼル自動車の排気ガスによる大気汚染を規制する自動車NOx法が施行されたことから、主力事業である路線バスで年式の古い車両(おおむね車齢が10年以上)の大量代替を迫られたことも、大都市圏事業者において高速バスの縮小・撤退や子会社移管が進んだ一因と考えられる。

明石海峡大橋・アクアラインの開通と高速バス[編集]

  • 一方では明石海峡大橋1998年に開通したことで京阪神淡路島四国地方を結ぶ路線が次々と開設され、瀬戸大橋とは異なり、平行する鉄道路線が無いため現在に至るまで増便が繰り返されているほどの盛況である。なお、徳島~津名港間の淡路・徳島線は津名港発着の高速船がすべて廃止されたことから利用客が激減し便数が特急10便・急行6便から特急1便・急行5便に減らされ、淡路交通単独運行に切り替えた。同時に淡路島・四国方面のフェリー航路は次々と廃止に追い込まれ、フェリー会社の離職者対策として高速バス会社が設立された(本四海峡バスなど)。また本四海峡バスとJR系のバスでは淡路島、四国(徳島・高松)方面では「BLUEネットワーク」を形成し、さらにはJR神戸線舞子駅快速電車山陽電気鉄道本線舞子公園駅直特特急(ただし、舞子公園駅は明石海峡大橋開通から8.5年後の2006年(平成18年)10月より毎日停車)を停車させて、高速バスとの接続を改善するなど、連携の構築を計った。
  • 房総半島方面では東京湾アクアラインが開通し、東京都心部・羽田空港・川崎・横浜への所要時間が大幅に短縮された。このために品川駅、羽田空港、川崎駅から木更津方面のバスがフェリーの代替で新設された。明石海峡大橋と同じく通行料が高いため高速バスへの乗り継ぎ需要が大きく、東京湾アクアライン周辺では袖ケ浦バスターミナル木更津金田バスターミナル君津バスターミナルなど高速バス利用を前提としたパークアンドライドが推進されている。これにより、房総地区から羽田空港アクセス、東京駅品川駅への新幹線接続の利便が向上した。またこのルートでは通勤客の利用が多いことが特徴であり、2000年代に入って、高速バスの定期券が発売されるようになったり、深夜バス(運賃は2倍になる)の新設を行うなど通勤・通学客に特化したサービスを展開している。通行台数が少なく赤字が続くアクアラインであるが、高速バスによって東京湾東西方向の利便性は格段に向上した。

2000年代・新たな生き残りの模索[編集]

2001年2月の改正道路運送法施行により、バスの新規路線開設、さらにバス事業自体の免許制から許可制への移行など、規制緩和されたことから、貸切バス事業を中心とした新規参入、さらにこれを利用した会員制都市間ツアーバスの運行が活発に行われるようになり、高速バスは厳しい競争の時代を迎える。また過剰な設備を排し、高速バスの最大のメリットである低運賃を今までよりさらに追求していく傾向が出て来た。

首都圏 - 京阪神圏での激しい競合[編集]

  • JRバスグループは生き残りのため、従来は考え得なかった夜行便より運賃を下げ(8,610円→6,000円)、550km以上を日中に長距離走行する東京・新宿~大阪・京都間の「昼特急」を新設した。JRバスグループは乗り換えを億劫がる高齢層をターゲットに考えていたが、実際は学生など予算は抑えたいが時間は取れる客層にも受け、学生の長期休暇などの時期では予約が困難なほどの人気を博している。
  • この「昼特急」の人気は、長引く不況などによる乗客のニーズの変化で、不人気で廃止路線が多かった長距離昼行便の需要が高まって来たことの証左とも言え[7]、東京~弘前間の「スカイターン号」のようにこれまで夜行便しかなかった路線に昼行便が運行開始された例もあったが(「スカイターン号」は、「昼特急」のように夜行便より運賃を下げている訳ではなく、夜行便と同一運賃で設定されたが、後に後発格安便の「青森上野号」に統合されている)、1990年代後半~2000年代前半に昼行便を廃止した路線で見直されたところは殆どなかった。
高速バスとツアーバスの競争が激化している(京急高速バス「ラメール号」(右)とツアーバス(左))
  • 東京(周辺)~大阪(京阪神)間をはじめとする主要都市間では、主催旅行(ツアー)の形態を取った格安(東京~大阪間で片道3,000円台から)夜行ツアーバス貸切バス)の設定が増加している。バスターミナルが利用できないため、周辺の駐車場等からの発着が多い。きっぷは当日購入できなかったり、取り消しや変更の制約が大きい場合が多い、集客状況によって経由地でバス乗換など、通常の路線バスと異なる面もあるが、価格の優位性から利用を伸ばしている。
    • これに対抗して、東京~大阪間では1980年代前半以前に主流だった4列座席に戻し、さらに一部の路線では所要乗務員を減らすため運行時間を長く(途中で2時間以上の仮眠時間を設定すればワンマン運行可能)して運賃を下げた(東京~大阪間で5,000円)「青春ドリーム号」「カジュアルツィンクル号」「フライングスニーカー大阪号」の夜行便が設定され、逆に座席や車内設備をデラックス化して運賃を上乗せした便の運行を始めたり、それぞれのグレードに女性専用便を設定するなど、多様なニーズに対応している。
    • 一方で、ツアーバスが台頭し始めた2005年頃から、高速路線バスの運行から撤退したり、路線を再編・廃止したりするケースが相次いでいる。
  • 行き先のニーズによって立ち寄る停留所を増やす傾向もある。東名高速道路経由便は東名江田東名向ヶ丘に、中央道経由便(主に新宿駅発着)は中央道日野に停車させ、乗客の利便性を図っている。一方で京阪神側では2010年7月のダイヤ改正で京都駅始終着便を廃止したり、神戸での発着地を三ノ宮駅のみに集約した上で本数を減便するなどで発着地の集約を行っている。
    一方で老舗の名神ハイウェイバスは、開業時から運行していた急行便を廃止し、途中の停留所を削減・集約して、中京圏 - 京阪神の都市間輸送に特化している[8]

高速道路の延伸による地方部への展開[編集]

  • 1980年代後半より鉄道では直行できない区間を走る高速バスが急速に増えつつある。
  • 反対に、大都市内の道路渋滞を避け、かつ従来はバスの通過を横目で見ていた大都市郊外居住者層をターゲットとするため、敢えて都市圏の外縁部にターミナルを設定する高速バスも登場した。これは「あだたら号」(新越谷駅郡山駅間)や守谷日立線(2008年(平成20年)7月で廃線)などが該当するが、頻繁にダイヤ改正を行うなど試行錯誤を繰り返し苦戦している現状である。
  • 南東北では、各都市と東京・大阪・名古屋などとの間で格安のツアーバスが参入する一方、一時期仙台市を中心とする東北地方内の都市間高速バス路線における新規参入事業者と既存運行会社との値引き競争が行われたことにより、陸上交通の再編が起きた(詳細は→仙台経済圏の交通環境の変化)。
  • 九州地区では福岡・北九州都市高速と九州自動車道等の高速道路が直結し、福岡発着路線の福岡側の定時性が確保されるようになるとともに、片道運賃ないしは往復乗車券回数乗車券をわかりやすい運賃に値下げする戦略が取られるようになった。例えば昭和自動車の「からつ号」「いまり号」ように既存事業者(西鉄バス)の撤退により大幅な増便や運賃回数券の値下げといった独自の拡大戦略が可能となり急成長した路線もある。
  • 四国地方(特に香川県徳島県)では、京阪神方面への高速バスの充実ぶりによって新たなる動きが見られる。高速バス利用者を対象に、バスターミナル付近の駐車場の駐車料金を24時間または48時間以内なら無料にするいわゆる「パークアンドライド」システムの採用が増えてきている。特に四国東部は公共交通機関が乏しく、自家用車の利用が主流になっていることを主眼にした施策とも言える。

ETC休日特別割引に対する懸念[編集]

  • 2009年(平成21年)3月からのETC大幅割引によって[9]普通車・軽自動車で高速道路を安価で移動することができるようになり、出発日・到着日共に土日・祝日となる便で普通車・軽自動車利用へのシフトによる高速バスの乗客減少が懸念されている。
    • また、ETC大幅割引によって高速道路上の普通車・軽自動車の交通量が増えるために渋滞が起こりやすく、かつ高速道路上にバスレーンが無いため[10]、高速バスの出発日・到着日共に土日・祝日となる便で渋滞に巻き込まれて定時運行が困難になることも懸念され、その懸念が的中して、鳴門・淡路エクスプレス号の廃止[11][12][13]や西鉄では高速バス12路線の減便[14]など廃止・減便が生じている路線がある。
    • また、高速バス利用減に伴い高速バスの収益によって過疎路線を補填してきた会社(岩手県北自動車信南交通等)において過疎路線の廃止に拍車がかかる事が懸念されている。[15]
    • なお、今後はこの割引が観光バス・高速バスにも適用される予定(30%割引)となっている。[9][16]
    • なお2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災の影響で6月にETC休日割引、高速道路無料化の社会実験は取りやめになった。しかし東北地方では復興支援として高速道路無料措置[17]が行われており、依然として定時運行を難しくさせている。

2010年代[編集]

  • 2010年代の初年度である2010年はこれまでと比較して近距離の都市間バスも設定されることが多くなった(例:厳密には2009年設定であるが京成バスグループのマイタウン・ダイレクトバスや、京阪バスダイレクトエクスプレス直Q京都号など)。
  • 大都市では中心駅周辺の再開発に伴うバスターミナルの整備が進んでいる。名古屋では、名古屋駅東側の桜通口にあった名古屋ターミナルビルの取り壊し開始により、同ビル1階にあったJRハイウェイバスのりばが2010年12月に駅西側の太閤通口に仮移転した。福岡では2011年(平成23年)3月九州新幹線鹿児島ルートの全通開業に向けた博多駅再開発に伴い、博多駅交通センターのリニューアルが行われ更に博多バスターミナルと改称された。大阪では2011年5月に大阪駅北側のノースゲートビルディングが完成し、駅南側の桜橋口にあったJRバス系の高速バス乗り場が大阪駅JR高速バスターミナルとして同ビル1階に移転した。東京では、東京駅周辺の再開発事業により既に2007年に八重洲南口のJRハイウェイバスのりばが少々北側へ移動しているが、工事の状況によっては若干の乗り場変更や再移動の可能性もある。また、新宿駅周辺の再開発工事が続いている影響で、新宿駅新南口にあったJRハイウェイバスのりばが2011年5月にJR代々木駅東口に仮移転している(工事終了とともに新宿駅新南口に戻る予定)。
  • 首都圏と京阪神を結ぶドリーム号はツアーバスとの競争に晒されながら好調を維持してきたが、更に競争力をつける為、2010年7月よりプレミアムシートを装備した「プレミアムドリーム」を大増発する一方、その分通常の「ドリーム号」は減便となっている。プレミアム化は他社でも広がっており、ドリーム号の四国方面便(2009年から、JR四国バス運行便のみ)や「はかた号」でも2009年末ダブルデッカーに置換えと同時にプレミアムシートとエコノミーシートを導入した。また安さを求めるニーズがある廉価版は「青春エコドリーム号」に一本化する一方で運賃制度を多様化した。
    • プレミアムシートの導入は夜行便のみならず、首都圏発着の昼行便でも進んでいる。
  • 静岡甲府線」のように開業当初は急行バスとして一般国道のみを走行し、その後のモータリゼーションと地域過疎化のため長年にわたり運休していた路線が高速バスとして復活するケースも現れた。再開した2012年の時点で高速道路を走行する区間は新東名高速道路1区間と中部横断自動車道2区間のみでそれ以外は急行バス時代同様一般国道を利用し、途中の休憩もサービスエリアではなく道の駅を使用している。但し中部横断自動車道が延伸した場合は順次高速道路を走行する区間が増える予定である。
  • 関西圏では2010年に第二京阪全通後、京阪間の短距離高速バスの拡充を行った。京阪バスダイレクトエクスプレス直Q京都号を皮切りに新規参入路線として大阪バス京都特急ニュースター号近鉄バスの八尾・京都特急線が運行開始となった。いずれも大阪東部と京都駅を直結する路線で鉄道では大阪市内経由で乗り継ぎが要する一方で高速道路ではほぼ直結できるという利便性を買っている。また同時に松井山手駅の近くに高速京田辺バスストップを新設し、南海バスの高速路線バスやドリーム号の客扱いも開始している。
  • アクアライン高速バスについて、さらなる拡大の動きが目立った。2012年4月にはアクアラインの木更津側の入口となる木更津金田IC近くに、三井アウトレットパーク 木更津(以下、MOP木更津と記述)がオープンし、東京駅・品川駅・新宿駅・川崎駅・横浜駅とMOP木更津を結ぶ路線が新設された。そして、2012年12月からは相模大野駅町田駅とMOP木更津を結ぶ路線が新設され、鉄道では直通できない地域を結ぶアクセスが強化された。これまでの路線展開は内房方面が中心となっていたが、2013年4月27日首都圏中央連絡自動車道(圏央道 千葉県区間)が開業したことにより、外房方面への路線が強化された。茂原駅東京駅を結ぶ路線が圏央道経由で新設されたほか、これまでより運行されていた茂原駅と羽田空港・横浜駅を結ぶ路線、勝浦駅・安房小湊と東京駅を結ぶ路線についても圏央道経由に変更され、外房方面へのアクセスが改善された。
  • 2012年になると従来のツアーバスとの競争に加え、格安航空会社との競争も無視できなくなった。一部の路線では「キャンペーン運賃」と銘打って運賃を半額近くに値引く例もあるが[18]、一方で競争激化に耐えられず廃止される路線も出てきている[19]
  • 2013年8月には「ツアーバス」の形態による都市間バスの運行ができなくなり、乗合バスに一本化された(次項

ツアーバスとの一本化[編集]

2010年以前から、「ツアーバス」の形態について各種の問題点が指摘され、ツアーバスのあり方が検討されてきたが、2012年に発生した関越自動車道高速バス居眠り運転事故を受けてツアーバスと高速路線バス(乗合バス)の一本化が行われることとなった。一本化後の制度は「新高速乗合バス」とされ、2013年7月31日夜から運行されている[20]。この過程で元々の乗合バス事業に対しても、運賃設定や管理の受委託などの規制緩和が行われ、既存事業者にもそれらの制度を活用する例が現れた一方、ツアーバス事業者のうち新高速乗合バスに移行したものは3割程度にとどまっている[21]

現状[編集]

  • 夜行バスは3列独立座席が主流になった。また、西日本地区では長距離を走るバスは昼行便でも3列独立座席が主流となる(例;京阪神~高知、松山 <西日本JRバスJR四国バス>、大阪・神戸~鳥取・米子 <日本交通> 、九州地区の長距離路線)。一方、東日本地区では夜行バスでも比較的短い距離であれば4列シートのバスが運用に就くことがある。
  • 北海道における高速バス
    • 札幌発着の多くの路線が北海道中央バス単独の運行か、北海道中央バスが幹事会社となる他のバス会社との共同運行である。
    • 札幌発着の夜行便もある4路線(高速はこだて号スターライト釧路号、ドリーミントオホーツク号、イーグルライナー)では、昼行便にも3列独立座席(一部車両、後部4列)の車両が使われている。また、夜行便は運行時間が夜間のみに限られるため、途中の乗客のための休憩は無い(乗務員休憩はある)。
西日本JRバス「プレミアムドリーム」
  • 特別シートの設置など
    • 他の座席より幅が広く座り心地の良い座席を数席程度設置し、通常の運賃に特別料金を足した金額を支払うことで利用できる特別シートを設置している路線がある。弘南バスの「ノクターン号」の『スーパーシート』(プラス3,870円)、JRバス関東の「上州ゆめぐり号」の『Gシート』(プラス500円)、西鉄の「はかた号」の『プレミアムシート』(プラス4,000円)など。JRバス関東・西日本JRバスの「プレミアムドリーム号」は1階が『プレミアムシート』(プラス1300円)・2階が『スーパーシート』(プラス700円)であり全席とも同一路線の他の便より高額となる。
    • 逆に、幅が狭く、通常の運賃より安い価格で利用できる座席を設置している路線もある。「はかた号」の『エコノミーシート』、フェニックス号の『セレクトシート』など。
    • 中央高速バス伊那・飯田線では、4列座席の車両を使用し、通常の運賃に追加料金を支払うことで隣り合う2席を独占できるサービスを実施している路線[1]
  • 運賃が鉄道の普通運賃並みで安価なこと、国鉄が分割民営化前に中距離の昼行急行列車を軒並み特急に格上げさせ料金を上げたこと、さらに幹線から支線への直通列車や座席付き夜行列車を国鉄が減便させたのも相まって、特に女性や学生からの人気を獲得している。
  • 安価な都市間交通手段として以下の路線で人気がある。
    • 東京都内(東京駅新宿駅)~名古屋・京都・大阪・神戸市内や東京都内~仙台、大阪市内~金沢・岡山・広島・博多などの昼行便(JR系会社 <JRバス東北・JRバス関東・JR東海バス・西日本JRバス・中国JRバス・JR四国バス・JR九州バス> ・近鉄系 <防長交通> の昼特急など)
    • 観光バスと同様の4列座席とし、定員を増やして運賃を下げた夜行便(JR系 <JRバス関東・JR東海バス・西日本JRバス> の「青春ドリーム号」、京王・近鉄系 <多摩バス近鉄バス> の「カジュアルツインクル号」、東武・近鉄系 <東北急行バス・近鉄バス> の「フライングスニーカー号」)
  • シートベルト着用義務他
    • 法改正により、急行バスでは定員以上の乗車が認められず(立ち席は有り得ない)、乗客全員のシートベルト装着が義務づけられている。
アクアライン高速バス 川崎駅木更津駅線(川崎鶴見臨港バス)

行政処分の規定[編集]

2000年代に行われたバス事業規制緩和と引き替えに、交通違反などの各種法令に違反した場合の行政処分の規定が新たに設定された。

違反した場合は道路運送法40条に基づき、状況に応じて事業者・営業所単位で違反点数(使用停止台数と使用停止日数の積を10で割った数値)が付加され累計違反点数が一定以上になると、50点以上でバス事業の停止、80点以上で事業の許可取消処分が行われる。そのため、違反した事業者は国土交通大臣及び各運輸局長・運輸支局長・自動車検査登録事務所長の命令により、一定期間違反した事業者・営業所での事業拡大(路線の開設や参入)が禁止される(このことを服喪期間という。ただし地元自治体などからの要請があれば特例で路線開設を認める場合もある)。

違反点数の累積期間は原則3年間である。ただし、違反点数が付加されていない営業所において行政処分以前の2年間に違反行為がなく、かつ違反点数が付加された営業所において2年間違反行為がない場合は、行政処分から2年経過した時点で消滅する。なお事業者が分割・譲渡した場合は事業者・営業所単位の累積違反点数が承継される。

なお2004年(平成16年)8月1日に基準が改正され、事業拡大の禁止期間がそれまでの2年間から5点以下の処分で3か月、19点以下で6か月、20点以上や悪質違反で1年間に緩和されたが、車両停止の処分については厳格化され従来は使用停止台数と使用停止日数の積を10で割った数値が整数でない場合は端数を切り上げていたが、改正後は使用停止車両のうち1台の使用停止日数を延長して整数となるように変更された(端数調整により日数が延長されるのでより厳しくなっている)。2006年(平成18年)5月には、飲酒運転を放置した事業者に対しては、違反点数に関係なく事業停止の処分が下せるようにするといった法案が提出された。

乗車券[編集]

座席定員制[編集]

座席定員制を採る小湊鉄道のアクアライン高速バス

座席指定なしで発売。この場合は事前予約はできないので、乗車時にターミナルの窓口で乗車券を購入するか、一般路線バスの様に車内で直接運賃を支払うことになる。先着順に乗車し、空いている席に自由に座ることができる。満席となった場合は補助席を利用することになる。法令により高速道路では立っての乗車はできないため、補助席も埋まると乗車できず、次発の便に回されてしまう。近距離(100km程度まで)の高速バスはこの方式を採用している路線が多い。

予約定員制[編集]

予約定員制を採る小田急箱根高速バス

基本的には座席定員制と同じだが、事前に乗車する便を指定して予約することが原則である。座席は指定せず、空いている席に自由に座ることができるが、予約していればその便の座席が1席分確保されているので満席で乗れない心配はない。予約せずに乗る場合は予約した乗客が優先されるため満席で乗れないこともあり得る。その場合も座席定員制と同様、補助席を利用する。補助席も埋まると次発便へ回される。

座席指定制[編集]

座席指定制を採る中央高速バス京王バス東

予約指定制ともいう。事前予約を原則とし、発券時に乗車便・座席も指定するもの。ほぼすべての夜行路線や、私鉄・専業系バスの中・長距離路線の大半で、この方式が採用されている。乗車券はバスターミナルなどにあるバス事業者の直営窓口や旅行会社で事前に購入する。購入前に電話で予約ができる路線がほとんどである。なお、バスターミナルや旅行会社以外での購入方法として、次のようなシステムがある。

みどりの窓口
JRバスが運行に関わる中・長距離路線の中には全国のJR鉄道駅などに設置されている「みどりの窓口」で購入できる路線がある。なお、ジェイアール四国バスのようにみどりの窓口での発売を全廃したケースもある。
インターネット予約システム
インターネットの普及に伴い、予約用ウェブサイトで空席の照会・予約を受け付けるサービスが1990年代末から始まり、多くの事業者に普及している。ウェブサイトにより空席照会・予約に登録を要するものと登録不要のものがある。予約後にバス事業者の窓口または一部のコンビニエンスストアに設置されている多機能端末機(マルチメディアステーション)で支払い乗車券の発券を受ける。また、予約時に予約サイト上でクレジットカードにより支払い、乗車券をプリンターで印刷したり、乗車券の内容を携帯電話の画面に表示させることができる場合もある。
マルチメディアステーション
上記のようにコンビニエンスストアに備え付けられているマルチメディアステーションで乗車券を発券し購入できる路線が多い。マルチメディアステーションで直接予約して乗車券を購入する方法と、あらかじめ電話やインターネットで予約した便の乗車券をマルチメディアステーションで発券し購入する方法がある。取扱い路線はそれぞれ異なる。

ツアーバスから移行した新高速乗合バスの場合、上記とは異なる独自の予約サイトを持ち、窓口を持たず支払方法をクレジットカードまたはマルチメディアステーションでの支払いに限定し、乗車券を発券しない場合が多い。また、新高速乗合バスでない高速乗合バスは乗車券を発券した際に座席も指定されるが、新高速乗合バスは運賃を支払ってもその時点では座席が指定されず、当日の乗車時に乗客の性別などを考慮して座席が設定され、各乗客に連絡される場合が多い。

高速バスの愛称[編集]

日本の高速バスでは便または路線ごとで愛称を付けているケースが多い。理由については様々だが座席指定制の場合は発券、事務処理上の便宜として付けているほか路線・目的地の宣伝広告の意味で付けているケースがほとんどである。自由席の路線でも路線・目的地のアピールとして付けているケースがある。つけ方としては以下のようなつけ方がみられる。

  • 事業所毎…その事業所のすべての高速バス路線に付与する(阪神バスサラダエクスプレス」など。また、ツアーバスから移行した事業者の大半がこれに該当する。)
  • 路線・系統毎…その路線・系統のすべての便に付与する(福岡~鹿児島間「桜島号」など)
  • 便毎…その路線の特定の便に対して付与される(東名高速線「東名ライナー」など)

日本国外の高速バス[編集]

台湾の高速バスの例(国光汽車客運 MCI MC9)
韓国の高速バスの例(錦湖高速 現代エアロスペースLS)

鉄道や航路の未発達な途上国を中心に利用されているが、先進国・準先進国でも、高速道路が発達した地域では、多くの路線が設定されていることが多い。フィリピンペルードイツ台湾韓国はそれぞれの例である(台湾のバス交通及び韓国のバスも参照)。特に鉄道・航空機との競争が激しい台湾では、路線によっては2列シート・按摩・おしぼり・個人テレビ・バスガール付きの豪華な都市間高速バスが24時間体制で運行されている。

一方アメリカではアラスカを除く本土全土に路線網を有する「グレイハウンド」高速バスがあるが、鉄道のアムトラック同様以下の理由により都市間交通は高速な航空機(格安航空会社)の独擅場と化し、都市間バスは淘汰されつつある。

  • 国土が広いため、全土の移動手段としては時間が掛かり過ぎる(日本の高速バスの距離程度のサンフランシスコロサンゼルス間で8~10時間程度、大陸横断では乗り継ぎで最短でも3日程度は要する)。
  • 1980年代以降の航空自由化により国内線航空運賃の値下げが行われた結果、航空機での移動が一般的になり、高速バスの客層が低所得者層やバックパッカーらが主体になった。
  • バスターミナル(デポーまたはディーポ)周辺環境の悪化。特にロサンゼルスなどの都市部では夜間は危険な場所にあることが多いといわれる。

ヨーロッパでは、ほとんどの国が陸続きになっていることから国際(EU域内)間の路線バスも多く、各国のバス会社が加盟するユーロラインズという協業組織がある。

注記[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 国土交通省中部運輸局の公示の例では「専ら一の市町村(特別区を含む。以下同じ。)の区域を超えて設定された概ね50キロメートル以上のキロ程の路線において、停車する停留所を限定して運行する自動車により乗合旅客を運送するものに係る路線」、運輸経済月例報告平成10年6月のトピックスでは「運行系統キロの2分の1以上で高速道路を利用する路線バス」、国土交通省九州運輸局の公示の例では「専ら一の市町村(特別区を含む。)の区域を超えて設定された概ね50キロメートル以上のキロ程の路線において、停車する停留所を限定して運行する自動車により乗合旅客を運送する運行の態様であって、規則(道路交通法施行規則)第10条第1項第1号ロの運賃及び料金を適用するバス」との記載がある。
  2. ^ 高速バス予約楽天トラベル)やバスサガス(スタイルサーチ)など(両サイトで扱っている路線は全てツアーバスであった。新制度導入のため現在はツアーバスは存在しない)。
  3. ^ 例えば千葉交通では成田空港リムジンバスと都市間高速バスを高速バスと称している
  4. ^ 盛岡宮古間の「106急行バス」や、熊本大分やまびこ号京阪京都交通京都京阪バス立命館大学(BKC)線など
  5. ^ このほか、部分開通によって、阪急バスが茨木インターチェンジ~京都南インターチェンジ間の路線免許を1963年(昭和38年)6月に申請し、1964年(昭和39年)9月に免許を取得、12月より運行を開始した(京都急行線)。名神高速経由のバス乗入れ問題が未解決であった頃、運輸省は尼崎~栗東間の部分開通に際して、「起終点が変わらず、たまたま並行して高速道路がある関係上、速達を期し、かつ従来の路線上のサービス低下につながらないもの」「主要都市間の連絡を計画するもの」という条件のもとで措置がとられた。(阪急バス50年史 p.191)
  6. ^ 当時の長距離昼行便は同じ区間を走行する夜行便と車両を共通運用していたケースが多く、ダイヤの設定が事業者側の都合で決められがちで、必ずしも利用者のニーズに合致していなかったということも一因であった。
  7. ^ 昼特急の車両は夜行便との共通運用だが、事業者側の都合を優先したダイヤではなく、あくまでも昼行便として利用しやすい時間帯に設定されたことも成功した一因であった。
  8. ^ 国鉄の分割民営化後、並行するJR(特に西日本)が新快速の運転区間拡大・増発・スピードアップを図り、滋賀県 - 京阪神の交通は鉄道(JR)が優位に立ったため、急行便及び途中の中小停留所の利用者が激減したことが最大の原因である。
  9. ^ a b 高速道路料金の引下げの実施について国土交通省
  10. ^ 日本の高速道路にはバスレーンが無いが、海外では京釜高速道路の一部区間でバスレーンがある。
  11. ^ 鳴門-阪神線21日廃止 高速バス路線で初、「1000円」影響徳島新聞 2010年1月15日
  12. ^ 高速バス廃止相次ぐ 「上限千円」が影響朝日新聞 2010年1月16日
  13. ^ 鳴門-阪神線が廃止 高速バス、他社も路線削減の動き(徳島新聞 2010年1月22日
  14. ^ 福岡空港―佐賀、3月から減便 西鉄高速バス佐賀新聞 2009年7月31日
  15. ^ 高速料金「上限1000円」 地方にもたらした意外な弊害 J-CASTニュース 2009年9月29日
  16. ^ 高速バスは明言されていないが、割引対象車種には「一般乗合旅客自動車運送業を営むものが運行するバス」も含まれている。
  17. ^ お客さまへの大切なお知らせ
  18. ^ {{http://www.nishitetsu.co.jp/release/2013/oshirase/130531_getsumokubargain.pdf 「どんたく」「ムーンライト」片道運賃大幅割引キャンペーン]|西鉄バスインフォメーション}}
  19. ^ 高速乗合バス長崎-大阪線の廃止について (PDF, 長崎県報道発表資料(交通局営業部運輸課) 2013年2月18日)
  20. ^ 7月31日夜からの新高速乗合バスの運行開始について 国土交通省自動車局旅客課、2013年7月30日(2013年8月5日閲覧)。
  21. ^ 高速ツアーバス、7割撤退…8月から規制強化で 読売新聞社、2013年7月31日(2013年8月5日閲覧)。
  22. ^ ただし現在は郡山市内のルート変更と停留所の増加で以前ほど差はなくなっており、ラッシュ時では鉄道より遅くなる傾向にある。

関連項目[編集]

  • 直行便
  • 青春18きっぷ
  • 急行バス
  • 111番・高速バス - 路線の系統名そのものが「高速バス」である。沖縄自動車道全区間(那覇許田間)を経由する。予約制、及び切符制ではなく、乗車のとき整理券を取り、降車の時に運賃を払う、一般路線バスとほとんど同じ方式を取るが、運賃は一般道経由の路線に比べ最大190円高くなっている。
  • 高速1号系統 - 路線の系統名に「高速」が入っており、区間途中で名古屋高速3号線高辻大高間)を通行する。前後に一般道区間を多く含むこともあり通常の路線バスと同様の乗車方法であるが、高速区間を跨いで乗車する場合は運賃の他に追加料金として10円が必要。

外部リンク[編集]