障害者自立支援法
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| 障害者自立支援法 | |
|---|---|
日本の法令 |
|
| 通称・略称 | 自立支援法 |
| 法令番号 | 平成17年法律第123号 |
| 効力 | 現行法 |
| 種類 | 社会保障法 |
| 主な内容 | 障害者の自立に向けた支援 |
| 関連法令 | 身体障害者福祉法、知的障害者福祉法、精神保健福祉法、児童福祉法 |
| 条文リンク | 総務省法令データ提供システム |
障害者自立支援法(しょうがいしゃじりつしえんほう、平成17年法律第123号)は、「障害者及び障害児がその有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができる」ようにすることを目的とする日本の法律である。
目次 |
[編集] 法律概要
従来の制度と比較して、障害に対する継続的な医療費の自己負担比率が、5%から10%に倍増した。狙いは、少子高齢化社会に向け、従来の支援費制度に代わり、障害者に費用の原則1割負担を求め、障害者の福祉サービスを一元化し、保護から自立に向けた支援にある。また、同時に国の財源負担義務を課している。
[編集] 歴史
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)4月1日、一部施行、同年10月1日に本格施行
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)
- 4月1日、低所得(市町村民税非課税)の障害者等につき、福祉サービス及び補装具に係る利用者負担無料化
- 12月3日、第176回国会にて、障がい者制度改革推進本部等における検討を踏まえて障害保健福祉施策を見直すまでの間において障害者等の地域生活を支援するための関係法律の整備に関する法律(通称、障害者自立支援法改正案)が成立[2]
[編集] 法律立案者のねらい
- 障害者の福祉サービスを「一元化」
- 障害者がもっと「働ける社会」に
- 一般就労へ移行することを目的とした事業を創設するなど、働く意欲と能力のある障害者が企業などで働けるよう、福祉側から支援。
- 地域の限られた社会資源を活用できるように「規制緩和」
- 市町村が地域の実情に応じて障害者福祉に取り組み、障害者が身近なところでサービスを利用できるよう、空き教室や空き店舗の活用も視野に入れて規制を緩和する。
- 公平なサービス利用のための「手続きや基準の透明化、明確化」
- 支援の必要度合いに応じてサービスを公平に利用できるよう、利用に関する手続きや基準を透明化、明確化する。
- 増大する福祉サービス等の費用を皆で負担し支え合う仕組みの強化
- 利用したサービスの量や所得に応じた「公平な負担」
- 障害者が福祉サービス等を利用した場合に、食費等の実費負担や利用したサービスの量等や所得に応じた公平な利用者負担を求める。
- 国の「財政責任の明確化」
- 福祉サービス等の費用について、これまで国が補助する仕組みであった在宅サービスも含め、国が義務的に負担する仕組みに改める。
- 利用したサービスの量や所得に応じた「公平な負担」
[編集] 法律の概要
[編集] 自立支援給付
- 介護給付費 - 9割給付1割原則自己負担
- 居宅介護
- 障害者等につき、居宅において入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
- 重度訪問介護
- 重度の肢体不自由者であって常時介護を要する障害者につき、居宅における入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜及び外出時における移動中の介護を総合的に供与すること
- 行動援護
- 知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する障害者等であって常時介護を要するものにつき、当該障害者等が行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護、外出時における移動中の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
- 療養介護(医療に関するものは除く)
- 医療を要する障害者であって常時介護を要するものとして厚生労働省令で定めるものにつき、主として昼間において、病院その他の厚生労働省令で定める施設において行われる機能訓練、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び日常生活上の世話の供与
- 生活介護
- 常時介護を要する障害者として厚生労働省令で定める者につき、主として昼間において、障害者支援施設その他の厚生労働省令で定める施設において行われる入浴、排せつ又は食事の介護、創作的活動又は生産活動の機会の提供その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
- 児童デイサービス
- 障害児につき、肢体不自由児施設その他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、日常生活における基本的な動作の指導、集団生活への適応訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
- 短期入所
- 居宅においてその介護を行う者の疾病その他の理由により、障害者支援施設その他の厚生労働省令で定める施設への短期間の入所を必要とする障害者等につき、当該施設に短期間の入所をさせ、入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
- 重度障害者等包括支援
- 常時介護を要する障害者等であって、その介護の必要の程度が著しく高いものとして厚生労働省令で定めるものにつき、居宅介護その他の厚生労働省令で定める障害福祉サービスを包括的に提供すること
- 共同生活介護
- 障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
- 施設入所支援
- その施設に入所する障害者につき、主として夜間において、入浴、排せつ又は食事の介護その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
- 居宅介護
- 特例介護給付費 - 9割給付1割原則自己負担
- 訓練等給付費 - 9割給付1割原則自己負担
- 自立訓練
- 障害者につき、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、厚生労働省令で定める期間にわたり、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
- 就労移行支援
- 就労を希望する障害者につき、厚生労働省令で定める期間にわたり、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
- 就労継続支援 通常の事業所に雇用されることが困難な障害者につき、就労の機会を提供するとともに、生産活動その他の活動の機会の提供を通じて、その知識及び能力の向上のために必要な訓練その他の厚生労働省令で定める便宜を供与すること
- 共同生活援助
- 地域において共同生活を営むのに支障のない障害者につき、主として夜間において、共同生活を営むべき住居において相談その他の日常生活上の援助を行うこと
- 自立訓練
- 特例訓練等給付費 9割給付1割原則自己負担
- 以下のサービスにおいて食事の提供に要する費用、居住若しくは滞在に要する費用その他の日常生活に要する費用又は創作的活動若しくは生産活動に要する費用で厚生労働省令で定める費用は支給対象外
- サービス利用計画作成費
- 高額障害福祉サービス費
- 特定障害者特別給付費(一部施設入所者のうち低所得者に対し食費及び家賃を支給する制度)
- 特例特定障害者特別給付費
- 自立支援医療費 - 9割給付1割原則自己負担 (食事療養・生活療養については通常生活において必要な費用は除く)
- 療養介護医療費 - 9割給付1割原則自己負担 (食事療養・生活療養については通常生活において必要な費用は除く)
- 基準該当療養介護医療費 - 9割給付1割原則自己負担 (食事療養・生活療養については通常生活において必要な費用は除く)
- 補装具費 - 9割給付1割原則自己負担 所得制限あり
[編集] 地域生活支援事業
- 市町村が行うものとされている事業
-
- 障害者等が障害福祉サービスその他のサービスを利用しつつ、その有する能力及び適性に応じ、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、地域の障害者等の福祉に関する各般の問題につき、障害者等、障害児の保護者又は障害者等の介護を行う者からの相談に応じ、必要な情報の提供及び助言その他の厚生労働省令で定める便宜を供与するとともに、障害者等に対する虐待の防止及びその早期発見のための関係機関との連絡調整その他の障害者等の権利の擁護のために必要な援助を行う事業
- 聴覚、言語機能、音声機能その他の障害のため意思疎通を図ることに支障がある障害者等その他の日常生活を営むのに支障がある障害者等につき、手話通訳等(手話その他厚生労働省令で定める方法により当該障害者等とその他の者の意思疎通を仲介することをいう。)を行う者の派遣、日常生活上の便宜を図るための用具であって厚生労働大臣が定めるものの給付又は貸与その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業
- 移動支援事業
- 障害者等につき、地域活動支援センターその他の厚生労働省令で定める施設に通わせ、創作的活動又は生産活動の機会の提供、社会との交流の促進その他の厚生労働省令で定める便宜を供与する事業
- 都道府県が行うものとされる事業
- 地域生活支援事業として、相談業務等のうち、特に専門性の高い相談支援事業その他の広域的な対応が必要な事業として厚生労働省令で定める事業を行うものとする。
[編集] ピアサポート強化事業
当事者組織や当事者の関係できる部分を市区町村単位で助成する仕組み。
[編集] 手続
介護給付費や訓練等給付費等市町村に対して申請して支給決定を受ける必要があり、審査会における判定に基づいて障害判定区分を認定し、その障害判定区分、その障害者等の介護を行う者の状況、障害者等又は障害児の保護者の障害福祉サービスの利用に関する意向等を勘案して支給の要否を決定する。なお、これらの処分に不服がある者は都道府県知事に審査請求をすることができ、都道府県は不服審査会を設けることができる。これらの処分についての行政不服審査法による取消訴訟は、審査請求に対する裁決を経た後でなければ、提起することができない(審査請求の日から3ヶ月を経ても裁決が出されない場合等は訴訟を提起できる)。
[編集] 反対運動
この法律制定前から、障害者団体からの強い反対運動が起こった。
[編集] 障害者自立支援法違憲訴訟
応益負担の実施により、障害が重い障害者ほどサービスを受けると、結果として受けたサービス分(1割負担)を支払わなければならない。この為、一部の障害者は「日本国憲法第25条で保証された生存権の侵害」[4]として、全国の地方裁判所にて集団訴訟を起こしていた[5]。もし、サービス負担費用が支払えなくなる事態になると、結果として区市町村に対し生活保護の申請をしなければならなくなるという、「障害者の自立」という法の趣旨から逸れる事態になっている。
- しかし、障害者自立支援法違憲訴訟については、2010年(平成22年)1月7日、原告団・弁護団と厚生労働省が基本合意文書を取り交わし、訴訟は和解へと動き始めている[6]。障害者自立支援法違憲訴訟団は、以下の要望書を鳩山由紀夫内閣総理大臣と長妻昭厚生労働大臣に提出している[7]。4月23日、和解成立。
- 障害福祉制度の根本問題
- 契約制度のもつ根本的問題の解消
- 介護保険優先原則(障害者自立支援法第第7条)の廃止に向けた抜本的見直し
- 扶養義務の見直し
- 障害者福祉の社会資源の充実、基盤整備
- 障害者の所得保障
- 社会参加支援の充実
- 障害者のニーズにあった補装具支給制度の抜本的見直し
- 利用者負担の問題
- 障害福祉施策は人権保障として実施されるべきことに鑑みれば、障害があることを理由とする利用者負担をするべきではありません。
- 収入認定の見直し
- 緊急課題
- 実費自己負担の廃止
- 報酬支払い
- 就労移行支援の期限の廃止
- 地域生活支援事業の地域間格差の解消
- 当事者参加と検証
- 利用者負担を理由に退所していった利用者の実態調査
- 新法制定過程の障害当事者の参画
- 新法制定過程での私たちの参画
- 検証会議の立ち上け
[編集] 法案成立までの経緯
- 第162回通常国会
- 2005年(平成17年)2月10日、衆議院に提出、審議が始まる。衆院審議の過程で与党が修正提案を行い、修正後の7月13日に衆議院本会議で可決された。この時、与党は賛成したが野党は反対した(附帯決議は全会一致で可決)。そのまま参議院に送られ、審議が開始されたが、8月8日に衆議院が解散したため、参議院での審議未了のまま廃案となった。
- 第162回通常国会における法案に対する衆議院修正には、次のようなものがある。
- 第163回特別国会
- 2005年(平成17年)10月4日、参議院に提出、審議が始まる。10月14日に参議院本会議で、10月31日に衆議院本会議で可決され、法案が成立した。
- 第162回通常国会に提出された法案からの変更点は、次のようなものである。
- 目的規定の修正
- 「障害者基本法の基本的理念にのっとり」という文が追加された。
- 検討規定の修正、追加
- 「障害者等の範囲」について検討することが明記され、「障害者等の所得の確保」に係る検討規定が新たに追加された。
- 施行期日の変更
- 利用者負担に係る改正事項について、施行日が2006年(平成18年)1月1日から4月1日に変更された。
[編集] 脚注
- ^ 厚生労働省が今国会に提出した法律案について”第171回国会(常会)提出法律案” 厚生労働省 2011年1月3日閲覧
- ^ 障害者自立支援法改正案−成立 2010年12月3日 SecureTPニュース 2010年12月24日閲覧
- ^ 障害者の自立を考える1 - YouTube
- ^ 民主党政権の通信簿「障害者自立支援法は廃止し新法を制定」 毎日jp 2010年6月20日21時21分 2012年1月24日閲覧
- ^ 厚生労働省 (2010-01-07), “障害者自立支援法違憲訴訟に係る基本合意について”, プレスリリース 2010年9月23日閲覧。
- ^ 障害者自立支援法違憲訴訟 基本合意文書 (PDF)
- ^ 要望書 障害者自立支援法訴訟団 (PDF)
[編集] 関連法令
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 障害者自立支援法案概要 - 2005年(平成17年)時のもの
- 障害者自立支援法のあらまし
- 障害者福祉施策の見直し
- 障害者福祉の見直しを進めています
- 障害者団体など
- DPI(障害者インターナショナル) - 障害者自立支援法案問題点
- 全国保険医団体連合会 - 障害者自立支援法案概要
- 「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動」実行委員会
- 自立生活支援センター フリーダム21
- yamanoi.net - 2006年秋の臨時国会に提出される民主党の障害者自立支援法改正案の内容
- 国民健康保険団体中央会 - 電子請求受付システム総合窓口
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