障害年金

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障害年金(しょうがいねんきん)とは、国民年金法厚生年金保険法等に基づき、疾病又は負傷(傷病)によって、一定程度の障害の状態になった者に対して支給される公的年金の総称である。本項では同法に定める一時金についても取り扱う。

障害基礎年金[編集]

国民年金法(いわゆる「新法」)の施行日(昭和61年4月1日)以後受給権が発生した場合に同法の規定に基づいて給付される障害年金のことを指す。なお、旧法における障害福祉年金は、施行日以後障害基礎年金(いわゆる20歳前傷病による障害基礎年金)に切り替えて支給される。

年金受給要件[編集]

被保険者要件

障害の原因となった傷病について初めて医師または歯科医師の診察を受けた日(以後、初診日という)において、以下のいずれかに該当すること。なお、健康診断により異常が発見され、療養に関する指示を受けた場合は、その健康診断受診日が初診日となる。

  • 被保険者であること
  • 被保険者であった者であって、日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満であること
障害要件

初診日から起算して1年6ヶ月が経過した日、あるいはこの期間内にその傷病が治った場合(症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った場合を含む)はその日(以後、障害認定日という)において、障害等級1級または2級に該当すること。なお、「治った日」の具体例としては、以下のものが挙げられている。

  1. 人工透析療法を行っている場合は、透析を初めて受けた日から起算して3カ月を経過した日。
  2. 人工骨頭又は人工関節をそう入置換した場合は、そう入置換した日。
  3. 心臓ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)又は人工弁を装着した場合は、装着した日。
  4. 人工肛門又は新膀胱の造設、尿路変更術を施術した場合は、造設又は手術を施した日。
  5. 切断又は離断による肢体の障害は、原則として切断又は離断した日(障害手当金又は旧法の場合は、創面が治癒した日)。
  6. 喉頭全摘出の場合は、全摘出した日。
  7. 在宅酸素療法を行っている場合は、在宅酸素療法を開始した日。

初診日が昭和61年4月1日前であっても、障害認定日が昭和61年4月1日以後である場合は、旧法の障害年金ではなく、新法の障害基礎年金が支給される(受給権は原則として障害認定日に発生する)。

保険料納付要件

初診日の属する月の前々月までに、保険料納付済期間保険料免除期間とを合算した期間が、その被保険者期間の3分の2以上であること

  • ただし初診日が平成38年4月1日前にある傷病による障害については、「当該初診日の前日において当該初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料納付済期間及び保険料免除期間以外の被保険者期間がないとき」、つまり初診を受ける前の日の年金納付状況が、初診日の月の13ヶ月前から2ヶ月前の1年間すべて、保険料を納付するか免除されていれば(滞納していなければ)障害基礎年金を受給できる。ただし初診日において65歳以上である者にはこの措置は適用されない(平成38年3月末までの特例措置)。
  • ここでいう「保険料納付済期間」には、老齢基礎年金では合算対象期間とされる、被用者年金制度の加入期間のうち昭和36年4月前の期間や、20歳未満及び60歳以後の期間も含まれる。
事後重症

障害認定日において障害が1級か2級の状態でなく、その後、障害の程度が重くなり、65歳に達する日の前日[1]までに障害等級に該当した場合、その65歳に達する日の前日までの期間内に限り請求することができ、認定されると、支給される。

  • 初診日における被保険者要件と保険料納付要件を満たしていることが必要である。
  • 受給権発生日は請求した日であり、請求しなければ支給されない。障害の程度が該当したからといって自動的に支給されるものではない。
  • 3級の被用者障害年金の受給権者が2級以上に改定された場合は、改定に伴って請求があったものとみなされるため、改めての請求は不要である。
  • 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者は、事後重症による障害基礎年金は受給できない。
  • 旧法の障害年金の失権者には、事後重症による障害基礎年金は支給されない。
基準障害

障害等級に該当しない障害(既存の障害)がある者が、新たに傷病にかかり、この傷病による障害認定日以後65歳に達する日の前日までの間において、初めて既存の障害と新たな障害(基準障害)とを併合して障害等級に該当する程度の障害の状態にいたったときは、併合した障害の程度による障害基礎年金が、その請求のあった翌月から支給される。

  • 被保険者要件・保険料納付要件は、既存の障害ではなく基準障害に係る初診日において判断する。
  • 繰上げ支給の老齢基礎年金の受給権者は、基準障害による障害基礎年金は受給できない。
  • 基準障害による障害基礎年金の請求は、65歳に達する日の前日までに障害等級に該当すれば、65歳以後でも請求することができる
20歳前傷病

20歳未満(就職して第2号被保険者となっている場合を除く)のときに初診日があり、障害認定日以後に20歳に達したときは20歳に達した日において、障害認定日が20歳に達した日後であるときはその障害認定日において、障害等級に該当する程度の障害の状態にあるとき、支給される。事後重症の場合も同様である。なお、第2号被保険者となっている場合は、20歳前傷病による障害基礎年金ではなく、通常の障害基礎年金が支給される。

  • 平成6年の改正により、旧法の規定で当時の支給要件に該当しなかった者でも、昭和36年4月1日~昭和61年3月31日までの公的年金制度加入期間に初診日があり現在の支給要件に該当する者は65歳に達する日の前日までの間に、たとえ老齢基礎年金の繰上げ支給を受給している者であっても、支給請求できる。
  • 保険料納付要件は不要である。ただし、以下のいずれかに該当した場合は支給が停止される。
    • 受給権者本人(配偶者または扶養義務者の所得は問わない)の前年の所得が、政令で定める額を超えるときは、その年の8月から翌年の7月まで、その全部又は2分の1に相当する部分。ただし、子の加算額については支給停止から控除して計算する。また天災等により所有する住宅・家財等の被害額がその価格のおおむね2分の1以上である損害を受けた場合は、損害を受けた月から翌年7月までは所得による支給停止は行わない。「政令で定める額」とは、単身の場合3,604,000円を超えると2分の1が、4,621,000円を超えると全部が支給停止となる。扶養義務者がいればその人数に応じて上限額が上がる。
    • 恩給法による年金給付、労災保険法による年金給付を受けることができるとき(これらの年金給付が支給停止されている場合は、障害基礎年金は支給される)。
    • 刑事施設労役場少年院その他これらに準ずる施設に拘禁・収容されている場合(未決拘留中の場合は有罪が確定するまでは支給停止されない)。
    • 日本国内に住所を有しないとき。
  • 住民基本台帳ネットワークシステムによる本人確認情報の提供を受け、生存等が確認されている場合であっても、当該受給権者は障害基礎年金所得状況届を、誕生月にかかわらず毎年7月31日までに日本年金機構に提出しなければならない(前年度の所得をもとに8月から翌年7月までの支給を決定するため)。

併合認定の原則[編集]

異なる支給事由により複数発生する可能性のある障害年金は、前後の障害を併合して、1つの障害年金として支給される。この場合、新たに併合された障害基礎年金の受給権を取得したときは、従前の障害基礎年金の受給権は消滅する。ただし、前後の障害の一方が支給停止となっている場合は、その停止されている期間は併合しない障害の程度によって支給される。

  • 障害厚生年金と障害基礎年金とであっても併合し、この場合障害厚生年金は年金額の改定で対応する。
  • 旧法の障害年金と新法の障害基礎年金の場合は併合はするが、この場合は旧法の障害年金受給権は消滅せず、どちらか一方を選択受給する。

年金額[編集]

障害基礎年金(平成26年(2014年度)4月現在の額)[2]。なお、被保険者期間の長短にかかわらず定額で支給される。また保険料免除期間があっても減額されることはない。

  • 1級 年間 772,800円(月額 約 64,400円)× 1.25 + 子の加算 
  • 2級 年間 772,800円(月額 約 64,400円)+ 子の加算
    • 子の加算 第1子・第2子 各年間 222,400円、第3子以降 各年間 74,100円。障害基礎年金には配偶者への加算は行われない
    • 子とは、請求時に「生存している子」若しくは「妻の胎内に胎児として存在していた子が出生した後」であり、その対象者が18歳到達年度の末日を経過していない子、または、20歳未満で障害等級1級または2級の障害者をいう(18歳到達年度末を過ぎて20歳になるまでに障害の状態になった場合は加算されない)。
    • 障害年金を受ける権利が発生した後でも、子の出生等によって要件を満たすこととなった場合には増額改定される(2011年4月より)。この場合、14日以内に機構に届け出なければならない。
    • 障害の程度が増進した場合、厚生労働大臣は審査のうえ額の改定を職権ですることができ、また受給権者は厚生労働大臣に対し額の改定を請求することができる。ただしこの請求は受給権取得日又は厚生労働大臣の審査を受けた日から起算して1年を経過した後でなければ行うことができない(受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除く)。
    • 所得による支給制限は行われない。但し、20歳に達する前に負った傷病が原因の場合のみ所得制限がある(本人が保険料を支払っていない為)。

支給停止[編集]

  • 障害基礎年金は、その受給権者が当該傷病による障害について、労働基準法による障害補償を受けることができるときは、6年間その支給が停止される。なお、労災保険法の障害(補償)年金、傷病(補償)年金、休業(補償)給付が支給されるときは、障害基礎年金は全額支給され、調整は労災保険の側で行われる。具体的には、障害基礎年金のみの受給の場合、障害(補償)年金、傷病(補償)年金、休業(補償)給付は88%に減じられる。
  • 障害基礎年金は、受給権者が障害等級に該当する程度の障害の状態に該当しなくなったときは、その該当しない間、支給が停止される。ただし、支給を停止された受給権者がその後新たな傷病により併合した障害等級に該当するに至った場合は支給停止は解除される。
  • 年金一般の給付制限のほか、故意に障害又はその直接の原因となった事故を生じさせた者の当該障害については、これを支給事由とする障害基礎年金は支給しない(絶対的支給制限)。また、故意の犯罪行為もしくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、障害もしくはその原因となった事故を生じさせた者の当該障害については、これを支給事由とする給付はその全部又は一部を行わないことができる(相対的給付制限)。受給権者又は加算の対象となっている子が正当な理由なく受診命令に従わず、又は行政庁職員の診断を拒んだときも、相対的給付制限が課される。なお、自殺未遂によって障害となった場合には、支給制限はされない
経過措置

平成6年の改正により、障害基礎年金等の受給権者が厚生年金保険法による障害等級(3級以上)に該当しなくなった場合、3年経過後に受給権が消滅する取扱いから、65歳に達するまでは受給権を消滅させない取扱いに変更となった(65歳に達しても、不該当後3年経過しなければ消滅しない)。これに伴い、改正法施行日(平成6年11月9日)前に障害等級に該当することなく3年経過により受給権が消滅した障害基礎年金のうち、同一の傷病により施行日以降65歳に達する日の前日までの間に障害等級(1級または2級)に該当した者については、その期間内に障害基礎年金の支給を請求することができることとなった。

障害厚生年金[編集]

厚生年金保険法に基づいて支給される障害年金。各種公務員等が加入している共済年金船員保険法に基づく船員の障害年金も、障害厚生年金とほぼ同様である。

受給要件[編集]

  • 厚生年金に加入している期間中、初めて医師又は歯科医師の診療を受けた傷病による障害であること
    • 初診日において厚生年金被保険者でなければ支給されない。初診日において被保険者であれば、障害認定日に被保険者でなくなっていてもよい。また70歳以上の高齢任意加入被保険者等も含む。
  • 障害認定日において障害等級1級、2級、3級に該当する程度の障害の状態にあること
    • 一般に厚生年金被保険者は同時に国民年金第2号被保険者でもあるので、障害等級が1級または2級の場合は障害基礎年金と障害厚生年金の両方が支給されることになる。ただし障害認定日において65歳以上の者は、通常は第2号被保険者ではなくなっているので、障害等級が1級または2級であっても障害厚生年金しか支給されない。
保険料要件
国民年金被保険者期間の3分の2以上、さらに平成38年3月末までの特例措置は障害基礎年金と同じである。
坑内員・船員としての被保険者期間は、老齢厚生年金とは異なり、実期間で計算する。
事後重症による障害厚生年金
障害等級が1級~3級であることを除き、障害基礎年金と同じである。3級の者が1級または2級に該当した場合は、額の改定と同時に障害基礎年金についても請求があったものとみなされる。
基準障害による障害厚生年金
基準障害の場合は1級または2級のみで、3級は対象外である。なお、基準傷病に係る初診日において被保険者であればよく、既存障害の初診日において被保険者である必要はない。
併合認定の原則
障害厚生年金における併合認定が行われるためには、前後の障害が1級または2級でなければならない。なお、受給権取得時に1級または2級であれば、その後3級に改定されても差し支えなく、受給権取得当時に3級であってもその後障害の程度が増進して1級または2級になれば併合認定の対象となる。
旧法の障害年金の受給権者に新たに1級または2級の障害厚生年金を支給すべき事由が生じたときは、前後の障害を併合した程度に応じて旧法の障害年金額が改定される。

年金額[編集]

在職中の平均標準報酬月額と、被保険者期間の月数を基準に、一定の計算式によって求められる報酬比例の年金額が基準となる。平成25年度(2013年度)の年金支給額は次の通り[3]

  • 1級 報酬比例の年金額×1.25+配偶者の加給年金額
  • 2級 報酬比例の年金額+配偶者の加給年金額
  • 3級 報酬比例の年金額(最低保障額として老齢基礎年金の満額の4分の3。平成26年度は579,700円)
    • 計算の基礎となる被保険者期間の月数が300に満たないときは、これを300として計算する。
    • 障害認定日の属する月後における被保険者であった期間は、障害厚生年金の額の計算の基礎とはしない
    • 障害の程度が増進した場合、障害基礎年金と同じく、厚生労働大臣は審査のうえ額の改定を職権ですることができ、受給権者は厚生労働大臣に対し額の改定を請求することができる。ただしこの請求は受給権取得日又は厚生労働大臣の審査を受けた日から起算して1年を経過した後でなければ行うことができない(受給権者の障害の程度が増進したことが明らかである場合として厚生労働省令で定める場合を除く)。なお、障害基礎年金とは異なり、65歳以上の者又は老齢基礎年金の受給権者(繰上支給を含む)で、かつ当該障害厚生年金と同一の支給事由に基づく障害基礎年金の受給権を有しない者については、額の改定は(職権、請求とも)行われない。つまり、3級の者は65歳以降は障害の程度が増進しても改定請求できないのである。
報酬比例の年金額
  • 報酬比例の年金額の給付乗率は、生年月日による読み替えをしない。
  • {(平均標準報酬月額×1000分の7.5×平成15年3月以前の厚生年金保険の加入月数)+(平均標準報酬額×1000分の5.769×平成15年4月以後の厚生年金保険の加入月数)}×1.031×スライド率(平成26年度は0.961)
加給年金額
1級または2級に該当する者に支給される障害厚生年金には、受給権者によって生計を維持している65歳未満の配偶者(大正15年4月1日以前生まれの配偶者であれば65歳以上であってもよい)があるときには、加給年金額が加算される(3級の者には加算されない)。なお、配偶者のみが加算対象で、子が何人いても加算対象とはならない。加算額は原則として224,000円である。なお、当該配偶者が障害年金もしくは240月以上の被用者老齢年金を受けることができる場合は、加算額の支給が停止される。

支給停止と給付制限[編集]

  • 労働基準法による障害補償を受けることができるときは、6年間その支給が停止されることは障害基礎年金と同じであるが、障害厚生年金の支給事由となった傷病以外の傷病によって障害補償を受けても、障害厚生年金は支給停止されない。
  • 労災保険法の障害(補償)年金、傷病(補償)年金、休業(補償)給付が支給されるときは、障害厚生年金は全額支給され、調整は労災保険の側で行われる。具体的には、障害厚生年金のみの受給の場合、障害(補償)年金は83%、傷病(補償)年金、休業(補償)給付は86%に減じられ、障害厚生年金と障害基礎年金とを併給する場合、、障害(補償)年金、傷病(補償)年金、休業(補償)給付は73%に減じられる。
  • 平成6年改正による3年経過後の経過措置は障害厚生年金においても障害基礎年金と同様である。
  • 年金一般の給付制限のほか、障害基礎年金と同様の絶対的・相対的給付制限があるほか、障害厚生年金の受給権者が、故意もしくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、その障害の程度を増進させ、又はその回復を妨げたときは、障害厚生年金の額の改定を行わず、又はその者の障害の程度が現に該当する障害等級以下の障害等級に該当するものとして、障害厚生年金の額の改定を行うことができるとされる。

障害手当金[編集]

初診日において被保険者であった者(当該初診日の前日において保険料納付要件を満たす者に限る)が、当該初診日から起算して5年を経過する日までの間におけるその傷病の治った日(症状が固定し治療の効果が期待できない状態に至った日を含む)において、その傷病により政令で定める程度の障害の状態にある場合に、一時金として支給される。支給額は、「障害等級3級の場合の障害厚生年金の最低保障額の2倍」「障害厚生年金の額の算式より計算した額の2倍」のいずれか高い方である。ただし、国民年金厚生年金共済年金による年金たる保険給付の受給権者、労働基準法による障害補償・労災保険法による障害(補償)給付等を受ける権利を有する場合には、障害手当金は支給されない。

特別障害給付金[編集]

制定の背景[編集]

  • 国民年金制度の導入時には、20歳以上の学生や配偶者(多くはいわゆる専業主婦)が強制加入の対象者ではなかった。このため、旧制度の下で、20歳以上で任意加入対象期間中の国民年金に未加入であった期間に初診等があり、現行制度における国民年金の受給対象である障害の状態になったにも関わらず、障害基礎年金の受給資格が得られず、支給を受けられない対象者が生じることになった(未加入者問題)。これに対して、全国各地で訴訟が提起され、下級審判決の中で、支給しないことを違法とするものも現れた。
  • これを受けて、2004年特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律が新設され、一定の要件の下で、旧制度下での未加入者に対して、給付金が支給されるようになった。
  • なお、現行法の下での年金未納者については、特別障害給付金制度による救済は受けられない(年金未納問題参照)。
  • 厳密に考える場合、特別障害給付金は福祉的観点で給付される給付金であり障害年金ではない。また障害年金としてでなく年金とも異なるものである。

対象者[編集]

  • 1991年3月31日以前、学生である時、任意加入の未加入であった時期に初診日がある者、または、1986年3月31日以前、第2号被保険者の配偶者である時、任意加入の未加入であった時期に初診日がある者。
  • 障害基礎年金による障害の状態にあること。
  • 65歳到達日前に請求を行っていること(経過措置があり65歳以上でも条件を満たせば請求できる場合がある)。

受給額[編集]

(平成25年(2013年)度)

  • 障害基礎年金1級相当(月額) 49,500円(2級の1.25倍)
  • 障害基礎年金2級相当(月額) 39,600円

請求の翌月からが受給対象となり、遡りはない。尚、この特別障害給付金に関しては全額が国庫負担であるため、受給者の所得によっては「20歳前傷病による障害基礎年金」と同じく給付金の全額相当額および2分の1相当額が支給停止される。

残された問題[編集]

特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律の新設によって、未加入者問題の救済が図られたが、なお、20歳前傷病者との区別に合理性があるか、日本国憲法第14条1項の定める平等原則との関連等で議論が残されている。また、年金制度全体についていえることだが、生活保護と比較しても、国民年金や障害基礎年金の額が、生活保護費より低い金額である事(生活保護との逆転現象問題)で、障害年金支給金額が十分な金額であるかについても、議論がある。

認識されていないが、軽度の知的障害の者の多くが障害年金をまったく受給していないのも問題である。これと同様に、精神障害者保健福祉手帳を保有する精神障害者で、最も障害の程度が軽い3級の認定を受けている者、また、精神障害があるにも関わらず手帳交付の判断基準が一元化されていない現状の中で、自治体のばらついた判断により手帳を交付されていない軽度の精神障害者に対する障害基礎年金制度が現段階で存在していないことも今後の障害者福祉整備の課題である。

また平成17年以降、精神障害者でそれまでの基準の2級に該当する人が、3級または不支給に認定となり、17年以前の3級相当は不支給となっている。なおこの措置は認定基準が変わらないで、現場判断で支給が厳しくなっている。

等級[編集]

国民年金法施行令別表第一

1級
  1. 両眼の視力の和が0.04以下のもの
  2. 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの
  3. 上肢の機能に著しい障害を有するもの
  4. 両上肢のすべての指を欠くもの
  5. 両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
  6. 下肢の機能に著しい障害を有するもの
  7. 両下肢を足関節以上で欠くもの
  8. 体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることができない程度の障害を有するもの
  9. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であつて、日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの
  10. 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
  11. 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの
2級
  1. 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの
  2. 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの
  3. 平衡機能に著しい障害を有するもの
  4. そしゃくの機能を欠くもの
  5. 音声又は言語機能に著しい障害を有するもの
  6. 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの
  7. 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの
  8. 一上肢の機能に著しい障害を有するもの
  9. 一上肢のすべての指を欠くもの
  10. 一上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの
  11. 両下肢のすべての指を欠くもの
  12. 一下肢の機能に著しい障害を有するもの
  13. 一下肢を足関節以上で欠くもの
  14. 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの
  15. 前各号に掲げるもののほか、身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの
  16. 精神の障害であって、前各号と同程度以上と認められる程度のもの
  17. 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって、その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの

注:視力の測定は、万国式試視力表によるものとし、屈折異常があるものについては、矯正視力によって測定する。

脚注[編集]

  1. ^ 条文上でいう「○○歳に達する(達した)日」とは、年齢計算ニ関スル法律の規定により、○○歳の誕生日の前日を指す。
  2. ^ 障害基礎年金の受給要件・支給開始時期・計算方法”. 日本年金機構 (2014年7月2日). 2014年10月24日閲覧。
  3. ^ 障害厚生年金の受給要件・支給開始時期・計算方法”. 日本年金機構 (2013年10月1日). 2013年12月5日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]