日本国憲法第25条
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日本国憲法 第25条は、日本国憲法第3章にあり、社会権のひとつである生存権と、国の社会的使命について規定している。
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[編集] 条文
第二十五条[1] すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
- 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
[編集] 沿革
参考文献情報
- 1889年(明治22年)2月11日公布、1890年(明治23年)11月29日に施行された憲法。1947年(昭和22年)5月3日に日本国憲法が施行されたことにより失効。
- 憲法改正要綱[1]
- 1946年(昭和21年)2月8日、松本烝治国務大臣・憲法問題調査委員会委員長が連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)に対して、憲法改正案として提出・説明した文書。松本国務大臣が、そのときまでの委員会審議等を踏まえて作成した「憲法改正私案(一月四日稿) 」を要綱化した文書で、「松本試案」とも呼ばれる。閣議で議論にかけられ、天皇に奏上したものの、閣議等での正式な決定を経た文書ではない。
- マッカーサー三原則(マッカーサー・ノート)[2]
- 1946年(昭和21年)2月3日、ダグラス・マッカーサー連合国軍最高司令官が、GHQ内部の憲法改正草案作成にあたって必ず盛り込むよう指示した三項目の要件。草案作成の担当を命じられたコートニー・ホイットニー民政局長に対して示された。第一に天皇の地位、第二に戦争の放棄、第三に貴族制度(華族制度)に関して簡潔に述べている。
- 1946年(昭和21年)2月13日、GHQから日本政府に対して、憲法改正草案として提示された文書。GHQ民政局が作成した原案に対して、ダグラス・マッカーサー連合国軍最高司令官が指示した修正を行ったものである。先に提出した「憲法改正要綱」に対する回答を聴取するため来訪した吉田茂外務大臣と松本烝治国務大臣に、コートニー・ホイットニー民政局長が手交した。日本政府は、同月22日の閣議においてGHQ草案の事実上の受け入れを決定し、同月26日の閣議においてGHQ草案に沿った新しい憲法草案を起草することを決定した。なお、GHQ草案全文の仮訳が閣僚に配布されたのは、同月25日の臨時閣議の席であった。
- 憲法改正草案要綱[4]
- 1946年(昭和21年)3月6日、内閣から国民に対して、憲法改正草案として発表された文書。内閣でGHQ草案の受け入れを決定した後、松本烝治国務大臣は、佐藤達夫内閣法制局第一部長、入江俊郎内閣法制局次長とともに、憲法改正案(「3月2日案」)を起草した。「3月2日案」をもとに、GHQとの折衝を経て成立した原案が、憲法改正草案として閣議決定され(「3月5日案」)、これを入江俊郎内閣法制局次長が中心となって、要綱の形にまとめたのが「憲法改正草案要綱」である。
- 憲法改正草案[5]
- 1946年(昭和21年)4月17日、内閣から国民に対して発表された文書。GHQの了承、閣議の了解を得た上で、元の「憲法改正草案」をひらがな口語体の文章にしたものである。同日、昭和天皇は、同案を内閣からの憲法改正案として枢密院に諮詢した。その後、幣原内閣から第1次吉田内閣へ交替したため一旦枢密院への諮詢が撤回され、字句を修正した上で、同年5月27日に再諮詢された[6]。同年6月8日、「憲法改正草案」は、枢密院本会議において美濃部達吉顧問官を除く賛成多数で可決された。
- 帝国憲法改正案[7]
- 1946年(昭和21年)6月20日、第90回帝国議会の開院式当日(召集日は同年5月16日)に、大日本帝国憲法第73条の憲法改正手続により、勅書をもって議会に提出された憲法改正案。同年6月25日に衆議院本会議に上程され、6月28日に芦田均を委員長とする帝国憲法改正案委員会に付託。委員会審議を経て、同年8月24日、衆議院本会議において賛成421票、反対8票という圧倒的多数で可決され、同日貴族院に送られた。同年8月26日に貴族院本会議に上程され、8月30日に安倍能成を委員長とする帝国憲法改正案特別委員会に付託。委員会審議を経て、同年10月6日、貴族院本会議において賛成多数で可決された。同日、貴族院での修正が加えられた改正案は衆議院に回付され、翌7日、衆議院本会議において圧倒的多数で可決。その後「帝国憲法改正案」は、同年10月12日に枢密院に再諮詢され、2回の審査の後、同年10月29日に2名の欠席者を除き全会一致で可決。「帝国憲法改正案」は、昭和天皇の裁可を経て、同年11月3日に「日本国憲法」として公布された。
- 1946年(昭和21年)11月3日公布、1947年(昭和22年)5月3日に施行された憲法。
- 大日本帝国憲法
- なし
- GHQ草案[2]
- (日本語)
- 第二十四条 有ラユル生活範囲ニ於テ法律ハ社会的福祉、自由、正義及民主主義ノ向上発展ノ為ニ立案セラルヘシ
- 自由、普遍的且強制的ナル教育ヲ設立スヘシ
- 児童ノ私利的酷使ハ之ヲ禁止スヘシ
- 公共衛生ヲ改善スヘシ
- 社会的安寧ヲ計ルヘシ
- 労働条件、賃銀及勤務時間ノ規準ヲ定ムヘシ
- (英語)
- Article XXIV. In all spheres of life, laws shall be designed for the promotion and extension of social welfare, and of freedom, justice and democracy.
- Free, universal and compulsory education shall be established.
- The exploitation of children shall be prohibited.
- The public health shall be promoted.
- Social security shall be provided.
- Standards for working conditions, wages and hours shall be fixed.
- 憲法改正草案要綱[3]
- 第二十三 法律ハ有ラユル生活分野ニ於テ社会ノ福祉及安寧、公衆衛生、自由、正義並ニ民主主義ノ向上発展ノ為ニ立案セラルベキコト
- 憲法改正草案[4]
- 第二十三条 法律は、すべての生活分野について、社会の福祉及び安寧並びに公衆衛生の向上及び増進のために立案されなければならない。
- 帝国憲法改正案[5]
- 第二十三条 法律は、すべての生活部面について、社会の福祉、生活の保障及び公衆衛生の向上及び増進のために立案されなければならない。
- 日本国憲法
- 第二十五条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
- 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
[編集] 最高裁判例
- 食糧管理法違反(最高裁判例 昭和23年12月01日)憲法76条、憲法81条
- 朝日訴訟(最高裁判例 昭和42年5月24日)
- 三井美唄労組事件(最高裁判例 昭和43年12月04日)憲法15条1項、憲法28条
- 堀木訴訟(最高裁判例 昭和57年7月7日)憲法13条、憲法14条
- 塩見訴訟(最高裁判例 平成1年3月2日)
- 厚木基地公害訴訟(最高裁判例 平成5年02月25日)
[編集] 学説
[編集] 関連条文
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
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