日本国憲法第12条

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日本国憲法 第12条(にほんこくけんぽうだい12じょう)は、日本国憲法第3章にある条文の1つであり、自由・権利の保持の責任とその濫用[1]の禁止について規定し、第11条第13条とともに、人権保障の基本原則を定めている条文である。

目次

[編集] 条文

この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。[2]

[編集] 解説

「公共の福祉」の意味については古くは争いがあった(詳しくは公共の福祉の記事参照)。当初は人権の外にある社会全体の利益を指すと考えられていたが(一元的外在制約説)、この解釈に基づくならば公共の福祉を理由としていかなる人権をも制約することが可能になってしまうため、現在では「人権相互の矛盾を調整するために認められる実質的衡平の原理」として考えられている(一元的内在制約説)。いわば、人権同士が競合する場合には、当然にそれらの調整が図られねばならない、という当然ともいうべきことのみを規定していると理解するものである。

公共の福祉の意義について、より広い解釈を持ち込むならば、それを理由として人権の制限が正当化されることになるとして、人権擁護の観点からその内容の解釈には厳格であるべきというのが通説的見解である。

[編集] 沿革

大日本帝国憲法
なし
GHQ草案[3]
  • (日本語)
第十一条 此ノ憲法ニ依リ宣言セラルル自由、権利及機会ハ人民ノ不断ノ監視ニ依リ確保セラルルモノニシテ人民ハ其ノ濫用ヲ防キ常ニ之ヲ共同ノ福祉ノ為ニ行使スル義務ヲ有ス
  • (英語)
Article XI. The freedoms, rights and opportunities enunciated by this Constitution are maintained by the eternal vigilance of the people and involve an obligation on the part of the people to prevent their abuse and to employ them always for the common good.
憲法改正草案要綱[4]
第十一 此ノ憲法ノ保障スル自由及権利ハ国民ニ於テ不断ニ之ガ保持ニ努ムルト共ニ国民ハ其ノ濫用ヲ自制シ常ニ公共ノ福祉ノ為ニ之ヲ利用スルノ責務ヲ負フコト
憲法改正草案[5]
第十一条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならぬのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
日本国憲法
第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

[編集] 関連条文

[編集] 脚注

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  1. ^ 「乱用」を用いるようになった経緯について濫用の項に記述がある。
  2. ^ 「日本国憲法」、法令データ提供システム。
  3. ^ 「GHQ草案」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。
  4. ^ 「憲法改正草案要綱」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。
  5. ^ 「憲法改正草案」、国立国会図書館「日本国憲法の誕生」。

[編集] 関連項目

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