介護福祉士国家試験

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

介護福祉士国家試験(かいごふくししこっかしけん)とは、厚生労働省の外郭団体、財団法人社会福祉振興・試験センターが実施する、第一次試験と第二次試験からなる国家試験をいう。

介護福祉士社会福祉士精神保健福祉士と並ぶ福祉の国家資格(通称:三福祉士)のひとつで、ケアワーカー(主として介護等を業する者)の資格である。

概要[編集]

受験資格[編集]

介護福祉士国家試験を受験するには下記の要件を満たす必要がある。

  1. 学校教育法に基づく高等学校又は中等教育学校であつて文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定したものにおいて3年以上(専攻科において2年以上必要な知識及び技能を修得する場合にあつては、2年以上)介護福祉士として必要な知識及び技能を修得した者
  2. 3年以上(従業期間3年(1095日)以上かつ従事日数540日以上)介護等の業務に従事した者
  3. 前号に掲げる者と同等以上の能力を有すると認められる者であつて、厚生労働省令で定めるもの

第一次試験/第二次試験[編集]

介護福祉士国家試験は、第一次試験(筆記試験)、第二次試験(実技試験)からなる。

第一次試験は1月下旬、北海道青森県岩手県宮城県秋田県埼玉県千葉県東京都神奈川県新潟県石川県岐阜県静岡県愛知県京都府大阪府兵庫県島根県岡山県広島県香川県愛媛県高知県福岡県長崎県熊本県大分県宮崎県鹿児島県沖縄県の30か所、第二次試験は3月上旬に北海道青森県宮城県東京都石川県愛知県大阪府広島県香川県福岡県鹿児島県沖縄県の12か所で行われる。ただし、介護技術講習会を受講し修了した場合には、実技試験は3回まで免除され、第一次試験のみで合否が決定される。

試験科目[編集]

第一次試験 筆記試験(3領域+総合問題)

–人間と社会–

  1. 人間の尊厳と自立
  2. 人間関係とコミュニケーション
  3. 社会の理解

–介護–

  1. 介護の基本
  2. コミュニケーション技術
  3. 生活支援技術
  4. 介護過程

–こころとからだのしくみ–

  1. 発達と老化の理解
  2. 認知症の理解
  3. 障害の理解
  4. こころとからだのしくみ

–総合問題–

総合問題

(3領域の知識・技術について横断的に問う問題を、事例形式で出題)


第二次試験 実技試験

介護等に関する専門的技能(介護技術講習会修了者は免除)

合格基準[編集]

第一次試験、第二次試験とも、一定の合格基準が設定されている。

  • 第一次試験である筆記試験の合格基準は以下の通り。
  1. 問題の総得点の60%程度を基準として、問題の難易度で補正した点数以上の得点の者。
  2. 1.を満たした者のうち、以下の「10科目群」すべてにおいて得点があった者。

 人間の尊厳と自立・介護の基本/人間関係とコミュニケーション・コミュニケーション技術/社会の理解/生活支援技術/介護過程/発達と老化の理解/認知症の理解/障害の理解/こころとからだのしくみ/総合問題

(「『人間の尊厳と自立』と『介護の基本』」/「『人間関係とコミュニケーション』と『コミュニケーション技術』」は共通の科目群として扱われる為、片方の科目に点数があれば良いことになっている。)

  • 第二次試験である実技試験の合格基準は以下の通り。
  1. 課題の総得点の60%程度を基準として、課題の難易度で補正した点数以上の得点の者を実技試験の合格者とする。

試験結果については、例年3月末に、社会福祉振興・試験センターホームページにて合格者の受験番号の発表があり、同時に受験者に対し、郵送で合格・不合格通知が発送される。( 尚、第二次試験(実技試験)受験者に対しては、第一次試験(筆記試験)後その合否が記された、第二次試験受験票が郵送される)。

平成24年に行われた第24回介護福祉士国家試験の合格率は、63.9 %と最も高いものとなった。

介護福祉士とは[編集]

介護福祉士とは介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき入浴、排せつ、食事その他の介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう(社会福祉士及び介護福祉士法第二条二項)。名称独占の国家資格である。ただし、将来的には名称独占ではなく、業務独占への変更が行われるという動きもある[要出典]

介護福祉士資格取得について[編集]

介護福祉士資格取得については、社会福祉士及び介護福祉士法第三十九条によれば、

  1. 学校教育法第九十条第一項 の規定により大学に入学することができる者(この号の規定により文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項 の規定により当該大学に入学させた者を含む。)であつて、文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校又は厚生労働大臣の指定した養成施設において二年以上介護福祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
  2. 学校教育法 に基づく大学において文部科学省令・厚生労働省令で定める社会福祉に関する科目を修めて卒業した者その他その者に準ずる者として厚生労働省令で定める者であつて、文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校又は厚生労働大臣の指定した養成施設において一年以上介護福祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
  3. 学校教育法第九十条第一項 の規定により大学に入学することができる者(この号の厚生労働省令で定める学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項 の規定により当該大学に入学させた者を含む。)であつて、厚生労働省令で定める学校又は養成所を卒業した後、文部科学大臣及び厚生労働大臣の指定した学校又は厚生労働大臣の指定した養成施設において一年以上介護福祉士として必要な知識及び技能を修得したもの
  4. 介護福祉士試験に合格した者

とある。 1.~4.に該当する者は登録すれば介護福祉士資格を取得することができる。

但し『介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律』による『社会福祉士及び介護福祉士法』改正の為、平成27年度(第28回)国家試験から厚生労働大臣が指定する養成施設を修了し名簿登録すれば資格が取得出来る方法が廃止され、介護の実務経験3年の者は600時間以上の実務者研修を受講することが義務づけられ、介護福祉士資格取得を希望する全ての者に筆記試験(マークシート形式)は受験しなければならないこととなっている(実技試験は免除事項あり)。

受験機会の拡大を行うよう総務省が斡旋[編集]

現在、介護福祉士国家試験の実施は年1回である。これに対し、総務省行政評価局が、「介護福祉士の確保・育成を推進する観点から、介護福祉士国家試験について、試験の実施回数や試験実施都道府県数を増やすなど受験機会の拡大について検討することが必要」(2007年8月6日「介護福祉士国家試験の受験機会の拡大」)との内容を厚生労働省に対し斡旋した。

この総務省の斡旋に対し厚生労働省は、筆記試験の試験地は、平成19年に埼玉県、千葉県、神奈川県、新潟県、京都府、兵庫県、岡山県、平成21年に岩手県、岐阜県、愛媛県、熊本県、平成24年に静岡県、高知県、長崎県、大分県が追加され、平成25年から秋田県、宮崎県の2県を追加するものの、試験回数については、未だに改善が行われず、総務省の斡旋は放置(事実上無視)された状態となっている。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]