スクーリング

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スクーリング(schooling)とは、「学校という場で学ぶこと」を原義とするが、学校教育場面で言う場合は、通信教育によって学んでいる人が、教室で教員と直接対面して授業(講義、演習、実験・実習・実技)を受けることをいう。

概要[編集]

日本において「スクーリング」は、高等学校通信教育高等学校通信制の課程など)における面接指導(めんせつしどう)や大学通信教育における面接授業(めんせつじゅぎょう)を包括した概念と考えられることが多い。

受講料[編集]

一般的には、授業料とは別にスクーリング受講料が請求される(科目等履修生の形態でも、科目等履修料とスクーリング料は別になることが多い)。放送大学の場合は、各学習センターで行われる「面接授業」のみがスクーリングに相当するが、こちらは、面接授業の科目ごとに請求がなされるが、受講料が別途請求されることはない(ただし、「放送授業・印刷授業」とは異なり、テキストは別途購入する必要が発生するケースもある)。

地方スクーリング[編集]

学校の校舎まで行けなくても、東京関西の大都市圏にある学校を中心に、教員が地方の主要都市まで出向いて(あるいは、スクーリング会場近隣の現地の大学を本務とし、通信制大学では非常勤講師兼任講師の肩書というケースもある)、大手予備校の教室や地元の生涯学習センターの会議室などを借りて、出張してスクーリング(面接授業)をしているケースも多い(地方スクーリング)。

また、高等学校通信制の課程においては、通信制の課程をおいている学校と協力する各地の高等学校(協力校)がスクーリング(面接指導)を行うことも多い(協力校スクーリング、たとえば、広域通信制高等学校であるNHK学園高等学校など)。また、単位認定に必要な試験も、その地域で行われるスクーリングと同様にして行われていることが多い。

協力校スクーリングは、大学の通信制教育でも行われている例がある(いわゆる、単位互換制度などを採用するケースなど)。

インターネット講義[編集]

2007年、すべての授業をインターネットを通じて行うサイバー大学が開校したように、インターネットを利用する高等学校通信教育大学通信教育が現実のものになりつつある現在では、直接教室で向かい合っての教育機会も変わっていくことを余儀なくされることになるとも考えられている。
反面、通信制高校や大学通信教育で教職課程を受講する場合においては、体育等の実技や教職実践演習等の演習、学級活動・ホームルーム活動、課外活動において、向かい合って教育する機会が貴重であることは変わりないものと思われる。

ちなみに大学通信教育において「メディアを利用して行う授業」(メディア授業)は、法令上面接授業(スクーリング)と同等に卒業の要件に含まれている。これにより印刷授業等と併せて、卒業の要件として修得すべき単位数(124単位のうち30単位以上)をメディア授業により修得することで、当該授業を行う教室に一切出席をせずに卒業することができる大学も増えてきている。一方でメディア授業を、一定単位数内でしか卒業に必要なスクーリング単位として認めない大学もある。

放送授業(いわゆるビデオスクーリング)の場合は、法令上、10単位までに制限されている。このため、メディア授業の単位数を制限する場合は、ビデオスクーリングの規準に準じて行われる場合もある。また、著作権上の理由により、本来はメディア授業であるはずの科目が、ビデオスクーリング扱いとされる科目を設置する場合もある。

因みに、放送大学の場合は、各学習センターでの対面講義にあたる「面接授業」のみが、厳密な意味での「スクーリング」に相当し、それ以外は「放送授業・印刷授業」(すべて、1科目2単位で開講)に相当する。このため、一般的に通信制大学卒業に必要なスクーリング単位の30単位以上のうち、「面接授業」を20科目分(すべて、1科目1単位で開講)受講し、一般の科目を10単位分(5科目)履修することで、30単位以上を満たすものと看做される(この為、「放送授業」をネット配信(ラジオ配信科目であれば、radikoを利用した場合も同様)で受講しても、「面接授業」の扱いとはならない)。

大学スクーリングの事例[編集]

東北福祉大学のスクーリング科目のように、単位数の半分相当分のみ講義(試験を含む)を行い、残りの相当分はスクーリングを受講しない場合と同じ内容のレポートの合格を以って単位合格とし、スクーリング受講単位としては、半分しか認定しないというケースもある(2単位の科目の場合は、スクーリングで1単位分履修したとみなされる。このため、レポート学習とスクーリングの併用という形となるため、「SR科目」と称している。レポートと科目修了試験で履修するケースは「R科目」となる)。このため、科目としては、単純計算で60単位以上相当分がスクーリングによる履修が必要となる(単純計算で60単位分の科目をスクーリング履修することで、スクーリング単位が30単位分修得とみなされるため。ただし、ごく少数存在する「S科目」の場合は、科目単位数がそのままスクーリング単位と同一であるため、これに限らないうえ、レポートの提出もない。また、「教育実習の事前事後指導」などの資格科目のような卒業要件にはカウントされない「SR科目」であっても、スクーリング受講単位としては卒業要件に含めることができるケースもある)。

この理由としては、1科目当たりのコマ数・日数を減らすことによって、スクーリングへの参加機会を増やすことで、積極的な参加を促している(期日としては、土日や月曜日を含む3連休、通学課程の夏季休業期間[1]などに、随時設定されている)ことなどがあるが、しかし、科目の半分相当部分は一般的なレポート学習となってしまうため、利害双方の側面がある。講義科目の場合は、2単位科目は2日間で6コマ(講義本体は1単位分相当であるため、スクーリング単位は1単位)、4単位の場合は3日間で12コマ(講義本体は2単位分相当であるため、スクーリング単位は2単位)が標準的な設定となされている。なお、同大のVTRスクーリング(放送授業の扱い)は、スクーリング単位としては10単位までしか卒業要件として認められない(1年次入学であっても、編入学であっても変動はないが、編入学生で以前の大学が通信制の場合は、これに限らない)。

パソコンを利用した「オンディマンドスクーリング」(いわゆる、メディア授業相当)の場合は、科目により、VTRスクーリングの扱いとなる場合もあるが、ほとんどの科目が、レポート提出とは別途、0.5コマ相当毎の講義視聴後の小テストの解答を行うことやコンテンツ内の掲示板への書き込みを利用することにより、一般のスクーリング(面接授業相当)として扱う場合が多い(試験は、在宅試験形式でワードファイル添付によるメール提出が基本。なお、別レポート対象となっていないレポート課題は、本来のレポートの提出が別途必要だが、別レポート自体は、原則オンディマンド上で解答する形で処理)。ただし、著作権上の理由などにより、一部の科目においては、会場での一部受講と会場試験を課している科目もある。

その他[編集]

また、特別支援学校では、訪問部の児童・生徒が登校する場合もスクーリングである。

日本レクリエーション協会の公認資格である、レクリエーション・コーディネータ福祉レクリエーション・ワーカ余暇開発士の取得には、土日3回のスクーリング参加と、通信教育方式によるレポート学習、および公認試験によって構成されている。ただし、上述の3資格の課程認定を受けている大学・専門学校で取得する場合は、スクーリングやレポート学習の方法については、必ずしも同一の方法をとるわけではない。

註釈[編集]

  1. ^ 主に、特別支援学校の一種免許状科目関連中心で、これは、現職の教職員が、勤務校の児童生徒の夏休み期間に受講できるように便宜を図る目的のため(「障害者教育実習の事前・事後指導」のスクーリングについては、この期間内に組み込まれたうえで、土日開講で固定されている)。社福士の指定科目関連の場合は、集中的なスクーリングの開講スケジュールでは、逆にスクーリング受講が、福祉現場職員の学生の場合は困難であるという事情があるため、土日か祝日を含めた3連休にほぼ固定されて設定される。ただし、心理学系科目については、これに限らない。

関連項目[編集]