きゅう師

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索
きゅう師
英名 Practitioner in moxibustion
実施国 日本の旗 日本
資格種類 国家資格
分野 医療・保健・福祉
試験形式 マークシート,実技試験
認定団体 厚生労働省
等級・称号 きゅう師
根拠法令 あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律
ウィキプロジェクト ウィキプロジェクト 資格
ウィキポータル ウィキポータル 資格
テンプレートを表示

きゆう師(きゆうし、: Moxibutionist)は、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」によるきゆう師国家試験に合格した者をいう。なお、「きゆう師」という正式名称は、大宝律令の<灸=きゆう>に由来する音が採用されたものであり、よく一般に記載される「きゅう師」は、厳密には間違い。はり師と、きゆう師の両資格取得者を一般的に鍼灸師というが、鍼灸師という名称は、現在の法制度上では存在しない。

概説[編集]

  • きゆう師は~主として(もぐさ=ヨモギの葉の産毛を陰干し・精製取得したもの)を、皮膚上で部位を選択して燃焼させることによって、病態に治療的介入をおこなう医療技術者である。皮膚上に選択される燃焼ポイントは、ツボと呼ばれるもので、病態を反映した反応を見せる点として、触診と望診により識別される。体表面に微小な火傷を作成する灸技法が、なぜ内科疾患に効力が見られるのか、詳細は未だ不明であるが、古来より、同様のツボを使用するが急性の疼痛病変に対する適用が主体であるのと比較して、慢性的な疾患には灸が選択されてきた歴史がある。現在でも慢性関節リウマチなど、自己免疫疾患に対する効果のエビデンスは多大なものが集積されており、健康保険の療養費申請に関して、「慢性関節リウマチ」が最も初期から健康保険適用が為されてきた疾患名であることからも、我が国において灸の活用がどのような疾患に対して為されてきたかが推測できる。古来経絡などに沿って流れるとされる「気血津液の流れ」を正常に戻すことによって身体の不調の調整を行うものと、説明されてきた。
  • きゅう業とは、東洋医学(経絡・経穴)に基づく艾や温熱での治療手段を言う。
  • 灸は、毎日または数日おきに反復して皮膚に微細な火傷を更新していく治療法である。きゆう師が施灸ポイントを指示(点灸という)し、患者自身が自分で施灸を行う形が歴史的にも一般的な方法である。
自己施灸は、かつては艾を撚り皮膚上に直に据えるのが主流であったが、今は既に成形された各種の灸製品(例として「せんねん灸」や棒灸など)を用いることが多くなりつつある。これら既製品は、艾の部位と皮膚との間に間隙が作成されており、輻射熱による刺激を行なうため、火傷のあとが付きにくい。現在では美容上の観点から多用されるが、効力としては、古来の直接灸に及ばないとされる。

*現在では、各種灸製品の代わりにレーザー光線を利用する例もあるが、一般的とは言えない。

法規[編集]

<業務について>

  • あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律に基づく資格。
  • きゆう師の灸の施術に関する医療行為に関しては、あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律(第1条)による、医師法(17条)に対する特別法で、施行を認められている。
  • 「きゆう師名簿」とは、厚生労働省に備えられている名簿で、医師でいうところの「医籍」に相当する。
  • きゆう師は、施術の報酬を健康保険の療養費として保険請求する場合には、医師の同意書を添付することが「推奨」されているが、必須ではない。(*ただ、この件に関しては、同意書の添付があることで保険者の支払いがスムーズに行くことが多く、慣例としてほとんどの場合添付されている。)往療する場合もきゅう師の判断で出来る。但し、医科との健康保険の併給は認められない。
  • ほとんどの免許者は「はり師」の免許を保持しており、「鍼灸師(現在の法制度上、この名称は存在しないが)」として業務を行なっている。
  • 勤務先は、鍼灸マッサージ院の他、整形外科医院やリハビリ科のある診療所医療機関、および東洋医学科などを設置した大学病院、病院、接骨、整骨院(所謂ほねつぎ)などが主体。

<資格者について>

現在は、厚生労働大臣の指定をうけた財団法人東洋療法研修試験財団がその事務を行っている。
  • 上で述べたとおり、その施術の特性からはり師と組み合わせて鍼灸師と呼称したり、はり師、あん摩マッサージ指圧師と組み合わせて鍼灸マッサージ師もしくは三療師と呼ぶ場合もある。、はり師、あん摩マッサージ指圧師、およびきゆう師は、それぞれ別々の国家資格であり、養成施設(専門学校や盲学校等)の課程により、取得できる免許の種類が異なる(以下、注1参照)。
  • あん摩マツサージ指圧師免許、はり師免許及びきゅう師の免許の取得者は、教育職員検定により特別支援学校自立教科助教諭の臨時免許状が与えられる(教育職員免許法施行規則第65条。臨時免許状取得者は定められた経験、単位修得により普通免許状が与えられる)。

きゆう師の養成[編集]

  •  現在のきゆう師養成は、以下の施設によりなされる。

<文科省管轄>

①鍼灸大学(4年制)・・・・・・・・国立1校、私立数校がある。
②鍼灸短期大学(3年制)
③特別支援学校(旧盲学校)理療科・・・視覚障害の術者はほとんどこちら出身。授業料は無料。

<厚労省管轄>

④鍼灸専門学校(3年制)・・・・・・全て私立。全国に81校存在する。ほとんどの晴眼免許者はこちら出身。


注1)養成施設毎の受験可能資格の詳細は以下。

① あんまマッサージ指圧師のみ取得可能な課程 = 盲学校保健理療科および指圧専門学校など
② はり・きゆう師のみ取得可能な課程 = 鍼灸専門学校専科および私立鍼灸大学
③ はり・きゆう・あんまマッサージ指圧師が取得可能な課程 = 盲学校の専攻科理療科、国立鍼灸大学および鍼灸専門学校の本科
  • きゆう師の養成を行う教員は、医師の他、きゆう師教員、理療科教員の資格取得者などとされている。


さらに詳細は、鍼灸養成施設を参照

関連団体[編集]

関連項目[編集]

備考

異なるもの

外部リンク[編集]