医師国家試験
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医師国家試験(いしこっかしけん)とは、国家資格の一つである医師免許を取得するための国家試験。毎年2月中旬ごろに施行され、その規定は医師法第9〜16条に定められている。
医学部入試の競争率が高い一方で、医師国家試験の合格率は殆どの大学医学部で90パーセント前後と、司法試験など他の国家資格のそれよりも高くなっているが、その理由として医師国家試験は「医学の正規の過程を修めて卒業すること」が受験の前提条件とされているためである。つまり、医学部入試に合格した後、最終学年(第6学年)にまで進級し、さらに卒業試験に合格して医学部を卒業するまでの一連の過程が必須となっており、結果的に医師国家試験にほぼ合格できる知識を具有していると見なされた者だけが受験できるため、必ずしも試験自体が容易であるということにはならない。
なお、医師国家試験合格率は、時に大学の評価に関係することがあるため、近年ではカリキュラムの一部に医師国家試験予備校の授業や模擬試験を採用するなどの対策を講じている医学部も少なくない。
目次 |
沿革 [編集]
- 1946年、医師実地修練制度に基づき、第一回医師国家試験が行われる。
- 1984年まで春・秋年二回行われていたが1985年から春の年一回となる。
- 1993年より出題科目指定がなくなり、出題科目を全科とした総合問題形式となる。
- 2001年より出題数が550問(のち530問)9ブロック(うち50問(のち30問)は試行問題)になり、試験日程が3日間となる。
- 2004年までは毎年3月に行っていたが、2005年より臨床研修義務化に伴い2月に行われる。
- 2007年、試行問題がなくなり、出題数が500問、8ブロックの出題となる。
- 2008年、必修の基本的事項、医学総論、医学各論のそれぞれの領域について、一般問題と臨床実地問題(長文形式含む)が同一ブロック内で出題されるようになり、3領域×3ブロック=9ブロックでの出題となる。
- 2009年、事前に予告されていた新出題形式のうち、多選択肢問題及び計算問題が採用される。一方、正解数を指定しない問題については出題されず。
また2001年-2005年までの問題、解答は非公表であったが、2005年11月11日に厚生労働省Web上にて公表となった。
受験資格 [編集]
医師法第11、12条の規定に基づく。
- 学校教育法に基づく大学において、医学の正規の課程(医学部医学科・6年制)を修めて卒業した者。
- 防衛医科大学校卒業生(防衛庁設置法第17条)。
- 医師国家試験予備試験に合格した者で、合格した後1年以上の診療及び公衆衛生に関する実地修練を経た者。
- 外国の医学校を卒業し、又は外国で医師免許を得た者であって、厚生労働大臣が上記の二つと同等以上の学力及び技能を有し、かつ、適当と認定した者。
- 沖縄の復帰に伴う厚生省関係法令の適用の特別措置等に関する政令第17条第1項の規定により、沖縄復帰前に琉球政府の医師法(1955年立法第74号)の規定による医師免許を受けたものとみなされる者であって、厚生労働大臣が認定した者。
なお、医師法に直接記載されていないが、試験実施年の3月中までに大学の医学正規課程を卒業する見込の者も、厚生労働省の告示に基づき受験資格を得る[1]。
試験内容 [編集]
出題基準 [編集]
厚生労働省より公示される試験内容は以下の通りのみ。
試験内容は上記の通りのみで、司法試験のように出題科目が限定されているのではなく、USMLEのような段階的でもなく、基礎医学・臨床医学・社会医学などすべての医学関連科目が出題範囲である。また、科目ごとの試験ではなく、すべての科目を取り混ぜた総合問題形式である。
それぞれの専門分野から選出された「医師国家試験委員」によって考案され出題される。4年に1度「医師国家試験出題基準」が出され、概ねそこに列挙された項目・疾患・症候等を基本として出題される。
試験構成 [編集]
各回が下記の内容で構成された計500問の選択肢問題で、A~Iブロックに分けて3日間の日程で実施される。
- 必修の基本的事項・一般問題
- 必修の基本的事項・臨床実地問題(長文形式含む)
- 医学総論・一般問題
- 医学総論・臨床実地問題(長文形式含む)
- 医学各論・一般問題
- 医学各論・臨床実地問題
問題冊子は全ブロックで問題文と別冊に分けられており、別冊には問題文が参照する検査画像や写真、図などが含まれる。また、マークシートは記入欄が縦並びと横並びのパターンが存在する。得点は一般問題を1点、臨床実地問題を3点として計算され、不適切問題の削除等の得点調整を経て、後述の合格基準をすべて満たした場合に合格となる。なお、各回の問題及びその正答例については、合格発表後の毎年4月頃に厚生労働省ホームページに掲載される。
合格の基準と合格率 [編集]
合格基準 [編集]
以下をすべて満たした者を合格とする(一般問題・臨床実地問題の基準については合格発表時に掲示される)。
- 一般問題(総論+各論):相対基準(例年65%前後で推移)
- 臨床実地問題(総論+各論):相対基準(例年60%台後半で推移)
- 必修問題(一般+臨床実地):8割(絶対基準)
- 禁忌肢の選択数:2問以下(絶対基準)
必修問題で採点除外などの調整がなされた場合は、採点対象の問題について8割以上の得点で合格となる(2006年からは、採点対象外となった問題が不正解だった場合のみ当該問題を採点から除外すると変更されたため、受験者により必修問題の満点は異なる)。また、禁忌肢の選択数は3問以下などに変更されることがある。
合格率 [編集]
医師国家試験の合格率をみてみると、第1~100回までの平均では84.2%であったが[2]、近年は80%台後半を推移している。
試験地 [編集]
北海道、宮城県、東京都、新潟県、愛知県、石川県、大阪府、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県の12都道府県で行われる。東京都には例年全受験者の3割以上の人数が集中するため、受験会場が2箇所設けられることが多い。
関連項目 [編集]
脚注 [編集]
- ^ 医師国家試験の施行について|厚生労働省厚生労働省公式サイト。2011年11月28日参照。
- ^ 第100回医師国家試験の合格発表について (PDF)(独立行政法人福祉医療機構)
外部リンク [編集]
- 医師国家試験の施行(厚生労働省資格試験案内)
- 厚生労働省医政局
- 厚生労働省 医師等資格確認検索 - 厚生労働省のデータベース。氏名と性別・医師と歯科医師の選択で医師免許資格確認が検索可能である。