セルフメディケーション

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治療法:
セルフメディケーション
ICD-9コード: {{{ICD9}}}
MeSH D012651
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セルフメディケーション(Self-medication、自己治療)とは、市民自身にて傷病・症候を判断し、医療製品を使用すること[1]。自分自身で健康を管理し、あるいは疾病を治療するセルフケアの一つである。

またこの語は精神医学の分野では、ストレス不安精神疾患心的外傷への対処のためレクレーション薬向精神薬アルコールコンフォードフードなどを摂取するといった文脈で用いられる[2][3][4]。その形態は人それぞれであり、嗜癖が形成されると身体的・精神的問題を引き起こすこととなる。

ぜんそく薬の自己吸引

概説[編集]

自分の健康に責任を持ち、それを管理することによって、過剰なまでに医療機関を受診してしまうことによる手間と費用を省くことができる。

政府の側からは、それによって政府予算の重荷となりつづけている保険医療費が抑制される効果も期待されている。

医師が足りず、いわゆる「3分間診療」や、医師の過労状態などに陥ってしまっている医療機関にとっては、セルフメディケーションによって来院する人が数が適切なレベルまで減ることで、本当に医療を必要としている人に医師のマンパワーや医療資源をまわすことができる[5]

健康維持のため、あるいは軽度の不調から回復する助けとするための市販薬サプリメント薬草等に関する知識を自力で得る方法としては、適宜、図書館等を活用してまっとうな薬剤師が書いた書籍を読んだり、あるいはインターネット上で薬剤師が無料で公開している情報などを読むことができる。それでも分からないことがある場合や疑問がある場合は、直接に薬剤師登録販売者に問い合わせて情報を得ることもできる。以前は病院で処方を書いてもらわなければ手に入れられなかった医薬品の中には、現在では処方箋なしで薬局で自力で購入できるようになっているもの(つまり市販薬となっているもの)もある。

具体例、詳細例[編集]

健康管理として、不足していると考えられる栄養素をサプリメントなどで補う。

軽い症状の緩和や予防に自己責任で、一般に売られている一般用医薬品を使用して治療する。たとえば水虫になった時に自分で薬局で買った薬を塗るなど。

利点[編集]

  • 日常的な健康管理へと繋がる。
  • 医療機関利用のための手間と費用を省くことができる。
  • 医療保険費を抑制できる。
  • 医療機関に対する過負荷(医師の過労、「3分間診療」など)を軽減できる。
  • 医療機関に近づくことでかえって他の患者のウィルスなどに感染しまうリスクなども減らせる。

注意点[編集]

  • 自分の健康状態には自分で責任を持つ、という自覚が必要。
  • 生活習慣や食習慣が健康維持の基本であるので、医薬品に頼り切るような発想から抜け出す必要がある。
  • 医学・薬学的知識も必要となる場合があるので、それなりに学習する努力は必要。
  • 一部に高価なサプリメントなどもあるため、費用については注意が必要
  • 効果の証明されていない健康食品を販売する業者や、一部に悪徳な事業者もある。
  • 不十分・誤った知識によるセルフメディケーションは悪い結果となる可能性がある。
  • 医療機関を避けることにより、重大な疾患などの発覚が遅れる可能性がある。

精神医学[編集]

メカニズム[編集]

精神疾患をもつ患者は、自身の病気をある種の薬物服用によって自己治療しようとする傾向がある。うつ病患者は、よくアルコールタバコ大麻、ほか向精神作用を持つ薬物によって自己治療を行っている[7]。これらの薬物は短期間には不安などを収めるが、しかしこれは既存の精神疾患と同様の症状を引きおこし、また悪化させることとなり[8]、かつ嗜癖依存を引き起こし、長期利用によってその他の副作用を起こすとされる。

心的外傷後ストレス障害患者はよくセルフメディケーションを行うと知られており、心的外傷に苦しむが診断を受けていない人々も同様である[9]

効果[編集]

アルコールベンゾジアゼピンによる長期間のセルフメディケーションは、多くは不安抑うつを悪化させる。これは長期間の薬物利用により脳の化学構造が変化するためとされている[10][11][12][13][14]パニック障害社交不安障害などの不安障害で精神保健サービスを受給している患者のおおよそ半数は、アルコール依存症またはベンゾジアゼピン依存症であった[15]。アルコールやベンゾジアゼピンは既存の不安を持続させ、徐々に悪化させる。

脚注[編集]

  1. ^ Guidelines for the Regulatory Assessment of Medicinal Products for Use in Self-Medication (Report). WHO. (2000). p. 9. WHO/EDM/QSM/00.1. http://apps.who.int/medicinedocs/en/d/Js2218e/. 
  2. ^ Kirstin Murray (2010年11月10日). “Distressed doctors pushed to the limit”. Australian Broadcasting Corporation. 2011年3月27日閲覧。
  3. ^ Dr Vivek Benegal (2010年10月12日). “Addicted to alcohol? Here's why”. India Today. 2011年3月27日閲覧。
  4. ^ Howard Altman (2010年10月10日). “Military suicide rates surge”. Tampa Bay Online. 2011年3月27日閲覧。
  5. ^ セルフメディケーションによって、一種のトリアージュが行われることになる。
  6. ^ Headaches (CG150) (Report). 英国国立医療技術評価機構. (2012-09). http://www.nice.org.uk/CG150. 
  7. ^ Self-Medication With Alcohol and Drugs by Persons With Severe Mental Illness
  8. ^ Mental Illness: The Challenge Of Dual Diagnosis
  9. ^ Post Traumatic Stress Disorder
  10. ^ Professor C Heather Ashton (1987). "Benzodiazepine Withdrawal: Outcome in 50 Patients". British Journal of Addiction 82: 655–671. 
  11. ^ Michelini S; Cassano GB; Frare F; Perugi G (July 1996). "Long-term use of benzodiazepines: tolerance, dependence and clinical problems in anxiety and mood disorders". Pharmacopsychiatry 29 (4): 127–34. doi:10.1055/s-2007-979558. PMID 8858711. 
  12. ^ Wetterling T; Junghanns K (Dec 2000). "Psychopathology of alcoholics during withdrawal and early abstinence". Eur Psychiatry 15 (8): 483–8. doi:10.1016/S0924-9338(00)00519-8. PMID 11175926. 
  13. ^ Cowley DS (Jan 1, 1992). "Alcohol abuse, substance abuse, and panic disorder". Am J Med 92 (1A): 41S–8S. doi:10.1016/0002-9343(92)90136-Y. PMID 1346485. 
  14. ^ Cosci F; Schruers KR; Abrams K; Griez EJ (Jun 2007). "Alcohol use disorders and panic disorder: a review of the evidence of a direct relationship". J Clin Psychiatry 68 (6): 874–80. doi:10.4088/JCP.v68n0608. PMID 17592911. 
  15. ^ Cohen SI (February 1995). "Alcohol and benzodiazepines generate anxiety, panic and phobias". J R Soc Med 88 (2): 73–7. PMC 1295099. PMID 7769598. 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]