出稼ぎ

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出稼ぎ(でかせぎ、スペイン語: Dekasegiポルトガル語: Decasségui)とは、所得の低い地域や就職先の少ない地域に在住する者が、単身で所得が高く就職先も多い地域で就労すること。公文書では「出かせぎ」と表記されている(平成22年の国政調査票の添付書類より)。

概要[編集]

日本における出稼ぎ[編集]

日本において出稼ぎは近代の昭和戦前期や昭和戦後の高度成長期1970年代まで)に顕著で、主に東北地方北陸・信越地方などの寒冷地方の農民が、冬季などの農閑期に都市部や首都圏の建設現場などに働き口を求めて出稼ぎして来ることが多かった。

一方で、昭和戦前期には農村や山村などにおいて他村から製炭などに従事する労働力を受け入れることもあった。

出稼ぎ者の所得確保の一方で、高度成長による多大な需要から労働者不足に悩む都市部への重要な労働力供給源となった。

雪国出身の田中角栄が首相となり、出稼ぎがなくとも雪国でも暮らせるようにと、日本列島改造論を唱え、全国での公共事業が増え、次第に出稼ぎの数は減っていった。

昭和には、出稼ぎを題材にした映画や楽曲が多数作られた。(ああ野麦峠吉幾三津軽平野など)

また、就職先の少ない地方に在住する若者が、大都市の専門学校大学への入学、もしくは就職のために上京することも広義では出稼ぎの範疇に入る。1960年代までは工場や中小企業などへの集団就職のために上京というケースが多かったものの、近年は都会の華やかな生活や自由な雰囲気、豊富な就職先に憧れて上京するケースが殆どである。

季節工としてメーカーに働きに行く者も未だに存在するが、メーカー側が近年は人材派遣業に労働力を求めるケースが増えており、給与はかつて程高くない。また、2000年以降は本来の定義にある出稼ぎをする人はほとんどいない。昨今では出稼ぎという言葉自体が死語となりつつある。

かつて米国や中国に家政婦売春婦として出稼ぎに行く女性もおり、特に中国へ行く女性は「唐ゆきさん(からゆきさん)」と呼ばれた。

外国からの出稼ぎ[編集]

近年では中国韓国フィリピンブラジルペルーパキスタンなどの開発途上国中進国からの出稼ぎ者が多い(ニューカマー)。また、アメリカカナダオーストラリアなどの先進国とされる国々から、英語教師やホステス露天商として出稼ぎに来る例も近年目立っている。

関連項目[編集]