インターネットカフェ

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世界最初のインターネットカフェのひとつ

インターネットカフェ:Internet café)は、有料でインターネットにアクセスできるパソコンを利用できる施設のことである。欧米ではサイバーカフェとも言い、日本ではネットカフェネカフェネット喫茶等、様々な略称でも呼ばれる。

目次

[編集] 概要

近年増加するインターネットカフェ店舗例(日本・東京都豊島区)

日本では、2001年以降からパソコン本体価格の低価格化・導入の費用コストの低減、規制緩和によるADSLモデム売切り制導入の開始[1]電気通信事業者のみ取付工事が許されていたモデム取り付けが個人による設置が可能になったことで煩雑さが解消され、インターネット常時接続ADSL)を定額料金で利用できる環境が整い・普及した。これらの要素により漫画喫茶の付属設備のひとつとしてインターネットが利用できるパソコンの導入が進められた。

自宅にパソコンを所有しない(あるいは故障中などで使用できない場合)、あるいはネット常時接続環境を導入していない、または旅行中や外出中の人々が気軽にネット環境が利用でき、オンラインゲーム対応パソコンの導入により従来の漫画喫茶のマンガ単行本・雑誌と並ぶ集客のコンテンツとして人気が定着、新規ビジネスとして漫画とインターネットを複合化させたインターネットカフェのチェーン展開が多くの企業で展開された。消費者ニーズの高まりを受けて大都市を中心とした出店から地方都市への出店が加速し、インターネットカフェはアミューズメント施設として一般的に認知された存在であった。

後述の諸問題から先進国では旧来のカフェスタイルの営業は姿を消しつつあるが、発展途上国ではパソコンや通信料金が依然として高価なため、インターネットカフェを通じてウェブに接続する場合が多く、インターネットの普及を支えていると言われている。現在では最貧国や強い言論統制が行われている国でなければ、途上国の都市部においては多くのインターネットカフェが見られる。また、途上国のインターネットカフェの特徴として、IP電話を利用した電話サービスを主要サービスとして掲げていることも多く、特に国際電話は格安で利用できるため、旅行者の利用価値も高い。ただし、多くの店舗は公然と営業していても、国によってはIP電話は非合法の場合もあり、注意が必要である。

韓国ではPC房(PCバン、PC部屋の意)、台湾では網咖(ワンカー、ネット[網路]カフェ[咖啡店]の略)、中国では网吧(Wǎng Bā)と呼ばれており、韓国・台湾・中国などでは若者によるネットゲームへの参加は、むしろ自宅などよりネットカフェで盛んである。一方、北朝鮮にもネットカフェは存在するが、利用料金が高く、多くの一般市民が利用できないと言われる。

[編集] 日本

[編集] 店舗の特徴・利用方法

長時間滞在する場合にはパック料金が適用されて割安となる店舗が多い。自動的にパック料金が適用される店舗もあれば、入店時に申告が必要な店舗もある。漫画喫茶などと複合化された店舗や、深夜サービスを行っている店舗も多い。主な利用者は若い男女や壮年男性など。仕事や娯楽、趣味でインターネットを利用するほか、待ち合わせや時間つぶしにも使われる。

手軽に利用できるインターネットへの常時接続環境(ADSLや光回線など)を自宅などに持たない人や、旅行・出張中の人が、電子メールの確認やウェブページの閲覧、文書作成を行うのによく用いられる。備え付けのテレビやラジオしか電源が使えないカプセルホテルよりも、値段がほぼ同じでインターネットが使え、一部ではテレビ・漫画・雑誌が見られ、ゲームが出来、ドリンクが飲み放題のインターネットカフェのほうが便利なため、カプセルホテル代わりに利用するビジネスマンや個人旅行客(特に都市部で就職活動を行う地方の大学生など、宿泊費などの旅費を極限まで節減したい場合[2])もいる。

  • ただし、深夜(終夜)営業を行っていない店舗の場合はこのような利用はできない。またカプセルホテルと異なりベッドの設置が出来ないため、純粋に宿泊目的であればカプセルホテルの方が快適である[3]。ただし、カプセルホテルは旅館業法に基づいた宿泊料金を請求される。

中には、半ば定住状態になっている日雇い労働者(いわゆるネットカフェ難民)、家出の少年少女もおり問題にもなっている。また、不特定多数が出入りするという環境のため、不正アクセスやネット詐欺などの犯罪利用されたこともある。ネット犯罪や店内備品の万引き対策のため、入店時や会員登録時に本人確認を行うインターネットカフェも増えている。 入店時に身分証明書提示を求める店もある。店によっては写真入りのものを要求するところもあるし、金融機関のキャッシュカードクレジットカード、病院の診察券程度のものでもよいという店もある。この要求レベルは、主に条例の規制強度や店舗により左右され、公的身分証明書の提出が必須の地域や店舗もある。

使用する座席(パソコン)を指定できる・店側から指定される店と、座席を指定せずに空いているパソコンを自由に使用してよいオープン席の店がある。禁煙席と喫煙席に分かれていることが多い。なお、神奈川県では受動喫煙防止条例が施行されたため、全室禁煙もしくは完全分煙となっている。

店舗によっては客席のLAN端子を利用客に開放したり、無線LANのアクセスポイントを設けたりして、利用客のノートパソコン携帯情報端末 (PDAやスマートフォンなど)、携帯ゲーム機などの持ち込み使用に対応する事例があるが、それらの店舗は少ない。無線LANの場合は店側が独自のアクセスポイントを設置する場合と、店が特定の公衆無線LANサービスと契約してアクセスポイントを設置する場合がある。

地方からの就活生に対しては、業界団体がビジネスチャンスとして対応を強化することを検討しているという[2]

[編集] 主なフロア-客席の一例

一般的な個室席の様子(東京)

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)により、面積5以下の個室席を設置する場合は都道府県公安委員会への届け出が義務づけられている。

シングル個室席
近年の主力で、フロアー客席の主流を占める形式。オープン席のような隣席の視線を気にせず利用できることからプライバシーを気にする利用者は個室席を利用する場合が多い。なお、は施錠できないようになっている。また、条例や自主規制などにより未成年者(18歳未満の者)への個室席の提供が出来ない店舗もある。
ハイスペック席
基本はシングル席と同じだが、高い性能を要求されることが多いオンラインゲームユーザー等のために高性能パソコンを設置している。このため、オンラインゲームにおけるネットカフェ限定特典・イベントが設定されている場合もある。
ペア席
男女2人あるいは女性2人で使用することを想定した席。もちろん男性2人でも利用可能で、店舗によってはシングルユースで利用できる。日本では2006年の改正風営法により、密室の個室扱いに近いカップル席は同法の解釈に触れることになり、「カップル席の内部が見えない密閉型扉を撤去しないと風俗営業としての届け出が義務となり、原則深夜0時までの営業」 と、規制を受けるため警視庁から指導を受けた業界団体・日本複合カフェ協会加盟店舗では、カップル席の中が見通せない密閉型扉は撤去、順次ウェスタン扉などの開放型扉、窓が付けられ室内が見通せる扉に変更された。都道府県によっては、条例などの規制により扉そのものの設置が出来ないところもある。また、2人同時にネットができるよう、1室にパソコンが2台設置されている場合がある。
フラット席
お座敷のように平坦な席。靴を脱いで上がる。寝転がったり、足を伸ばしてくつろぐことができる。割増料金を徴収するチェーン、通常料金で利用可能のチェーンがある。
ナイトパックを使用して就寝する人に人気がある。
一般的なオープン席の様子(中国・麗江市
リクライニング席
背中を倒したりしてくつろげる。割増料金を徴収するチェーン、通常料金で利用可能のチェーンがある。
マッサージ席
本格的なマッサージチェアーが利用できる。割増料金を徴収するチェーン、通常料金で利用可能のチェーンがある。
リビングルーム
3人以上のグループで利用する場合には便利な大部屋。
オープン席
日本では近年の個室席人気に押されて、PCを置いたオープン席は減少した[要検証]が漫画を読むスペースとして、オープン席を確保している店舗が多い。条例によっては、18歳未満の者の利用はオープン席に限られる地域もあり、そのような地域ではオープン席が一定数は確保されている。また、オンラインゲーマー向けに、ハイスペックオープン席が設置されている店舗もある。他の席より割安なことが多い。

[編集] インターネットカフェの諸問題

店舗の構造上、死角が多く、置き引きや盗難が発生することもある。盗難の被害に対して、店に保証・賠償の責務はない。インターネットカフェチェーン店舗の受付カウンターなどには、注意事項として「貴重品類はすべて自己責任で管理すること」等が掲示されている。

料金が前払いの場合は、使用した後そのまま退席しても構わないが、パソコンを再起動させて使用履歴を消してから退席することが推奨される。2003年にはインターネットカフェのパソコンに不正にインストールされたキーロガーによりパソコンに入力したパスワードが漏洩する事件[4]が発生するなどしたため、利用者が自由にソフトウエアのインストールや設定の変更をできないように、ネットカフェのパソコンのアカウントの設定を「標準ユーザーアカウント」に変更することとなった。その後、パソコン管理のソフトウエアが新たに開発され、再起動させると利用者がインストールしたソフトウェア、インターネット閲覧履歴が消去されるハードディスク初期設定復元ソフトウェアが急速にインターネットカフェ各チェーンに導入されるきっかけとなった。銀行証券口座のネット取引や、メールやISP等へアクセスするためのパスワード、クレジットカード情報など重要情報の入力はインターネットカフェでの利用は避けるか、やむを得ず利用する場合は使用前にはパソコン再起動・利用後にも再起動を実施することでリスク回避にはなる。

自宅のブロードバンドのように回線やプロバイダの契約が不要で、不特定多数が利用することから、後から利用者を特定することは難しいため、ネット詐欺などの犯罪行為に利用されたこともある。また、掲示板に個人や企業への誹謗中傷や、犯罪予告を書き込むなどの問題も発生している。このため、掲示板サイトへの書き込みを店側が規制していたり、逆にサイト側から規制されていることもある。また、コンピュータウイルスの放流や、メールボムDoS攻撃などの攻撃ソフトの利用などの可能性もあり、ファイル交換ソフトの利用で回線の帯域を占領されるケースもあるため、外部から持ち込まれたソフトウエアの使用が規制されることも多い。なお、「表現の自由」を逸脱した誹謗中傷行為に対しては、携帯電話や自宅のパソコンだけではなくインターネットカフェでの書き込みに対しても名誉毀損罪での立件が検討されている[5]

さらに、衛生面についても一部の店舗において問題になっている。特に、24時間営業型のインターネットカフェについては、空気の総入れ替えのような大掛かりな掃除が難しいこと、さらにはビルの一室といった閉鎖的空間に、大量の人間が長時間滞在するという状況が加わることによって、インフルエンザ結核といった感染症が蔓延する危険性が指摘されている。

火災地震などの緊急事態や、近年、激増して社会問題化している硫化水素自殺対策への遅れも懸念される[6]。店舗の構造からして、共同トイレやシャワー室で火災が発生したり同自殺が行われた場合、巻き添えを食う客が多いばかりでなく、生活苦・貧困に日常的に直面しているネットカフェ難民化した常連客にとって自殺を誘引する確率が高いという事情をもある。

[編集] 行政・警察による防犯目的の規制強化

大阪府では2006年から「改正青少年健全育成条例」が施行[7] され、身分証明書を提示させたり会員制とする等によって、未成年の深夜入店を禁止するという、行政と警察の指導による規制強化が実施されている。

東京都では、2010年3月に身分証明書の提示・確認義務を定めたインターネット端末利用営業の規制に関する条例が成立、同年7月1日から施行され、身分証コピーの収集による規制が強化され、 [8]業界団体「日本複合カフェ協会」の見解に同意する店舗において、会員制を取る店が大半となってきている[9]。 なお、身分証による本人確認を主張する意見がある一方、インターネットカフェが身分証のコピーを収集することは、個人情報流出の危険が伴うことから、防犯上の対策ならば、防犯カメラの設置による使用者の特定で十分であるという意見もある。[10] この意見によれば、インターネットカフェが採用する使用者特定の方法が、身分証確認によるものでも、防犯カメラの設置よるものであっても、為された犯罪を幇助したことに当たるかどうかというインターネットカフェが負う刑事上民事上の責任については、全く差が生じないからであるという。[11]また、インターネットカフェが幇助の責任を負うならば、共同不法行為による損害賠償は、共同不法行為を行った者の連帯債務となるのであるから、保管する身分証コピーによって使用者の住所・氏名を割り出せたとしても、使用者を割り出せない場合と同様に、インターネットカフェは賠償責任を負うことになるという主張もなされている。[12]刑事上の責任については、身分証による使用者特定方法を採用しないことは幇助罪に該当しないという自らの法的見解を刑事当局に対して明確に示すこと及び、一部の悪質な利用者について防犯カメラ映像とログを自主的に警察へ提供することによって、幇助罪の嫌疑は免れるという主張がなされている。[13]使用者特定による方法では、いわゆる「踏み台ソフト」を仕掛けられることによって、使用者が知らない間にバックグラウンドで不正な通信がなされることにより、冤罪に問われる危険性もある。貧困者を使った違法なアルバイトとして犯罪が行われる場合もあり、使用者特定による防犯には限界がある。 [14]

使用者特定の強化による防犯ではなく、アクセス内容の規制による方法も試みられている。鳥取県では2008年4月1日から「改正青少年健全育成条例[15]」、広島市では2008年7月1日から「青少年と電子メディアとの健全な関係づくりに関する条例[16]」が施行され、18歳未満の者(ただし、利用者の年齢を確認できない場合は全ての利用者)が、インターネットに接続できる端末設備を通じて有害情報を閲覧できないようにするため、フィルタリングソフトの導入が義務づけられており、違反した場合は罰則(鳥取県。改善命令に従わなかった場合は最高50万以下の罰金)または事業者名の公表(広島市)がある。

店舗内の構造に対する規制強化も進められている。2008年5月21日、業界団体「日本複合カフェ協会」は一部の加盟店舗が、室内の見通しを悪くしない事という店舗運営ガイドラインを遵守していなかったとして書類送検[17]されたことを受け、広島市内で緊急集会が開催され、ガイドラインを遵守するよう声明文が出されている。

2010年3月に東京都議会で、身分証明書の提示・確認義務を定めたインターネット端末利用営業の規制に関する条例が成立、同年7月1日から施行されたことを受け、以下の影響が発生している。

  • 事業撤退し、他店舗へ[18]
  • 漫画喫茶への転換
  • 一部のパソコンを撤去し、非会員にも開放
  • 個室をオープン化し、非会員にも開放

[編集] 関連項目

[編集] 出典・脚注

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  1. ^ モデムの売切り制導入 総務省2001年1月30日プレスリリース
  2. ^ a b ネットカフェで節約…地方学生、苦肉の就活拠点読売新聞サイト、2010年3月27日
  3. ^ 近年、フラット(畳)タイプのブースも増えてきているので、ベッドの代用とまでは言えないが完全に横になって就寝する事も出来る。店舗によってはブランケットの貸し出しも行っている。
  4. ^ ネットバンクで1600万円が突然消える 2003年4月8日 日経パソコン
  5. ^ 2009年2月21日 読売新聞
  6. ^ 2010年3月にネットカフェで硫化水素自殺が発生した。[1]
  7. ^ (改正)大阪府青少年健全育成条例-会員制について
  8. ^ 東京都青少年の健全な育成に関する条例-第16条
  9. ^ 日本複合カフェ協会では、店舗運営ガイドラインに「会員制度の採用の努力義務」が盛り込まれている。そのため、同協会加盟(浜松店を除く)で非会員制がほとんどだったメディアカフェポパイサンコーよしみつあらきタイムスカキタ・フューチャーマーケティング・堀川商事・信用産業・ファーストネット(同社のみ非加盟)の9社が運営)も2008年4月(広島県などは3月から先行実施)から一部の店舗を除き順次会員制に転換した。但し、まんがランドのように非会員制、身分証明書提示不要を一貫して採用する店舗もある。
  10. ^ 自由で安全なネットカフェ協議会
  11. ^ 自由で安全なネットカフェ協議会
  12. ^ 自由で安全なネットカフェ協議会
  13. ^ 自由で安全なネットカフェ協議会
  14. ^ ネット犯罪研究白書
  15. ^ 鳥取県青少年健全育成条例
  16. ^ 青少年と電子メディアとの健全な関係づくりに関する条例を制定しました
  17. ^ 2008年2月18日広島県警察及び広島中央警察署広島東警察署広島県公安委員会の許可を得ずに店内を見通し悪く間仕切りして面積5m2以下の個室を設置し、飲食を提供していたとして、広島市中区メディアカフェポパイ2店舗(本通店・えびす通り店)及び運営企業のサンコー風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律違反(区画席飲食店の無許可営業)で捜索した。これまでにも広島県警察は2回にわたり、店内の設備や営業内容を見直すようサンコーに指導したが、改善されなかったため全国初の捜索に踏み切った。5月15日、サンコー及び社長と店長ら関係者を広島区検察庁書類送検した。
  18. ^ 気分転換によると、「システム導入に1000万円かかる」と言うことで事業撤退をしたとのこと。 出典:日刊スポーツ 2010年3月27日付
  19. ^ ネットカフェ難民漂流する貧困者たち日本テレビ NNNドキュメント07 過去の放送記録→1月→2007年1月28日放送

[編集] 外部リンク

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