道の駅

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道の駅の登録証(道の駅みくに

道の駅(みちのえき)は、国土交通省(制度開始時は建設省)により登録された、休憩施設と地域振興施設が一体となった道路施設。道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域の人々のための「情報発信機能」、道の駅を核としてその地域の町同士が連携する「地域の連携機能」という3つの機能を併せ持つ。2014年4月4日付で、全国に1,030箇所登録されている[1]。個々の道の駅については道の駅一覧を参照。

「道の駅」は「鉄道の駅」との対比をなす言葉であるが、もともとは街道沿いにある宿場を指す言葉だった。

概要[編集]

従来高速道路には24時間自由に利用できる休憩所であるサービスエリア (SA) やパーキングエリア (PA) が整備されているのに対し、一般道の公的な休憩所はほとんど存在しなかった。民間経営によるレストラン売店を併設したドライブインが休憩所の役目を持っていたものの、実質的にはレストランや売店の利用者に限られており、24時間自由に利用できる物ではなかった。

やがてモータリゼーションの進展で長距離ドライブをすることが増え、高速道路のSA・PAのように、一般道路にも誰もが24時間自由に利用できる休憩施設が求められるようになった。またこれらの施設では、道路利用者に対してその地域の文化・名所・特産物などを活用したサービスを提供することが望まれている。さらに鉄道駅のようにそれぞれの地域の核となり、道路を介した地域連携が促進されるなどの効果も期待される。このような背景の下に「道の駅」の制度が創設された。

省庁の壁を超え、地域振興施設の整備促進を併せて行うことで、一般道路に休憩施設をより充実させることが目的となっている。このため、旭川紋別自動車道しらたき」、能登有料道路高松」、播但連絡道路フレッシュあさご」、山陰自動車道青谷羽合道路)「はわい」などのように、自動車専用道路のSA・PAを休憩施設として登録したケースでも、別途一般道からの連絡・利用が可能になっている。

主に地方の幹線道路(国道主要地方道)から整備が開始され、東京など大都市周辺には道の駅は存在しなかった。2007年4月、八王子市東京都初の道の駅(八王子滝山)が開設されたことにより、47都道府県すべてに道の駅が設置された。

道の駅の設置間隔については、高速道路のSA・PAのような明確な基準は設けられていないが、おおむね10km程度の間隔があるように計画されている。なお、間隔が10km以下となる申請があった場合は、特徴の違いによる棲み分け、交通量の状況、地域の実情などを総合的に判断して決定する。

2014年4月1日には道路標識、区画線及び道路標示に関する命令が改正され、道の駅への案内標識が初めて正式に定められた[2]

北海道には、鉄道の廃止路線の駅跡に、道の駅が設置されることが多い。ステラ☆ほんべつ道の駅あしょろ銀河ホール21道の駅あいおいなど9箇所ある。

道の駅やすの案内標識

施設[編集]

道の駅は、24時間利用可能な一定数の駐車スペーストイレ、24時間利用可能な電話、情報提供施設を備えた施設であることが登録の条件となっている[3]。また、多くの場合、道路や地域の情報を提供する案内人が置かれ、その他、その地域の自主的工夫のなされた施設が設置され、その地域の文化・名所・特産物などを活用した農産物直売所売店レストランなどのサービスが提供されている。なお、わずかだが、冬期は積雪などのため閉鎖される道の駅がある。

平成16年10月に発生した新潟県中越地震を契機に防災拠点機能が追加されている。主な機能としては、断水時でも使用可能なトイレ、非常食・飲料水の備蓄、停電時の非常用電源の確保等がある。

道の駅は、道路管理者の国(地方整備局)や都道府県が基本的な施設である駐車場やトイレを整備し、市町村、またはそれに代わり得る公的な団体(ほとんどは第三セクター)が地域側施設を設置する形が取られる。

発祥[編集]

道の駅大栄の石碑。103箇所ある「第1号」のひとつ。
道の駅豊栄の石碑

現在の「道の駅」の制度のうえでは、1993年4月22日に正式登録された全国103箇所の施設が「第1号」である。

道の駅の設置構想は、1990年1月に広島市で行われた「中国・地域づくり交流会」の会合での提案から始まったもので、1991年10月から翌年7月にかけて山口県岐阜県栃木県の計12か所に「道の駅」の社会実験が行われた[4]。これらの施設は実験段階から既に「道の駅」の看板を掲げていた[5]

正式化前に社会実験として設置された道の駅[6]
山口県
(2か所)
阿武町 沢松海岸(現 道の駅阿武町 3,000m2
田万川町(現 萩市 市味地区 1,600m2
岐阜県
(7か所)
古川町(現 飛騨市 グローブル株式会社用地 1,000m2
国府町(現 高山市 広瀬町諏訪ノ前農協用地 2,717m2
丹生川村(現 高山市 国道158号・緑化センター(役場裏・農協スタンド) 2,200m2
久々野町(現 高山市 女男滝公園(公園全体) 6,000m2
下呂町(現 下呂市 下呂トンネル南交差点・黒木医院前 2,117m2
加子母村(現 中津川市 ゆうらく館 1,200m2
付知町(現 中津川市 花街道センター(現 道の駅花街道付知 6,000m2
栃木県
(3か所)
河内町(現 宇都宮市 下岡本 1,000m2
上三川町 日産自動車前(拡幅予定地) 2,950m2
南河内町(現 下野市 薬師寺南交差点 2,000m2

このほか、「道の駅」実験以前の施設でもその発祥とされるものがある。

豊栄発祥説
1988年11月に、新潟県豊栄市(現・新潟市北区)の国道7号新新バイパス豊栄道路情報ターミナル(現道の駅豊栄)が旧建設省(現国土交通省)によって設置された。現在では道の駅発祥の地という石碑が建立されていることもあり、ここを発祥とする説がある。
掛合の里発祥説
ふるさと創生事業の一環で1990年3月に供用が開始された島根県雲南市(旧掛合町)にある掛合の里へ、先述の中国・地域づくり交流会が見学会を実施し、現在の道の駅の模範としたためこれが発祥であるという説がある。なお、掛合の里は設置当初はドライブインとして運用されていた。

登録設置状況[編集]

1993年4月22日に旧建設省と地方自治体の協力で全国で103箇所が登録されたのを皮切りに、以後その登録数は伸び続けている。2013年3月27日の9箇所の登録で、登録数は1000箇所を超えた。登録抹消となった事例は道の駅茶処 和束(京都府、2004年登録抹消)と道の駅山崎(兵庫県、2013年登録抹消)の2箇所である。

登録回 登録日 登録数 累計
第1回 1993年4月22日 103 103
第2回 1993年8月10日 1 104
第3回 1993年11月24日 11 115
第4回 1994年3月31日 7 122
第5回 1994年4月26日 33 155
第6回 1994年8月4日 20 175
第7回 1995年1月30日 6 181
第8回 1995年4月11日 34 215
第9回 1995年8月3日 18 233
第10回 1996年4月16日 52 285
第11回 1996年8月5日 28 313
第12回 1997年4月11日 53 366
第13回 1997年10月22日 24 390
第14回 1998年4月17日 80 470
第15回 1999年8月27日 81 551
第16回 2000年8月18日 59 610
第17回 2001年8月21日 39 649
第18回 2002年8月13日 52 701
第19回 2003年8月8日 42 743
登録回 登録日 登録数 累計
抹消 2004年3月31日 -1 742
第20回 2004年8月9日 43 785
第21回 2005年8月10日 45 830
第22回 2006年8月10日 15 845
第23回 2007年3月1日 13 858
第24回 2007年8月10日 10 868
第25回 2008年4月4日 2 870
第26回 2008年4月17日 4 874
第27回 2008年5月19日 6 880
第28回 2008年8月8日 5 885
第29回 2008年12月10日 2 887
第30回 2009年3月12日 13 900
第31回 2009年6月12日 2 902
第32回 2009年7月31日 15 917
第33回 2010年3月1日 19 936
第34回 2010年8月9日 16 952
第35回 2011年3月3日 18 970
第36回 2011年8月25日 7 977
第37回 2012年3月26日 10 987
登録回 登録日 登録数 累計
第38回 2012年9月14日 9 996
第39回 2013年3月27日 9 1,005
抹消 2013年3月31日 -1 1,004
第40回 2013年10月11日 10 1,014
第41回 2014年4月4日 16 1,030

道の駅が複数設置されている市町村も多数ある。最多は千葉県南房総市と岐阜県高山市の8箇所である。

設置運営形態別分類[編集]

鉄道駅舎併設[編集]

鉄道駅前設置[編集]

駅舎と併設しているものを除く。

ハイウェイオアシス併設[編集]

ハイウェイオアシスと併設・連絡することで高速道路の利用者も施設の利用が可能になっている。

SA・PA運営[編集]

高速道路/高規格道路のサービスエリア (SA)・パーキングエリア (PA) として運営。

IC併設[編集]

無料区間の高速道路/高規格道路のインターチェンジ (IC) に併設させることで、SA/PAの役割も同時に果たす。

みなとオアシスと重複[編集]

港湾・海浜関連の交流施設であるみなとオアシスと重複登録された施設がある。これらには道の駅とみなとオアシスの両方のマークが掲げられている。

海の駅と重複[編集]

船舶係留施設である海の駅と重複登録された施設がある。自動車・船舶どちらでも利用することができる。

空港併設[編集]

温泉施設併設[編集]

温泉施設が併設されている道の駅一覧を参照。

その他[編集]

臨時期間限定[編集]

道路開通記念、あるいは道の日の記念行事として、1日限定の道の駅が設けられた事例がある。

スタンプラリー[編集]

地域内の各道の駅に設置してあるスタンプを収集する。地域別に各地で実施されている[7]

北海道
北海道内にある道の駅に設置されたスタンプを、専用のスタンプ帳に収集する。スタンプ帳は、2004年までは無料、2005年からは100円、2011年からは150円での購入が必要。
2013年度は114駅、2014年度は1駅が休止中のため1駅少ない113駅でのスタンプラリーとなる。
毎年スタンプラリーを行っており、収集したスタンプ数に応じて道の駅特産品などが抽選で当たる。応募期間は2011年度より変更となり、4月中旬から翌年3月22日までで、通年開催となった。抽選は7月上旬に行う。ただし、道の駅オスコイ!かもえないは12月1日 - 翌年3月31日まで冬季閉鎖となるため、救済措置で完走賞は1駅少なくても応募できる。
また、約2年間の期間内に全駅収集すると全駅完全制覇認定証と全駅完全制覇ステッカーがもらえる。かつては全駅制覇の期間が約1年間だったが、道の駅の数が増え現在の期間になった。
道の駅は広い北海道内全域に散らばっており、ルートを正確に計画しないと膨大な距離を行き来する事になる。2003年までは道の駅の開館時間外でもスタンプを押せたが、2004年以降は開館時間内のみ可能となった。なお、北海道で24時間スタンプが押せる駅は114駅中わずか7駅である。2013年度からは営業時間外に道の駅に行って押印できない場合の救済措置として、ラリー参加者本人・ラリー帳・道の駅の看板等が入った写真を撮影して、ラリー帳に貼り付けることで、5駅までカウントできるようになった。
東北地方
青森県秋田県山形県岩手県宮城県福島県の道の駅に設置されているスタンプを、専用スタンプ帳に収集する。スタンプ帳は1999年から2003年まで無料、2004年から100円、2010年は200円。駅員にスタンプ数を確認してもらい、個数、または完走したエリアに応じて東北道の駅共通商品券が当たる懸賞に応募できる。2004年までスタンプの数で対応。2005年度から、完走賞のほか太平洋側には「朝日ライン」(岩手県、宮城県、福島県)、日本海側には「夕日ライン」(青森県、秋田県、山形県)の完走賞も設けられた。期間は1年のうち、概ね4月から12月初旬まで。これは冬季に青森県の一部の駅が閉鎖されるためである。以前は、営業時間外などの理由で設置場所に入れない場合、駅が用意している「スタンプが押された紙」で代用することが出来たが、数人で組んで担当を回り歩き他の人から紙をもらい、行っていない道の駅のスタンプを取得するなどの不正行為を防ぐため、現在は行われていない。完全走破した参加者には、「完全走破賞」の賞状とシールが全員に渡される。しかし2011年は東日本大震災の影響により、スタンプラリー開始時点で再開していない道の駅があるため、完走賞を設定せず、スタンプ数に合わせた各賞は名称と内容を変更。また、完走証明書の代わりに「感謝状」を作成し、復興支援大賞には感謝状とステッカーを、復興支援賞には感謝状を進呈する、という形になった。
関東地方
1都6県・山梨県、および長野県木曽地域上伊那地域飯伊地域を除く関東地方整備局管内の各地に設置されている道の駅から、10駅制覇もしくは全駅制覇を選択し収集する。いずれの場合もおおむね毎年7月から発売される、関東道の駅「スタンプブック」を購入して収集する。2011年度は「道の駅ナビ」「スタンプブック」「エコバッグ」セットで400円。期限については10駅制覇、全駅制覇ともに11月末(2011年度)だが、全駅制覇は期限を過ぎた場合も応募できる。
2006年度以前は未供用以外の理由による不参加の道の駅が存在した。2007年度以降は、開業しているすべての道の駅が参加している。スタンプ押印は道の駅の営業時間内しかできない。営業日時は「スタンプブック」に記載されている。なお、時間前に閉まる場合もある。期限ありの場合、応募時の賞品は抽選である。全駅制覇の場合は完全制覇証とステッカーが応募者全員に発行され、期限までに応募するか否かでステッカーのデザインが異なる。
中部地方
岐阜県静岡県愛知県三重県および長野県の中部地方整備局管内である木曽・上伊那・飯伊地域に設置されている道の駅から、12駅制覇もしくは全駅制覇を選択し収集する。12駅制覇では、専用の応募はがきにスタンプを押印し、応募する。応募はがきは無料で、2011年度は8月から配付。賞品は抽選で、2011年度の場合、期限は11月末まで。全駅制覇の場合は、中部「道の駅」スタンプブックを300円で購入し、それに収集する。期限はなく、制覇すれば応募者全員に認定証と記念品が送付される。
北陸地方
新潟県富山県石川県の各県にある、設置されたスタンプを、100円で売られている専用スタンプ帳に収集。「東西に長く、半年ですべての駅を回るのは困難」という声により、2006年から開催期間は1年半になっている。
近畿地方
期間中、有料スタンプブックにスタンプを押していく。全駅制覇すると、1万円相当の商品を得ることができる。
九州地方沖縄県
有料のスタンプ台帳を購入し参加する形態を取る。離島にあたる奄美大島道の駅遣唐使ふるさと館五島列島)・沖縄県全域を除いて全駅制覇すれば「道の駅賞」が、離島も含めれば「パーフェクト賞」が貰える。

日本国外の道の駅[編集]

世界銀行は道の駅を模範に、「MICHINOEKI (Roadside Station)」設置の際の手引書を2004年7月に作成した[8]。国内の道の駅同様の機能のほか、防災機能も兼備、病院も併設。中国安徽省宏村鎮では竹細工などの加工施設も設置して観光型の経営が成立するか調査、タイでは日本同様一村一品運動も行っている。

脚注[編集]

  1. ^ 「道の駅」の第41回登録について 〜今回16駅が登録され、1,030駅となります〜”. 国土交通省道路局 (2014年4月4日). 2014年4月4日閲覧。
  2. ^ 道路標識、区画線及び道路標示に関する命令の一部改正について”. 国土交通省道路局 (2014年4月1日). 2014年4月4日閲覧。
  3. ^ 「道の駅」登録・案内要綱”. 国土交通省. 2012年10月21日閲覧。
  4. ^ 関・酒本、29頁。
  5. ^ 関・酒本、31頁。
  6. ^ 関・酒本、30頁。
  7. ^ 全国スタンプラリー情報 - 全国各地での開催期間、実施要綱、スタンプシートを掲載
  8. ^ Roads & Highways - Guidelines for Roadside Stations”. 2012年11月20日閲覧。

参考文献[編集]

  • 関満博、酒本宏 編『道の駅 地域産業振興と交流の拠点』、新評論、2011年。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]