高速自動車国道
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高速自動車国道(こうそくじどうしゃこくどう)とは、「自動車の高速交通の用に供する道路で、全国的な自動車交通網の枢要部分を構成し、かつ、政治・経済・文化上特に重要な地域を連絡するものその他国の利害に特に重大な関係を有する」(高速自動車国道法(「法」)第4条)国道のことである。自動車専用道路とともに高速道路としてあつかわれている。高規格幹線道路のA路線とも言われる。
2007年度末時点供用中の高速自動車国道は、ほとんどが有料道路として供用されており、かつ無料開放された例はない(新直轄区間、一般国道へ降格された区間をのぞく)。
高速自動車国道には沿道に商店などを建てることができず、また、路肩に自動車を停めることができないことから、休憩施設として概ね50kmおきにサービスエリア(SA)、15kmおきにパーキングエリア(PA)が設けられる。
目次 |
[編集] 整備
路線は、
- 国土開発幹線自動車道の予定路線
- 高速自動車国道として建設すべき道路の予定路線
のうちから高速自動車国道の路線を指定する政令で指定される(法第4条)。路線が指定された場合、一義的には国土交通大臣が整備計画を定め、建設、その他の管理まで行うものとされている。
しかしながら、料金を徴収してでも道路の整備を促進する趣旨で、別途道路整備特別措置法が1956年に制定され、国土交通大臣は日本道路公団に高速自動車国道の新設又は改築を行わせ(施行命令)、料金を徴収させることができるものとされた(同法第2条の2)。これを受けて、公団は路線名及び工事の区間、工事方法、工事予算、工事の着手及び完成の予定年月日を「工事実施計画」として提出する(同第2条の3)。
2005年10月1日施行の道路関係4公団の民営化に伴う法改正により、東日本・中日本・西日本各高速道路会社が日本高速道路保有・債務返済機構との協定に基づき国土交通大臣の許可を受けて、高速自動車国道を含む高速道路を新設し、又は改築して、料金を徴収することができるものと改められた(同第3条)。
[編集] 連結
高速自動車国道は、自動車の高速交通の用に供する趣旨から、連結できる施設は以下のものに限られている。
- 道路、一般自動車道又は政令で定める一般交通の用に供する通路その他の施設 : インターチェンジやジャンクションで接続する他の路線や一般道路等をさす。
- 当該高速自動車国道の通行者の利便に供するための休憩所、給油所その他の施設又は利用者のうち相当数の者が当該高速自動車国道を通行すると見込まれる商業施設、レクリエーション施設その他の施設 : 連結利便施設等。このうち前者はSA・PAで道路に面する道路サービス施設をさす。
- 第一号に掲げるものを除くほか、前号の施設と当該高速自動車国道とを連絡する通路その他の施設であつて、専ら同号の施設の利用者の通行の用に供することを目的として設けられるもの : 連結通路等。かつての高速自動車国道活用施設をふくむいわゆるハイウェイオアシス等(これらを連結施設という)を連絡するものをさす。
これらの連結には国土交通大臣の連結許可を要する。連結位置及び連結予定施設は前述の整備計画の必要事項とされており、かつては連結施設を追加的に新設する場合にも原則としてあらためて整備計画を経る必要があったが、現在は簡素化されている。
また、法施行令では、本線車道に直接出入りすることができる施設につき連結位置に関する基準が示されており、本線車道の接続部分が他の施設のそれから本線車道に沿って2km以上離れていることとされている。
[編集] 新直轄方式
詳細は「新直轄方式」を参照
公団民営化による新規着工鈍化が必至ななか、地方負担による新たな形の手法が模索され、2003年12月25日に開催された第1回国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)において、民営化後の新会社による道路整備を補完する手法として、地方にも費用負担させる「新たな直轄事業」が導入された。この場合、建設費償還が不要なため無料となる。これが新直轄方式である。この方式を採用して建設が行われる区間を新直轄区間という。
この第1回国幹会議では、整備計画まで決定している区間のうち27区間699kmが新直轄方式に変更されることが決まった。これを受け、2003年5月12日に改正高速自動車国道法等が施行。上記の場合、国がその4分の3以上で政令で定める割合を、残りを都道府県や政令指定都市が費用負担するものと改正された。実際には、都道府県等の負担分については地方交付税措置の重点配分(県の負担分の9割を地方債で充当し、その元利償還金について地方交付税措置を行う)や高速道路の後進地域に対する補助等によりある程度まで抑えられる見通しとなっている。
なお、新直轄方式の「新」とは従来の直轄事業である高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路(国と県の建設費負担は2対1)に対するものである。
国内第1号の新直轄方式は、北海道横断自動車道釧路線である。当初この路線は、従来方式での建設で計画されていたが、近隣市町が応分の費用を積極的に負担し完成を急ぐ必要があるという自発的な住民運動によって積極的に新直轄方式に変更した。2007年9月には日本海沿岸東北自動車道の本荘-岩城が新直轄方式としては初めて開通した。
[編集] 路線
詳細は「高速自動車国道の路線を指定する政令#別表」を参照
[編集] 高速自動車国道への編入
整備計画の変更により一般国道から高速自動車国道へ昇格された区間が存在する。
| 編入年月日 | 編入した路線名 | 編入区間 | 旧道路名 |
|---|---|---|---|
| 1973年4月1日 | 札樽自動車道 | 札幌西IC - 小樽IC | 一般国道5号札幌小樽道路 |
| 関越自動車道 | 練馬IC - 川越IC | 一般国道254号東京川越道路 | |
| 東名阪自動車道 | 桑名IC - 亀山IC | 一般国道1号東名阪道路 | |
| 西名阪自動車道 | 天理IC - 松原JCT | 一般国道25号西名阪道路 | |
| 1987年10月8日 | 沖縄自動車道 | 許田IC - 石川IC | 一般国道329号沖縄自動車道 |
| 1998年7月1日 | 山形自動車道 | 笹谷IC - 関沢IC | 一般国道286号笹谷トンネル |
| 2005年4月1日 | 阪和自動車道 | 海南IC - 吉備IC | 一般国道42号海南湯浅道路 |
また、逆に高速自動車国道から一般国道へ降格された区間として唯一、一般国道116号新潟西バイパスの新潟西IC-黒埼IC(旧北陸自動車道新潟料金所-新潟黒埼IC)が存在する。
[編集] 道路名
営業中の路線には、以下の道路名がある。括弧内は営業中区間を示す。高速道路としては連続していても、高速自動車国道ではない区間は除いてある。
- 道央自動車道 (八雲IC-札幌JCT-士別剣淵IC)
- 札樽自動車道 (札幌JCT-小樽IC)
- 道東自動車道 (千歳恵庭JCT-夕張IC、トマムIC-本別IC・足寄IC)
- 東北自動車道 (川口JCT-青森IC)
- 八戸自動車道 (安代JCT-八戸IC、八戸JCT-八戸北IC)
- 青森自動車道 (青森IC-青森東IC)
- 釜石自動車道 (花巻JCT-東和IC)
- 秋田自動車道 (北上JCT-秋田北IC、昭和男鹿半島IC-琴丘森岳IC)[1]
- 山形自動車道 (村田JCT-月山IC、湯殿山IC-酒田みなとIC)
- 磐越自動車道 (いわきJCT-新潟中央IC)
- 日本海東北自動車道 (新潟中央JCT-荒川胎内IC、本荘IC-河辺JCT)[2]
- 東北中央自動車道 (山形上山IC-東根IC)
- 東京外環自動車道 (大泉IC-三郷南IC)
- 関越自動車道 (練馬IC-長岡JCT)
- 上信越自動車道 (藤岡JCT-上越JCT)
- 常磐自動車道 (三郷IC-常磐富岡IC)
- 館山自動車道 (千葉市中央区浜野町(京葉道路接続部)-木更津南IC、木更津南JCT-富津竹岡IC)
- 東関東自動車道(高谷JCT-潮来IC)
- 北関東自動車道(高崎JCT-太田桐生IC、栃木都賀JCT-水戸南IC)
- 長野自動車道 (岡谷JCT-更埴JCT)
- 北陸自動車道 (新潟中央JCT-米原JCT)
- 中央自動車道 (高井戸IC-河口湖IC、大月JCT- 小牧JCT)
- 東名高速道路 (東京IC-小牧IC)
- 名神高速道路 (小牧IC-西宮IC)
- 東海北陸自動車道 (一宮JCT-小矢部砺波JCT)
- 第二東名高速道路 (事業中)
- 中部横断自動車道 (増穂IC-双葉JCT)
- 伊勢湾岸自動車道 (豊田東JCT-東海IC、飛島IC- 四日市JCT)[3]
- 東名阪自動車道 (名古屋IC-伊勢関IC、高針JCT-上社JCT)
- 新名神高速道路 (亀山JCT-草津JCT)
- 伊勢自動車道 (伊勢関IC-伊勢IC)
- 紀勢自動車道(勢和多気JCT-紀勢大内山IC)
- 京滋バイパス (大山崎JCT-久御山淀IC)[4]
- 近畿自動車道 (吹田JCT-松原IC)
- 西名阪自動車道 (松原JCT-天理IC)
- 阪和自動車道 (松原IC-有田IC、御坊IC-南紀田辺IC)
- 舞鶴若狭自動車道 (吉川JCT-小浜西IC)
- 中国自動車道 (吹田JCT-下関IC)
- 山陽自動車道 (神戸JCT-廿日市JCT、三木JCT-神戸西IC、倉敷JCT-早島IC、大竹JCT -山口JCT、宇部JCT-下関JCT)
- 播磨自動車道 (播磨JCT-播磨新宮IC)
- 鳥取自動車道(智頭IC-河原IC)
- 岡山自動車道 (岡山JCT-北房JCT)
- 米子自動車道 (落合JCT-米子IC)
- 松江自動車道 (三刀屋木次IC-宍道JCT)
- 広島自動車道 (広島JCT-広島北JCT)
- 浜田自動車道 (千代田JCT-浜田IC)
- 山陰自動車道 (松江玉造IC-斐川IC)[5]
- 徳島自動車道 (徳島IC-川之江東JCT)
- 松山自動車道 (川之江JCT-大洲IC、大洲北只IC-西予宇和IC)
- 高松自動車道 (鳴門IC-津田東IC、高松東IC -川之江JCT、坂出JCT-坂出IC)[6]
- 高知自動車道 (川之江JCT-須崎東IC)
- 九州自動車道 (門司IC-鹿児島IC)
- 宮崎自動車道 (えびのJCT-宮崎IC)
- 長崎自動車道 (鳥栖JCT-長崎IC)
- 大分自動車道 (鳥栖JCT-大分米良IC、日出JCT-速見IC)
- 東九州自動車道 (北九州JCT-苅田北九州空港IC、大分米良IC-佐伯IC、西都IC-清武JCT、末吉財部IC-隼人東IC)
- 新空港自動車道(成田JCT-新空港IC)
- 関西空港自動車道(泉佐野JCT-りんくうJCT)
- 関門橋(下関IC-門司IC)
- 沖縄自動車道(那覇IC-許田IC)
[編集] 料金の額及びその徴収期間
[編集] 料金の額
料金の額については以下のようになっている。
[編集] 対距離制
高速自動車国道の料金は、原則として走行距離に応じて支払う対距離制となっている。また、利用1回ごとにターミナルチャージを支払う。
可変額部分
- 普通車 : 24.6円/km
- 普通車以外の車種については次の乗率を乗ずる
- 大都市近郊区間(東京圏・大阪圏)、関越特別区間、恵那山特別区間、飛騨特別区間、関門特別区間については別途料金が定められている。
- 100kmを超え200kmまでの料金は25%引き、200kmを超える部分については30%引き。
- 目的地までに複数の経路を有する場合は、最短経路の2倍を越える経路で無い限り最も安い経路の通行料金で計算される。
固定額部分(ターミナルチャージ)
- 150円(全車種共通・利用1回ごと)
料金は、以上の合計に消費税及び地方消費税を加え(1.05を乗じ)、24捨25入して50円単位とする。
沖縄自動車道は、本土の高速道路と比べて、約40%割引の料金体系が用いられている(2006年4月1日現在)。
[編集] 均一制
出口料金所を設けると渋滞が予想される路線(主に都市部)では均一制料金を採用している。料金は、平均旅行距離をもとに上記の方法で算出されている。このため、短距離利用の場合は対距離制より割高に、全区間の走行など長距離利用の場合は割安になる。
[編集] 料金の徴収期間
東日本・中日本・西日本各高速道路会社とも、2006年4月1日から2050年8月15日までとしている。これには全国路線網の一般有料道路も含まれる。
[編集] 交通規制
「高速自動車国道の本線車道のうち対面通行でない区間」と、それ以外の道路(具体的には、高速自動車国道の本線車道のうち対面通行の区間(暫定2車線区間等)や登坂車線、自動車専用道路、一般道路)とでは、最高速度や最低速度に関する規制が異なる(詳細は各項目を参照のこと)。
高速自動車国道および自動車専用道路の入口・出口には、自動車専用(325)の道路標識が設置されている。しかし、通行している高速道路が、高速自動車国道であるのか、自動車専用道路であるのかの区別は、おおむね「自動車道」という道路名でなければ高速自動車国道でないことや、道路の車線数や道路の線形などの常識的な情報以外に、途中に判断できるような情報はない。一般の利用者にとっても、ETC時間帯割引の適用に影響するにもかかわらず、判断・区別する方法が無いため、問題である。
高速自動車国道や、自動車専用道路のうち高規格幹線道路のもの等、最高速度が80-100km/hとなっている道路については、降雨や濃霧、故障車や事故等、渋滞等の発生などにより、必要に応じて臨時に80km/h規制、50km/h規制等を行っている。最高速度の道路標識には、表示幕方式や電光方式が採用されている。
通行止め規制やチェーン規制、事故等や渋滞、混雑の発生に関する道路交通情報としては、高速自動車国道のほぼ全区間と、一部の自動車専用道路、都市高速道路については、日本道路交通情報センターにより道路情報のリアルタイム提供がなされている[7]。

