最高速度

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最高速度(さいこうそくど)


最高速度(さいこうそくど)とは道路鉄道などにおいて、法令の下で、車両がそれ以上の速度を出してはならないとする最高の速度。各種交通機関などに対して法令で定められており、制限速度とも規制速度とも言う。

日本の最高速度(道路)[編集]

速度制限標識

ここでは日本道路において、法令の下で、車両などが出すことのできる最高の速度について説明する。()は標識の番号である。

通則[編集]

車両などは、次の最高速度に従わなければならない。最高速度は、車両などの種類により異なる。

以下、「最高速度」の道路標識 (323) や道路標示 (105) によって最高速度が指定されている区間を、単に最高速度が指定されている区間という。また、その指定されている最高速度は法的には指定最高速度というが、一般的な規制速度という言葉は特にこのことを指す。

  1. 車両(次の4号に挙げる車両を除く)
    • 最高速度が指定されている区間では、その速度(指定最高速度。以下同)に従わなければならない。
    • 指定されていない区間では、政令で定める最高速度(法定最高速度。以下同)に従わなければならない。
  2. 原動機付自転車、故障車などを牽引している車両、125cc以下の自動二輪車の通常牽引(牽引側・被牽引側ともに規定構造装置具備の場合をいう。以下同)
    • 最高速度が指定されている区間であっても、その速度が法定最高速度を超える速度である場合には、(法令上は指定されていないことになるので、)法定最高速度に従わなければならない。指定最高速度が法定最高速度以下の場合には、指定最高速度に従わなければならない。
    • 指定されていない区間では、法定最高速度に従わなければならない。
  3. 緊急自動車
    • 最高速度が指定されている区間であっても、その速度が法定最高速度未満の速度である場合には、(法令上は指定されていないことになるので、)法定最高速度に従わなければならない。指定最高速度が法定最高速度以上の場合には、指定最高速度に従わなければならない。
    • 指定されていない区間では、法定最高速度に従わなければならない。
  4. 路面電車トロリーバス
    • 最高速度が指定されている区間であっても、その速度が軌道法で定める最高速度を超える速度である場合には、軌道法で定める最高速度に従わなければならない。指定最高速度が軌道法で定める最高速度以下の場合には、指定最高速度に従わなければならない。
    • 指定されていない区間では、軌道法で定める最高速度に従わなければならない。

なお、「特定の種類の車両の最高速度」の道路標識 (323の2) によって車両の種類を特定して最高速度が指定されている場合には、当該特定された種類の車両(トロリーバスを除く)については、以上のような通則は適用されず、すべて当該道路標識により指定された速度が指定最高速度として適用される(無論、当該特定された種類の車両以外の車両に対しては、当該道路標識は効力を及ぼさない。)。

また、最高速度に違反するスピード違反車両などを取り締まる場合における緊急自動車には、最高速度に関する規定は一切適用されず、制限なしとなる。自動車警ら隊パトカー高速道路交通警察隊交通機動隊の高速パトカーなどによる取り締まりの場合がこれに該当する。

法定最高速度[編集]

法定最高速度は、次の区分に従い次のとおりとなる。ここで、本線車道とは、高速自動車国道または自動車専用道路の本線車線により構成する車道をいう。

  1. 高規格幹線道路(高速自動車国道の本線車道およびこれに準ずる道路。)
  2. 上記以外の道路
    具体的には、一般道路、自動車専用道路、本線車道が道路の構造上往復の方向に分離されていない高速自動車国道の一部区間など。
    • 80km/h(緊急自動車)
    • 60km/h(自動車、自動二輪車)
    • 30km/h(原動機付自転車)
  3. 特例(故障車等を牽引する場合、および125cc以下の自動二輪車または原動機付自転車の通常牽引または故障車等牽引)
    • 40km/h(被牽引側が車両総重量2トン以下で、牽引側が車両総重量で被牽引側の3倍以上の自動車(125cc以下の自動二輪車以外)の場合)
    • 30km/h(前号および次号以外)
    • 25km/h(125cc以下の自動二輪車または原動機付自転車の通常牽引または故障車等牽引)

最高速度の決め方[編集]

まず、道路には設計速度が設定されているため、最高速度は設計速度と同じかそれ以下の速度となる。

最高速度は1979年に出された規制速度算出要領によって決められていた。これは、車線数・車線幅や交差点の数、中央分離帯の有り無し、住宅や店舗が道路沿いにあるかなどをポイント化し、それを足して行く形で決められていた。規制速度算出要領では車線数によるポイントが大きいため、郊外の片側一車線道路はすべてが50km/h規制になり、また、車線数の多い都市部では60km/h規制になることが多々あった。これにより、実勢速度が70km/h - 80km/h程度で流れている道路が50km/h規制になったり、または実勢速度が40km/h - 50km/h程度でも60km/h規制になるなどの矛盾が生じることも多々あった。

近年、この規制速度算出要領が廃止され、各県が自由に標識を設定できるようになった。これにより、郊外では60km/hに引き上げられたり、バイパスなどの地域高規格道路では80km/hや70km/hに引き上げられるケースも出た。また、自動車専用道路は以前は最高でも80km/hと決められていたが(片側二車線以上の場合)、100km/h規制の自動車専用道路も出てきた。規制速度算出要領が廃止された現在でも、これを基準に決めている自治体も多く存在する。

現在、実勢速度を基準にする85パーセンタイルの導入もある程度取り入れられ、警察庁は2009年10月29日に通達を出し、規格の高い一般道路(中央分離帯があり、立体交差化された第3種1級や2級道路)については標識により80kmまでの設定を認め、その他の一般道路についても実勢速度を基に40 - 60kmの基準速度を定め、個別の状況に応じてプラスマイナス10kmで規制速度を設定するという方針を固めた。 また、生活道路については原則30kmに設定する方針を定めた。

また、高速道路についてはIC間設計速度ではなく線形などから細かく抽出した、構造適合速度を導入し、上限100kmの範囲内で規制速度を決定することになった。

その他[編集]

実際のところ、高速自動車国道の中央分離帯の無い区間(簡易分離帯により対面通行が実施されている暫定2車線など)、自動車専用道路の一部は標識や標示によって最高速度70km/hに指定されることも多い。また、自動車専用道路のうち都市高速道路の多くは標識や標示によって60km/hまたは50km/hに指定されることが多い。逆に、法定最高速度が普通車で60km/hである一般国道の自動車専用道路で、高速自動車国道並の規格で作られている区間(高規格幹線道路など)では、「100(大型貨物等・三輪・牽引を除く)」「80(大型貨物等・三輪・牽引)」「50(最低速度)」の3つの規制標識が掲示されている(仙台東部道路東水戸道路など)。

実際の運用において高速自動車国道以外の自動車専用道路を60km/h規制にする場合、法定最高速度であるため最高速度の規制標識を立てなくてもよいことになるが、多くの区間では建てられている。これは、高速自動車国道において、法定速度を100km/hとして最高速度の規制標識を省いているところ、一般利用者にとって高速自動車国道も高速自動車国道以外の自動車専用道路も道路規格が同じであるため(高速道の設計速度は80km/h - 120km/h、自動車専用道路の設計速度は80km/h - 100km/hの場合が多い)、見分けがつかないからである。

一般道路では、その道路に道路標識などが無くとも、地域を包括して最高速度を指定(40km/hなど)している場合もあり、その場合には、その地域に入る際にその旨を指定(すなわち、道路標識などにより最高速度の指定がされていない道路における当該地域内の最高速度を指定)するような道路標識などが設置されている場合がある。このような道路標識などの設置は判例においても法的有効性が認められている。たとえば、○○において、最高速度「40」で補助標識に「市内全域」とあれば、高速道路等および幹線道路(最高速度「60」や「50」)や道幅の狭い道路(同「30」や「20」)などで別に最高速度が指定されている区間を除いた○○市内の公道はすべて最高速度が40km/hとなる。

なお、自転車を含む軽車両については法定最高速度が規定されていないことから、標識や標示によって最高速度(指定最高速度)が指定されていない区間においては、最高速度が無制限であるとする解釈も可能ではある(これを盾に取ったクイズも存在する)。

また、諸外国では、高速道路は110km/h - 130km/h、都市部・住宅地を除く一般道路は80km/h - 100km/hぐらいに制定されていることが多いのに対し、日本の最高速度(高速道路100km/h〈指定された区間で80・70・60〉、一般道路60km/h〈指定された区間でそれ未満〉)はこれに比べると非常に厳しい規制となっている。これは当時の道路事情(特に郊外の一般道路のほとんどが未舗装状態)などが影響しており、舗装道路が多い現在でも諸外国に比べて曲率半径が小さい箇所が多いことや勾配が急である箇所が多いことが原因となっている。また、高速道路では暫定2車線で供用されている区間で60 - 70km/h制限となっていることが多い。その他、日本の道路は交通量が過密なことや道路の密度が高く信号や交差点が多いという事情もある。

警察庁は、国土交通省の担当者や学識者らをメンバーに加えた「規制速度決定の在り方に関する調査研究検討委員会」において、高速道路や一般道路最高速度引き上げを2006年から3年がかりと長期間かけて検討を行った。高速道路については新たに導入された概念である構造適合速度では120kmが算出可能になるが「上限を上げるにはさらなる検証が必要で、直ちに上げる必要はない」と見送りという方針を示した[1]

ただし、有識者として会議に出席した中村英樹教授は制限速度引き上げに肯定的なコメントを出している。

速度超過に対する取締り[編集]

法定最高速度を超過して検挙された場合、違反点数が付され、反則金が科される。 スピード違反の取締方法として、光電管の利用・走ってくる自動車オートバイに対して、電波を発射するドップラー・レーダーによるドップラー効果の利用がある。 なお、レーダーによる取締りについては、警察用のレーダーであるので、第二級陸上特殊無線技士以上の無線従事者がレーダーの操作またはその監督 [2] をしなければならない。 一般道路で30km/h以上、高速道路で40km/h以上超過した場合(反則点数6点以上の場合)は、反則行為に該当しないため(非反則行為)、通常の刑事手続となる。また、反則金を支払わず、再三の督促を無視し続けている場合も刑事手続に移行することになる。

違反点数[編集]

  • 一般道路
    • 50km/h以上:12点(酒気帯び0.25未満 13点・酒気帯び0.25以上 19点)
    • 40km/h以上50km/h未満:6点(酒気帯び0.25未満 9点・酒気帯び0.25以上 16点)
    • 30km/h以上40km/h未満:6点(酒気帯び0.25未満 9点・酒気帯び0.25以上 16点)
    • 25km/h以上30km/h未満:3点(酒気帯び0.25未満 8点・酒気帯び0.25以上 15点)
    • 20km/h以上25km/h未満:2点(酒気帯び0.25未満 7点・酒気帯び0.25以上 14点)
    • 15km/h以上20km/h未満:1点(酒気帯び0.25未満 7点・酒気帯び0.25以上 14点)
    • 15km/h未満:1点(酒気帯び0.25未満 7点・酒気帯び0.25以上 14点)
  • 高速道路
    • 50km/h以上:12点(酒気帯び0.25未満 13点・酒気帯び0.25以上 19点)
    • 40km/h以上50km/h未満:6点(酒気帯び0.25未満 9点・酒気帯び0.25以上 16点)
    • 35km/h以上40km/h未満:3点(酒気帯び0.25未満 8点・酒気帯び0.25以上 15点)
    • 30km/h以上35km/h未満:3点(酒気帯び0.25未満 8点・酒気帯び0.25以上 15点)
    • 25km/h以上30km/h未満:3点(酒気帯び0.25未満 8点・酒気帯び0.25以上 15点)
    • 20km/h以上25km/h未満:2点(酒気帯び0.25未満 7点・酒気帯び0.25以上 14点)
    • 15km/h以上20km/h未満:1点(酒気帯び0.25未満 7点・酒気帯び0.25以上 14点)
    • 15km/h未満:1点(酒気帯び0.25未満 7点・酒気帯び0.25以上 14点)

反則金[編集]

以下の各反則金は、大型車(中型車を含む)・普通車・自動二輪・原付自転車の順で、単位は円である。

  • 一般道路
    • 25km/h以上30km/h未満:25,000・18,000・15,000・12,000
    • 20km/h以上25km/h未満:20,000・15,000・12,000・10,000
    • 15km/h以上20km/h未満:15,000・12,000・9,000・7,000
    • 15km/h未満:12,000・9,000・7,000・6,000
  • 高速道路
    • 35km/h以上40km/h未満:40,000・35,000・30,000・20,000
    • 30km/h以上35km/h未満:30,000・25,000・20,000・15,000
    • 25km/h以上30km/h未満:25,000・18,000・15,000・12,000
    • 20km/h以上25km/h未満:20,000・15,000・12,000・10,000
    • 15km/h以上20km/h未満:15,000・12,000・9,000・7,000
    • 15km/h未満:12,000・9,000・7,000・6,000

日本の最高速度(鉄道)[編集]

日本の在来線最高速の160km/h制限(GG)を示す信号(北越急行)

ここでは日本鉄道において、監督省庁の認可および設備・車両設計上の環境の下で、鉄道車両などが出すことのできる最高の速度について説明する。

鉄道においては列車を高速で走行させることよりも、列車を安全に停止させることの方が技術的に困難である。日本では鉄道運転規則によって、列車が非常ブレーキをかけてから600m以内に停止させる必要があった(600m条項)ため、営業最高速度はこれによって制限されていた。また、新幹線における200km/hを超える最高速度は、新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法によって必要な措置を講じたうえで600m条項の例外とすることで実現したものである。在来線においても、高架橋上やトンネル内で踏切がないなどの線区の事情に応じて、特認により最高速度を引き上げた例が見られる。

鉄道運転規則は2002年に廃止されたが、現在この関係条文は鉄道に関する技術上の基準を定める省令第106条の解釈基準において、非常ブレーキによる制動距離は600m以下を標準としているものの、防護無線など迅速な列車防護の方法による場合は、その方法に応じた制動距離とすることができるとしている。

ただし、線区の最高速度を引き上げるためには、走行する車両の性能向上ばかりでなく、軌道の強化や曲線におけるカントの扛上、速度制限のある分岐器の交換などの改良工事、信号システムの変更など、設備への投資が不可欠となる。近年では、その費用を鉄道事業者ではなく沿線の自治体などが第三セクターを設立して負担し、高速化を行う事例もしばしば見られる。

また、鉄道利用客が重視するのは最高速度よりもむしろ表定速度(距離 ÷ トータル所要時間)であり、所要時間短縮のためには、瞬間的な最高速度を上げるよりも全体的な速度向上の方が効果的である場合も多い。具体的には上述の設備投資のほか、車両面でも、線形の劣る路線が多い日本では、曲線通過速度を引き上げるため振り子式車両や、最高速度を維持して走る定速運転が可能な車両を導入するなどの手段が講じられる。

営業最高速度[編集]

実際の営業運転において定められている最高速度である。後述の設計最高速度が営業最高速度よりも高い場合であっても、回送列車を含め営業列車では営業最高速度以下の速度で走行しなければならない。

線区(路線)最高速度[編集]

  • 全国新幹線鉄道整備法にて定義される新幹線については以下のとおり。
  • 旧国鉄(現在のJR各社)の在来線において、各路線の該当する線路種別ないし線路等級に基づく最高速度。
    • 線路種別が制定された戦前から戦後にかけては特別甲線(1級線)でも95km/hであったが、151系153系などの新性能電車が出揃った1958年から東海道本線で特例を適用して110km/hへ、さらに1968年(いわゆるヨンサントオ改正)から東北本線高崎線上越線信越本線(宮内 - 新潟間)・北陸本線山陽本線で120km/hへと引き上げられた(ただ、山陽本線は曲線や勾配が多く、他の路線に比べて最高速度引き上げの効果は薄かった)。
    • 120km/h線区・区間は1970年代以降、鹿児島本線常磐線総武本線(快速線開通時)・中央本線381系投入時は西線、後年東線も)・函館本線・信越本線(高崎 - 長野間)・阪和線大和路線などへと拡大した。いずれもこの時点では、120km/h運転が行われたのは特急形電車(185系を除く)と181系気動車による特急列車のみである。その後、立体交差の湖西線 (130km/h) 、JR化後に開業した海峡線 (140km/h) などでこれを上回る速度での走行が開始された。
    • JR化後は、地平路線でも各地の主要幹線で、特急列車のみならず一部の普通列車(おもに快速列車)についても120 - 130km/h運転が行われるようになった。これは通勤形・近郊形電車や一般形気動車の飛躍的な性能向上(後述)に負うところが大きい。首都圏の一例としては、今や元々貨物線であった品鶴線でさえも、横須賀線と湘南新宿ラインの列車が最高速度120km/hで走る。
    • 2010年現在、特急列車以外で130km/h運転が行われる路線および列車は、JR北海道の函館本線・千歳線(721系快速エアポートほか)、JR東日本の常磐線(E531系特別快速)、JR東海の中央本線(313系セントラルライナー)、JR西日本の東海道本線・山陽本線(223系以降の新快速)、JR西日本・JR四国の瀬戸大橋線予讃線(5000系・223系快速マリンライナー)などが挙げられる。
    • 私鉄ほど細分化されていないが、電化非電化の違いや、複線単線かを始めとした線路規格、閉塞方式などの差に起因して区間ごとに最高速度が変わる路線もある(大糸線室蘭本線宗谷本線山陰本線日豊本線など多数)。東海道本線一つ取っても、現在はJR東日本の戸塚 - 小田原間および品鶴線区間とJR東海の豊橋 - 米原間が120km/h、JR西日本の米原 - 神戸間が130km/h、それ以外(垂井線、美濃赤坂線などの支線を除く)が110km/hと区間によって異なってきている。また、列車種別や車両によって最高速度が異なるケースも多々みられる。
  • 私鉄においては、各社が路線・区間・列車種別・使用車両ごとに届け出、認可を受けたうちの、路線ごとの最高速度。
    • 大手私鉄では戦後間もない1947年に近鉄(大阪線・山田線)が、1949年に阪急(神戸本線・京都本線。当時は京阪神急行電鉄)が110km/hの運輸省認可を取得。まだ高性能車(新性能車)は登場せず電車はすべて吊り掛け駆動、また多くが自動ブレーキの時代であった。以降阪神(本線。1954年、高性能車登場時。ATS導入後は106km/h)、名鉄(名古屋本線、1961年)、東武(伊勢崎線・日光線、1962年)、小田急(小田原線、1963年)が順次110km/h運転を開始した。以上6社のうち初めの3社が標準軌、のちの3社が狭軌である。なお当時、阪急神戸本線と阪神は軌道法準拠で架線電圧も600Vであった。
    • 近鉄は1988年に私鉄で初めて120km/h運転を開始、現在は大阪線・志摩線などの一部区間で130km/h運転を行っている。その他では1990年以降、東武(日光線)、京急(本線の一部、大半が通勤形電車)、名鉄(名古屋本線・常滑線・空港線。名古屋本線のみ通勤形電車を含む)、南海(空港線)が120km/h、阪急(神戸本線・京都本線)が115km/hへと最高速度を引き上げた。
    • 新規に開業した北越急行では、2002年から特急列車の最高160km/h運転が実施され、2010年からは京成成田空港線でも大手私鉄で初めて160km/h運転が実施されている。現在のところ160km/hはJR在来線にも類例が無く(ただし北越急行は第三セクターでJRの車両が直通運転される)、新幹線以外の鉄道としては北越急行と京成の両社が国内最速となっている。また、これも第三セクターであるが、つくばエクスプレスは高規格の新線であり、路線の性格上全車両が通勤形電車ながらも130km/h運転を行っている。
    • 2010年現在、大手私鉄では西武 (105km/h) と相鉄 (100km/h) と阪神電鉄(106km/h)のみ営業最高速度が110km/h未満である。上記以外の京王(京王線、相模原線)、京阪(京阪本線)、西鉄(天神大牟田線)はいずれも110km/hとなっているほか、東急は田園都市線に加えかつて高速運転のイメージから程遠かった東横線、あるいは準大手山陽でも最高速度110km/h運転が行われている。ただし、東武や小田急などでも通勤形車両による列車は100km/hに留まっており、有料特急の格付けを尊重して序列を付けた形になっている。また、京王(井の頭線)や阪急(宝塚本線)などは主要路線でも線形が主因となって運転速度に較差があるため、一概にどの会社が高速化に熱心であると言い切れない。

認可(最高)速度[編集]

  • 前項の私鉄における営業最高速度と同義。

区間最高速度[編集]

  • 私鉄の認可最高速度のうち、区間・駅間における最高速度。

ダイヤ上の最高速度[編集]

  • 実際のダイヤ(列車運行図表)作成において、運転曲線(ランカーブ)を引く過程で設定される最高速度。
  • 最高速度の向上が直ちに時間短縮として反映されるか否かは、運転曲線の引き方すなわち走り方による。たとえば5km程度の区間で1回だけ120km/hまで上げて後は次駅まで惰行のみの走行(平坦や上り勾配の場合徐々に速度が下がる)と、110km/hまでしか出さなくても再力行を行い最高速度付近の速度を維持する走行(定速運転に近い走り方)とでは、運転時分に大差はなくなる。
  • 上記に関連して、最高速度向上を時間短縮ではなく遅延回復余力(余裕時分)として用いる場合もある。

その他[編集]

  • 地平を走り道路との平面交差のある在来鉄道では非常停止距離を600m以内としなければならない(上述の600m条項)。在来鉄道のスピードアップはこのブレーキ性能に関する規定によって制約を受けるケースが多い。
    • 1968年に国鉄の在来線特急が初めて最高速度を120km/hに引き上げた際にも、車両側ではブレーキ関係の強化改善が行われ、初速120km/hからの非常減速度が4.0km/h/s以上とされている。
  • 鉄道において制限速度とは、曲線、分岐器、下り勾配、徐行信号(標識状の黄丸)などによる速度制限箇所や、スピードシグナルの信号現示に対応する速度について用いる用語である。自動列車停止装置 (ATS) の照査速度を指す場合もある。
  • 鉄道において規制速度とは、悪天候などによる速度規制の際に用いる用語である。
  • 運転台のアナログ式速度計に、営業最高速度や信号現示による制限速度を赤色の目盛で表示している鉄道事業者もある。
  • 複々線以上の路線のうちの緩行線で上述の自動列車制御装置 (ATC) を導入している場合は、概してその設定最高速度が線区最高速度よりも低い。たとえば山手線の環状運転は線区最高速度95km/hに対してATCの上限は90km/h、常磐線の各駅停車も同130km/hに対して90km/hとなっている。
  • 速度照査式ATSやATCによる制御以外に、車両側で営業最高速度に達すると自動的に加速を止めるスピードリミッターやブレーキがかかる過速度検知装置を採用している鉄道事業者もある。
  • 地下鉄は、曲線が多く、また、建築限界が狭小なトンネル内の列車走行による風圧を考慮し、都市部で駅間が短いことから、最も高い東京メトロでも80km/hである(同社東西線の地上区間は100km/h)。地下鉄ではない山岳トンネルと同規格の地下線については各社の記事を参照。
  • 第三軌条方式の鉄道路線では、近鉄けいはんな線の95km/hが国内最速である。
  • 路面電車は、軌道運転規則に基づいて道路との併用軌道区間では40km/hとされている。専用軌道(新設軌道)においてはこの限りではない(阪堺電気軌道の50km/hなど)。また、路面電車の車両が鉄道線に乗り入れて、さらに高い速度で運転されるものもある(福井鉄道福武線65km/h、広島電鉄宮島線62km/hなど)。
  • モノレール新交通システム磁気浮上式鉄道については各路線の記事を参照のこと。

設計最高速度[編集]

車両の走行性能(おもに動力性能)の観点から、車両(車種)ごとに設定されている理論上の最高速度。鉄道車両における性能指標の一つである。多くの場合営業最高速度と同じかそれよりも高いが、高い場合は試運転や高速走行試験でのみ実際に記録することができる。

許容最高速度(最高許容速度)[編集]

  • 動力源である内燃機関電動機の最高回転数(許容回転数)と減速比・歯車比動輪によって決まる最高速度。動力源の最高回転数と動輪径に正比例し、減速比や歯車比に反比例する。
  • 国鉄電車の場合はさらに15%程度の余裕を差し引いて公称値としていた(例:485系は主電動機の最高回転数4320rpmにおいて190km/hとなるが、設計最高速度は160km/hと公表されている。営業最高速度は海峡線における140km/h)。

平坦線均衡速度[編集]

  • 平坦(0‰勾配)上で力行(加速)を続けて達することのできる最高速度。車両重量当たりの動輪周引張力と、空気抵抗を含めた走行抵抗(列車抵抗)が均衡する速度、すなわち加速力が0となる速度である。実用面では許容最高速度よりも重視される。
  • 電車電気機関車といった電気車は、直流整流子電動機の時代には重量当たり出力をより大きく取るための大出力モーターの開発や車重の軽量化、定格速度を高く取る(定格速度が低くても弱め界磁制御を広範囲で行う)など様々な技術を駆使して高速性能を向上させていた。しかし1990年代以降は、VVVFインバータ制御の普及によって比較的容易に高速性能の向上が可能となり、全般的に平坦線や後述する上り勾配における均衡速度は著しく向上している。逆に在来車と共通運用するために出力を抑えるケースも現れている(EF210形など)。
  • 新幹線ほどの高速になると、トンネル内と外(明かり区間)とで差が大きくなる。
  • 在来線の気動車についても、1960年代にキハ181系などで高速化が試みられた後、1990年ごろから大出力エンジンを2基搭載し、直結段を複数設けて最終減速比を小さく取ることで電車並みに120 - 130km/hの巡航速度を可能とした特急形車両が続出したほか、JR北海道キハ201系のように一般形であっても電車と同等の走行性能を持たせ、電車と併結・総括制御を行う例も現れた。
  • 出力の高い車両では許容最高速度を上回ることもある。逆に、出力が低かったり低速域重視に特化した車両では、許容最高速度や営業最高速度に達することができない例も過去には多かった。

実用最高速度[編集]

  • その他、先述のブレーキ性能や、脱線係数に係わる車体の重心高さ、台車の性能に起因する揺動特性、直進安定性などから設計最高速度が制約を受ける場合もある。これらの安全性を鑑みて「実用最高速度」が設定されることもある。

速度種別[編集]

  • 国鉄(現在のJR各社)のダイヤ作成において、車両・編成(MT比)・積空・線区ごとに計測または計算された10‰上り勾配における均衡速度に基づき、運行される鉄道車両の速度の基準を記号で表したものである。これについても近年は営業最高速度を上回る車両が多い。

その他[編集]

  • 運転台のアナログ式速度計のスケールがそのまま設計最高速度を表すとは限らない。多くの場合速度計のスケールの方が余裕をもって目盛られている。
  • 運転最高速度(最高運転速度)と言った場合、基本的には営業最高速度を指すが、設計最高速度に関しても用いられる場合がある。
  • また、新線建設に当たってはその路線について設計最高速度の用語が用いられることもある(道路の場合と同様の用法)。海峡線や京成成田空港線などは、最小曲線半径や分岐器の番数などに関して新幹線並みの規格で設計・建設されている。
  • 車輪研削を考慮して、許容最高速度や定格速度は最小の動輪径(直径860mmの車輪を2回研削した場合820mmとなる)を用いて算出されることが多い。
  • 電気車の出力や速度特性は、架線など電源の電圧の変動によって高下する。特に私鉄電車には架線電圧10%減(直流1500Vの場合1350V)という条件で主電動機の定格を設定しているケースが散見される。
  • 動力装置を持たない客車貨車の最高速度は、第一に走行装置の構造(二軸ボギーかなど)と空気ブレーキの方式・機能によって規定され、次いで牽引する機関車によって左右される。基本は国鉄の旧形客車が95km/h、2段リンク式二軸貨車は75km/hであり、以来速度向上が試みられて客車、ボギー貨車(コキ100系など)ともに110km/hまで引き上げられている。
  • 国内最速の貨物列車として、最高速度130km/hで走行する「スーパーレールカーゴ」(M250系使用)が挙げられる。

脚注[編集]

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  1. ^ “最高速度どこまで…新東名、有効利用か安全か”. 読売新聞 (読売新聞社). (2012年1月20日) 
  2. ^ 電波法施行規則第33条第6号(5)に基づく平成2年郵政省告示第240号第1項第4号および第5号により、警察用の無線標定陸上局無線標定移動局の操作は、無線従事者を必要としない「簡易な操作」ではないため。

関連項目[編集]