鳥栖ジャンクション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
鳥栖ジャンクションおよび鳥栖インターチェンジの位置
鳥栖ジャンクションおよび鳥栖インターチェンジの位置
鳥栖JCT(右)と鳥栖IC(左)国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を元に作成。
鳥栖JCT(右)と鳥栖IC(左)国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を元に作成。

鳥栖ジャンクション(とすジャンクション)は、佐賀県鳥栖市にある九州自動車道長崎自動車道大分自動車道を接続するジャンクションである。

ここでは、ジャンクションと一体化している鳥栖インターチェンジ2001年平成13年)に完成した九州道下り線→長崎道下り線をつなぐサガンクロス橋についても説明する。

目次


[編集] 鳥栖ジャンクション

鳥栖ジャンクション
所属路線 九州自動車道
IC番号 9
起点からの距離 96.2km(門司IC起点)
基山PA (5.2km)
(9.4km) 久留米IC
所属路線 長崎自動車道
IC番号 9
起点からの距離 0.0km(鳥栖JCT起点)
(1.2km) 鳥栖IC
所属路線名 大分自動車道
IC番号 9
起点からの距離 0.0km(鳥栖JCT起点)
(3.3km) 井上PA
供用開始日 1975年3月13日
通行台数 x台/日
所在地 〒841-0021
佐賀県鳥栖市永吉町・幡崎町
備考 鳥栖ICと一体構造
テンプレートを表示

[編集] 概要

鳥栖ジャンクションは九州の北部に位置し、九州を南北に縦断する九州自動車道と、九州を東西に横断する九州横断自動車道(長崎自動車道・大分自動車道)を相互に接続するものである。九州の主要都市を結ぶ節点として重要な位置にあり、九州では最も交通量の多いジャンクションの一つである。ジャンクションの形式として日本では珍しいクローバー型を採用していることが大きな特徴で、形式に起因する問題点から、のちにランプの追加整備を行っている。

また、ジャンクションの西方には鳥栖インターチェンジが隣接しており、一帯は複雑な幾何学模様を描いている。

接続路線および設計速度は以下のとおり。

[編集] 日本で唯一のクローバー型ジャンクション

1987年頃の鳥栖ジャンクション。
(図中、集散路は省略)

本ジャンクションは、九州自動車道(以下九州道)の南関インターチェンジ・鳥栖インターチェンジ間開業に合わせ、1973年昭和48年)に設置された。設置時には分岐する高速道路が開業しておらず、九州道の事実上終点であった鳥栖インターチェンジの一部として扱われた。その後、九州道の延伸、長崎自動車道の開業を経て、1987年(昭和62年)に大分自動車道が開業し、4枝交差のジャンクションとなった。

本ジャンクションは形式としてクローバー型を採用している。クローバー型は4枝の完全立体交差における基本形であり、左方分岐のランプと右方分岐のループランプが、対称形の美しい形状をなすのが特徴である。この形式は立体交差が1箇所で済むことから、構造物の建設コストが低いのが利点であり、アメリカ合衆国ハイウェイに多く見られる。その反面、用地を多く必要とすることから、土地に制約の多い日本では一般に採用には至らず、この形式を採用している高速道路のジャンクションはここだけである[1](一般道では千葉県浦安市の浦安ジャンクションなどの例がある)。

[編集] クローバー型の問題点

クローバー型を採用した本ジャンクションであったが、この形式には用地を多く必要とする以外にも問題点を含んでいた。

ループランプにおける問題
クローバー型においては、ランプの半数が、270度の旋回を要するループランプとなる。このループランプが4箇所も存在することから、用地の制約で曲線半径を大きく取ることができず、設計速度を低く抑える必要がある。本来、高速道路のジャンクションは円滑な交通流を確保するため、設計速度は高く取るのが望ましいとされ[2]、設計速度の低いループランプは円滑な交通の妨げとなりやすい。
また、ループランプは運転者が方向感覚を失いやすい問題もはらんでいる。
不正通行の問題
クローバー型では、ループランプから別のループランプへ進入することが可能であるため、ジャンクション内のループランプを延々走り続けることが可能である。これは、誤って目的と異なるランプへ進入した場合、ループランプを乗り継ぐことで目的の路線に復帰できる利点であるが、その一方で認められていない重複区間利用など、有料道路の不正通行を誘発しかねない欠点でもある。
合流・分流における問題と織り込み交通
クローバー型では、以下の順で合流・分流を繰り返す。
  1. 分流(左方分岐ランプへ)
  2. 合流(接続路線からの右方分岐ランプ)
  3. 分流(右方分岐ランプへ)
  4. 合流(接続路線からの左方分岐ランプ)
分流が2箇所に分かれていることは、運転者が誤進入を起こす原因となるほか、合流の直後に分流があることから、合流した車両と分岐しようとする車両が交差する『織り込み交通』が生じる(下図)。織り込み交通は、交通容量を低下させ渋滞の原因となるほか、事故も招きやすいなど安全上も好ましくないとされる。
織り込み交通。合流車両(青)と分流車両(赤)の進路が交差する。

本ジャンクションでは織り込み交通への対応として、本線と独立した集散路を設けて合流・分流を集約する構造であるが、織り込み交通そのものの解消とはならない。この結果、交通量の増大とともに本ジャンクションの構造を原因とした、大規模な渋滞がしばしば見られるようになり、渋滞への対策が迫られるようになった。

[編集] 新設直結路とサガンクロス橋

2001年直結路新設後の鳥栖ジャンクション。
九州自動車道下り方面の行先案内板。行先別に色分けする事で、利用者に配慮されている。
九州道門司方と長崎道を結ぶ、「サガンクロス橋」

鳥栖ジャンクションの弱点であるループランプのうち、とくに交通量の多い九州道門司方と長崎道を結ぶランプの混雑解消のため、新たに直結ランプが設けられた。2001年(平成13年)に完成・供用開始し、橋梁部には『サガンクロス橋』の愛称が付けられている。

新設直結路は、門司方から長崎方への片方向ランプで、緩い曲線でジャンクションをまたぐように設けられた。従来のループランプの設計速度が時速40kmであったのに対し、新設直結路は時速80kmで設計され、幅員も2車線を確保して本線並みの走行性を与えた。これにより、本ジャンクションの構造に起因する渋滞は緩和されることとなった。

一方、門司方から長崎方へ向かう旧来のループランプもそのまま残されており、門司方から鳥栖インターチェンジへ向かう車両に利用されている。これは、新設直結路は長崎道の中央寄り車線に合流するため、長崎道の集散路と接続する鳥栖インターチェンジ出口には行くときは、新設直結路が利用できないためである。

もともとクローバー型ジャンクションは、本線からの分流箇所が複数あることから、車両の誤進入を起こしやすい構造である。これに加え、新設直結路が追加されたことでさらに分流方式が複雑となったため、以下のように路面に色を付けたペイントを施して、利用者の誤進入防止を図っている。

  • 大分方面 - 白(□)
  • 長崎方面 - オレンジ(
  • 鳥栖出口 - 青(

[編集] サガンクロス橋の諸元

新設直結路のうち500メートルの区間は、本線およびランプの上空に架かる跨道橋(サガンクロス橋)である。本橋は供用中の高速道路上空に架設することから、橋脚の設置位置に制約が大きい。さらに曲線橋であることなどを考慮し、上部工として連続箱桁橋が選定された。鋼箱桁橋は、曲げ剛性・ねじり剛性がともに高く、支間の長い曲線橋に適した橋梁形式である。

また、6本の橋脚のうち3本は本線上空で橋桁を支えることから、門型の鋼製ラーメン橋脚が採用され、本線を跨ぐように設けられている。

サガンクロス橋の諸元は以下に示すとおりである[3]

  • 規格 - 第1種A規格ランプ・1方向2車線
  • 設計速度 - 80 km/h
  • 上部工形式および支間割 - 連続非合成箱桁橋(2主箱桁)×2連
    • 5径間連続箱桁 (58.60m+75.00m+77.00m+65.00m+50.20m)
    • 2径間連続箱桁 (82.0m×2)
  • 鋼重 - 2,061トン
  • 橋桁製作 - 三井造船
  • 下部工形式 - 鋼ラーメン橋脚ほか
  • 完成年度 - 2001年

[編集] 鳥栖インターチェンジ

鳥栖インターチェンジ
Kyusyu nagasaki tosuic.jpg
所属路線

九州自動車道

長崎自動車道
IC番号 1
料金所番号 (第1)02-841
(第2)02-851
本線標識の表記 Japanese National Route Sign 0003.svg Japanese National Route Sign 0034.svg鳥栖
起点からの距離 1.2km(鳥栖JCT起点)
鳥栖JCT (1.2km)
(4.5km) 山浦PA
接続する一般道 Japanese National Route Sign 0003.svg国道3号
Japanese National Route Sign 0034.svg国道34号
供用開始日 1973年11月16日
通行台数 20,463台(2006年度)
所在地 〒841-0023
(第1)佐賀県鳥栖市姫方町字本川
(第2)佐賀県鳥栖市田代本町
備考 鳥栖JCTと一体構造
施設上は長崎自動車道の施設となる
テンプレートを表示
長崎方面行き料金所

隣接する鳥栖インターチェンジ(とすインターチェンジ)では、国道3号国道34号に接続する。また、鳥栖ICは九州自動車道、大分自動車道方面と国道3号、国道34号の出入口である鳥栖第一インターチェンジ(鳥栖第一料金所)と長崎自動車道方面と国道3号、国道34号の出入口である鳥栖第二インターチェンジ(鳥栖第二料金所)を併設する。鳥栖市基山町福岡県小郡市へ行くのに便利である。国道3号・国道34号からの乗り入れもジャンクション同様のクローバー型で設計されており、ランプウェイ部分だけで国道3号と国道34号の相互利用が可能になっている。

[編集] 接続する一般道路

[編集] 料金所

ブース数:9

  • 入口(第一) 
  • 入口(第二)
    • ブース数:2
      • ETC専用:1
      • 一般:1
  • 出口
    • ブース数:5
      • ETC専用:1
      • 一般:4

[編集] 沿革

[編集] 案内板表記と詳細

長崎自動車道上り線(大分自動車道九州自動車道方面)、鳥栖ジャンクション手前で撮影したものである。

地図等では、両者を別個に記しているものが多いが、実態は「インターチェンジ併設ジャンクション」であるので、ここでは両者について記している。但し、実際の方向へ向かう分岐が多く複雑な箇所も多いため、慣れていないと混乱する恐れもある。

鳥栖IC

  • 1 鳥栖

鳥栖JCT

  • (福岡・北九州方面より)分岐する線:大分道 大分 長崎道 長崎 佐賀 鳥栖出口 本線:九州道 久留米 熊本
  • (久留米・熊本方面より)分岐する線:大分道 大分 長崎道 長崎 佐賀 鳥栖出口 本線:九州道 福岡 北九州
  • (大分方面より)分岐する線:九州道 福岡 久留米 熊本 本線:長崎道 長崎 佐賀 鳥栖出口
  • (長崎方面より)分岐する線:九州道 福岡 久留米 熊本 本線:大分道 大分
この節は執筆の途中です この節は執筆中です。加筆、訂正して下さる協力者を求めています

[編集] 周辺

鳥栖市の東北、鳥栖市と三養基郡基山町福岡県小郡市の市町境に近い場所に立地しており、ジャンクションのランプの一部は基山町域や小郡市域にかかる。小郡市の中心市街地は大分道筑後小郡ICよりもむしろ鳥栖JCTの方が近く(筑後小郡ICは小郡市の東端、大刀洗町との市町境に立地)、鳥栖IC経由で小郡市に向かう車もある。

周辺には物流関係や工場群が多く立地するほか、市街地化も進展しつつある。

このほか、佐賀競馬場鳥栖スタジアムの最寄りインターでもある。

[編集]

九州自動車道
(8-1) 筑紫野IC - 基山PA - (9) 鳥栖JCT - (10) 久留米IC
長崎自動車道
(2) 東脊振IC - 山浦PA - (1) 鳥栖IC - (9) 鳥栖JCT
大分自動車道
(9) 鳥栖JCT - 井上PA(上り線) - (1) 筑後小郡IC

[編集] 参考文献・脚注

[ヘルプ]
  1. ^ 『道路構造令の解説と運用』(2004年)日本道路協会,p524
  2. ^ 『設計要領第4集 幾何構造編』日本道路公団
  3. ^ 『製品総合カタログ 2007-2008』三井造船
  4. ^ 当時は法定路線名の九州横断自動車道がそのまま営業路線名だった。理由は長崎自動車道#「長崎自動車道」の名称に関してを参照のこと。

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス