渋滞
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渋滞(じゅうたい)とは、交通の流れが悪くなり、走行速度が遅くなった状態をいう。主に道路交通上の用語である。
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[編集] 概要
渋滞の定義は、道路管理者や交通管理者ごとに異なっている。
例えば、警視庁では統計上、下記を渋滞の定義としている(警視庁交通部 交通量統計表)。
また渋滞長がいくら長くても、1回の青信号で信号待ち車列が全て捌ける場合は、一般には渋滞とは呼ばない。
渋滞は非線形性が強く、渋滞になるときや解消するときには一気に状態が変わることが多い。
[編集] 渋滞の原因
渋滞の原因は、一般道路と高速道路で異なる。しばしば「渋滞の原因は上り坂である」などとマスメディアで報道されることが多いが、上り坂が渋滞の原因になるのは主に高速道路であって、一般道路での渋滞の最大の原因は信号交差点である。
[編集] 一般道路で発生する渋滞
- 信号交差点
- 信号交差点の存在によってその道路の交通容量は低下する。例えば、信号の青信号の秒数が30秒、黄信号が0秒、赤信号の秒数が30秒という極めて単純な信号を仮定したとき、青信号時間の比率は30/60=50%となり、交通容量は青時間率が100%のとき(すなわち立体交差のとき)と比べて約半分となる。一般道での渋滞の最大の原因は、信号交差点である。
- 信号機のパラメータ設定は、渋滞の発生有無に大きく影響する。不適切に設定すると、以前は渋滞のなかった交差点に渋滞が発生するようになる。
- 信号交差点の交通容量を増やすには、信号機の設定を調整して、青信号の時間を長くすることが最もコストが安く済む方法であり、この方法で渋滞が解消する場合も多いが、それだけでは渋滞が解消しない場合もある。その場合、後述するように交差点部の車線数を増やしたり、さらに根本的解決を図るには(コスト高ではあるが)立体交差化することが最も効果的な渋滞対策である。
- 交差点においては交差点部の車線数が交通容量に大きく影響する。従って、渋滞している交差点の対策方法として、直進レーンを増やしたり、右折レーンの整備をしたりすることは非常に有効である。
- また、駅前のように横断歩行者が多い交差点においては、左折レーンを整備して、歩行者が途切れるのを待つ左折車を直進レーンから分離すると、直進方向の交通容量向上に大きな効果を得ることができる。あるいは、ペデストリアンデッキを整備することで、歩行者と車両を分離すると、左折車両の滞留が減少する。
- (有効)車線数の減少
- 道路の1車線には1時間あたり約1,000台の交通容量がある。例えば、片側2車線の単路部(立体交差のように信号のない部分)の交通容量は1時間あたり約2000台であるが、これを超える量の車両が流入すると渋滞が発生する。しかし、実際には都市部では単路部というのは長くは続かず、信号交差点の密度が高いので、単路部で十分な交通容量があっても、その先の信号交差点がボトルネックになることが多い。
- なお、路上に駐車車両が存在するとその部分の有効車線数が減るため、交通容量は低下する。特に交差点付近の駐車車両は交通容量を著しく低下させることが知られており、都市部における渋滞は交差点付近の路上駐車が原因であることも少なくない。沿道の大規模商業施設の駐車場に入ろうとする車列も、同じく渋滞の原因となる。
- 道路工事も車線規制を伴うことが多いので、交通容量が低下し渋滞が発生しやすい。道路工事を夜間に行うことが多いのは、夜間は交通量が少ないため、車線規制による渋滞の発生を軽減できるからである。
- 踏切
- 踏切では列車通過時に道路が遮断されるため、交通容量が低下する。特に都市部の踏切は遮断率が高い。さらに日本の法規制では原則的に、遮断されていなくても一時停止が義務付けられているため、踏切の存在自体が信号機同様に道路容量を低下させる原因になっている。都市部を中心に鉄道を高架化、あるいは道路を地下化して踏切を無くす連続立体交差工事が盛んに行われている。
- 橋
- 本来、橋は必ずしも交通容量を低下させるわけでは無いが、都市の道路ネットワークの構造として橋の数が少ないため、どうしても交通需要の集中が起き、渋滞が起こる。
- 事故
- 本来は交通事故により、車線が塞がれて起きる渋滞である。広義には火事や天災によるものも含める。
- 見物渋滞(わき見渋滞)
- 交通工学の本来の用語ではない。ドライバーが対向車線の事故を見たり、綺麗な景色に見とれたり、火事などの野次馬を行ったりすると、自然と車の速度を低下させたり、場合によっては停止させたりすることもあるため、渋滞が起こる。
- 天候による渋滞
- 雪などでチェーン規制となった場合、チェーンの着脱のために装着場へ入る車が多くなること、サービスエリア・パーキングエリアなどに強制流入させて滑り止め装着の有無を点検することなどから渋滞の原因になる。また、雪、雨、凍結の場合、摩擦係数が小さくなりタイヤが滑りやすくなるため、ドライバーが慎重に運転する。そのため道路容量が低下する。さらには霧や大雨の場合、視界が悪く低速度で運転せざるを得ないため、道路容量が低下する。
[編集] 高速道路で発生する渋滞
- サグによる渋滞(sag)
- すり鉢状の地形にある道路ではドライバーが凹状の底の地点(谷底)に到着して上り坂となったとき、緩慢な変化に気が付きにくいことから、アクセルを強く踏むタイミングが遅れ、速度低下が発生しやすい(オートマチック車の場合はギアチェンジが起こらない)。
- 自動車のアクセルは速度を管理・調整する機能ではなく、燃焼状況(トルク)を調節する機能であるため、路面状況の変化にドライバーが気が付かず同じようにアクセルを操作してしまい、このわずかなタイミングにより速度の低下が起こることで結果的に交通容量の低下が起こる。なお、渋滞時のサグの容量は非渋滞時の容量に比べて大幅に低下する。回避させるために「この先上り坂」や「速度回復願います」と簡易型電光掲示板に表示する対策方法が取られている。
- 織り込み区間による交通容量低下
- ウィービングともいう。
- 料金所による渋滞
- ETCの普及により、ノンストップで料金所を通過できる車両が増えたため、日本では解消されつつある。
- 工事・事故による渋滞
- 工事や事故のため車線が減少・規制されることで渋滞になる。ときには全く動かなくなることもある。工事による渋滞はVICS等を通じて事前に公表されることがあるが、事故による渋滞は前述のケースや料金所での渋滞と違いどこでいつ起こるかわからないため、VICSなどにも情報がすぐには入りにくい。
- 車線規制が終了し交通容量が回復した後で、車線規制による渋滞列中に存在する車両がすべて通過して、渋滞解消となる。渋滞情報などで事故渋滞と表示されていても、事故車両を見かけないことが多いのはこのためである。
- 坂道による渋滞
- 日本における高速道路では山間部のように険しい地形上に路線を建設するため、傾斜やカーブが多く存在する。ドライバーが平坦部と変わらないアクセルの踏み方で上り坂を登ろうとすると、傾斜角度3%程度のドライバーも気付かないほどのわずかな傾斜でも速度が低下する。特に加速性能の低い大型車は速度低下が大きい。
- 後続の車は前方車両のわずかな減速に対し、安全のためにと前方車両以上に減速してしまうことがある。これがいくつか繰り返されると、後方の車両はかなりの低速状態になってしまい、渋滞が発生する。
- このような原因による交通容量の低下を防止するために、大きな勾配が存在する区間には付加車線(登坂車線)が設置されている。
- トンネルによる渋滞
- トンネルは視覚的に狭く感じ、明るさも変化するため、ドライバーはその入り口付近でアクセルを緩めてしまいやすい。その結果、交通容量が低下する。また、雨をはくために真ん中付近が上り坂になっているトンネルもあり、これも渋滞の原因となっている。回避させるためにトンネル入り口付近の照明度を高くする、トンネル側面に水準線を描き、上り下りの状況判断をし易くする等の工夫が有効である。対策としてNEXCO西日本は2009年8月6日より、管内76ヶ所のトンネルで、夜間時の照明度を昼間時の照明度と同じくする対策をとった(通常、夜間時は昼間時の5分の1に照明度を落としている)。対策前に都市部の一部トンネルでは実施しており、一定の効果があったため2009年8月6日より地方部のトンネルでの運用が決まった。
[編集] 渋滞中の道路を走行する際の注意点
渋滞に入った場合は気長に渋滞を抜けるまで集中力を切らさずに運転することが重要である。
- 追い越し車線と走行車線とがある都市間高速道路などではどちらの車線も走行速度は大差ないので、むやみに車線変更はしない(かえって事故を招く恐れがあり、渋滞解消の妨げとなりかねない)。
- 定期的に路側放送(ハイウェイラジオ)を聞いたり、SAやPAに設置されている道路情報版やVICS情報を活用したりして渋滞解消を待つ。渋滞発生が予測される場合はその時刻より前に通過できるよう、出発時刻を調節する。
- 複数の経路を選択可能な場合、渋滞のない経路を選択する(道路の処理能力を超える車両が走行する場合に渋滞が発生する。渋滞を避けるならば、発生するであろう区間や時刻を回避すべきである)。
また、渋滞中はSAやPAに寄りたいと思っても、満車であることが多々あり、そう簡単なことではない。高速道路利用前にあらかじめ、トイレなどに行っておくとよい。なお、渋滞中は車の燃費が予想以上に悪くなる(特にエアコンを使っている夏)ので、できればSAに立ち寄った際は燃料の補給や車両の簡易な点検をしておき、自車が故障車となり更なる渋滞を招く原因とならないようにすべきである。
[編集] 総距離の長い渋滞
ここではこれまでに起こった総距離の長い渋滞について書く。(2009年時点)
| 発生日時 | 先頭 | 末尾 | 延長 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 1995年12月27日 | 名神高速道路 秦荘PA (滋賀県愛荘町) |
東名高速道路 赤塚PA (愛知県豊川市) |
154km | 日本の渋滞最長記録 |
| 1990年8月 | 中国自動車道 山崎IC (兵庫県山崎町) |
名神高速道路 瀬田西IC (滋賀県大津市) |
135km | |
| 1995年8月11日 | 名神高速道路 竜王IC (滋賀県竜王町) |
中国自動車道 福崎IC (兵庫県福崎町) |
129km |
[編集] 高速道路における渋滞の名所
- 上り線の矢板IC流入ランプと本線車道との合流部から1km以上に亘って緩やかな上り坂となっており、速度が低下しやすい。またリゾート地である那須・塩原地区からの車両が那須IC・黒磯板室IC・西那須野塩原ICの各ICから流入してくるために交通量が飛躍的に増加する。
- 言わずと知れた関東一の渋滞の名所。トンネルによる圧迫感により、自然とドライバーがブレーキを踏んで速度が低下しやすいことに加え、トンネル付近は緩やかな上り坂となっていることが主な渋滞の要因。またこの区間は小田原厚木道路や保土ヶ谷バイパスが合流・分岐するため、行楽シーズンなどは交通量が最も集中しやすい区間でもある。
- 後述の四日市IC付近と同様に、伊勢湾岸自動車道の開通以降、3方面からの交通が集中することによる渋滞が頻発するようになっている(第二東名高速道路の開通以降は緩和されるものと予測されている)。
- 最近までは長大な渋滞が発生しなかったが、2008年2月23日に新名神高速道路の亀山JCT-草津田上ICが部分開通した。これにより東名阪自動車道の四日市JCT-亀山JCTが東京-大阪間の主要ルートを構成するようになり、交通量が増加した。交通集中に加え、サグ部による速度低下が主な渋滞の要因である。伊勢湾岸自動車道の四日市JCT-四日市北JCTと新名神高速道路の四日市北JCT-亀山西JCTが開通することで四日市JCT-亀山西JCT間が2ルート化され、交通量が分散し、渋滞の緩和が期待される。
- 高槻BSを中心に比較的急勾配な坂(サグ)が続くため、速度が低下する。また高槻BS付近は日本有数の交通量を誇る。第二京阪道路の延伸(枚方東IC-門真JCTの開通により全線開通)により交通量が分散し、渋滞の緩和が期待される。
- 言わずと知れた関西一の渋滞の名所。トンネル内部が上り坂になっていることや、関西地区最大の交通量を誇ることが渋滞の要因である。新名神高速道路の高槻第二JCT-神戸JCTの開通により、渋滞の緩和が期待される。
- 対面通行区間であり、行楽シーズンの週末に渋滞が発生しやすい。
[編集] 脚注
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 渋滞状況(国土交通省道路局)
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