渋滞
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渋滞(じゅうたい)とは、交通の流れが悪くなり、走行速度が遅くなった状態をいう。主に道路交通上の用語である。
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[編集] 概説
渋滞の定義は、道路管理者や交通管理者ごとに異なっている。
例えば、警視庁では、統計上、
- 一般道においては、走行速度が20km/h以下になった状態
- 高速道路においては、走行速度が40km/h以下になった状態
を渋滞と定義している。(警視庁交通部 交通量統計表)
また、渋滞長がいくら長くても、一回の青信号で信号待ち車列が全て捌ける場合は、一般には渋滞とは呼ばない。
渋滞は非線形性が強く、渋滞になるときや解消するときには一気に状態が変わることが多い。
[編集] 渋滞の原因
渋滞の原因は、一般道路と高速道路で異なる。しばしば「渋滞の原因は上り坂である」などとテレビで特集が組まれることがあるが、上り坂が渋滞の原因になるのは主に高速道路であって、一般道路での渋滞の最大の原因は信号交差点である。
[編集] 一般道路で発生する渋滞
- 信号交差点
- 信号交差点の存在によってその道路の交通容量は低下する。例えば、信号の青信号の秒数が30秒、黄信号が0秒、赤信号の秒数が30秒という極めて単純な信号を仮定したとき、青信号時間の比率は30/60=50%となり、交通容量は青時間率が100%のとき(すなわち立体交差のとき)と比べて約半分となる。一般道での渋滞の最大の原因は、信号交差点である。
- 信号機のパラメータ設定は、渋滞の発生有無に大きく影響する。不適切に設定すると、以前は渋滞のなかった交差点に渋滞が発生するようになる。
- 信号交差点の交通容量を増やすには、信号機の設定を調整して、青信号の時間を長くすることが最もコストが安く済む方法であり、この方法で渋滞が解消する場合も多いが、それだけでは渋滞が解消しない場合もある。その場合、後述するように交差点部の車線数を増やしたり、さらに根本的解決を図るには(コスト高ではあるが)立体交差化することが最も効果的な渋滞対策である。
- 交差点においては交差点部の車線数が交通容量に大きく影響する。従って、渋滞している交差点の対策方法として、直進レーンを増やしたり、右折レーンの整備をしたりすることは非常に有効である。
- また、駅前のように横断歩行者が多い交差点においては、左折レーンを整備して、歩行者が途切れるのを待つ左折車を直進レーンから分離すると、直進方向の交通容量向上に大きな効果を得ることができる。あるいは、ペデストリアンデッキを整備することで、歩行者と車両を分離すると、左折車両の滞留が減少する。
- (有効)車線数の減少
- 道路の1車線には1時間あたり約1,000台の交通容量がある。例えば、片側2車線の単路部(立体交差のように信号のない部分)の交通容量は1時間あたり約2000台であるが、これを超える量の車両が流入すると渋滞が発生する。しかし、実際には都市部では単路部というのは長くは続かず、信号交差点の密度が高いので、単路部で十分な交通容量があっても、その先の信号交差点がボトルネックになることが多い。
- なお、路上に駐車車両が存在するとその部分の有効車線数が減るため、交通容量は低下する。特に交差点付近の駐車車両は交通容量を著しく低下させることが知られており、都市部における渋滞は交差点付近の路上駐車が原因であることも少なくない。沿道の大規模商業施設の駐車場に入ろうとする車列も、同じく渋滞の原因となる。
- 道路工事も車線規制を伴うことが多いので、交通容量が低下し渋滞が発生しやすい。道路工事を夜間に行うことが多いのは、夜間は交通量が少ないため、車線規制による渋滞の発生を軽減できるからである。
- 踏切
- 踏切では列車通過時に道路が遮断されるため、交通容量が低下する。特に都市部の踏切は遮断率が高い。さらに日本の法規制では原則的に、遮断されていなくても一時停止が義務付けられているため、踏切の存在自体が信号機同様に道路容量を低下させる原因になっている。都市部を中心に鉄道を高架化、あるいは道路を地下化して踏切を無くす連続立体交差工事が盛んに行われている。
- 橋
- 本来、橋は必ずしも交通容量を低下させるわけでは無いが、都市の道路ネットワークの構造として橋の数が少ないため、どうしても交通需要の集中が起き、渋滞が起こる。
- 事故
- 本来は交通事故により、車線が塞がれて起きる渋滞である。広義には火事や天災によるものも含める。
- 見物渋滞(わき見渋滞)
- 交通工学の本来の用語ではない。ドライバーが対向車線の事故を見たり、綺麗な景色に見とれたり、火事などの野次馬を行ったりすると、自然と車の速度を低下させたり、場合によっては停止させたりすることもあるため、渋滞が起こる。
- 天候による渋滞
- 雪などでチェーン規制となった場合、チェーンの着脱のために装着場へ入る車が多くなること、サービスエリア・パーキングエリアなどに強制流入させて滑り止め装着の有無を点検することなどから渋滞の原因になる。また、雪、雨、凍結の場合、摩擦係数が小さくなりタイヤが滑りやすくなるため、ドライバーが慎重に運転する。そのため道路容量が低下する。さらには霧や大雨の場合、視界が悪く低速度で運転せざるを得ないため、道路容量が低下する。
[編集] 高速道路で発生する渋滞
- サグによる渋滞(sag)
- すり鉢状の地形にある道路ではドライバーが凹状の底の地点(谷底)に到着して上り坂となったとき、緩慢な変化に気が付きにくいことから、アクセルを強く踏むタイミングが遅れ、速度低下が発生しやすい(オートマチック車の場合はギアチェンジが起こらない)。
- 自動車のアクセルは速度を管理・調整する機能ではなく、燃焼状況(トルク)を調節する機能であるため、路面状況の変化にドライバーが気が付かず同じようにアクセルを操作してしまい、このわずかなタイミングにより速度の低下が起こることで結果的に交通容量の低下が起こる。なお、渋滞時のサグの容量は非渋滞時の容量に比べて大幅に低下する。回避させるために「この先上り坂」などの表示が有効である。
- 織り込み区間による交通容量低下
- ウィービングともいう。
- 料金所による渋滞
- 待ち行列理論によれば、料金所の平均サービス率が車の平均到着率以下となると、待ち行列が発生する。これにより渋滞が起こる[1]。ETCの普及により解消するとも言われているが、もし料金所の渋滞が無くなったとしても、今度は一般道に接続する交差点の部分で渋滞が発生するだけだと予想されているため、渋滞の位置が変わるだけとも言われている。
- 工事・事故による渋滞
- 工事や事故のため車線が減少・規制されることで渋滞になる。ときには全く動かなくなることもある。工事による渋滞はVICS等を通じて事前に公表されることがあるが、事故による渋滞は前述のケースや料金所での渋滞と違いどこでいつ起こるかわからないため、VICSなどにも情報がすぐには入りにくい。
- 車線規制が終了し交通容量が回復した後で、車線規制による渋滞列中に存在する車両がすべて通過して、渋滞解消となる。渋滞情報などで事故渋滞と表示されていても、事故車両を見かけないことが多いのはこのためである。
- 坂道による渋滞
- 日本における高速道路では山間部のように険しい地形上に路線を建設するため、傾斜やカーブが多く存在する。ドライバーが平坦部と変わらないアクセルの踏み方で上り坂を登ろうとすると、ドライバーも気付かないほどのわずかな傾斜でも速度が低下する(特に加速性能の低い大型車は速度低下が大きい)。
- 後続の車は前方車両のわずかな減速に対し、安全のためにと前方車両以上に減速してしまうことがある。これがいくつか繰り返されると車両はかなりの低速状態になってしまい、渋滞が発生する。4・5回で速度50キロほどまで落ちてしまうこともある(また最低でも8キロ以下の徐行になることはない)。渋滞しているがいつ渋滞を抜けたかわからない渋滞の大半はこの坂道による渋滞である。
- このような原因による交通容量の低下を防止するために、大きな勾配が存在する区間には付加車線(登坂車線)が設置されている。
- トンネルによる渋滞
- トンネルは視覚的に狭く感じ、明るさも変化するため、ドライバーはその入り口付近でアクセルを緩めてしまいやすい。その結果、交通容量が低下する。また、雨をはくために真ん中付近が上り坂になっているトンネルもあり、これも渋滞の原因となっている。回避させるためにトンネル入り口付近の照明度を高くする、トンネル側面に水準線を描き、上り下りの状況判断をし易くする等の工夫が有効である。
[編集] 渋滞中の道路を走行する際の注意点
渋滞に入った場合は気長に渋滞を抜けるまで集中力を切らさずに運転することが重要である。
- 1kmあたり5分と計算すると、ボトルネックまでのおおよその到着時間を想定できる。
- 追い越し車線と走行車線とがある都市間高速道路などではどちらの車線も走行速度は大差ないので、むやみに車線変更はしない(かえって事故を招く恐れがあり、渋滞解消の妨げとなりかねない)。
- 定期的に路側放送(ハイウェイラジオ)を聞いたり、SAやPAに設置されている道路情報版やVICS情報を活用したりして渋滞解消を待つ。渋滞発生が予測される場合はその時刻より前に通過できるよう、出発時刻を調節する。
- 複数の経路を選択可能な場合、渋滞のない経路を選択する(道路の処理能力を超える車両が走行する場合に渋滞が発生する。渋滞を避けるならば、発生するであろう区間や時刻を回避するべき)。
また、渋滞中はPAやSAに寄りたいと思っても、そう簡単なことではない。あらかじめ、トイレなどに行っておくとよい。なお、渋滞中は車の燃費が予想以上に悪くなる(特にエアコンを使っている夏)ので、できればSAでガソリンの補給もしたいところである。
[編集] 総距離の長い渋滞
ここではこれまでに起こった渋滞について書く。 (2009年5月4日時点)
- 1995年12月27日 - 名神高速・秦荘PA (滋賀県愛荘町) ~東名高速・赤塚PA (愛知県豊川市) での154km
- 1990年8月 - 中国道・山崎IC (兵庫県山崎町) ~名神高速・瀬田西IC (滋賀県大津市) での135km
- 1995年8月11日 - 名神高速・竜王IC (滋賀県竜王町) ~中国道・福崎IC (兵庫県福崎町) での129km
[編集] 脚注
- ^ なお、到着率がサービス率より小さい場合には待ち行列が有限であるため、ボトルネック型の渋滞では無く、「速度の低下した状態」による渋滞となるが、ここではボトルネック型の渋滞で説明する。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 渋滞状況(国土交通省道路局)

