阪神高速道路

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

阪神高速道路(はんしんこうそくどうろ、Hanshin Expressway)は、大阪市神戸市および京都市とその周辺の地域に路線網を有する総延長264.5km(管理239.3km、新設25.2km)の有料自動車専用道路。 一般に略して阪神高速または阪高阪神と呼ばれる。 道路法上は大阪府道兵庫県道、または大阪市・神戸市・京都市の市道である。正式には、「○○府(県・市)道高速△△□□線」などの路線名が付けられている。 地域高規格道路の計画路線に指定されている。

目次

[編集] 阪神高速道路株式会社

阪神高速道路株式会社
Hanshin Expressway Company, Limited.
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 阪神高速
本社所在地 〒541-0056
大阪府大阪市中央区久太郎町四丁目1番3号
電話番号 06-6252-8121
設立 2005年10月1日
業種 サービス業
事業内容 高速道路、自動車専用道路の管理運営
代表者 木下 博夫(代表取締役社長)
資本金 100億円
売上高 連結:2,135億7,800万円
単体:2,120億1,200万円
(2008年3月期)
総資産 連結:2,565億3,900万円
単体:2,542億5,700万円
(2008年3月期)
従業員数 連結:1,122人
単体:771人
(2008年3月31日現在)
決算期 3月31日
主要株主 国土交通大臣 50%
大阪府 14.4%
大阪市 14.4%
兵庫県 9.1%
神戸市 9.1%
京都府 1.5%
京都市 1.5%
主要子会社 阪神高速サービス
外部リンク www.hanshin-exp.co.jp
  

阪神高速道路株式会社(はんしんこうそくどうろかぶしきがいしゃ、Hanshin Expressway Company, Limited.)は、2005年10月1日高速道路株式会社法により設立された。道路関係四公団民営化により、阪神高速道路公団の業務を日本高速道路保有・債務返済機構とともに承継した。

政府及び地方公共団体が常時三分の一以上の株式を保有する特殊会社で、当分の間政府から債務保証を受ける。一方、営業年度毎の事業計画や社債の募集、資金の借入については国土交通大臣認可を要する。

また会社は機構との協定に従い、政令で定められた機構への出資金補助金の中から、建設費の一部につき無利子貸付が受けられる。

財務情報[1]
年度 売上高 営業利益 経常利益 純利益
平成17年度 1051億4700万 46億8300万円 46億8500万円 11億9400万円
平成18年度 1885億5300万円 21億3800万円 22億3400万円 17億200万円
平成19年度 2135億7800万円 35億6400万円 38億9400万円 29億3400万円
平成20年度 2224億1900万円 36億9500万円 47億4300万円 36億400万円

[編集] 業務の範囲

従来の阪神高速道路の範囲において、機構と締結した協定に基づき以下の業務を行う。

  • 高速道路の新設又は改築、完了時には、道路資産と債務がともに機構に帰属する。
  • 機構の保有する道路資産を有償で借り受けての、かかる高速道路の管理。

いわゆる上下分離方式を採用した中での「上」に相当する。

[編集] 子会社等

連結子会社

  • 阪神高速サービス(株)
  • 阪神高速技術(株)
  • 阪神高速パトロール(株)
  • 阪神高速トール大阪(株)
  • 阪神高速トール神戸(株)
  • (株)エイチエイチエス
  • (株)高速道路開発
  • (株)コーベックス
  • (株)サナウィン
  • (株)ベイフレンド
  • (株)ロードテック
  • (株)ハイテクノ

関連会社

  • (株)ハイウェイ技研

関連公益法人

  • (財)阪神高速道路管理技術センター
  • (財)阪神高速地域交流センター

[編集] 諸問題

[編集] 所得税の申告漏れ

2008年9月に、民営化直後の2005年10月から2008年3月までの3年間に渡り、約5億円の申告漏れを指摘された。このうち約1億5,000万円については、意図的な所得隠しと認定され、重加算税など約2億円を追徴課税された[2]。この所得税の申告漏れ問題は、東日本中日本西日本の各高速道路会社でも判明している。

[編集] 営業路線

阪神地域におけるルート図。赤線が阪神高速。

阪神高速には、以下の路線がある。

1桁の路線番号は基幹となる路線、10番台は1号環状線からの放射線、31号は3号の枝線の意味合いがある。これはスペイン高速道路でみられる路線番号の付け方に似ている。

[編集] 阪神東線

[編集] 阪神西線

[編集] 阪神南線

[編集] 京都線

京都地域におけるルート図。赤線及び橙線が阪神高速。

[編集] 歴史

[編集] 通行料金

4つの料金圏内でそれぞれ均一料金制となっている。[3]

普通区間
地区 普通車 大型車
阪神東線 700円 1,400円
阪神西線 500円 1,000円
阪神南線 500円 1,000円
京都線 450円 900円

路線の末端部分や料金圏境で特定料金区間がある。

特定区間
区間 普通車 大型車
特定区間1 尼崎西-料金区界(武庫川)、泉大津-料金区界(助松) 150円 300円
特定区間2 北津守-安治川、高石-料金区界(助松)、
尼崎東海岸-料金区界(鳴尾浜)、東大阪JCT.-西石切町(第二阪奈)、
芦屋-料金区界(武庫川)、西宮浜-料金区界(鳴尾浜)
200円 400円
特定区間3 神田-池田木部 300円 600円

湾岸(垂水)線(垂水JCT.-名谷JCT.)及び北神戸線(伊川谷JCT-永井谷JCT)は、第二神明道路東側区間の通行料金

阪神高速では普通車と大型車を以下の様に定義している。

普通車
自動二輪車(125cc以下を除く)、小型特殊自動車、軽自動車普通・小型乗用車、小型バス(乗車定員29人以下かつ総重量8トン未満)、普通・小型トラック、2軸のトラクター(トレーラーヘッド)
大型車
大型バス(乗車定員30人以上又は総重量8トン以上)、大型トラック(最大積載量5トン以上又は総重量8トン以上)、大型特殊自動車、3軸のトラクター(トレーラーヘッド)

[編集] ETC割引

全ての料金所ETCが利用できる。また、ETCで無線通行をすると様々な割引が受けられる。以下はETCで無線通行した場合の割引料金一覧で、記載金額は特に断りがない場合は普通車を例にしたものである。 [4]

平日時間帯割引
割引率と、割引前後の料金一覧である。特定料金区間も通常区間と同様の割引率となっている。
時間帯 阪神東線 阪神南線 阪神西線
0:00 - 7:00 10%(700円→630円) 10%(500円→450円) 5%(500円→480円)
7:00 - 11:00 3%(700円→680円) 3%(500円→490円)
11:00 - 16:00 10%(700円→630円) 10%(500円→450円)
16:00 - 19:00 3%(700円→680円) 3%(500円→490円)
19:00 - 24:00 10%(700円→630円) 10%(500円→450円) 5%(500円→450円)
土曜・休日割引
割引率と、割引前後の料金一覧である。特定料金区間は距離に関係なく一定の割引率となっている。
距離・区間 阪神東線 阪神南線 阪神西線
7km未満 30%(700円→490円) 30%(500円→350円) 15%(500円→420円)
7km - 15km未満 20%(700円→560円) 20%(500円→400円) 10%(500円→450円)
15km以上 10%(700円→630円) 10%(500円→450円) 5%(500円→470円)
特定料金区間1 20%(150円→120円) -
特定料金区間2 20%(200円→160円) - 10%(200円→180円)
特定料金区間3 20%(300円→240円) -
8号京都線における割引
8号京都線では今のところ全線利用によるETC割引は適用されないが、現在開通しているA区間(山科 - 鴨川東)もしくはB区間(上鳥羽 - 伏見)の単独利用に限ってETC割引が適用される。8号京都線で通勤時間帯割引が適用される時間帯は6:00-9:00および17:00-20:00である。
A区間 B区間
普通車 大型車 普通車 大型車
現金 450円 900円 450円 900円
通常割引 350円 700円 350円 700円
通勤時間帯割引 250円 500円 300円 600円
連続利用割引
7号北神戸線と新神戸トンネルを連続して利用すると、普通車・大型車共に150円割引となる。
阪神高速多頻度割引(事業者向け)
運送業者などを対象に実施されている割引。ETCコーポレートカードによる無線通行が前提となり、月間利用額(100円未満切り捨て)に応じて割引率が変化する。
月間利用額 割引率
5,000円以下 0%
5,000円超 - 10,000円 3%
10,000円超 - 35,000円 6%
35,000円超 - 70,000円 8%
70,000円超 13%

[編集] 距離料金

阪神高速はETC利用時限定で2008年度を目途に距離料金制への移行を目指していた。これは現在の均一料金制では料金に極端な不公平が発生する場合があり、より公平な料金制を利用者に求められているからである。

以下は同じ料金(700円)で走行距離が極端に違う例である。

  • 池田-豊中南(約5km)
  • 池田-助松(約43km)

以下は同程度の距離(約43km)で料金が極端に違う例である。

  • 池田-助松(700円)
  • 住吉浜-岸和田北(1,700円)

ターミナルチャージも徴収するとされ、料金圏を跨ぐと割高になる点などは改善されないため事実上の値上げであるとして各方面から猛反発を受けた。予定では最低料金が400円で最高約2350円程度。ETC車は距離料金を適応するが一般車は入口などで距離に関わらず距離料金の最高料金を払わないといけない予定なので阪神高速はETCの導入をキャンペーンなどで勧めている。

阪神高速道路会社によると、距離料金制が導入されると、例えば一般道路渋滞を回避するために阪神高速が利用しやすくなって結果的に一般道の渋滞軽減につながる等のメリットが予想されるとしている[5]

これに先駆けて、現在ETC利用時限定で土曜・休日に距離別割引を社会実験として実施している。

しかし、2008年7月28日政府与党はガソリン価格の高騰や運送業界を中心に高まっている距離料金の上限額が高すぎるとの反発の声を考慮し、上限額を大幅に引き下げることなどをふくめて、2008年10月に目指していた距離別料金制への移行を半年程度見送る方向で検討に入った[6]。8月29日、距離料金制導入の延期が示された[7]

[編集] 安心実現のための緊急総合対策

2008年9月16日から政府の「安心実現のための緊急総合対策」として高速道路の料金が引下げられたが、阪神高速は首都高速と共に値下げ措置の適用外とされた。また、阪神高速以外の大阪東京近郊の高速道路も同様に値下げ措置の適用外とされ、橋下徹大阪府知事などが反発した[8]

[編集] 生活対策

2009年3月から政府の「生活対策」等に基づき、高速道路の料金が引下げられたが、阪神高速は首都高速と共に料金社会実験として開始された。また、大都市近郊区間も同様に割引がされている。

[編集] 乗り継ぎ

阪神高速道路は路線間の接続を一般道経由の乗り継ぎに依存している部分が少なくない[9]。(矢印→は相互ではない)

  • 3号神戸線 中之島西 → 1号環状線 堂島
  • 3号神戸線 中之島西 → 16号大阪港線 波除
  • 3号神戸線 摩耶 ⇔ 5号湾岸線 住吉浜
  • 3号神戸線 京橋 ⇔ (ハーバーハイウェイ経由の場合は別料金。ETCは利用出来ない) ⇔ 5号湾岸線 住吉浜
  • 3号神戸線 生田川 ⇔ (新神戸トンネル有料道路経由の場合は別料金) ⇔ 7号北神戸線 箕谷
  • 3号神戸線 柳原 ⇔ 31号神戸山手線 神戸長田
  • 4号湾岸線 大浜 ⇔ 15号堺線 堺
  • 8号京都線 鴨川東 ⇔ 8号京都線 上鳥羽
  • 16号大阪港線 波除 → 1号環状線 堂島
  • 16号大阪港線 波除 → 3号神戸線 中之島西

[編集] パーキングエリア

(括弧)付きは、その方面行きのみ設置されている。

[10]

[編集] 制限速度

制限速度は湾岸線が80km/h(名谷JCT-垂水JCTは50km/h)の他はほとんどが40-60km/h制限となっている[11]

[編集] エリア情報

[編集] 事業路線・計画路線

[編集] 事業路線

[編集] 計画路線

信濃橋渡り線(仮称)
2009年都市計画決定・事業化。2014年度完成予定。
16号大阪港線東行き阿波座出口付近から、1号環状線北行き路線に直接接続する路線。現状大阪港線からは環状線の南半分を阿波座→信濃橋と時計回りに1周しないと、梅田・大阪空港・守口方面には行けない。

[編集] その他

[編集] 計画廃止

[編集] 備考

梅田出入口

高速自動車国道等は一般的に一番右側の車線追越車線、その他左側の車線を走行車線と呼ぶが、阪神高速道路にはこれは当てはまらず、単に右側車線左側車線と呼ばれることが多い。高速車が右側車線、低速車が左側車線を走るのは他の高速道路と同じである。

首都高速道路名古屋高速道路と同じように、右側車線での分合流が多数ある。また、特に1号環状線では目的地によっては短距離で複数回車線変更をする必要があり、慣れない場合は環状線を一周しても大した距離ではないので一周しながらゆっくり車線変更した方が良い。ちなみに1号環状線は最大で4車線である。

路線のほとんどが高架となっている。例外は、山地部や地下を通る7号北神戸線と31号神戸山手線、トンネルを通る3号神戸線と8号京都線のそれぞれ一部である。

4号湾岸線と5号湾岸線と16号大阪港線が通る港大橋は日本第1位、世界第3位の長さを誇るトラス橋である。二階建て構造になっており、上層の大阪市内方面を16号大阪港線、下層の神戸方面を5号湾岸線が通っている[12]

11号池田線は中之島分岐と出入橋出口の間で朝日新聞ビルの中を貫通している。 11号池田線の梅田出入口はビル(ゲートタワービル)を貫通する特殊な構造となっている[13]

道路交通情報では、船場ランプは無いにも関わらず「船場を先頭に渋滞○キロ。」と言う表現がなされることがある。13号東大阪線の西船場JCT - 東船場JCT間は船場センタービル屋上に道路があり、この付近発生の渋滞の先頭は全て「船場-」と表される。環状線を通じて、全ての放射線に渋滞が渡っている事が多い。

京都地区に路線網を有する8号京都線は、阪神高速道路の路線ではあるが、阪神地区の各路線(3号神戸線や13号東大阪線など)とは直接的な接続はしておらず、料金圏においても独立した区間となっている。阪神高速道路を利用して両地区を往来する際には、第二京阪道路京滋バイパス名神高速道路近畿自動車道(それぞれ有料、別料金)または一般国道を経由することとなる。

[編集] その他

  • ハイウェイラジオの受信報告書は、大阪管理部中央システム管理グループ長宛に送ること

[編集] 脚注

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 外部リンク

他の言語