ペースメーカー (陸上競技)

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ペースメーカー

陸上競技中距離走長距離走、特にマラソン競技でみられるペースメーカーとは高水準かつ均等なペースでレースや特定の選手を引っ張る役目の走者のこと。ラビットと呼ばれることもある[1]

ペースメーカーを導入することによりレース序盤でライバル選手を意識しすぎてペースを乱すことがなくなり高記録が期待できる(最先頭を走る競技者の負担が減る)。また選手の風除けの役割も果たす。

沿革[編集]

近年の陸上競技の商業化から話題づくりのため高記録が求められ、陰に陽にペースメーカーが用いられるようになった。主催者と契約したペースメーカーは一般参加者とは区別され、招待選手等と一緒に扱われることもある(エントリーやスタート位置など)。契約によって、ペースメーカーの役割を終えた後、走り続けて完走してよい場合と完走が許されない場合がある。前者の場合、自他の調子やレース展開によってはペースメーカーが自ら優勝しても構わない。また、ペースメーカーが特別のナンバーカードなどをつけて選手と区別される場合と共通のゼッケンをつけて一般選手と区別がつかない場合とがある。参加者個人同士の同意や契約でペースメーカーを担うこともある。

また、ペースメーカーと似たもので「ガードランナー」(または単に「ガード」)と呼ばれるものがある。これは、特にスタート直後等の混乱から有力選手を守るためのものである。また、有名選手、芸能人等の著名人や、(男女混合レースで)異性の選手に必要以上に近づく参加者を牽制する役目もあるという[要出典]

日本ではペースメーカーの存在はマラソンのテレビ中継等では半ば触れるのはタブー視されていた時期もあった。嘗ては棄権したペースメーカーに対しアナウンサーが敢えてアクシデントであるかのごとき実況をする事もあったが、2003年12月7日に行われた福岡国際マラソンで日本陸連がレースでペースメーカーを使うことを初めて公表し、中継で触れる事が可能になった[2]

ペースメーカーは当然であるが一時的にでも、メインの競技者と同等以上の走力を発揮する必要がある。例えば世界記録を狙ってのペースメイクなどは全行程を併走するのは難しいから、スタートから50~80%程度の距離まで先導併走して、残りは競技者が単独で走ることになる。男女混合のレースでは男性ランナーが女性有力選手のサポートをすることも可能で、この場合はゴールまで併走できる見込みも高い。

高橋尚子ベルリンマラソンで当時の世界記録を達成した際は複数の男性走者(ガードランナー及びペースメーカー)に囲まれて併走する姿が報じられた。

オリンピック世界選手権では国ごとに出場選手の枠が決められており、現実問題として個々選手にとって他の選手はライバルであるという性格から協調行動を取ることができないため、ペースメーカーは事実上用いることができない。

その他[編集]

海外競馬では陸上競技のペースメーカーに類似した仕組みとして馬主が有力馬に上位進出させるために有利なペースを作ることを目的としたラビットが広く認められている。同一馬主によるラビットと本命馬は一頭として換算されてオッズは一緒という仕組みであり、本命馬の上位進出ができればラビット自身が上位を目指さなくてもギャンブルとして成立するため問題視されていない。同一馬主の二頭を一頭と換算する仕組みがない日本競馬では、ラビットの存在は競馬法第31条の条文「他人に得させるため競走において馬の全能力を発揮させなかった騎手」に解釈次第では八百長行為として刑事罰の対象と判断される可能性がある。

脚注[編集]

  1. ^ ラビットとペースメーカー 武田薫の激辛スポーツ歳時記 2003年10月14日
  2. ^ 【マラソン】福岡国際マラソン−ペースメーカー“公認” サンスポ 2003年11月20日

関連項目[編集]