水琴窟

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京都 円光寺の水琴窟

水琴窟(すいきんくつ)は、日本庭園の装飾の一つで水滴によりのような音を発生する仕掛けである。

構造としては底に小さな穴の開いたが逆さに伏せた状態で土中に埋められており、底は水が溜まるように粘土などで固められている。上には一般的に手水鉢(ちょうずばち)が置かれておりそこから流れ落ちる水が瓶の穴を通して滴り落ちるようになっている。その時の音が瓶の中で反響し琴の音のような音となる。伝統的な水琴窟は茶室前の蹲踞(つくばい)に併設されることが多い。

目次

[編集] 伝統的な構築方法

水琴窟でよい音を出すには瓶など各要素の組み合わせとその調整が必要である。 最も重要なのは、土中に逆さに置かれたである。近年は金属製のものもあるが瓶は米や水溜め用の素焼きの陶器のものが水滴を作るのに最も適しているとされる。深さは30cmから1m、直径は30cmから50cm程度のものを用い底の穴は2cm程度とする。ひびが入っていたりするとよい音はでない。

水琴窟の断面

瓶は地面に掘られた穴に水漏れ防止用の粘土または近年はモルタルで固められた上に伏せられる。古い水琴窟では水が自然に流出するのを待っている方式であったが一定の音色を保てないため、水位を一定に保つ排水用の管を設けるのが一般的となった。瓶の周りや上部は小石で全て覆われ、その上に手水鉢が置かれる。音を聞くための竹筒が設けられている場合もある。

これらの要素、構造は地域や時代により各種のバリエーションがある。通常、瓶は一つであるが2個の場合もあり愛知県日進市岩崎城公園や群馬県高崎市創造学園大学などに例がある。

[編集] 現代における様々な試み

現代では、伝統にこだわらず、様々なバリエーションの水琴窟の制作が試みられている。たとえば以下のような例がある。

  • 手水鉢が併設されていない、あるいは日本庭園にはない。
  • 水がとぎれることなく連続的に流れるような工夫がされている。
  • 陶器の代りに金属の瓶が用いられている。
  • 地面ではなく彫刻などの一部として設置されている。
  • 屋内での設置。
  • 音が聞こえやすいように電子的に増幅され、スピーカで流される。
  • 内部のメンテナンスができるように設計されたものがある。

上記のいくつかを兼ね備えた例として京都駅ビルにあったモニュメント「火の鳥水時計」や洲本市民広場にあるモニュメント「くにうみの刻」が挙げられる。

[編集] 歴史

水琴窟は最初は洞水門(とうすいもん)と呼ばれており庭園に設置されるものではなく手洗い場の排水設備であったらしい。それが時々いい音を出すことがわかり庭師により改良されるようになった。水琴窟として知られるようになったのは江戸時代中期である。そのころの著名な茶人であり庭園作家でもある小堀遠州の発明品という説もある。江戸後期には一旦廃れ、明治時代再興したものの昭和初期には ほとんど忘れられた存在となった。1959年東京農業大学の平山教授の報告書では二つの例が報告されていたがほとんど地面に埋もれ修復も困難な状況であった。しかし朝日新聞による1982年の報道が多くの水琴窟の再発見へつながった。このあとのNHKにより取り上げられ再び注目されるようになった。音の出る庭園の装飾物としては他にししおどしもあるが、これに比べ水琴窟は音量が小さく音色もよいことから個人の住宅でも設置される例が少なくない。

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丹波水琴窟(安間家庭園)

水琴窟の音は水琴音と呼ばれる。

音はさらに流水音および水滴音の二つに分けることができる。手を洗っているとき大部分の水は小石や瓶の縁をつたって流れ去るがこれが流水音であり、内側の水滴音とハーモニーする。手洗いが終わると流水音は徐々に終わり水滴音のみとなる。

よくできた水琴窟は瓶の複数の場所から水が滴り落ちるようになっている。素焼きの瓶がよいのは湿気をよく保持し内面のより多くの場所から滴下が始まるからである。音は水滴が水面に落ちたとき発生し瓶の内側で反響、増幅される。音色は瓶の形状や大きさ、さらには底の水の溜まり具合など様々な条件で変化する。

水琴窟は各所にあるが、ひとつとして同じ音の水琴窟はないといわれる。

 堺市茶室・黄梅庵の水琴窟の音ヘルプファイル(543KB)

[編集] 外部リンク

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