石巻線

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JR logo (east).svg 石巻線
キハ48形による石巻線の列車(湧谷駅 - 前谷地駅間)
キハ48形による石巻線の列車(湧谷駅 - 前谷地駅間)
石巻線の路線図
路線総延長 44.9 km
軌間 1067 mm

石巻線(いしのまきせん)は、宮城県遠田郡美里町にある小牛田駅から宮城県牡鹿郡女川町にある女川駅を結ぶ、東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線地方交通線)である。

ラインカラーはピンクが用いられている。

IC乗車カードSuica」は利用エリア外であるが、小牛田駅石巻駅を利用する場合に限り、Suicaを使用することができる特例が認められている[1]

路線データ[編集]

全線がJR東日本仙台支社の管轄である。

運行形態[編集]

貨物列車(2014年11月 湧谷駅 - 前谷地駅間)

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)で全線不通となり、2013年3月16日までに小牛田駅 - 浦宿駅間が復旧したが、浦宿駅 - 女川駅間は不通となっている(詳細は「東日本大震災による影響」の節を参照)。

すべて普通列車で運転されている。小牛田駅 - 石巻駅・浦宿駅間の直通運転が基本で、前谷地・石巻駅発着も設定されている。一部列車を除いてワンマン運転を実施している。浦宿駅 - 女川駅間は代行バスで連絡している。

震災前は、仙台駅から当路線を経由して気仙沼線に直通する快速南三陸」も運転されていた(当路線内は上涌谷駅を通過)。また昔は小牛田駅 - 前谷地駅間で石巻線の列車と気仙沼線の列車を併結する運用も多く、前谷地駅で列車を分割・併合する光景も2001年過ぎまで見られたが現在は存在しない。

2013年3月16日時点で仙石線も一部区間が不通となっており、東北本線小牛田駅経由で朝に石巻発仙台行き、夜に仙台発石巻行きの直通快速がそれぞれ1本運行されている。いずれも途中無停車で、仙石線経由の定期券や乗車券が利用でき、仙台駅直通のため仙石線代替バス乗り継ぎよりも30分程度短縮となる[3][4][5]

貨物列車は定期列車が月曜日6往復、火 - 金曜日8往復、土曜日7往復、休日6往復、他に臨時列車が2往復設定されている。ダイヤ上は石巻港駅小牛田駅仙台貨物ターミナル駅を結ぶ列車であるが、継走先は岩沼駅北王子駅(2014年3月14日まで)・新座貨物ターミナル駅宛てである。すべてコンテナで、財源(積荷)はがほとんどである。震災以後は運休していたが、2012年10月9日より運行を再開した。

使用車両[編集]

キハ48形「マンガッタンライナー」

小牛田運輸区所属の気動車で運行されている。

2013年3月23日から土曜・休日に一部の定期普通列車が、キハ48形に石ノ森章太郎作品のキャラクターのラッピングを施した「石巻線マンガッタンライナー」で運行されている[6]

キハ28・キハ58形は快速「南三陸」のキハ110系への置き換えに伴い、2007年6月末で定期運用から撤退した。なお、撤退前は快速「南三陸」関連以外に石巻線内普通列車(非ワンマン運用)にも比較的多く充当されていた。

このほか、小牛田運輸区に在籍するジョイフルトレインこがね」が、臨時列車「こがねふかひれ号」として運転されていたが、車両の老朽化により2010年12月26日限りで運転を終了した。

歴史[編集]

  • 1911年(明治44年)8月23日 仙北軽便鉄道(発起人荒井泰治)に対し鉄道鉄道免許状下付(小牛田-石巻間、登米-築館間)[7]
  • 1912年(大正元年)10月28日 : 仙北軽便鉄道 小牛田駅 - 石巻駅 (17.4M=27.9km) 間が開業(軌間762mm)。涌谷、前谷地、佳景山、鹿又、石巻の各駅を設置[8]
  • 1914年(大正3年)6月2日 鉄道免許取消(登米-築館間)[9]
  • 1919年(大正8年)4月1日 : 小牛田駅 - 石巻駅間を買収し国有化。線路名称を仙北軽便線とする[10]
  • 1920年(大正9年)5月23日 : 小牛田駅 - 石巻駅間の軌間を762mmから1067mmに変更[11]
  • 1921年(大正10年)1月1日 : 線名を仙北軽便線から石巻軽便線に変更[12]
  • 1922年(大正11年)9月1日 : 線名を石巻軽便線から石巻線に変更(軽便鉄道法の廃止による)。
  • 1934年(昭和9年)5月15日 : 小牛田-石巻間ガソリンカー運転開始[13]
  • 1939年(昭和14年)10月7日 : 石巻駅 - 女川駅 (17.0km)間が開業。陸前稲井、渡波、沢田、女川の各駅を設置。
  • 1953年(昭和28年) : ディーゼルカーが運行開始。
  • 1956年(昭和31年)
    • 2月12日 : 沢田駅 - 女川駅間に浦宿駅が開業。
    • 4月5日 : 鹿又駅 - 石巻駅間に曽波神駅が開業。
    • 8月1日 : 小牛田駅 - 涌谷駅間に上涌谷駅が開業。
  • 1958年(昭和33年)8月11日 : 女川駅 - 女川港駅 (1.4km)間の貨物線が開業。(貨)女川港駅を設置。
  • 1974年(昭和49年)3月24日 : 蒸気機関車C11形)の運行終了、翌日から無煙化。以後、貨物列車や臨時客車列車等はDE10形ディーゼル機関車牽引に代わる。
  • 1977年(昭和52年)
    • 10月1日 : 小牛田駅 - 前谷地駅間単線自動閉塞化。
    • 12月11日 : 陸羽線の部から東北線の部に変更。
  • 1980年(昭和55年)8月1日 : 女川駅 - 女川港駅 (1.4km)間が廃止。渡波駅 - 女川駅間の貨物営業が廃止。(貨)女川港駅廃止。
  • 1984年(昭和59年)1月15日 : 石巻駅 - 渡波駅間の貨物営業が廃止。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 : 国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)に移管。
  • 1989年(平成元年)4月26日 : 渡波駅 - 沢田駅間に万石浦駅が開業。
  • 2001年(平成13年)10月14日 : 天皇・皇后の宮城国体臨席に伴い、1号御料車編成によるお召し列車を仙台駅から東北本線・石巻線経由で気仙沼線 柳津駅へ運転(片道のみ)。DD51 842牽引(予備機 : DD51 888)
  • 2011年(平成23年)
  • 2012年(平成24年)
    • 1月10日 : 平日夜に仙台駅から石巻行き直通快速が運行開始。
    • 3月17日 : 石巻駅 - 渡波駅間が運転再開。仙台駅 - 石巻駅間の直通快速が毎日運行開始。
    • 10月9日 : 貨物列車が運行再開。
  • 2013年(平成25年)3月16日 : 渡波駅 - 浦宿駅間が運転再開。
  • 2014年(平成26年)4月1日 : 全線が新設の仙台近郊区間となる。
  • 2015年(平成27年)3月21日 : 浦宿駅 - 女川駅間が運転再開(予定)[14]

なお石巻駅 - 女川駅間には、1915年から1926年にかけて軽便鉄道金華山軌道が開通していたが、石巻線の開業に伴って廃線補償を受け、1939年に休止、翌年廃止となった。

東日本大震災による影響[編集]

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震東日本大震災)では、地震津波の被害を受け、全線にわたり不通となった。同年5月19日までに小牛田 - 石巻間、2012年3月17日には石巻 - 渡波間、2013年3月16日[15]には渡波 - 浦宿間が復旧したが、残る不通区間である浦宿 - 女川間は軌道の損傷があり、女川駅は駅舎が消失しており復旧の目途は立っていない。当分の間、浦宿 - 女川間はバス代行が行われている[16]

JR東日本は被災した路線について「線路の位置変更も考えていくことになる」との考えで、現在の線路よりも内陸部への移設も視野に入れているため復旧には時間がかかることを明らかにし[17]、特に被害が大きかった女川駅を内陸側に移設することで検討されている[18]

2012年3月5日には、被害の大きかった女川駅をのぞく渡波 - 浦宿間を2013年度初頭を目処に復旧させるとJR東日本から発表され[19]、同年12月21日には翌年3月16日に予定されるJRグループダイヤ改正に合わせて同区間を復旧させることが正式に発表された[15]

2013年1月24日のJR東日本仙台支社長定例記者会見では、浦宿 - 女川間の復旧時期は明言を避け、女川町が要望する2015年度の復旧について「技術的に可能かどうか、町側と検討する」としている[20]。そして2月1日に女川駅を150m内陸側に移設し、かさ上げした上で浦宿 - 女川間(距離は現行の2.5kmから2.0kmに短縮)を復旧させることで女川町とJR東日本との間で覚書を締結した[21]

また、仙石線高城町 - 矢本間が長期運休となったことに伴い、2011年12月から石巻 - 仙台間で臨時快速が運行されている[3]。当初は仙台行の片道のみだったが、2012年1月からは石巻行も運行されている[4]。この臨時快速は同年3月17日のダイヤ改正で「直通快速」として定期化された[5](「#運行形態」節も参照)。

(左)エレベーターシャフトとホームを除き消失した女川駅(2011年3月30日)
(中)停車していた女川駅から山側に流された列車(2011年3月30日)
(右)地盤沈下のため満潮時に冠水する沢田駅(2011年7月17日)

駅一覧[編集]

  • 普通列車は全駅に停車。快速「南三陸」の停車駅は、列車記事または気仙沼線#駅一覧を参照。
    • 直通快速…●印の駅は停車、|印の駅は通過、△印は旅客の乗降を扱わないが運転停車する。
  • 線路(全線単線) … ◇:列車交換可、|:列車交換不可
  • 全駅宮城県内に所在
  • 駅名欄の背景色がである駅(女川駅)は東日本大震災により不通となっている区間の駅であることを示す(2013年3月16日現在)。
駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 直通快速 接続路線 線路 所在地
小牛田駅 - 0.0 東日本旅客鉄道東北本線陸羽東線 遠田郡美里町
上涌谷駅 3.5 3.5   遠田郡涌谷町
涌谷駅 2.7 6.2  
前谷地駅 6.6 12.8 東日本旅客鉄道:気仙沼線(一部列車が小牛田方面へ乗り入れ) 石巻市
佳景山駅 4.3 17.1  
鹿又駅 4.1 21.2  
曽波神駅 2.5 23.7  
石巻駅 4.2 27.9 東日本旅客鉄道:仙石線
陸前稲井駅 3.0 30.9    
渡波駅 5.0 35.9    
万石浦駅 1.1 37.0    
沢田駅 1.3 38.3    
浦宿駅 4.1 42.4     牡鹿郡女川町
女川駅 2.5 44.9    
  • 小牛田駅では石巻線の旅客列車用のホームが1本しかないため、石巻線旅客列車が2本並ぶことはない。

廃止区間[編集]

貨物支線(1980年廃止)

女川駅 - (貨)女川港駅 (1.4km)

脚注[編集]

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  1. ^ 東日本旅客鉄道株式会社ICカード乗車券取扱基準規程(第27条第1項及び第2項)
  2. ^ 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
  3. ^ a b 石巻⇒仙台間直通快速列車のお知らせ(2011年11月15日 JR東日本仙台支社プレスリリース) (PDF)
  4. ^ a b 仙台⇒石巻間直通快速列車のお知らせ(2011年12月13日 JR東日本仙台支社プレスリリース) (PDF)
  5. ^ a b 2012年3月ダイヤ改正について(2011年12月16日 JR東日本仙台支社プレスリリース) (PDF)
  6. ^ 「石巻線マンガッタンライナー」運転開始! (PDF) (2013年1月24日 JR東日本仙台支社)
  7. ^ 「鉄道免許状下付」『官報』1911年8月26日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  8. ^ 「軽便鉄道運輸開始」『官報』1912年11月4日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  9. ^ 「軽便鉄道免許一部取消」『官報』1914年6月4日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  10. ^ 「鉄道院告示第14号」『官報』1919年3月29日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  11. ^ 「鉄道省告示第9.10号」『官報』1920年5月21日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  12. ^ 「鉄道省告示第141号」『官報』1920年12月28日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  13. ^ 『鉄道省年報. 昭和10年度』(国立国会図書館近代デジタルライブラリー)
  14. ^ 石巻線、来年3月21日全線再開河北新報 2014年12月9日
  15. ^ a b “JR各社:3月16日ダイヤ改正 東京−新青森11分早く”. 毎日新聞. (2012年12月21日). http://mainichi.jp/select/news/20121222k0000m040082000c.html 2012年12月22日閲覧。 
  16. ^ JR石巻線(浦宿駅〜女川駅)・代行バス時刻 (PDF)
  17. ^ 被災JR4路線、線路位置変更も…復興に合わせ(2011年4月15日読売新聞) - 2011年5月7日閲覧
  18. ^ 津波被害のJR線、内陸へ一部移設 常磐・仙石・石巻線(2011年9月28日朝日新聞)
  19. ^ “女川駅除き、13年度初め運行へ=JR石巻線”. 時事通信. (2012年3月5日). http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012030500623 2012年3月8日閲覧。 
  20. ^ 踏切解消へ努力 被災路線復旧、立体交差で JR東(2013年1月25日 河北新報)
  21. ^ 女川町とJR東、石巻線全面復旧へ覚書 女川駅内陸に移設(2013年2月2日河北新報)

関連項目[編集]