釧網本線

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北浜駅展望台から見た釧網本線
2008年3月16日撮影

釧網本線(せんもうほんせん)は、北海道旅客鉄道(JR北海道)が運営する北海道網走市網走駅釧路市東釧路駅を結ぶ鉄道路線地方交通線)である。

国土交通省監修『鉄道要覧』やJR線路名称公告では東釧路駅が起点とされているが、列車運行上は網走から釧路に向かう列車が下りとなっている[1]。本項では網走駅を起点として記述する。

目次

[編集] 路線データ


[編集] 運転

川湯温泉駅まで延長運転された「SL冬の湿原号」(2002年1月20日、美留和 - 川湯温泉間)
キハ54 515「快速しれとこ」(2005年8月13日、清里町駅
一部列車で運用されるキハ40(2009年5月 緑駅

かつては急行列車も運転されていたが、現在は普通列車快速列車のみの運転である。

釧網本線の起終点は東釧路駅であるが、列車は根室本線に直通し釧路駅を発着する。営業列車は、全区間通しの列車のほか、網走駅 - 知床斜里駅緑駅間および摩周駅川湯温泉駅 - 釧路駅間の区間列車があり、釧路方は1 - 3時間に1本の運行になっている。支庁界で野上峠越えとなる緑駅 - 川湯温泉駅間では、6時間半以上運転されない時間帯がある(4往復。毎年5月1日 - 10月31日は網走駅 - 緑駅・摩周駅 - 釧路駅の両区間列車を繋ぐ形で5往復)。網走駅から石北本線への乗り入れも数便ある。1986年に急行「しれとこ」が廃止されて以来、優等列車の運転はなく、速達型列車として快速「しれとこ」が1日1往復運転されている。臨時列車以外はすべてワンマン運転である。

定期列車に使用されている車両は釧路運輸車両所キハ54形が主で、一部の区間列車には旭川運転所と釧路運輸車両所のキハ40形も使用される。全区間通しの列車は、川湯温泉 - 緑間が急勾配(25)・急曲線(最急曲線は半径300m)・多雪区間であるため基本的にキハ54形が単行で限定運用され、ダイヤもキハ54形の性能に沿って設定されている。ただ、下り1本 (4741D) だけはキハ40形単行でも代走できるダイヤが組まれている。増結される場合はキハ40形が使用されることが多い。運転最高速度は80km/hである。

近年は沿線の豊富な観光資源を背景に、トロッコ列車(ノロッコ号)や「SL冬の湿原号」といった蒸気機関車牽引列車などの観光列車が通年運転されている。沿線に観光地が多いためか比較的団体臨時列車も多く、キハ183系一般車やリゾート列車、お座敷列車が入線する。時にはDD51形機関車牽引の北斗星用客車(24系客車)も入線する。

2007年4月より藻琴駅 - 浜小清水駅間においてデュアル・モード・ビークル (DMV) の試験的営業運行が行われている。片道は軌道、片道は道路を通る循環ルートで土・日・祝日・長期休暇期間のみ運行。旅行商品扱いのため、乗車には事前申し込みが必要である。


[編集] 歴史

流氷と蒸気機関車(1973年、北浜駅-藻琴駅

太平洋沿岸の釧路とオホーツク海沿岸の網走を結ぶ目的で、両側から建設が進められた。路線は網走などに流された囚人らの手で建設された。網走側は、網走本線の延長として1924年から1929年にかけて札鶴(現在の札弦)まで開業し、釧路側は、釧網線として1927年から1930年にかけて川湯(現在の川湯温泉)まで開業した。このうち、標茶 - 弟子屈(現・摩周)間は、1896年に事実上廃止となった釧路鉄道の旧路盤を利用している。1931年に川湯 - 札鶴間が開業し、全通。釧網線に網走本線の網走以遠を編入し、現在の姿となった。

1987年国鉄分割民営化後は、オホーツク海の流氷小清水原生花園知床半島摩周湖釧路湿原等、沿線の豊富な観光資源を背景に観光路線として振興が図られており、新駅設置や駅名の改称が行なわれた。

路線は、網走駅 - 桂台駅の一駅間を除き釧路支社が所管する。網走 - 桂台間のみ旭川支社の管轄で、桂台は釧網本線で唯一の同支社の管理駅(網走駅管理)である。

[編集] 年表

[編集] 網走本線

  • 1924年(大正13年)11月15日 【延伸開業】網走本線網走(初代) - 北浜(7.2M≒11.6km) 【駅新設】鱒浦、藻琴、北浜
  • 1925年(大正14年)11月10日 【延伸開業】北浜 - 斜里(16.0M≒25.7km) 【駅新設】浜小清水、止別、斜里
  • 1929年(昭和4年)11月14日 【延伸開業】斜里 - 札鶴(12.2M≒19.6km) 【駅新設】猿間川、上斜里、札鶴

[編集] 釧網線

  • 1927年(昭和2年)9月15日 【開業】釧網線 釧路 - 標茶(29.9M≒48.1km) (根室本線との分岐は別保信号場) 【駅開業】別保(信号場)、遠矢、細岡、塘路、茅沼、五十石、標茶
  • 1928年(昭和3年)11月11日 【信号場→駅・改称】別保→東釧路 【起点変更】釧路→東釧路(-1.8M≒-2.9km)
  • 1929年(昭和4年)8月15日 【延伸開業】標茶 - 弟子屈(15.7M≒25.3km) 【駅新設】磯分内、南弟子屈、弟子屈
  • 1930年(昭和5年)8月20日 【延伸開業】弟子屈 - 川湯(15.9km) 【駅新設】美留和、川湯

[編集] 全通以後

  • 1931年(昭和6年)9月20日 【延伸開業・全通】札鶴 - 川湯(22.8km) 【区間統合】釧網線 網走 - 東釧路(166.3km)(網走本線網走 - 札弦間を釧網線に編入) 【駅新設】上札鶴
  • 1932年(昭和7年)2月1日 【線路付替】網走駅移転。網走(初代) - 鱒浦廃止(-6.3km)。網走(2代) - 鱒浦(6.2km)開業。網走(初代)を浜網走に改称
  • 1936年(昭和11年)10月29日 【線名改称】釧網本線
  • 1950年(昭和25年)9月10日 【駅名改称】猿間川→中斜里
  • 1952年(昭和27年)11月15日 【駅名改称】古樋→浜小清水
  • 1956年(昭和31年)4月10日 【駅名改称】上札鶴→緑、札鶴→札弦、上斜里→清里町
  • 1962年(昭和37年)10月1日 【駅新設】南斜里
  • 1964年(昭和39年)6月1日 【仮乗降場新設】原生花園
  • 1967年(昭和42年)4月1日 【仮乗降場新設】桂台
  • 1978年(昭和53年)10月2日 【仮乗降場廃止】原生花園
  • 1987年(昭和62年)4月1日 【承継】北海道旅客鉄道(第1種)、日本貨物鉄道(第2種)【仮乗降場→駅】桂台
  • 1987年(昭和62年)7月1日 【臨時駅新設】原生花園
  • 1988年(昭和63年)7月23日 【臨時駅新設】釧路湿原
  • 1989年(平成元年)3月13日 【駅名改称】川湯→川湯温泉
  • 1990年(平成2年)11月20日 【駅名改称】弟子屈→摩周
  • 1991年(平成3年)11月1日 全線ワンマン化
  • 1996年(平成8年)12月1日 【臨時駅→駅】釧路湿原
  • 1998年(平成10年)4月11日 【駅名改称】斜里→知床斜里
  • 2001年(平成13年)9月16日 釧網本線全通70周年記念式典
  • 2002年(平成14年)4月1日 【第二種鉄道事業廃止】日本貨物鉄道 全線(-166.2km)

[編集] 駅一覧

  • 便宜上、東釧路側の全列車が直通する根室本線釧路駅までの区間を記載する。
  • 全駅北海道に所在。
  • 普通列車は基本的に全駅に停車するが、一部の列車は▽の駅を通過する(原生花園駅と釧路湿原駅については下記参照)。
凡例
(臨):臨時駅
停車駅 … ●:停車、■:期間により停車(下記参照)、|:通過
※1 原生花園駅:営業期間中の5月1日 - 10月31日は夜間の列車以外全列車停車。期間外は全列車通過。
※2 釧路湿原駅:5月1日 - 11月30日は最終列車以外全列車停車。それ以外の期間は昼間時間帯のみ停車(快速「しれとこ」は釧路行きのみ通年停車)。
列車交換 … ◇・∧:交換可、|:交換不可
路線名 駅番号 駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ 快速しれとこ 接続路線・備考 列車交換 所在地
釧網本線 A69 網走駅 - 0.0 北海道旅客鉄道石北本線 網走市
B79 桂台駅 1.4 1.4  
B78 鱒浦駅 4.8 6.2  
B77 藻琴駅 2.5 8.7  
B76 北浜駅 2.8 11.5  
B75 (臨)原生花園駅 5.4 16.9 ※1 斜里郡
小清水町
B74 浜小清水駅 4.2 20.1  
B73 止別駅 5.7 25.8  
B72 知床斜里駅 11.5 37.3   斜里郡
斜里町
B71 中斜里駅 4.6 41.9  
B70 南斜里駅 2.2 44.1  
B69 清里町駅 5.1 49.2   斜里郡
清里町
B68 札弦駅 7.8 57.0  
B67 緑駅 8.3 65.3  
B66 川湯温泉駅 14.5 79.8   川上郡
弟子屈町
B65 美留和駅 7.2 87.0  
B64 摩周駅 8.7 95.7  
B63 南弟子屈駅 8.2 103.9  
B62 磯分内駅 6.5 110.4   川上郡
標茶町
B61 標茶駅 10.6 121.0  
B60 五十石駅 8.5 129.5  
B59 茅沼駅 5.4 134.9  
B58 塘路駅 7.0 141.9  
B57 細岡駅 7.2 149.1   釧路郡
釧路町
B56 釧路湿原駅 2.4 151.5 ※2
B55 遠矢駅 7.3 158.8  
B54 東釧路駅 7.4 166.2 北海道旅客鉄道:根室本線根室方面) 釧路市
K53 釧路駅 2.9 169.1 北海道旅客鉄道:根室本線(帯広方面)
  • *:東釧路駅 - 釧路駅間は根室本線

[編集] 過去の接続路線

  • 網走駅:湧網線 - 1987年3月20日廃止
  • 浜小清水駅:小清水軌道 - 1952年12月14日廃止
  • 止別駅:北見鉄道 - 1939年8月25日廃止
  • 斜里駅(現在の知床斜里駅):根北線 - 1970年12月1日廃止
  • 標茶駅:標津線 - 1989年4月30日廃止

[編集] 関連項目

[編集] 脚注

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  1. ^ 当路線が網走本線の一部であった際は、網走方が起点側であった。
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