独占禁止法

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独占禁止法(どくせんきんしほう)とは、資本主義市場経済において、健全で公正な競争状態を維持するために独占的、協調的、あるいは競争方法として不公正な行動を防ぐことを目的として各において定められている法令など)の総称のことである。

競争法(きょうそうほう)や反トラスト法などとも呼ばれ、特定の資本家による市場の独占・寡占行為により市場経済での自由な競争社会が実現出来ず、国家経済全体として停滞してしまうことを防止するための法律である。現在では経済法の中心的位置を占めると考えられている。

目次

[編集] 産業財産権法との関係

特許法著作権法等といった、独占禁止法の趣旨と一見相容れないようにも見える産業財産権法も存在するが、これらの趣旨はあくまで発明活動へのインセンティブを図るために限られた期間の独占権を付与するものであり、産業財産権の趣旨を逸脱する濫用(英:Patent misuse)は独占禁止法によって処罰される。たとえば、特許権者による独占実施、または限られたライセンス者との寡占実施において、価格カルテルライセンス期間中の改良研究禁止、ライセンス期間満了後の当業参入禁止などは公正な競争を妨げるものであり、各種の産業財産権法での権利保護範囲を逸脱する契約商行為として独占禁止法によって処罰される。

[編集] 各国の独占禁止法・競争法

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2007年現在100以上の世界各国で独占禁止に関する法が制定されている。2000年頃には30カ国であったので隔世の感がある。世界の政治経済体制を支える経済憲法としてほぼ共通の認識となったといえる。

独占禁止法の大きな源泉はアメリカのシャーマン法と、クレイトン法である。ただし、エリザベス1世の時代の独占的特許とそれによる独占の弊害に対してクック判事が出した独占に関する法令(the act of monopoly)が最初の法であるとされている。

多くは資本主義国家において制定されている例が多いが、中華人民共和国においても2007年8月1日に制定されたように市場があるところには独占禁止法がありうるということがいえる。

市場経済においていかなる規則が必要かという経済の法を定めるものである。経済の憲法という意味で経済憲法と呼ばれてもいる。企業の基本的人権、経済の刑法という意味でもある。各国の独占の定義、合併の定義、域外適用の定義などは様々であるが、様々な行為類型が違法であると定められている。世界的な経済活動が対象となるために、世界的な法の調整が必要であるが、主要な法源はEU法、アメリカのシャーマン法とクレイトン法である。

日本はシャーマン法とクレイトン法を受け継いでいる。原案はGHQから示され、原始独占禁止法から現在の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律が制定された。

[編集] 日本

詳細は「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」を参照

日本における競争法は、1947年に制定された私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律〔いわゆる独占禁止法(どくせんきんしほう)。更に「独禁法」と略す事もある〕を中心に構成されている。そのため、独占禁止法は競争法における憲法といわれることがある。その第1条は「私的独占不当な取引制限及び不公正な取引方法を禁止し、事業支配力の過度の集中を防止して、結合、協定等の方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除することにより、公正且つ自由な競争を促進し、事業者の創意を発揮させ、事業活動を盛んにし、雇傭及び国民実所得の水準を高め、以て、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発達を促進することを目的とする」としている。そのほかにも、重要なものとして、不公正な取引方法に関する一般指定、不当景品類及び不当表示防止法、下請代金支払遅延等防止法などがある。

上記の目的をみてもわかるように、独占禁止法は(1)私的独占、(2)不当な取引制限、(3)不公正な取引方法を禁止している。このほかにも独占禁止法の重要な役割として企業結合規制と事業者団体規制がある。なお、その重要性から、(1)(2)(3)のことを独占禁止法の三本柱、と呼ぶこともあるが、(1)あるいは(3)をはずして企業結合規制を入れて三本柱とする者もいる。

独占禁止法に違反する行為・状態を発見した場合、内閣府の外局である公正取引委員会(公取ともいう)が、排除措置命令や課徴金納付命令などの処分を出すこととなる。処分を受けた者はこれに異議を申し立てることができる。その場合、公正取引委員会の審判が行われる。審判は、霞ヶ関の中央合同庁舎6号館B棟にて行われ、一般人による傍聴は自由である。審判は、審判官、審査官、被審人によってなされる。審判官は、裁判官のような役割を負い、審査官は検察官のような役割を負い、被審人は被告人のような位置にある。それぞれ、審判官は公正取引委員会の審判官、審査官は審査局の審査官、被審人は処分取消を求める者により構成される。

[編集] アメリカ合衆国

詳細は「反トラスト法」を参照

アメリカ合衆国における独占禁止法は、反トラスト法英:antitrust law)と呼ばれ、1890年に制定されたシャーマン法(Sherman Act)、1914年に制定されたクレイトン法(Clayton Act)と連邦取引委員会法が中心規定である。以上は連邦レベルの法律であるが、この他にも各州ごとに州反トラスト法が制定されている。

[編集] 欧州

詳細は「欧州共同体競争法」を参照

欧州共同体(EC)では、競争法英:Competition Law)と呼ばれることが多い。ECにおける競争法の基本規定は、欧州共同体設立条約の81条と82条である。

[編集] 中国

中国では、独占禁止法は紆余曲折を経て、2007年8月30日に制定、2008年8月1日より施行される。所管する行政機関は中華人民共和国商務部。作成に当たっては、アメリカの反トラスト法を参考にしたという[1]

法律の目的について、独占禁止法本来の目的とは別に、電力事業など国家の安全に関わる産業について国営企業シェアを維持し、外資M&A規制がある[2][3]。国家の安全に関わるM&Aなどは審査を行うこととなっているため、当局にとって望ましくない案件は承認しないことにより、外資への規制を行うことができる[2]

また、当局による運用は承認、非承認にとどまらない。2009年4月に承認された三菱レイヨン(日本)によるルーサイト・インターナショナルイギリス)買収の際には、当局は両者の合併により中国国内シェアが増えることを問題視、「新規投資の停止(5年間)」や「中国事業はそれぞれ別会社にしろ」といった他の国では見られない、将来事業への制約が付された[1]

[編集] 日本の独占禁止法学者

[編集] 脚注

  1. ^ a b 小瀧麻理子「M&Aに中国独禁法の壁 過剰気味の親心、外国勢ピリピリ」『日経ビジネス』2009年7月6日号 株式会社日経BP
  2. ^ a b 柏木理佳「【5】人脈作りのために国営企業を望む学生が増加」『日経ビジネスオンライン』日経BP社、2008年5月29日付配信
  3. ^中国;外資に関する規制日本貿易振興機構(JETRO)
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[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク