iBook

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Early 2003モデル

iBook(アイブック)は、iMacの成功から約1年後の1999年10月に発売された、アップル(旧アップルコンピュータ)社の廉価版ノートパソコン

iMacと同じデザインコンセプトを踏襲し、半透明で丸みを帯びた筐体、ポップなカラーと、それまでのノートパソコンのイメージを払拭するものだった。初心者向けの入門機種という位置付けながら、当時としては珍しく、無線LANカードの内蔵スロットが装備されるなど、先進的な試みも見られた。

インテルアーキテクチャへの移行に伴い、MacBookに後継されることとなる。2006年5月に、PowerBookと共に販売終了となった。

iBook G3 クラムシェル[編集]

iBook G3 クラムシェル
IBookG3 Palourde2.png
iBook G3 クラムシェル(ブルーベリー)
メーカー アップル
種別 ノートパソコン
発売日 1999年9月15日(日本)
OS Mac OS 8.6、9、9.0.2、9.0.4
CPU PowerPC G3(300-466 MHz)
ウェブサイト アップル - iBook

iBookは1999年に「iMac to go」(「持ち運べるiMac」という意味)のコンセプトの下、「クラムシェル」と呼ばれる貝殻に似せたボディデザインで誕生した。iBookはブルーベリーとタンジェリンの2色で、当時流行のiMacを彷彿させるものだった。その後、グラファイト、キーライム、インディゴブルー3色を加えた。また、持ち運びやすいようにハンドルが付けられた。これは、教育機関等で、低年齢ユーザーに配慮したものである[要出典]

2001年にiBookはデザインを一変、透明のポリカーボネートの内側を塗装したホワイトボディにフルモデルチェンジした。途中素材そのものを白いものに変え、最終型までのiBookのデザインに引き継がれる。

クラムシェルモデルはポリカーボネート製の筐体をラバー素材で覆った構造であり、低年齢ユーザーの乱暴な扱いにも耐えられる、頑丈なつくりであった。ホワイトボディのモデルもマグネシウム製のフレームに分厚いポリカーボネート素材を組み合わせ、ハードディスクをラバーで覆った、耐衝撃性を考慮した設計がなされた。日本国内市場ではノートブックに携行性が求められるので、12インチ以下の液晶ディスプレイを搭載した製品は、バッテリを犠牲にして重量を軽くした製品が多いが、iBookの場合、肉厚で頑丈なボディと公称6時間のバッテリ運用を確保するための大容量バッテリを搭載したため、他社製品に比べ重量が嵩んだ。

iBook G3 Dual USB[編集]

iBook (Dual USB)

正式な名称は iBook のままである。モデルを区別する必要がある場合、「iBook」に続けて「Dual USB」「Late 2001」のような特徴あるいは登場時期を示す言葉が括弧つきで示される。 iMacとともに純白のデザインに変更。後にこのデザインはMacBookまで引き継がれることとなった。

以下はPowerPC G3時代の最終モデルである iBook (Opaque White)の仕様である。

  • 14インチアクティブマトリックスTFTディスプレイ(解像度1024×768)
  • 800/900 MHz PowerPC G3
  • ATI Mobility Radeon 7500 32 MB VRAM
  • 30/40 GBハードディスク
  • Mac OS X v10.2
  • USB 1.1、FireWire、ビデオ出力、イーサネット
  • AirPort (802.11b オプション)

iBook G4[編集]

iBook G4

いずれも最終モデルのもの。

スペック[編集]

12インチモデル
  • CPU:1.33GHz PowerPC G4
  • メモリ:512MB DDR SDRAM(最大1.5GB)
  • ハードディスク:40GB Ultra ATA/100
  • 光学ドライブ:スロットローディング式コンボドライブ(DVD-ROM/CD-RW両用)
  • ディスプレイ:12.1インチ(対角)TFT XGA 1,024×768ピクセル
  • GPUATI Mobility RADEON 9550(32MB DDR SDRAM)
  • 入出力ポート:FireWire 400ポート×1基、USB 2.0ポート×2基、VGA出力、S-Videoおよびコンポジットビデオ出力、ヘッドフォン出力ミニジャック
  • ネットワーク:10/100BASE-T Ethernet、52K V.92モデム
  • ワイヤレス接続:AirMac Extreme、Bluetooth 2.0+EDRを標準装備
  • バッテリー駆動:最長6時間
  • サイズ:285×230×34.2mm
  • 重量:2.23kg
14インチモデル
  • CPU:1.42GHz PowerPC G4
  • メモリ:512MB DDR SDRAM(最大1.5GB)
  • ハードディスク:60GB Ultra ATA/100
  • 光学ドライブ:スロットローディング式SuperDrive(DVD±RW/CD-RW両用)
  • ディスプレイ:14.1インチ(対角)TFT XGA 1,024×768ピクセル
  • GPU:ATI Mobility Radeon 9550(32MB DDR SDRAM)
  • 入出力ポート:FireWire 400ポート×1基、USB 2.0ポート×2基、VGA出力、S-Videoおよびコンポジットビデオ出力、ヘッドフォン出力ミニジャック
  • ネットワーク:10/100BASE-T Ethernet、52K V.92モデム
  • ワイヤレス接続:AirMac Extreme、Bluetooth 2.0+EDRを標準装備
  • バッテリー駆動:最長6時間
  • サイズ:323×259×34.2mm
  • 重量:2.7kg

歴史[編集]

  • 1999年7月20日CPUPowerPC G3 300MHzを搭載した、クラムシェル(帆立貝に似た形)の初代iBook(ブルーベリー、タンジェリン)発表。
  • 2000年2月16日、グラファイトカラーのiBook Special Edition (FireWire)発表。
  • 2000年11月1日、キーライムのiBook (FireWire) 店頭販売開始。
  • 2001年5月2日、iBook (Dual USB) 発表。トランスルーセントの白一色で小さくなった、CPUは500MHz(PowerPC 750CX)、グラフィックは8MB VRAMのRage Mobility 128、Mac OS Xを標準搭載。
  • 2001年10月16日、iBook (Late 2001)発表。CPUが最高600MHzにマイナーチェンジ。
  • 2002年1月8日、iBook 14"発表。ディスプレイが14インチになった以外の基本スペックはiBook (Late 2001)に準ずる。
  • 2002年5月21日、iBook (16 VRAM) 発表。CPUが最高700MHzに、GPUがMobility Radeon(16MB)にマイナーチェンジ。
  • 2002年11月7日、iBook (32 VRAM) 発表。CPUが最高800MHzに、GPUがMobility Radeon 7500にマイナーチェンジ。700MHzの最下位機種はVRAMが16MBのままであり、不透明で真っ白な筐体のでiBook (Opaque 16 VRAM)。
  • 2003年4月22日、iBook (Opaque White) 発表。CPUが最高900MHz(PowerPC 750FX)に、全機種の筐体が不透明で真っ白なものにマイナーチェンジ、最後のMac OS 9.2.2稼動機種。
  • 2003年10月22日、iBook G4発表。CPUに最高1GHzのPowerPC G4 (L2キャッシュ256KBのPowerPC 7445)、GPUにMobility Radeon 9200(32MB)、オンボードRAM 128MBを搭載。
  • 2004年4月20日、iBook G4 (Early 2004) 発表。CPUが最高1.2GHz、オンボードRAM 256MBにマイナーチェンジ。
  • 2004年10月19日、iBook G4 (Late 2004) 発表。CPUが最高1.33GHz、全機種AirMac Extreme内蔵にマイナーチェンジ。
  • 2005年春、為替レートに合わせた価格の改訂で値下げ。
  • 2005年7月22日、スクロールトラックパッドと緊急モーションセンサーを搭載し、CPUが最高1.42GHz(L2キャッシュ512KBのPowerPC 7447)、GPUがMobility Radeon 9550、オンボードRAMが512MBへと比較的大きなマイナーチェンジ。
  • 2006年5月16日、後継機種のMacBook発売により、在庫限りで販売終了となる。


自主回収・無償交換[編集]

2005年と2006年に、PowerBook G4シリーズとiBook G4シリーズの一部で、LG Chem製と、ソニー製のリチウムイオンバッテリーに不具合が見つかり、アップルはそれらのバッテリーを自主回収・無償交換している。 このうちソニー製バッテリーは、素材に紛れ込んだ細かな金属粉が、稀にセルをショートさせることで、動作不良、異常過熱、発火などの危険性があるとされており、数件であるが実際に発火事故が起きている。アップルとソニーはこの件で損害賠償を求める訴訟を起こされている[1]

ソニー製(2006年発表分)
機種名 バッテリーのモデル 該当シリアルナンバー(上5桁)
12インチiBook G4 A1061 ZZ338 - ZZ427
3K429 - 3K611
6C519 - 6C552(最後がS9WA、S9WC、S9WDのいずれか)
12インチPowerBook G4 A1079 ZZ411 - ZZ427
3K428 - 3K611
15インチPowerBook G4 A1078
A1148
3K425 - 3K601
6N530 - 6N551(最後がTHTA、THTB、THTCのいずれか)
6N601(最後がTHTC)
LG Chem製(2005年発表分)
機種名 バッテリーのモデル 該当シリアルナンバー(上5桁)
12インチiBook G4 A1061 HQ441 - HQ507
12インチPowerBook G4 A1079 3X446 - 3X510
15インチPowerBook G4 A1078 3X446 - 3X509

iBookロジックボードリペアエクステンションプログラム

2004年1月28日(12月17日に追加情報)にアップルにより発表された。2001年5月から2003年10月までの期間に製造されたiBookの対象機種で下記の不具合

   * 映像が乱れていたり、歪んでいる
   * 画面上に予期せぬラインが表示される
   * ビデオイメージが途切れる
   * 映像がフリーズする
   * コンピュータが起動しても画面に何も映らない

が起きた場合のリペアエクステンションプログラム。対象シリアル番号は「UV117XXXXXX 〜 UV342XXXXXX」である。 2007年現在このプログラムは終了済み。

写真集[編集]

参考書籍[編集]

 

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 大阪の主婦「PC発火で精神的苦痛」 ソニーとアップルジャパン提訴

外部リンク[編集]