Bluetooth

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Bluetooth(ブルートゥース、ブルーツース)は、デジタル機器用の近距離無線通信規格の1つである。

目次

[編集] 概要

数mから数十m程度の距離の情報機器間で、電波を使い簡易な情報のやりとりを行うのに使用される。当初エリクソンインテルIBM(現在はレノボ)、ノキア東芝の5社によって策定され(プロモーター企業)、その後マイクロソフトモトローラ3COMルーセント・テクノロジーの4社がプロモーター企業として加わり、現在は3COM、ルーセント・テクノロジーの2社が脱退し、アップル、およびNordic Semiconductorが加わり、9社がプロモーター企業となっている。IEEEでの規格名は、IEEE 802.15.1である。

免許申請や使用登録の不要な2.4GHz帯の電波(ISMバンド)を使用してPC(主にノートパソコン)等のマウス、キーボードをはじめ、携帯電話PHSスマートフォンPDAでの文字情報や音声情報といった比較的低速度のデジタル情報の無線通信を行う用途に採用されている。

日本では青歯という俗称で呼ばれることもある(中国語名称は藍牙。歯という意味で牙という字を用いることが一般的な為。)。

[編集] 基本事項

Bluetoothは2.4GHzの周波数帯を79の周波数チャネルに分け、利用する周波数をランダムに変える周波数ホッピングを行いながら、半径10 - 100メートル程度のBluetooth搭載機器と、最大24Mbpsで無線通信を行う。モバイル通信における廉価な通信端末用の規格であり、それほど厳密な送受信の制御や秘匿性は考慮されていない。

当初は赤外線短距離通信であるIrDAの完全置き換えという誤った認識で普及が試みられたが、使いにくさが強調され、普及の妨げとなった。しかし現在では簡易なデジタル無線通信、および指向性の少なさとしての利便性が認識され、多様な分野で普及が進んでいる。

Bluetoothは、無線接続の状態を意識せずに常時つないだままでの使用状況に適している。反対にIrDAは、意図して接続するのに適している。これらは互いを補完している。

Bluetoothと一部の無線LANは周波数帯を共用する。そのせいで干渉が起こり、Bluetooth使用時には、無線LANが著しく速度低下を起こすという問題が起こることもある。

[編集] 名称の由来

名称はスウェーデンのエリクソン社の技術者がつけたものである。初めてノルウェーデンマークを交渉により無血統合したヴァイキング人デンマーク王ハーラル・ブロタン・ゴームソン (Harald Blåtand Gormsen / Haraldr blátǫnn Gormsson) に由来している。Blåtandを英語の音に写したものがBluetoothである。「乱立する無線通信規格を統合したい」という願いが込められている。

[編集] 沿革

  • 1994年 - エリクソン社内のプロジェクトとして開発開始。
  • 1998年 - 上記5社でBluetooth SIGを設立。同時にBluetoothという名称を発表。
  • 1999年7月26日 - Bluetooth仕様書バージョン1.0が発表される。
  • 2003年頃 - 日本でBluetoothが普及し始める。
  • 2003年11月 - 仕様書バージョン1.2をリリース。
  • 2004年11月 - 仕様書バージョン2.0 + EDR をリリース。
  • 2007年3月28日 - 仕様書バージョン2.1 + EDR をリリース。
  • 2009年4月21日 - 仕様書バージョン3.0をリリース。
  • 2009年12月17日 - 仕様書バージョン4.0をリリース。
  • 2011年6月21日 - アップルとNordic Semiconductorが理事会に加わる。

[編集] バージョン

Bluetooth規格には以下のバージョンがある。1.0b-1.1ではバージョン間の非互換性が問題視されていたが、1.1以降はそのような問題もほぼなくなり、順調に推移している。

1.0b
最初のバージョン。
1.0b + CE (Critical Errata)
1.0bに修正を加えた。
1.1
普及バージョン
1.2
2.4GHz帯域の無線LAN (IEEE 802.11/b/g) などとの干渉対策が盛り込まれた。2003年11月公開。
2.0
容量の大きいデータを通信する際に最大通信速度が3Mbpsの通信に切り替えるEDR (Enhanced Data Rate) がオプションで追加できるようになった。2004年11月公開。
2.1
ペアリングが簡略化され、近距離無線通信のNFC (Near Field Communication) に対応した。マウスやキーボードなどのスリープ時間が多い機器のバッテリーを最大で5倍延長できる「Sniff Subrating」機能を加えた。2007年3月公開。
3.0
Protocol Adaptation Layer (PAL) とGeneric Alternate MAC/PHY (AMP) によって無線LAN規格IEEE 802.11のMAC/PHY層の利用が可能となり、最大通信速度が24MbpsとなるHS (High Speed) がオプションで追加できるようになった。また、電力管理機能を強化して省電力性を向上させた。2009年4月公開[1]
4.0
従来のバージョンに比べ大幅に省電力化された。Bluetooth SIGが公開する資料によれば、ボタン電池1つのみでも数年駆動可能としている。転送速度は1Mbpsだが、データパケットサイズが8 - 27オクテットと非常に小さくなっている。これは、例えば家電製品などに搭載されたセンサとのデータ通信に向けた仕様となっている。この点が3.0+HSと方向性が異なっており、ベンダは3.0+HS、4.0をそれぞれ目的別に採用するものとされている。2009年12月公開。
また、4.0は以前のバージョンとの互換性を持たない。ただし、ホスト側は2.1もしくは3.0を組み込んだ「デュアルモード」を実装できる。
最大実効速度
バージョン 非対称型通信時 対称型通信時
1.x 下り723.2kbps/上り57.6kbps 432.6kbps
2.x 下り723.2kbps/上り57.6kbps 432.6kbps
2.x+EDR 下り2178.1kbps/上り177.1kbps 1306.9kbps
3.x 下り723.2kbps/上り57.6kbps 432.6kbps
3.x+EDR 下り2178.1kbps/上り177.1kbps 1306.9kbps
3.x+HS ? 24.0Mbps
4.x ? 1.0Mbps

[編集] プロファイル

Bluetoothはその特性上、様々なデバイスでの通信に使用される為、機器の種類ごとに策定されたプロトコルがあり、これをプロファイル (Profile) と呼び標準化している。 通信しようとする機器同士が同じプロファイルを持っている場合に限り、そのプロファイルの機能を利用した通信をおこなうことができる。 代表的なものに以下のプロファイルがあり、Bluetooth対応機種であっても利用する機器の双方が適切なプロファイルに対応している必要がある。また、Bluetoothプロファイルの一覧も参照されたい。

GAP (Generic Access Profile)
機器の接続/認証/暗号化を行うためのプロファイル。
SDAP (Service Discovery Application Profile)
他のBluetooth機器が提供する機能を調べるためのプロファイル。
SPP (Serial Port Profile)
Bluetooth機器を仮想シリアルポート化するためのプロファイル。
DUN (Dial-up Networking Profile)
携帯電話PHSを介してインターネットにダイヤルアップ接続するためのプロファイル。
FTP (File Transfer Profile)
パソコン同士でデータ転送を行うためのプロファイル。ファイル転送プロトコルのFTPとは無関係。
HID (Human Interface Device Profile)
マウスキーボードなどの入力装置を無線化するためのプロファイル。
HCRP (Hardcopy Cable Replacement Profile)
プリンタへの出力を無線化するためのプロファイル。
BPP (Basic Print Profile)
プリンタへ転送・印刷するためのプロファイル。
OPP (Object Push Profile)
名刺データの交換などを行うためのプロファイル。
SYNC (Synchronization Profile)
携帯電話・PHSやPDAと、PCとの間で、スケジュール帳や電話帳のデータ転送を行い、自動的にアップデートするためのプロファイル。
LAP (LAN Access Profile)
Bluetoothを利用して無線LANを構築するためのプロファイル。
FAX (FAX Profile)
PCからFAXを送信するためのプロファイル。
HSP (Headset Profile)
Bluetooth搭載ヘッドセットと通信するためのプロファイル。モノラル音声の受信だけではなく、マイクで双方向通信する。
HFP (Hands-Free Profile)
車内やヘッドセットでハンズフリー通話を実現するためのプロファイル。HSPの機能に加え、通信の発信・着信機能を持つ。
BIP (Basic Imaging Profile)
静止画像を転送するためのプロファイル。
PAN (Personal Area Network Profile)
小規模ネットワークを実現するためのプロファイル。
A2DP (Advanced Audio Distribution Profile)
音声をレシーバー付きヘッドフォン(またはイヤホン)に伝送するためのプロファイル。HSP/HFPと異なり、ステレオ音声・高音質となる。
AVRCP (Audio/Video Remote Control Profile)
AV機器リモコン機能を実現するためのプロファイル。
PBAP (Phone Book Access Profile)
電話帳のデータを転送するためのプロファイル
OBEX (Object Exchange)
オブジェクト交換 (OPP、BIP、FTP、SYNC) で用いる認証方式の一つ。データ転送プロファイルの一つで、実装しているとデータ送受信時にOBEX認証パスキーの入力を接続相手に要求する。
ICP (Intercom Profile)
同一ネットワーク内にあるBluetooth搭載携帯電話同士を公衆電話網を介さずに直接、接続させるためのプロファイル。
HDP (Health Device Profile)
健康管理機器同士を接続するためのプロファイル。

これらプロファイルのうち、DUN/FTP/HID/OPP/HSP/HFP/A2DP/AVRCPなどの使用頻度が高い。GAPやSDAPのような下位層のものは実装されていても意識されないことが多い。また、プロファイルによっては実装されていてもほとんど使われていないものもある。

同じプロファイルでもクライアント側とサーバ側の違いがあり、逆方向にも使えるとは限らない。DUNの場合を例にとると、本体になる側(PC・PDAなど)からモデムになる側(携帯電話・PHSなど)に対してBluetooth接続を要求する。つまり前者はクライアント (DUN-DT)、後者はサーバ (DUN-GW) であり、通常は片方の役割しか実装されていないため、役割を入れ替えて逆方向に使うことはできない。例えば、DUN-GWを実装しBluetoothモデムになれるスマートフォンがあったとして、これを本体として、DUN-GWを実装した他の携帯電話をモデムとしてダイヤルアップすることは通常できない。

プロファイルは、各機器がBluetoothを使って何ができるかを示したもので、機器同士の接続性が一目でわかるようになるものと期待された。しかし現実には、Bluetooth応用分野の拡大に伴って急激にプロファイルが増加したこともあり、以下のような問題が目立つ。

  • 同じような機能のプロファイルが乱立気味であり、利用可能な、あるいは目的に適したプロファイルがわかりにくい。
  • 対応プロファイルの少ない古い製品の陳腐化を助長し、しかもアップグレードが提供されないことが多いので買い替えを余儀なくされる。
  • 「同じBluetoothなのにプロファイルの有無が原因でつながらない」という印象を与えやすい。

[編集] クラス

Bluetoothには、電波強度を規定したクラスという概念がある。各機器はいずれかのクラスに分類される。

Bluetoothのクラス
クラス 電波出力 到達距離
Class 1 100mW 100m
Class 2 2.5mW 10m
Class 3 1mW 1m
通称「ドングル」と呼ばれるUSBポートに接続するPC用Bluetooth送受信機。他の無線送受信機と比べると小型のものが多い。

[編集] Bluetooth Driver Stack

Bluetooth Driver Stackとは、PC上でOSに組み込むことでBluetoothハードウェアを稼動させるドライバ・ソフトウェアである。単にBluetooth Stackとも呼ばれ、Windows用としては著名なものにMicrosoft製、Toshiba製、BlueSoleil製などがある。Linuxで使われるBlueZのようなオープンソースの実装も存在する。

[編集] Microsoft

Windows XP(SP2以降)Windows VistaWindows 7では、Bluetoothワイヤレステクノロジを標準サポートしている。Windows 2000以前のOSやWindows Server系OSは、原則として標準でBluetoothをサポートしないが、Microsoft以外のBluetoothドライバを利用できる可能性がある。

なお、Windows OSは原則としてBluetooth 1.0に対応しない。マイクロソフトは、これについて「Bluetooth Version 1.0 の仕様には、Windows がBluetooth ワイヤレス テクノロジを十分にサポートするために必要な、いくつかの重要なアップデートが欠けていたため」と説明している。

Windows が標準でサポートする Bluetooth のバージョン[2]
Windows のバージョン Bluetooth のバージョン 対応プロファイル
Windows 2000 以前のOS サポートなし
Windows Server系OS
Windows XP(SP2以降) Bluetooth 1.1
Bluetooth 2.0
Bluetooth 2.0+EDR (Enhanced Data Rate)
HID v1.0, PANU・SPP・OPP・DUN・HCRP
Windows Vista Bluetooth 1.1
Bluetooth 2.0
Bluetooth 2.0+EDR(パフォーマンス拡張)
HID v1.0・PANU・SPP・OPP・DUN・HCRP
(サードパーティ実装のプロファイルに対応)
Windows Vista(SP2以降) Bluetooth 1.1
Bluetooth 2.0
Bluetooth 2.0+EDR
Bluetooth 2.1+EDR
Windows 7

なお、そもそもWindows OSが全くサポートしないプロファイルについても、Microsoftドライバを使用せずサードパーティ製のBluetoothドライバをインストールすることで、プロファイルを使用できる可能性がある。

[編集] Linux

Linuxの本体であるカーネルには各種のBluetoothコントローラーのドライバーが組み込まれている。実際に利用するためのツールは主だったデスクトップ向けディストリビューションで、bluezパッケージと関連パッケージが用意されている。初期段階で組み込まれている場合もあり、また統合的なパッケージ管理ツールから、手軽にこれらを導入することも多い。またGnome,LXDEKDEなどのGUI環境にBluetoothについてのGUIツールが組み合わせられることが多い。 ディストリビューションの構成、バージョンによって、設定に手間がかかる場合もある。ただし、たとえば2011年10月現在のUbuntu11.10では、Bluetooth対応は標準機能に近い位置づけで、Bluetooth機能の自動認識、デバイスドライバー自動組み込みが行われる。また、Bluetooth機器の登録もウィザード機能で手軽に行えるようになっている。 実際の使い勝手も改善され、A2DP,HFP/HSP,内蔵音源,USB音源などの混在した音源デバイスを、個別のアプリケーションごと自由に切り替えることもできるようになっている。

[編集] Mac OS X

Mac OS X 10.2.8以降から、OS標準でBluetoothワイヤレステクノロジーをサポートしている。対応するプロファイルは、DUN・HID・SPP・OPP・FTP・SYNC。更に、Bluetooth software 1.5にて、HCRP・HSPに対応する。

[編集] 接続手順の実際

Bluetooth対応製品には、ペアリング状態を示す何らかのランプや画面が搭載されており、青色で点灯する製品が多い。

Bluetooth機器を最初に使用する際には、接続相手を特定するため、ペアリング(ボンディング、組み合わせ)と呼ばれる操作が必要になる。ここでは、その一般的な手順を示す。

  1. 一方の機器を「探索(発見)可能状態」に設定する。また、認証・暗号化の設定を双方であわせておく。
  2. 他方の機器から「探索(発見)」操作を行う。
  3. 探索可能状態にある周囲のBluetooth機器の一覧が提示されるので、その中から所望の接続相手を指定する。
  4. 双方に同一のパスキー(認証鍵のこと、PINともいう)を入力する。
パスキー
パスキーは、通常4~16桁程度の任意の数字で指定する。短いパスキーでは通信を傍受・解読されるおそれがあるので、ある程度長いほうがよい。パスキーを入力できないデバイス(マウス、ヘッドセットなど)では、パスキーが固定値、もしくは入力が不要な場合がある。こうした機器の場合、通常デフォルトでは「0000」「1234」などの単純な羅列となっている。
パスキーの交換が終われば、ペアリングが完了する。一度ペアリングを行った機器間では、次からは自動的あるいは半自動的に接続が確立され、パスキーの入力は不要である。相性によっては、毎回パスキー入力が必要となることもある。

[編集] 採用例

Bluetoothは汎用インターフェイスであり、様々な機器に採用されている。以下にその一例を挙げる。

[編集] 携帯電話・スマートフォン・PHS

Bluetooth技術を搭載した携帯電話の一例 (au SH003)
Bluetooth接続を用いるヘッドセット
Bluetooth技術を用い、PDAにキーボードと携帯電話を接続してインターネットに接続している。写真では (iPAQ112) (RBK-2000BT II) (820P) が使われている

携帯電話やPHSの高機能化に伴い、携帯電話類同士や携帯電話類とBluetoothに対応したモバイル機器との間での情報の受け渡しに使われるようになっている。一部の携帯電話やPHS端末は、対応のPCやPDAとBluetoothで接続することで無線モデムにすることができる。

ワイヤレスヘッドセットでは中級品以下までBluetoothの採用が進んでいる。2008年現在日本市場では、3キャリアがほぼ標準機能として採用している。ソフトバンクモバイル向けでは3G機種のほとんどがBluetooth対応のためか普及率が高い。KDDI沖縄セルラー電話(各auブランド)は2007年冬モデル以降の一部の「KCP+」採用機種に、NTTドコモは2008年秋冬の新コンセプトモデル以降に、積極的に採用している。Bluetoothの活用について携帯電話キャリア側からの目につく提案は、ミュージックプレーヤーとしての「音楽ケータイ」とワイヤレスヘッドホンを結ぶ機能であるというかたちがほとんどで、ファイル転送や車内ハンズフリー通話などについてカタログで大きく取り扱われるようにはなっていない。スマートフォンではiPhoneや、AndroidOSを搭載しているタイプでは標準機能として採用されている。

[編集] ハンズフリー通話

日本では2004年の道路交通法改正により、自動車の運転中に携帯電話・PHSを手に持って通話した場合の罰則が強化されたため、手に持たずに通話できるハンズフリー機能が注目されるようになった。

ハンズフリー・マイクロフォン機能としては、ヘッドセットやイヤホンマイクをイヤホンジャックに接続する安価なものが一般的であるが、事前に頭・耳にヘッドセット等を装備して、それと携帯電話等の間をコードで繋いだままでいなければならないなど煩雑であるため、無線により自動的にハンズフリー車載器(スピーカー・マイクは車内に装備)と接続してハンズフリー通話が出来るBluetoothハンズフリー機器の開発や製品の輸入ライセンス販売が活発化した。

東京都をはじめとする一部の都道府県では、道路交通法第71条を根拠法に公安委員会が定めた遵守事項として、イヤホンを付け運転することを(多くは条件付きであるが)禁じており、片耳だけのヘッドセットでも取り締まりの対象となる可能性がある。

サンバイザーに挟み込むような形状で使用するスピーカーフォンも登場している。

また、スマートフォンの普及とともにヘッドセットではない、ハンドセットとも呼ばれる機器も登場している。

[編集] 無線モデム

パソコン・PDAなどのほかのコンピュータから、DUN (Dial-up Networking Profile) 機能を持つ携帯電話をモデムとして利用し、インターネットに接続することができる。日本では携帯電話会社がインターネット・プロバイダ契約を提供しており、別途独立したISPと契約しなくてもよいことが多い。W-CDMA網を用いたパケット通信GSM網を用いたGPRS (General Packet Radio Service) 接続などが抽象化されて提供される。

パソコン・PDA側では通常のモデムの場合と違い、特別な初期化コマンドが必要となることもある。例えばソフトバンクモバイルの場合では、『+CGDCONT=1,"IP","softbank"』というものである。これらの設定を行うダイヤルアップ接続のセットアッププログラムが、携帯電話会社から供給されていることもある。

[編集] カーナビゲーション

自動車メーカー各社も、自動車向けBluetoothハンズフリー通話装置の開発を行った。既にカーナビゲーション・システムが自動車の情報端末として確立していたため、Bluetoothはこれらカーナビに組み込まれることが多くなり、「Bluetooth対応純正カーナビ」が登場した。

このうち、KDDIの第2位の株主でもあるトヨタ自動車が最も積極的で、現在ではおもにトヨタG-BOOK日産カーウイングスホンダインターナビの3つの陣営に分かれている。

2007年現在、カロッツェリアパナソニックなどサードパーティ製カーナビにも、Bluetooth接続機能がオプションで用意されつつある。Bluetooth対応カーナビは、Bluetooth対応携帯電話とHFP/HSPで接続し、Bluetoothの設定などの操作はカーナビ画面、着信・発信時の操作はカーナビ画面・専用ボタン・自動着信/音声認識発信など、マイクは運転席の周辺、スピーカは車のカーステレオのものを流用している。

カーナビと携帯電話の連携は、単に携帯電話を発話・受話できることにとどまらず、各カーナビ陣営の運営するサーバーに収録された渋滞情報の取得やサーバーへの走行履歴の送信、カーナビに収録された店舗情報に収録されている電話番号に直接電話をかけることができるなどといった、より高度な利用法に進化している。 また、機種によってはBluetooth接続で携帯音楽プレーヤーに収録した音楽を操作・演奏することができ、両者がAVRCPのVer.1.3以上に対応していればカーナビ側に楽曲のタイトルなどを表示することもできる。また、PBAPに対応している場合は、スマートフォン・携帯電話などから電話帳情報をカーナビに読み込ませることもできる。

[編集] デジタルオーディオプレーヤー

Bluetoothを用いてワイヤレスで音楽などを楽しめるデジタルオーディオプレーヤーも登場した。 2011年現在、iPod touchやAndroid OSを搭載したデジタルオーディオプレイヤーなど、Bluetoothを搭載したものが見受けられるようになっている。

[編集] ワイヤレスヘッドフォン

iPhoneやiPod touch、Android OSを搭載したスマートフォンをバッグ等に入れたままでも音楽が聴けるという利便性があり、Bluetoothを採用したヘッドフォンがソニーやオーディオテクニカ、ゼンハイザーなどから発売されている。その多くが前述のハンズフリー通話にも対応している。

[編集] RFIDタグとバーコード リーダ

GPSレシーバ (BT-359W)

産業界ではBluetoothを用いてパソコン、PDA、携帯電話等へデータ転送するRFIDタグリーダやバーコードリーダが広く用いられている。RFIDリーダのうち、日立のミューチップなどのように2.45GHz帯を用いるRFIDはBluetoothの搬送波と干渉するため、実装に対して特別な工夫が必要となる。

これらのリーダはSPP (Serial Port Profile) を用いて接続するものが一般的である。

[編集] パソコン周辺機器

[編集] ゲーム機

[編集] 健康管理機器

コンティニュア・ヘルス・アライアンスが標準的な接続方法としてBluetoothを採用しているため、多くの健康管理機器がBluetoothでの接続を実現している。

[編集] その他の採用例

  • 補聴器
  • デジタルペンノキアぺんてる製など)
  • 超小型のヘッドフォン(Skypeなどの利用から、補聴器使用者のPC利用などにも有効)
  • インターカム バイク用(ライダー間会話用)の製品などが複数商品化されている。class1出力の場合見通し100mまで通話可能で、中には500mまで可能と宣伝している物もある。同時に普通のヘッドセットとして携帯電話等と接続できる機能も備えているものが多い。
  • NTTが販売するビジネスホンαNXシリーズ及びαGXシリーズのカールコードレス電話機。GXシリーズではカナ品名に<2>が付くもので、GX-24CCLSTEL-<2>-<W>等。ただし、他機器との相互接続は出来ない仕様となっている。
  • トータルステーション
  • オリンパス「PENPAL PP-1」 - 同社製の対応デジタルカメラから写真画像をスマートフォンなどに転送できるアダプター。
  • 腕時計

[編集] 問題点

遅延
Bluetoothを採用したヘッドセットなどの音響製品では、遅延のために若干音が遅れる。仕様上は0.2秒程度の遅延が発生し、電話用途では問題ないものの、動画を伴う用途ではズレが気になったり、ゲーム用途では「反応が遅れる」などの問題が出てくる。新しい機種では同期を取っているため、気にならない程度にまで遅延は改善されているが、遅延は存在する。Bluetoothを採用したゲームコントローラー、キーボード、マウスなどでは、遅延はほとんど問題ないレベルとなっており、Wiiプレイステーション3といったゲーム機の標準コントローラにBluetoothが採用されている。
音質
遅延と共に、イヤホンなどでは特に低音質が指摘されることがある。これは転送可能なデータの上限にならい、音声を圧縮するからである。圧縮率や音質の低下はバージョンによっても異なるが、基本的に原音よりも低音質になる。
固定パスキー
音楽機器用BluetoothアダプタなどのBluetoothを採用した製品の中には、パスキーが事前に固定されているものがある。この場合、通常のヘッドセットやレシーバのように、通信相手がパスキーを指定できない場合に接続できない。
必ずしも製品の箱書きに、利用者にとってわかりやすい形で書かれていないことが多いため、ほとんどの場合、購入後に接続できずに問題が顕在化する。互換性の問題とよく勘違いされる。
SCMS-T
SCMS-T方式のコンテンツ保護とは、Bluetooth無線技術における、コンテンツ保護方式の1つ[3]
著作権保護技術の規格で、音楽データの転送の際に不正なコピーを防止する目的で利用されている。
Bluetooth通信機能をもつ携帯電話では機種によりSCMS-Tが採用されており、これらの機種では、SCMS-T対応のレシーバでなければ携帯電話に搭載されているワンセグ音声が出力されない。東芝が作った日本国内のみの規格であり、海外メーカー品では適合がないものが多い。
これも固定パスキーの問題同様に、利用者にとってわかりやすい形で書かれていないため、購入後に音声出力がされずに問題が顕在化する。

[編集] ライセンス・電波法による規制

証明ラベルの例

Bluetoothのシンボルマーク、ワードマークはBluetooth SIGが所有するトレードマーク(日本の商標登録番号は第4477936号)であるため、これらを製品に表示しようとする時はBluetooth SIGと契約する必要性がある。

日本国内でBluetooth機器を利用する場合には、その機器が電波法に基づいた技術基準適合証明を受けたものでなければならない。技術基準適合証明は、現在TELEC(財団法人 テレコムエンジニアリングセンター)などで取得することが出来、製品全てに「証明ラベル」が貼り付けされる。

海外で販売されているBluetooth機器の大半は、日本の電波法に基づく技術基準適合証明を受けていないため、日本国内で利用すれば電波法違反となる。また日本で発売されている並行輸入品(日本・海外両方で販売)については、同一品でも日本国内向けに販売している物に対しては技術基準適合証明を受け筐体に証明表示があっても、海外向けに販売している物に対しては技術基準適合証明を筐体に表示していない可能性が極めて高いため電波法の明示違反にあたる。海外販売品や並行輸入品に対しては電波法違反対象品として、修理や不良対応などのサービスを一切受け付けないメーカーもある。

[編集] その他

携帯電話ウイルス
2004年6月にはS60搭載携帯電話でBluetoothを経由して感染するワーム携帯電話ウイルス)「Cabir」が発見されている。なお、これがVodafone 702NKにも感染したとの報道があったが、その信憑性には疑義がもたれている(→Nokia 6630を参照)。

[編集] 出典

[ヘルプ]
  1. ^ 「日経エレクトロニクス2009年5月18日号」126頁
  2. ^ [http://msdn.microsoft.com/ja-jp/windows/hardware/gg487349 Bluetooth ワイヤレス テクノロジに関する FAQ - 2010(マイクロソフト社、2010年1月15日)]
  3. ^ http://www.faq.sonydrive.jp/faq/1040/app/servlet/qadoc?023039

[編集] 関連項目

[編集] 外部リンク

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