テレビ電話

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テレビ電話専用端末
NTT PICSEND-R
FOMA SH900iでテレビ電話を見る

テレビ電話(テレビでんわ)とは、電話ビデオカメラビデオモニター画面を組み合わせて、相手の顔を見ながら話すことができるシステムの名称である。

概略[編集]

世界初のテレビ電話(英:videophone)の実験・実用化は、アメリカAT&Tにて行われた。1930年代には実験が行われていた。1960年頃には、Picturephone(日本語版)(英語版)として発表された。 1967年のカナダモントリオール万国博覧会のベル・パビリオンにおいて展示されたものは、デスクトップ程度には小型化され、モノクロで、観客が実際にテレビ電話による通話を試すことができた。カメラはプランビコン製で小型のブラウン管と一体化していた。走査線は200本で映像帯域幅は200MHz、ハンズフリー電話のスピーカーフォン (Speakerphone) 付きであり、画像を調整する小さな制御箱が付いていた。線路増幅器(内蔵型6バンド可変平等化フィルタ)は1マイル (1.6km) 程度の距離にありツイストペアケーブルで結ばれた。また2 - 3マイルの距離の所でデジタル化されて (3bits/2MHz DPCM) T2回線にて伝送された。

日本の事情[編集]

なお、「テレビ電話」とは言っても、モニターとしてテレビ受像機を使う場合もあるが、テレビとは直接の関係はない。「テレビ電話」の概念を一般に啓蒙したのは、手塚治虫漫画鉄腕アトム』が有名であり、当時からこの用語が定着していると言える。

比較的以前より、名称及び概要は一般にも知られていたが、一般向けの普及品が出たのは、21世紀に入る前後のことである。現在、固定電話ISDNアナログ回線IP電話)のほかに携帯電話PHSNTTドコモFOMAPHSソフトバンクモバイルSoftBank 3GスマートフォンauCDMA 1X WINなど)でも利用できる。

なお、この項では専用のテレビ電話端末を用いたテレビ電話について記述する。PC同士で行う、ビデオチャット等は考慮しない。

登場前夜(日本)[編集]

テレビ電話の初登場[編集]

テレビ電話が初めて、人々の前に現れたのは1970年に開催された大阪万博で、大阪東京間を結んだのが最初と言われている。その当時は小さいカメラも無く、かなり大きくて、かつ高価な物であった。通信回線も専用回線を使うなど、一般には夢のまた夢の話であった。その後も電電公社のブースなどでPRはされていた。

静止画テレビ電話[編集]

1987年頃になって、市場に「テレビ電話」が発売された。ソニーが発売した「みえてる」が元祖である。しかし、頭に「静止画」が付いていた。読んで字の如く1分間に数フレームかつ白黒で、実用的な物とは言えなかったうえに端末も高価だった。当時の通信回線の速度を考えるとこれ以上の物は作れなかった。また、当初はVTRのように互換性のない2つの規格(ソニー陣営と三菱電機陣営)が並立していた(結局は後に一本化された)。

各種サービス(日本)[編集]

実用的なテレビ電話登場には、日常的に使える高速回線の整備が重要であった。21世紀間近になり、実用的なテレビ電話が出てくる事になった。ISDNテレビ電話アナログ回線テレビ電話は電話機が高価で一般的では無かったが、後に携帯電話のテレビ電話対応機種が普及・低価格化し、それにつられてか固定電話系も低価格化が進んでいる。

DDIポケット[編集]

1999年9月にDDIポケット(現ウィルコム)より発売された、京セラ製端末のVP-210が世界初の移動体電話上のテレビ電話である。32kbps回線交換Motion JPEGのカラーで1秒間に2フレームという当時の技術的な限界のため実用的とは言い難かった。携帯電話に先んじて開始したサービスだったが現在は端末は生産中止となっている。

CDMA 1X WIN (CDMA2000 1x EV-DO)[編集]

2006年12月KDDI、ならびに沖縄セルラー電話の各auブランドがサービスを開始したCDMA 1X WINの最上位サービス (CDMA2000 1xEV-DO Rev.A) の一つの目玉として、一対一のテレビ電話およびau携帯電話の対応機種同士(対応機種第1弾としてW47TおよびDRAPE (W46T) がサービス開始と同時に発売)で最大5人まで会話できる「グループテレビ電話」を開始。EV-DO Rev.Aには、QoS技術のひとつである可変ビットレート機能が盛り込まれているため、回線が込み合っている場合、十分な速度が得られない場合は画質を落としたり、エリア外ではCDMA2000 1x EV-DO網へシームレスに切り替えたりすることで、ストレスなくテレビ電話を利用できる。FOMAやVodafone 3Gと違い、パケット通信方式を採用することにより、高画質で高効率なテレビ通話[1]をサポートする。また、代替画像としてアバターを表示できる機能も盛り込まれている、「au My Page」で提供されるアバターサービス「EZアバター」のキャラクターが利用できる。NTTドコモFOMAPHSや、ソフトバンクSoftBank 3Gとも相互にテレビ電話が可能である。固定電話(ISDN・アナログ・IP)とのテレビ電話はできない。

FOMA (W-CDMA)[編集]

NTTドコモFOMAでは、W-CDMA共通規格の一環として、テレビ電話をサービスの柱に掲げることになった。FOMA第一弾のP2101Vからテレビ電話が可能であり、1秒間に15フレームとなった。

FOMAの普及に伴い、テレビ電話に対する発信者非通知によるワン切りという手口も生まれた。理由として、FOMAでは電話番号でメールが届くSMSが有り、そのメールを送るための情報収集が目的と言われる。

なお、同じ通信方式を使用するソフトバンクモバイルSoftBank 3Gや、海外でW-CDMA (UMTS) を採用するキャリアにおいてもテレビ電話を提供しており、FOMAとの互換性もある(FOMA端末内でアバターデータのデコードを行って送信しているため、SoftBank 3Gでのキャラ電画像の受信も可能)。

FOMAを含む第3世代携帯電話は全て、テレビ電話の技術として、動画にMPEG-4ビジュアル、音声にAMRを用いる「3G-324M」規格を採用している。W-CDMAのテレビ電話は、64kbpsの回線交換データ通信で実現されている。

NTT(東西)のひかり電話の回線に接続したVP1000と、FOMAとの間でのテレビ電話サービスを開始。

ドコモPHS[編集]

2002年7月にドコモPHSにも、FOMA「P2101V」の筐体を流用した、Lookwalk P751vという端末が登場している。性能的にもFOMA対応のP2101vをPHSに対応させただけの内容になっている。当時はFOMAのエリアが狭かったので、こちらの方が実用的だったが、PHSにしては大型過ぎる、パソコンに繋いでのデータ通信が出来ない事などにより、あまり売れなかった。また、@FreeD対応端末向けにパソコンに差して使える、テレビ電話ソフトが提供された。64kbpsの回線交換データ通信が標準だが、32kbpsでも使用でき、FOMAとも接続できる。

SoftBank 3G (W-CDMA)[編集]

ボーダフォン日本法人(旧J-PHONE、現ソフトバンクモバイル)が2002年12月にサービスインした3GサービスVodafone Global Standard (VGS) においても、「TVコール」の名称でW-CDMA規格のテレビ電話サービスが開始され、対応端末 (V-N701・V-SA701) も提供された。しかしVGS自体があまり普及しなかったため、TVコールの利用者もあまり増加しなかった。

2003年には社名がボーダフォンとなり、それに伴って「10の約束」と称する公約を発表、その中で「TVコールサービスが通話と同じ料金に」と謳った。しかし翌2004年には10の約束は反故にされ、テレビ電話は音声通話の1.8倍へと値上げされた。

同年12月には、サービス名をVodafone 3Gと変更し、国内での本格的なサービス普及に向けて、海外製を含む7端末を投入した。とくに、ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ802SEは、折りたたみ筐体のヒンジ部に回転式カメラを備え、一般の写真撮影だけでなくテレビ電話の自分撮りもメガピクセルカメラで行えるユニークな機種であった。 なお、同じ通信方式W-CDMA (UMTS) を使用するNTTドコモFOMAや、海外の一部のキャリアとの間で相互にテレビ電話が可能である。海外ローミング中のテレビ電話も可能。

2006年には社名がソフトバンクモバイルとなり、サービス名もSoftBank 3Gへと変更された。

「TVコール対応」と謳っている機種の中には、スペック表の欄外に小さく「サブカメラを搭載していないため、自分自身を撮影しながら相手と話すことはできません。」と注釈しているものがある(例えば、944SH)。 相手側の映像はこちら側のディスプレイに表示されるが、こちら側の映像については、あらかじめ登録している代替画像か、背面側のカメラから撮影される映像のいずれかを利用者が選択して送信する。 したがって、サブカメラを搭載せず、ディスプレイ部も回転できない「TVコール対応」機種は、お互いの顔を見ながら通話することはできない。 利用者は機種選択の際、注意しなければいけない。

ISDNテレビ電話[編集]

HITACHI HV-31

ISDNにおいては、開発当初からテレビ電話を想定し、音声・映像各64Kbpsで2チャネルという帯域が決定された。

カメラ付き携帯電話端末を利用したテレビ電話と比較した場合の優位点としては、一番に画像の鮮明さ(解像度)と画面の大きさがあげられる。主なISDNテレビ電話においては704×408ドット(最大)の画像を扱う事ができるようになっている。このため搭載される液晶モニターも5インチ大のものが主力であり複数人での同時通話にも適している。中には家庭用テレビに接続できる(または別途テレビを必要とする)製品もある。ISDN回線を利用したテレビ電話も量産機が開発された当時は静止画が主力だったが、画像圧縮技術の進歩や高速なプロセッサが開発されたこととINS64の2Bチャネルを利用し、その1/5の帯域をADPCM音声(通話)に、4/5を動画とバランスよく配分する事で比較的ストレスの無い動画と音声の送受信を行えるようになった(ITU-Tにおける国際規格上はPCMのみとなり、その場合は音声1/3、動画2/3の帯域配分となる)。

一般的なISDNテレビ電話端末では秒間15フレーム(最大)を実現しており、30万画素程度の解像度を持つカメラを搭載する。ISDNの特性(デジタル回線交換)から送受信時のデータの損失がほとんど無いため、環境に依存せず、開発時に見込まれた動作を忠実に再現できるのも大きな特徴である。

多くの製品は通常の電話機に液晶モニターとカメラが組み込まれた形状をしている場合が多く、テレビ電話としては最も一般的で完成された形を見る事ができる。通信方式もほぼ規格が確立され、各メーカー間である程度統一されており、片側64Kの通信速度を利用した静止画や低画素の下位通信方式にも対応できるようにしたため、アナログ方式のテレビ電話とも通信できる製品が多い。

1990年にITU-T H.261(画像圧縮の国際規格)が提唱された事を受け開発が進められ、2000年代以降、医療、教育、マスメディアの現場を中心に急速に普及した。それを受けてテレビ番組等で視聴者宅等とスタジオをテレビ電話で繋ぐ際などにも、多くの場合ISDN用テレビ電話が用いられる。

こうした際に使用される代表的な機種として三菱電機がNTTにOEM供給した廉価端末のPhoenix miniがあり、上位機種としては日立製作所がNTTに PICSEND-Rの名称でOEM供給を行ったHV-300、HV-31等もある。後者2機種はISDN固定テレビ電話における高級機に位置付けられている。さらにPhoenix miniの後継機としてFOMAとの連携を果したモデルも登場している(ただし、対FOMA通信における動画はFOMA側の網品質に依存するため、かなり低速かつ不鮮明になる)。

ほぼ全てのモデルが多地点会議に対応しており、HV-31等一部の高級モデルには特定端末自体がホストとなり、それぞれの端末を掌握して特別なサービスを介する事無くテレビ会議が行えるようにした製品もある。

テレビ番組や企業、医療、教育の現場で活用されるテレビ電話の多くはISDN回線を介している。これは敷設が比較的容易な事と、携帯電話タイプに比べて画面が大きく見やすい事、電話と同様に操作が容易であること、機器の仕様や規格の互換性が高いこと、またビデオ映像や音声を外部に取り出すといった扱いが容易であることなどが要因とされる。

アナログ回線テレビ電話[編集]

従来のアナログ電話網 (GSTN) でも、アナログ電話モデムの高速化により、十分実用的な画質のテレビ電話が使えるようになった。H.263によるアナログ回線用V.34モデム33.6kbpsの回線交換データ通信を利用する。ISDNテレビ電話との相互接続も可能であるものが多い。ただし相手側のISDNテレビ電話が1Bビデオ通話をサポートしている必要がある。また1B通信の場合、多くの例では秒間フレーム数が相当量削られる事となり、スムーズさが失われる結果となる上、接続から通信開始までに時間を要するため、ISDN方式に比べ実用性は低減している。

IPテレビ電話[編集]

IP電話におけるVoIPと同様に、ビデオ信号をIP(Internet Protocol:インターネットプロトコル)ネットワークで伝送する。Video VoIP (VVoIP) とも言う。ブロードバンド回線に接続するIP電話機の形態を取るものが多く、1秒間に15 - 30フレーム程度を送受信できることが多い。特に、光ファイバーをアクセス回線とする場合、動画の円滑さはほとんど問題ないレベルに到達している。また、設置形態は回線系に依存する事から固定系が殆どである。

IP電話と同様に、電話サービスとして電話番号が割り当てられる場合がある。また、同じネットワーク間では通話料がかからない場合がある。IPテレビ電話の分野では通信規格が乱立状態にあったが、エンドtoエンドのプロトコルとしては当初から用いられたH.323からSIPへの移行が急速に進んでおり、映像コーデックについてもH.263からMPEG-4H.264に移行しつつある。

  • NTT(東西) : フレッツフォン VP1000により、主要IP電話事業者によるIPテレビ電話サービスや、フレッツ網上のビデオチャットサービスにも対応。
    • ひかり電話の回線に接続したVP1000と、FOMAとの間でのテレビ電話サービスを開始。
    • ビジネス利用向けの安価なテレビ電話/テレビ会議端末としてフレッツフォン VP1500、コンシューマ向けの安価なテレビ電話端末としてフレッツフォン VP100、より大画面のインターネット・テレビ電話端末としてフレッツフォン VP2000(NTT東日本のみ)も発売した。
  • ギンガシステムソリューション : NOVAの外国語レッスンにテレビ電話端末を提供している。
  • LOBIC : ピアトゥーピア方式のテレビ電話システムLOBICAを提供している。
  • JANISネット : ソネット社TELEBB-1000を用いてテレビ電話サービスを提供している。

テレビ会議システム[編集]

  • ISDNテレビ電話においては電話会社の多地点接続サービスを介してリング状に端末をリンクさせ、テレビ会議を行う方法が一般的だが、HV-31等、一部の高級機を利用した場合は当該端末がホストとなり、特別なサービスを介する事無く最大5人程度まで同時接続を行う事ができる。またISDN網を利用したテレビ会議においてはメーカーの幅を超えて規格がほぼ統一されており、機種に関わり無く多地点会議が行える事が多く実用度が高い。
  • 最も一般的なテレビ会議システムには企業向けに開発されたテレビ会議の専用端末で魚眼レンズ(広角レンズ)を用いて会議場全体を撮影し、会議室と会議室を結ぶホットラインが構築できるものがあるが、今のところ多くの場合2端末間の通信に限定されており多地点ではなく、利用範囲も限られる場合が多い。機器の機能として多地点接続をサポートするものもあるが、高価なものとなる場合が多い。
  • このほか、IPテレビ電話による多地点テレビ会議サービスなどもあるが、規格が統一されていない、相互接続が保証されていない等の理由から全ての端末を同一機種にする必要があるため、今のところあまり普及していない。
  • また通信速度、画面の大きさや解像度等の制約などから、携帯端末を用いた多地点テレビ会議システムは今のところ現実的ではない。

ビデオチャット[編集]

インターネット回線を利用したものをビデオチャットという。インターネット電話ではあるが、プラットフォームはパソコンの各OSだけでなく、スマートフォン(AndroidiPhone等)や、PSPにも対応している。さらには薄型テレビDVD/BDレコーダーの一部機種にもビルトインされるようになっている。

利用(日本)[編集]

主な利用方法[編集]

上述の通り、テレビ電話システムの(単に電話に映像が付加されると言う利用以外に)主な利用方法は以下などがある。

  • テレビ会議(ビデオコンファレンス)
  • 英会話等のインターネットレッスン、インターネット家庭教師など
  • 医療現場における医師同士、また対患者との医師伝達手段および遠隔診療
  • ろう者に対する手話通訳
  • 介護福祉事業者と要介護者宅との連絡
  • テレビ放送における視聴者、出演者宅との中継
  • 交通事業者における乗務員の出先での点呼

普及について[編集]

現在のところテレビ電話は一般の家庭やオフィスに広く普及しているとはいいがたい状況にある。すなわち、クリティカル・マスの普及率に至っているものはない(現在、FOMAが最も普及している模様)。その理由として以下のような点があげられる。

  • 技術的・経済的な問題
    • 対応端末が比較的高価である。特に携帯電話の場合、一般的な写真撮影用の外向きのカメラ(アウトカメラ)とは別に、テレビ電話での自分撮り用のカメラ(インカメラ)が必要となる場合が多く、端末価格を押し上げる原因となっている。
    • 携帯電話の場合、画面を見るためには携帯電話を顔から離す必要があり、音声通話がやりづらくなる。かといって、自分の声や受話音量を大きくすると、周囲に迷惑となるおそれがある。
  • 文化的・心理的・環境的な問題
    • プライバシーセキュリティに関する問題
      • 相手の顔を見ながら話すので、時と場合によっては緊張してしまう。見知らぬ相手や、突然電話が掛かってきた場合には特にそうである(この場合、いきなりテレビ電話の画像表示をさせるのではなく、ユーザに選択させるようなユーザーインターフェイスが重要であり、一部端末ではそのような機能を実装している)。
      • 特に女性の場合は、相手がある程度以上に親しい間柄でもない限り、自宅ですっぴん顔で画面に出る事に抵抗がある。テレビ電話の映像性能の高品質化により、この傾向に拍車がかかる。「キャラ電」はこのような事情への対策機能と言えるが、テレビ電話の存在意義からいって本末転倒という意見もある。
      • 背景として周囲の様子も一緒に映るため、自宅で汚い部屋の場合はみっともない、オフィスであれば機密情報が映るおそれがある、外だと居場所がわかってしまう、といった問題がある。
      • その結果、相手がテレビ電話をとれる状態にあるか、かける側はわからないため、いきなりテレビ電話を使ってかけることは通常躊躇され、よって実際の利用率が低迷する事に繋がる。
    • 圧倒的メリット不在の問題
      • 映像が存在することで便利なことは多数あるが、その一方で、映像がなく音声だけだと致命的に困るという状況も実際にはそれほど多くない。そのため、電話は導入しても、テレビ電話を機器コストや回線・通信コストを負担してまで導入しようと言うインセンティブが働きにくい(インターネット家庭教師やテレビ会議など、映像自体が目的となっている場合は別である)。

以上のように、技術的・経済的な問題だけではなく、心理的・環境的な問題が多くを占めている。従来の電話はすでに130年の歴史を持つシステムであり、われわれの電話というものに対する認識・習慣は、よくも悪くも「音声しか伝わらない手段」という大前提のもとに成立している。テレビ電話はその大前提を覆すサービスであるがゆえに、利用者側の認識や発想の転換が必要であり、そこに本格的な普及への難しさがあるということができる。現在、固定テレビ電話の一部には相手の声を確認してから自身の映像の送信を開始できる機能を持つものもある。しかし、最近急激に普及が進んでいるスマートフォンでは、各携帯電話会社のほとんどの機種でテレビ電話に対応せず(ちなみにiPhoneでは、フェースタイムという機能でテレビ電話が利用可能だが、通話者同士が両方ともWi-Fi環境でないと利用できず、また、最新のiOSでないと利用できない)、また、従来の携帯電話でも対応機種が減少しているうえ、各会社の携帯電話カタログでもテレビ電話の通話料こそ触れられるものの、表だってテレビ電話が使用できる旨の表示は2011年現在、見られなくなった。

電話を発明したグラハム・ベルもテレビ電話を検討していたが、文化的に受け入れられないだろうという結論に達している。この問題は足かけ3世紀にわたりテレビ電話に携わる多くの人を悩まし続けている。

関連項目[編集]

  1. ^ http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/30746.html

外部リンク[編集]