不法無線局

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不法無線局(ふほうむせんきょく)とは、電波法に定義された項目のうち、特に第四条の各項に反した電気通信を行う無線局のことである。俗語ではアンカバーUCともいう(“足を見せない”意のアンダーカバー、Undercoveredから)。

目次

[編集] 概要

無線は主に電波を用いて行われる電気通信である。電波はその性質上、万人が自由・勝手に使用した場合に、お互いに妨害を与え、正常な通信ができなくなるなどのトラブルを招いてしまう場合がある。そのため、電波の使用が他者の不利益とならないよう、また、限られた周波数を用途別などに整理するための管理、監督の仕組みが存在する。

日本の場合、電波法と呼ばれる電波に関する法律の中で、その使用を規制している。その内訳の大筋は

  • 無線局を開設しようとする者は一部の小電力のものを除き、原則として免許または登録を必要とする。
  • 免許または登録に際して総務大臣が申請書を受理した時には、法令上の技術基準に適合すること、周波数の割当が可能であること、開設の基準に合致することを審査する。

となっている。

不法無線局は、これらの法律に定められた免許手続きを行わずに勝手に開設される無線局である。免許を受けずに送信機を簡単な操作で電波が発射できる状態にしていれば、実際に電波を出していなくても不法無線局を開設していることになる。不法無線局かどうかはコールサインを言わないなど通信内容からある程度判別可能である。不法無線局が運用する周波数帯は市民ラジオの27MHz帯、アマチュア無線の144MHz帯、430MHz帯及びパーソナル無線の900MHz帯であることが多く、総称して「不法三悪」と言われる。これらの不法無線局は、通信距離を向上させるため、高出力の送信機用増幅器(ブースター、リニアアンプ)を設けることが多く、それによる沿線地域への電波障害や免許を受けている正規の無線局に妨害を与えるため大きな社会問題ともなっている。

これら以外にも不法無線局には、技適マークの無いラジコン送信機(飛行機、車、船、ロボットなど)、通信事業者以外が設置した携帯電話中継装置(電波の届かないビルの地下等に設置)、付近の携帯電話を妨害電波により使用できなくするための装置(ジャマー)、インターネットオークションなど販売されている日本国外から輸入されたトランシーバー(FRSGMRS)、通信距離が向上するように改造した無線LANキーレスエントリーの送信機、無線式盗聴器(用途を問わず、送信出力の大きな物は電波法に抵触する可能性が高い)、狩猟猟犬に装着されるドッグマーカー、野生生物生態調査用ビーコン(専用周波数は存在しない)などがある。また、正規に免許を受けた無線局であっても、その免許の有効期間が切れてしまえば無免許と同じ扱いとなり、不法無線局として罰せられる(主要例ではFM東海(但し後に処分取り消し))。アマチュア無線局においては広域レピータを中心として通信妨害が深刻化するなど深刻な問題が出ていた。一部レピータ管理団体はフォックスハンティングなどの手法を用い取締りをするほどであった。(CG誌1991年5月号に詳細掲載)

免許を受けていながらその範囲を逸脱して運用する場合は違法無線局と呼び区別される。

[編集] 開設した者に対する処分

不法無線局を開設した者に対しては、次のような処分が定められている。

また、処分確定の日から2年間、無線局無線従事者の免許を受ける事は出来ない。

免許を受けていながら違法な運用を行った場合は、免許取消などの処分の対象にもなる。また量刑も“法知識がありながら違法行為を行なった”という事で無資格者に比べて重く、懲役刑が課される場合も多い。

不法無線局に対する取締りは、総合通信局が行なっている。総合通信局は司法官庁ではなく行政官庁であり、執行官がいないため、警察の協力を得ての取締りを行なう。なお、通報があっても通信中の現場を押さえられなければ現行犯ではなく被疑者となる。取り締まりは平日に行なわれる。

[編集] 不法無線局の報告

不法(違法)無線局を認めた際には、電波法第80条の規定により、所轄の総合通信局に書面をもって報告する。(「80条報告」)

記載内容は次の通りである。

  • 違法無線局の運用者の住所、氏名、電話番号等(判明している範囲で構わない)
  • コールサイン、呼出名称、あるいは通信に使用している愛称等、電波の型式周波数、受信した日および時間
  • 通信の概要その他参考となる事項

専用の書式もあるが、必要事項が揃っていれば用紙に拘らなくともよい。なお、全ての無線従事者は、業務従事中に確認した場合、報告を義務付けられている。

[編集] 使用に注意が必要な機器

ここでは、電波の不法使用(不法無線局の開設)につながる可能性のある機器を取り上げる。周波数の割当ては国によって異なるので、基本的に電波を発する製品はその国でしか使えない。使用者に悪意がなく、電波法を犯しているという自覚がなくても、罰せられる可能性がある。

トランシーバー
ネットオークションや通信販売や、秋葉原など電機量販店の店頭などで売られている日本国外製のトランシーバー(FRS, GMRSなど)または、27MHz帯ハイパワー市民ラジオ(違法CB)は、日本の電波法に定められる周波数帯や出力電力ではない場合が多い。これらのトランシーバーを使用すると、業務無線などに妨害を与える可能性がある。“米国規格(FCC rule)に適合している”などと宣伝している場合があるが、これは米国外では有効ではない(日本の技術基準適合証明付きの機器が日本国外では使用できないのと同じ)。購入時に、日本でも適合するかどうかを確認する必要がある。
例外ではあるが、アマチュア無線は使用する周波数帯や電波型式が基本的に世界共通である。したがって、アマチュア無線の無線機だけは、日本国外製であっても、該当免許保持者が使用する場合に限って、然るべき手続きを取った上での使用が容認されている。ただし、国によって周波数帯の割当てが異なる場合もあり、運用する際はその国の法規に従う必要があるため、全ての無線機が使えるとは限らない(例として144MHz帯のうち146~148MHzは日本では使えない。また特定の地域にのみ割り当てられている周波数帯もある)。
コードレス電話
日本国外向けのコードレス電話(技適マークのない製品)は、日本では使用できない。また、使われる周波数帯が異なっていたり出力が大きい場合もあるので、他の無線に妨害を与えてしまう可能性がある。日本国外向け製品は、デザインが優れている、通話距離が長いなどと宣伝して、日本国内の市場に古くから出回っている。昔はVHF以下のアナログ式のものが主流であったが、現在は2.4ギガヘルツ帯や5.8ギガヘルツ帯のデジタル式が主流である。
ドッグマーカー
猟犬マーカーとも称される。先述の通り、割り当てられる周波数は存在しない。一般には144メガヘルツ帯を用いている製品が多いが、これは実はアマチュア業務(=アマチュア無線)の為の周波数である。また「周波数を上下に調整可能」と謳う物があるが、アマチュア用周波数の直上・146メガヘルツ帯は消防無線、救急無線、防災行政無線、直下・143メガヘルツ帯は列車無線の周波数である。
FMトランスミッターワイヤレスマイク
日本国外製または日本国内メーカーの日本国外規格のFMステレオ・トランスミッターやワイヤレスマイク、AM中波帯トランスミッターなどは、日本の電波法などで定める規格とは異なる場合があり、それを知らずに使用していると、近傍周波数の放送の受信に妨害、またスプリアス(高調波)などで他の通信に妨害を与えるなど、気づかぬうちに混信妨害を与える可能性がある。場合によっては電波法で罰せられる可能性がある。 日本における「微弱電波」、すなわち電波法第4条で「発射する電波が著しく微弱な無線局に該当するもの」で、「無線設備から3メートルの距離において、その電界強度が毎メートル500マイクロボルト以下のもの」と規定されている(出力による制限ではない)ものであれば、基本的に無線局の免許は不要であるが、日本国外製・日本国外規格のものは、日本の電波法とは法律が異なり、日本のそれを超える規格で製造されているものがほとんどである。個人輸入する場合や、ネットオークションなどで日本国外製のものを購入する場合は、当該製品が日本の電波法に批准するかどうか注意を要する。また、微弱電波の範囲内でも常に近傍周波数の局やスプリアスで他の局に混信妨害が出ていないかの配慮も要する。

[編集] 関連項目

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