G-SHOCK

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G-SHOCK GS-1000J(GIEZ)

G-SHOCKジーショック)は、カシオ計算機株式会社が開発・販売している腕時計ブランドである。一般には、「Gショック」とも表記される。

概要[編集]

国際宇宙ステーションにおいてG-Shock 5900を着用している宇宙飛行士トーマス・ライター

堅牢性[編集]

G-SHOCKの最大の特徴は堅牢性で、1981年に始まる研究開発の目標に「トリプル10」(落下強度10m、防水性能10m、電池寿命10年)を掲げた。外殻から独立した内部機構やポリウレタン製の衝撃吸収材を採用することで目標を達成し、1983年に初登場したDW-5000C以来全てのG-SHOCKシリーズはこの性能をクリアしている[1]。しかしポリウレタン自体が紫外線を受けると劣化・分解するため、5年程度で外周は粉々になる。

軍人とG-SHOCK[編集]

こうした特徴は過酷な環境の代表格である「戦場」で活動する兵士達にも好まれ、米軍兵士たちからはコンバットカシオの愛称で親しまれている。その代表例として、米国海軍特殊部隊Navy SEALsによって採用されている[2]。また、福野礼一郎によれば、世界の特殊部隊隊員の多くがG-SHOCKを使用しているとのことである[3]。もちろん、特殊部隊以外でもG-SHOCKは普及しており、パイロットや警察特殊部隊SWAT隊員にも愛用されているという。

映画におけるG-SHOCK[編集]

スピード』をはじめとする、多数のアクション・戦争映画でも「脇役」として出演している。『スピード』で使用されたDW-5600C-1V(白文字モデル)は、ロサンゼルス市警のSWAT隊員ジャック・トラヴェンを演じた(主演)キアヌ・リーブスの私物だったという。 また、この映画の大ヒット以降、DW-5600系は「スピードモデル」の別名でも呼ばれるようになった。

機能[編集]

G-SHOCKの特徴として耐衝撃機能をはじめ多様な機能を持っている点が挙げられる。具体的には、ストップウォッチタイマー機能、アラーム機能といったデジタルウォッチの定番機能の他、製品によっては、高気圧防水や防塵、防泥、気圧計、水深測定器、温度計電波時計タフソーラー、超硬質コーティング、ワールドタイム表示機能などが採用されている。

SHOCK RESIST
耐衝撃機能。G-SHOCK全てに搭載されている。その証明をアイスホッケーでされた経緯がある。
WATER RESIST
G-SHOCKは基本的に20気圧の防水性能を有する。日本国外向け製品には "200m Water Resist" と記載されているが、本格的な潜水時計はFROGMANシリーズのみ。
MUD RESIST
防塵、防泥機能。主に、後述のMUDMANシリーズに搭載されている。
RUST RESIST
防錆機能。主に、後述のGULFMANシリーズに搭載されている。
MULTI BAND 5/MULTI BAND 6
世界各地の時刻電波修正機能。世界各地域で自動的に時刻修正され、狂わずに使用できる。
Tough Solar
太陽電池充電機能。
TOUGH MVT.
一部のアナログ時計に搭載される。

開発の経緯[編集]

1981年に、増田裕一(商品企画担当)と伊部菊雄(設計担当)、二階堂隆(デザイン担当)の3人が中心となり、開発が開始される。当時、この3人はいずれも20代であった。開発チームは、「PROJECT TEAM Tough」と名付けられた。

3階のトイレの窓(約10m)からの落下実験等、試行錯誤を重ねた末に発売されたのが「DW-5000」で、1983年のことである[4]。その後、G-SHOCKはアメリカにも輸出されるようになったが、この時、宣伝文句として「アイスホッケーパック代わりにしても壊れない」というフレーズが使用された。ところが、このフレーズが誇大広告ではないかとの意見が寄せられ、テレビ番組の中で検証されることとなった。結果、プロのアイスホッケー選手によるシュートによっても機能を喪失しないことが証明され、これをきっかけとしてアメリカで人気に火がついた[5]

日本では、1994年公開の映画『スピード』において、キアヌ・リーブスが演じる主人公がG-SHOCKを着用していたことから、人気が高まった。

また、G-SHOCK の類似品として "A-SHOCK" などが日本を含むいくつかの国々で出回っていたりしたため、カシオは、新たに従来の "G-SHOCK" を除き "A-SHOCK" から "Z-SHOCK" までを商標登録している。このことは、テレビ番組「トリビアの泉」2003年8月13日放送分にも取り上げられた。また、実際に特許電子図書館でも確認できる[6]

代表製品[編集]

ORIGIN[編集]

G-Shock DW-5600C
G-SHOCKの定番と呼ばれる5000、5600系角型モデル(通称:スピードモデル)[7]や5500系丸型モデル[8]、2代目丸型モデルのDW-5700系モデル(通称:スティング)[9]もこのシリーズに該当する。
ヨーロッパでは6900系の丸形モデルもORIGINにカテゴライズされる。
1996年に、FOX FIREシリーズとして登場したDW-5600系の復刻モデル(FOX FIRE)、DW-9052(DW-9000系の海外生産モデル)、GW-5000-1JF(MULTIBAND6)、GW-M5600-1JF(MULTIBAND5、初号機のデザインを復刻)、GW-5600J-1JF(5600系で初めて電波受信機能を搭載)などが含まれる。G-LIDEはかつては専用モジュール以外は通称「ジェイソンG」で知られるネグザクスのDW-002系をベースにし、海での利用を考慮することはあまり無かったが現在は5600系も採用しており小型ながらムーンデータ&タイドグラフ表示機能がある。

Standard[編集]

デジタルとアナログ、コンビネーションモデルがある。
日本では、6900系丸形モデルはStandardシリーズに含まれ、入門機は通称「三つ目」と言われるFOX FIREシリーズとなる。5500系モデル、7900系モデル、デジタルで品番がMTGで始まるモデル、高輝度LEDをバックライトに採用したGD-100系モデル、GA-110系モデル、2層ウレタンベゼルと蛇腹形状のインナープロテクターにより、耐衝撃性をさらに強化したGXシリーズ等も、これに分類される。

FOX FIRE[編集]

左から長寿モデルDW-5600E、DW-6900B。海外向け長寿モデルDW-6600。
発売当初はDW-6600B-1A でG-SHOCK初のEL(エレクトロ・ルミネセンス)バックライトを搭載したことで命名されたシリーズ。6600が登場する前のライトは主に電球やLEDを用いて盤面を単に照らすものであった。このELバックライトは当時では実現不可能であった2色同時発光(Gという文字も赤く浮かび上がる)を実現した。ただし他のシリーズでもELが搭載されるようになったのでELバックライト搭載モデルと言うより入門機としての位置づけである。安価であるためかコラボレーション仕様が非常に多い。
全機種ソーラーや電波受信機能は存在しないがデジタルウォッチで可能な限りの遊びの機能(スロットなど)や前述のバックライトでキャラクター表示機能を満載するなど多種多様な機種が誕生したが、現在では長寿モデルであるDW-5600EとDW-6900Bにとどまる。

The G[編集]

標準電波受信機能や太陽電池を内蔵したモデル。上記のORIGINやStandardの一部も含まれる。MR-G、MT-GにはG-SHOCKでは異色のリューズ仕様も存在していた。
  • MR-G
最上級とされるシリーズで、耐衝撃構造をもつフルメタルのケースに、人工サファイアガラスやダイヤモンドライクカーボン (DLC) による超硬質コーティングを施したチタン外装など、高級腕時計の技術を集約。8000/8100シリーズは実売価格が20万円以上であり、G-SHOCKの中で最高額である。後述の限定品は、税込み価格50万円を超える。
  • MT-G
アナログもしくはコンビネーションのモデル。樹脂をメインにステンレスパーツを被せた、ハイブリッド衝撃吸収構造を採用している。
  • GIEZ
アナログムーブメントを搭載した、落ち着いた大人の雰囲気を持ったモデルとされる。ステンレスケースに樹脂のプロテクターを被せた衝撃吸収構造とスクリューバックを採用している。

Master of G[編集]

「FROGMAN」「MUDMAN」「GULFMAN」「RISEMAN」は、G-SHOCKの中でもさらに過酷な状況に耐え得るタフな機能を強化したモデルとして、Master of Gというシリーズ名が付けられた。

  • FROGMAN (フロッグマン)
ISO規格準拠200m潜水用防水性能を持った、ダイバーズモデル。左右非対称のデザインで、横に向けるとその名の通りの顔のように見えるのが特徴(フロッグマンは本来潜水士のこと)。4代目のGW-200は初代モデル(品番はDW-6300)の復刻版で、太陽光発電のみに対応している。2010年発売の5代目であるGWF-1000系(2代目の復刻モデル)で、FROGMAN初の電波受信(MULTI BAND 6)に対応した。日本国外の一部の国でFROGMANが商標登録されているため、DW-9900系の品番で登場した3代目のモデルは、SEAMAN(シーマン:品番はDW-9950WC)として販売されていた。
  • MUDMAN (マッドマン)
防塵性、防泥性を特に強化されたモデル。2007年07月発売のGW-9000-1JFよりMULTI BAND 5(前述)に対応。GW-9000、G-9010はTOUGH SOLAR仕様で、現行モデルのGW-9010-1JFより、MULTI BAND 6(前述)に対応している。1995年に登場した初代モデル(DW-8400)の時代には、アナログ仕様も存在した(アナログマッドマン、1997年登場。品番はAW-570で、後にマイナーチェンジでGAUSSMAN(ガウスマン:品番はAW-571、耐磁仕様のアナログ)へと名称変更)。また、G-5500やGW-5500のオリジナルであるDW-5500(世界初の防塵・防泥仕様モデル)は、先祖にあたる。
  • GULFMAN (ガルフマン)
海での使用を想定して防水性・防錆性を強化したモデル。外気に触れる金属部分及びボタンシャフトは全てチタン素材を使用し、腐食によるダメージを軽減する仕様になっている。
2モデルあり、GW-9100は電波ソーラー対応モデルで、電波時計はMULTI BAND 5(前述)に対応している。G-9100は電波ソーラー非対応だが、ムーンデータ(月齢・月の形表示)、タイドグラフといった、海での使用に必要な機能を備えたモデルとなっている。初代モデル(品番はDW-9300)は、G-SHOCK初のTOUGH SOLAR(太陽光発電)対応モデルである。また、FISHERMAN(フィッシャーマン:品番はDW-8600の初代防水・防錆モデル)は、先祖にあたる。
  • RISEMAN (ライズマン)
圧力センサーと温度センサーが搭載された、ツインセンサーモデル。登山に特化している。同社が発売しているPROTREKシリーズとは違い、方位センサーは搭載されていない。現行モデルは、MULTI BAND 6(前述)に対応している。
なお、海での使用に耐えられるが、防水機能は従来モデル同様、20気圧までとなっている。また、G-SHOCK初の圧力センサー・温度センサー搭載モデルであるSKY FORCE(スカイフォース:品番はDW-6500)とその2代目であるSKY FORCE 2nd(スカイフォースセカンド:品番はDW-6700)は先祖にあたる。
  • RANGEMAN (レンジマン)2013年9月発売。

Cockpit Series[編集]

計類盤をイメージしたデザインが特徴で、デジタル・アナログコンビネーションモデルがメイン。Sky Cockpitシリーズでは、耐遠心力を強化している。

BABY-G[編集]

特に女性を意識したファッション性を重視したモデル。「ベイビーG」や「ベビーG」と呼ばれる。BABY-Gが登場する以前は通称ジュニアGの名で、DW-5600系(ORIGINの角型モデルの小型仕様。ライト機能は無く10気圧防水であった。)が販売されていた。ジュニアG同様に10気圧防水とG-SHOCKシリーズと同じく20気圧もラインナップされ耐衝撃も確保されている。完全なるアナログ仕様(リューズ調整式)がG-SHOCKよりも多くラインナップされている。デジタルウォッチの場合はイルカ等のアニメーション表示機能を有する機種もある。

限定品[編集]

1994年には、日本で開催された「国際イルカ・クジラ会議」をきっかけに、イルカとクジラの研究・保護目的として「イルカ・クジラモデル」(通称:イルクジ)や他にも「ラバーズコレクション」(通称:ラバコレ)として、冬季限定で天使と悪魔を象ったペアの G-SHOCK を発売。天使と悪魔をベルト等にプリントするだけでなく通常仕様を変えることのない内臓モジュールにも変更を加えておりELバックライト発光時にそうしたキャラクターが浮かび上がる機種もある。以降限定品には通常と違うバックライト表示を搭載することが多くなる。翌1995年には、日本で大ブームとなり、発売前には店舗でも行列が並ぶほどであった。イルクジモデルはBABY-Gにも数多く存在する。また、復刻モデルも多く存在し、最近再びその傾向が強くなってきている。代表的な物には、G-SHOCK誕生当時の初代5000系モデルを内部のモジュール以外全てにおいて完全復刻したモデル(DW-1983-1:1983本の限定生産仕様で、シリアルナンバーを刻印し尚且つ、ローズウッドのスペシャルケースに入れられ販売された。DW-5000-1JR,DW-5025-1JF:G-SHOCK発売前に開発陣が持っていたプロトタイプを復刻させて販売された。)等があり、現在も毎年、新型モデルを企画・限定発売をしている。

Xtreme『エクストリーム』(G-LIDE『ジーライド』の祖先に当たるモデル)や The Gでは、20周年及び25周年記念限定(ベーシックモデルと共通のカラー)、Triple Crown(トリプルクラウン:ハワイで開催されている世界のトッププロによるサーフィンの国際コンテスト)限定モデルなどがある。

MR-G限定品[編集]

いずれのモデルも税込み定価が50万円を超え、CASIO製腕時計としては破格である。

MRG-8000G-1AJF
2008年2月29日発売。G-SHOCK発売25周年記念モデルで、限定200個。MRG-8000B(27万円)をベースに18K素材などを使用。52万5,000円。
MRG-8000RG-1AJF
同年4月、カシオ6年ぶりのバーゼル・ワールド(バーゼル・フェア)出展記念モデル。限定100個。25周年記念モデルMRG-8000Gの都市コードリングを18Kピンクゴールドに変更。52万5,000円。このモデル以降、毎年バーゼル・ワールド記念モデルを発表する事となる。
MRG-8100G-1AJR
2009年のバーゼルフェアに出展された、特別仕様品で全世界100個限定品。MRG-8100B(30万円)をベースに都市コードリングに18Kピンクゴールド素材を使用、赤漆風カラーリングを施した、木製のスペシャルパッケージに納められた。57万,7500円。
MRG-8100R-1AJR
2010年のバーゼルフェアに出展された特別仕様品で、全世界50個限定品。細部のジュラルミン製パーツのカラーリングに、日本の伝統色である深緋(こきひ)を採用。都市コードリングに、京セラ製の再結晶ルビー4.85カラットを使用。G-SHOCKシリーズとしては初の宝石使用となる。57万7,500円。
MRG-8100JP-1AJR
2011年のバーゼルフェアに出展された特別仕様品で、全世界50個限定品。日本の伝統色である朱色の漆が文字板周囲の都市コードリングに用いられている。サイドボタンには再結晶ルビーが填め込まれている。57万7,500円。
MRG-8101JP
2012年のバーゼルフェアに出展された特別仕様品で、2012年8月発売予定の全世界50個限定品。黒を基調としており、都市コードリングに黒漆と蒔絵が施されている。63万円[10]

G-SHOCK 25th アニバーサリー[編集]

G-SHOCK 25th アニバーサリー 「マスターブルー」[編集]

  • GW-9025A-1JF(MUDMAN)
  • GW-925A-1JF(ガルフマン)
  • GW-225C-1JF(フロッグマン)

G-SHOCK 25th アニバーサリー「ドーンブラック」[編集]

脚注[編集]

  1. ^ G-SHOCK公式サイト/コンセプト
  2. ^ 『mono』1996-1/15(ワールドフォトプレス社)
  3. ^ 福野礼一郎『福野礼一郎スーパーカーファイル』双葉社、2008年
  4. ^ Erg Design News G-SHOCK記事 2008年12月2日より。
  5. ^ 間もなく発売25周年 進化を続けるG-SHOCKの最新モデル - 日経BPセカンドステージ
  6. ^ 商標出願・登録情報 (一覧画面)
  7. ^ 映画「スピード」で、キアヌ・リーブス演じるSWATのトラヴェン巡査が嵌めていたため、このニックネームがある。キアヌの私物だったとのこと。
  8. ^ オリジナルは世界初のマッドレジストを搭載モデルで、当時は通常モデルでありながら、約2,000本程しか生産されなかったため、今ではG-SHOCK至上最高のプレミアムモデルとなっている。
  9. ^ 世界的ミュージシャンスティングが、ライブなどで着用していたことから、その名を捩った通称で呼ばれるようになり、それが世界的に定着した。
  10. ^ BASELWORLD 2012 - カシオ、"和"の高級感を伝えるG-SHOCK「MR-G」特別仕様 | 家電 | マイナビニュース(2012年3月10日付)

関連製品[編集]

外部リンク[編集]